【日本株週間展望】日銀期待し堅調、脱皮の巳年へ助走続く
Bloomberg NEWS　2012/12/14 15:56 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MF01ED0YHQ0X01.html

　12月３週（17－21日）の日本株は、衆院選通過後も日本銀行のデフレ脱却、円高是正策への期待が続き、堅調に推移しそうだ。自民党政権の誕生を予想し、円安とともに進んだこの１カ月の株高で過熱感も出ているが、政治やマネーの潮流変化で先高観は強く、弱気の虫が騒ぐ投資家らも相場から降りづらい。

「日経平均株価 9500円での調整が常識的なコンセンサスだったが、予期せぬことが起こるのが相場」と話すのは、東海東京調査センターの中井裕幸専務だ。11月中旬以降、海外投資家を中心に日本へもう一度目を向ける期待の覚醒が起き、マネーが動きだしているという。「まだ何も実現していないが、300議席の報道がなされる中、すでに始めていた『安倍トレード』が確信に変わってきた」と見ている。

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[1回]

第２週の日経平均は、週間で2.2％高の9737円56銭と５週続伸。前半は、為替動向に影響を与える可能性があった米国の連邦公開市場委員会（ＦＯＭＣ）の結果待ち、騰落レシオ など相場過熱を示すテクニカル指標を受けこう着したが、後半はＦＯＭＣ後に円高が進まなかったほか、株価指数先物・オプションの特別清算値（ＳＱ）算出に絡む需給要因も加わり、４月上旬来の高値水準まで上げた。

共同通信が11、12両日に行った電話世論調査によると、自民党への有権者の支持は１週間前から勢いを増し、友党の公明党と合わせ300議席を超す可能性が高いという。民主党は公示前の230議席から60議席台まで後退しかねない厳しい状況で、第３極の日本維新の会は50議席弱と伸び悩んでいる。衆院の過半数は241議席、17の常任委員会の委員長、委員の過半数を確保できる絶対安定多数は269議席だ。

                              閣僚、連立行方で実行力探る

メリルリンチ日本証券の株式ストラテジスト、神山直樹氏は「新政権がインフレ・ターゲットを導入するとともに、大幅な財政政策拡大を行い、金融市場と経営者の将来への自信を強めさせると期待できる」と指摘。ただ、強いリーダーシップには多くの議席獲得が必要で、「実行のための大臣の選択結果を連立の影響を含めて注視する」としている。

第３週は注目された選挙材料の一巡、海外勢 も徐々にクリスマス休暇入りするため、一時的な売り圧力にさらされる可能性はある。ただし、年明け以降は国内で新たな政治体制が始動、海外では米国の減税失効と歳出削減が重なる「財政の崖」問題の一応の着地が見られそうで、先高期待の強さから相場の下げは限定される公算が大きい。

国内面で下支え要因の１つとなるのが、日本銀行の追加金融緩和策への期待だ。米連邦準備制度理事会（ＦＲＢ）は12日のＦＯＭＣで、資産購入プログラムを拡大、来年１月から米国債を毎月450億ドル購入する方針を決めた。また、失業率が6.5％を超え、向こう１－２年のインフレ率が2.5％以下にとどまると予想される限り、事実上のゼロ金利 政策維持の方針も表明。量的緩和第４弾（ＱＥ４）を発動した米国に追随する日銀の一手の有無が、次の焦点となっている。

                                                  円安余地

野田佳彦首相の衆院解散宣言が飛び出した11月14日以降の円安の勢いが一服し、米国が追加緩和を行った場合のトレンド反転が警戒されていたが、ＦＯＭＣ後のドル・円相場は９カ月ぶりの円安水準となる１ドル＝84円に迫り、新政権、日銀への期待感の強さをうかがわせた。

