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2012 12,19 14:00 |
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安倍政権誕生で買える株、買えない株 経済ジャーナリスト・西野武彦
自民党が政権を奪回したことにより、自民党が選挙公約に掲げたテーマに関連する業種・銘柄が自民党関連株として、人気を集める可能性が一段と高まっています。以前にも少し取り上げたことがありますが、自民党政権が誕生することが決まった今、さらに詳しく点検してみましょう。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
近く誕生する安倍政権は、日銀法を改正してでも、日銀に積極的な量的緩和を求めています。日銀は今後、量的緩和を一段と進めざるをえなくなりそうです。 そうなれば、自民党関連銘柄として買われる銘柄群の1つに、金利敏感株があります。金利低下によってメリットを受ける業種に関連する銘柄で、借金を多く抱えている不動産株や商社株、電鉄株、電力・ガス株、建設株、金融株(銀行・ノンバンク)などがこれに該当します。 また、自民党が計画している10年間で200兆円の公共投資が実施されるようになれば、建設・土木・橋梁などの公共投資関連株が人気を集める可能性が大きくなります。そして、これがおそらく自民党銘柄の本命になることでしょう。国土強靱(きょうじん)化という名目の元に、堤防の整備、ビルや住宅、橋などの耐震性の強化などが進められると考えられます。 では、防災・減災関連株にはどんな銘柄があるのでしょうか。建設・土木、橋梁、セメント、建設機械、鉄骨などが該当します。耐震・補強工事では鹿島、奥村組、大成建設、前田建設工業、東鉄工業など、地盤改良工事では、ライト工業、東亜建設工業など、免震部ゴムでは東洋ゴム工業、ブリヂストン、住友ゴム工業などがあります。 橋梁なら横河ブリッジホールディングス、日本橋梁など、鉄骨・耐震材なら新日鉄住金、JFEホールディングスなど、セメントなら太平洋セメント、住友大阪セメント、宇部興産など、建設機械ならコマツ、日立建機、酒井重工業、住友重機械工業などがあります。 このほか、建設・土木で実績のある大成建設、清水建設、大林組、五洋建設、戸田建設など、道路工事で実績のあるNIPPO、前田道路、日本道路なども、公共投資関連株として注目されます。 自民党の選挙公約では「原発再稼働」について、「すべての原発について3年以内の結論を目指す。遅くとも10年以内に『電源構成のベストミックス』を目指す」と、あいまいな表現にとどめています。それでも「当面の最大の課題として3年間、再生エネルギーの最大限の導入、省エネの最大限の推進を図る」「風力、水力、太陽光などの再生エネルギーの供給を引き上げる」としているため、新エネルギー関連株は今後も買われる可能性があります。 同関連株には、太陽光発電の昭和シェル石油、トクヤマ、京セラなど、風力発電のNTN、日本ガイシ、日本風力開発などがあります。 原発についての結論は先送りしており、今後どうなるか不透明です。しかし、民主党政権より原発の再稼働には前向きで、「安全性が確認できた原発から再稼働させる」という声も自民党内部から出ています。 再稼働される原発が増えれば、原子力関連株の人気も復活する可能性が出てきます。原子力発電関連株には、電力各社のほか、東芝、日立製作所、三菱重工業、東京エネシス、木村化工機などがあります。 意外なところでは、憲法を改正し、軍事力の強化を狙う安倍政権の誕生によって、防衛産業にも光が当てられる可能性も出てきそうです。防衛産業関連株には、三菱重工、川崎重工業、三菱電機、NEC、IHI、東芝、日立造船、住友重機械工業、日産自動車、富士重工業などがあります。 一方、自民党政権誕生で「売られやすくなるのではないか」との見方が浮上しているのが中国関連株です。