2024 11,22 22:46 |
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2012 12,25 09:00 |
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論説副委員長・西田令一 シェール革命の戦略的意味 今年の10大ニュースが紙面を飾る時分だ。個人的に最も「重大」とみたニュースを挙げれば、米国が2020年までに世界最大の産油国になるとの国際エネルギー機関(IEA)の予測である。 IEAの「世界エネルギー展望」は、米国が20年までに天然ガスの純輸出国、35年までにはエネルギー完全自給国になるとも見通している。地中深いシェール(頁岩(けつがん))層から採掘できるようになったシェールガス・オイルさまさまである。 となると、エネルギーが安価になって、化学、鉄鋼、アルミ、ガラスなどを中心に米製造業は競争力を取り戻し、日本もアジアだけを気にするわけにはいかなくなる。 事は経済に止(とど)まらない。 「エネルギー自給」は歴代米大統領の悲願だった。ブッシュ前大統領は06年の一般教書演説で、「米国は石油中毒だ」とし、不安定な中東産油への依存を過去のものに、と訴えた。背景は説明を要する。 国際テロ組織アルカーイダの当時の指導者、故ビンラーディン容疑者は、サウジアラビアが奉じるイスラム教ワッハーブ派の鬼っ子で、過激派の温床、パキスタンのイスラム神学校にはサウジ資金が流れる。大産油国ゆえに米国が庇護(ひご)する「親米サウジ」の裏面に、テロと戦うブッシュ政権は苛立(いらだ)っていた。 米国が、エネルギー自給の達成に伴い、そうした中東との腐れ縁を清算し関係を健全化できれば、外交・安全保障上、いいことだ。 半面、米国が「油」で用済みになった中東への関与と海上交通路から手を引き、中東産油頼みを強める中国が「油送ルート」の確保に乗り出せば、まさに悪夢である。むろん、米国の中東関与は、「油」を要因の一つにしているだけで、大変わりはしまいという見方も強い。
水晶玉を持たない身には遠い将来は占い難い。安倍晋三次期政権には卑近なところで、「シェール革命」もにらんで、取りあえず原発の再稼働を、と要望しておこう。 上記記事の論説は、下記リンクから論説しています。 ドル紙幣勢力分布を塗り替えるのは産油国 - 2012/12/24/ 18:00PR |
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