ＵＢＳ証券エコノミストの会田卓司氏は、19－20日に開かれる金融政策決定会合で日銀が追加緩和に踏み切り、資産買入等基金の総額は91兆円程度から97兆円程度に上積みされると予想。仮に金融緩和を見送れば、「ドル・円は再び70円台に向かってしまう可能性がある。その場合、新政権発足直後から日銀法改正の議論が強くなってしまう」とし、政治圧力をかわす意味合いからも日銀が動くと読む。このほか日銀は、当座預金口座を持つ金融機関を対象に、金利0.1％で最長４年まで無制限に貸し付ける新制度の詳細も公表予定だ。

米商品先物取引委員会（ＣＦＴＣ）によると、国際通貨市場での円の売り越しは４日時点で９万326枚 と2007年７月以来、５年超ぶりの高水準。歴史的な動きに一段の増加を警戒する声も出てきたが、当時は売り越しが最大で18万8000枚まで膨らむ局面があった。

                                    「巳年」は金融政策の転換点

来年のえとは巳年で、兜町で古くから伝わる格言では「辰巳天井」に当たる。辰年のことしは１－３月に上昇し、３月27日に年初来高値の１万255円を付けたが、その後11月中旬まで8000円台前半から9000円台前半で低迷。ようやく師走にかけ上昇基調を強めてきた。

戦後の巳年の日経平均騰落率は、平均でプラス4.7％と十二支中で９位とさえず、過去５回は53年が4.2％高、65年が17％高、77年が2.5％安、89年が29％高、01年は24％安。デフレ、円高で経済が疲弊した現在、高度成長期やバブル期との単純な比較はしづらいが、金融政策の転換点となる年が多かったという特徴は時流に合致する。バブル退治に乗り出した日銀は、89年に公定歩合を立て続けに引き上げ、ＩＴバブル崩壊後の不況を受けた01年は量的緩和政策を初めて導入した。

米国の国家情報会議（ＮＩＣ）は10日、2030年までの世界情勢を見通す報告書を公表。中国が世界最大の経済大国になり、米国の世界的優位性は終えんを迎えると予想した。日本は、急速な高齢化に伴う労働人口の減少が経済の長期的成長余力を削いでいるとしており、パラダイムシフトが起こりつつある中、日本も針路決定の必要に迫られている。

東海東京調査の中井氏は、古くは暗黒の木曜日と呼ばれた米国株暴落（1929年）、スターリン・ショック（53年）、証券不況（65年）、米同時多発テロ（2001年）など「過去の巳年相場を見ると、悪いことが続いている」と指摘。一方で、1905年の日本海海戦勝利、17年のロシア革命、89年のベルリンの壁崩壊などを挙げつつ、「歴史的変化点にもなっている。蛇は何度でも脱皮し、再生のシンボルだ」と述べた。
記事：東京 院去信太郎
記事：大久保義人
記事：Nick Gentle
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ここで考えておかなければならない事はまず、
12月19～20日の「日銀金融政策決定会合」による材料出尽くしになるリスク･･･
これには警戒する必要があるかと･････

それと、12月19日（水）の「11月貿易統計（朝:08：50）」。
この統計は、マイナス１兆円超えが予想されているんです。

前回が「-5490億円」で、今回予想が「-1兆394億円」、
約２倍近いマイナス予想なんですよねぇ～･････
何か想像しただけでゾッ！っとする数字です。

当然、この数字でイッキに相場が冷やされる可能性があるんですよねぇ～･････
しかも現在の「株高」「円安」は、単なる『期待感から』だけでしょ♪

それに「財政の崖」というよりは、
外資の毎年恒例、クリスマス準備での持ち高縮小です。
クリスマス休暇に向けて、利益確保優先でリスク･ヘッジに向かう
恒例行事があります。

上記懸案事項 ＋『騰落レシオ』を考えると、
12月17日（月）～18日（火）辺りが一旦の『天井』と考えるのが
普通だと思うのですがねぇ～･･･（またもやドラマ「相棒」の杉下右京 風に）