安倍総裁は、タカ派色が強く、中国に対して、民主党政権より強腰の外交を進める可能性があり、中国との間で、「これまで以上に深刻な対立が深まる」との声も出ています。中国国民の間で反日デモが多発したり、日本製品の不買運動が起きたりするかもしれません。 ちなみに2012年9月、尖閣諸島の国有化をキッカケに中国全土で広がった反日デモ、あるいは日本製品の不買運動によって、中国と深い関係にある日本企業の株式(いわゆる中国関連株)が売られ、かなり値下がりしたことがありました。 中国関連株には、中国に生産拠点を移し、中国での生産比率の高い会社、中国での売上比率の高い会社などが該当します。 その代表は建設機械のコマツや日立建機、鉄鋼のJFEホールディングス、新日鉄住金、海運株の商船三井、川崎汽船、工作機械のファナック、自動車の日産自動車、トヨタ自動車、消費関連ではイオン、セブン&アイホールデイングス、ファーストリテイリング、ユニチャーム、資生堂などがあります。 安倍政権誕生を先取りする形で日経平均は上昇していますが、個別銘柄を見ると、安心して買える株と、そうでない株とがあることがわかります。それが本当に安心して買える株なのか、買えない株なのかは、今後の安倍政権の政策次第ということになるのです。
<筆者プロフィル> 1942年愛媛県生まれ。中央大学法学部を卒業後、株式専門誌などの編集・記者を経て、87年に経済ジャーナリスト・経済評論家として独立。証券、金融、不動産から経済一般まで幅広い分野で活躍中。的確な読みとわかりやすい解説に定評があり、著書は90冊を超えている。「もっともやさしい株式投資」「『相場に勝つ』株の格言」「相場道 小説・本間宗久」(日本経済新聞出版社)などがある。 ◆日銀法を改正してでも、日銀に積極的な量的緩和 ⇒ ・自民党関連銘柄として買われる銘柄群の1つに、金利敏感株があります。金利低下によってメリットを受ける業種に関連する銘柄で、借金を多く抱えている不動産株や商社株、電鉄株、電力・ガス株、建設株、金融株(銀行・ノンバンク)など ◆10年間で200兆円の公共投資が実施される ⇒ 国土強靱化」 ・建設・土木・橋梁などの公共投資関連株が人気(堤防の整備、ビルや住宅、橋などの耐震性の強化) ・防災・減災関連株にはどんな銘柄があるのでしょうか。建設・土木、橋梁、セメント、建設機械、鉄骨などが該当します。耐震・補強工事では鹿島、奥村組、大成建設、前田建設工業、東鉄工業など、地盤改良工事では、ライト工業、東亜建設工業など、免震部ゴムでは東洋ゴム工業、ブリヂストン、住友ゴム工業など ・橋梁なら横河ブリッジホールディングス、日本橋梁など、鉄骨・耐震材なら新日鉄住金、JFEホールディングスなど、セメントなら太平洋セメント、住友大阪セメント、宇部興産など、建設機械ならコマツ、日立建機、酒井重工業、住友重機械工業などがあります。 ・このほか、建設・土木で実績のある大成建設、清水建設、大林組、五洋建設、戸田建設など、道路工事で実績のあるNIPPO、前田道路、日本道路なども、公共投資関連株 ◆「原発再稼働」⇒『電源構成のベストミックス』⇒ 再生エネルギーの最大限の導入、省エネの最大限の推進を図る」「風力、水力、太陽光などの再生エネルギーの供給を引き上げる」新エネルギー関連株は今後も買われる可能性 ・太陽光発電の昭和シェル石油、トクヤマ、京セラなど、風力発電のNTN、日本ガイシ、日本風力開発など ・原発再稼働で、電力各社のほか、東芝、日立製作所、三菱重工業、東京エネシス、木村化工機など ◆防衛産業 ・三菱重工、川崎重工業、三菱電機、NEC、IHI、東芝、日立造船、住友重機械工業、日産自動車、富士重工業など ◆自民党政権誕生で「売られやすくなるのではないか」との見方が浮上しているのが中国関連株
・中国関連株には、中国に生産拠点を移し、中国での生産比率の高い会社、中国での売上比率の高い会社などが該当します。 PR |
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