2024 11,23 09:22 |
|
2012 12,05 11:30 |
|
今年の年末は「宵越しのポジション」は持たない=外為どっとコム総研 日本の総選挙に加え、米国の財政の崖問題と、今年の為替相場は、年末に入っても依然として波乱含みの動きになっている。当面の主要通貨の展望について、外為どっとコム総研調査部研究員のジェルベズ久美子氏に聞いた。 ――12月に行われる日本の衆議院選挙において、日銀の金融政策が議論され、ここ数週間は円が下落していますが、当面の円の考え方は? 11月14日に国会の党首討論で野田総理が解散すると言って以降、市場では次の政権は自民党になるだろう、さらに、自民党の安倍晋三総裁が首相になれば、日銀に対して一段の金融緩和を行うよう圧力をかけるに違いないという期待感が高まりました。その期待感が11月の円安を大きく推し進める形となりました。 ただ、11月22日に1ドル=82円83銭の高値を付けた後は、ドル/円は上値が重い状態が続いています。期待感だけを頼りにした円の下落は、それほど長くは続きません。徐々に安倍氏の発言に対する反応が鈍くなってきていますので、今後もよほど踏み込んだ発言が出ない限りは、当面の上値は重いと見ています。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
ギリシャには支援が入るメドが立ち、スペインのカタルーニャ独立問題もすぐに決着がつく問題ではありません。ヨーロッパの債務問題を大きく左右するような大きな動きは年末年始には基本的に出てきそうにありません。つまりユーロは主体的に動きにくい状態にあると考えられます。 この、通貨がそれぞれの材料によって主体的に動いていないというのは、最近の為替相場全般的に見られる特徴です。アメリカの景気、財政の崖問題、ヨーロッパの財務問題などが入り組んでしまっているので、単純にリスク許容度の拡大・縮小をみて、主要国株価に連れて動きやすくなっているようです。もちろん、日本の政治問題で単独で円が売られる場面はあるのですが、それ以外では、ほとんど株価に連れて動いています。 ――年末までは、このような状況が続くのですか? 米国の財政の崖問題が年内に与野党で合意できれば、株価が上がって、ドルと円が他の通貨に対して売られるという展開が考えられます。ドル/円については米長期金利が上昇するため、ドル高方向に振れるものと考えられます。 ただ、米国議会がねじれている中で合意は簡単ではありません。合意に漕ぎつけられない、という観測が拡がればリスクオフムードが拡がって株安となり、ドルや円が他の通貨に対して買われると考えられます。ドル/円ではドル売りが優勢となりそうです。ちなみに、合意できずに、年末で減税措置の効果が切れても、年初から突然景気の腰が折れるわけではなく、影響が出てくるまでタイムラグがあるので、合意ができない場合でもすぐに危機状態に陥るわけではありません。ブッシュ減税終了の後には、2月半ばには連邦債務が債務上限に達するため、年明けには再び引き上げについての与野党協議が行われる見通しです。その際にまとめて交渉の材料になる可能性がります。つまり、年内に合意できなかった場合は連邦債務上限の引き上げ交渉のリミットまで妥結が先送りされる可能性があります。 ドル/円については、日本の政局に引き続き注目です。個人的には、日本の衆議院選挙後は、円高・ドル安に転換する可能性が高いと思っています。 ――日本の選挙と、米国の財政の崖問題について、整理してください。 まず、日本の選挙については、自民党が勝っても、安倍自民党総裁が言うほど簡単に、大胆な金融緩和はできないでしょう。そういう見方が広がれば、事前の期待感の反動で、円高圧力が掛かりやすくなります。もちろん、自民党が負ければ、ストレートに円高になるでしょう。民主党の方が一段の金融緩和を掛けるよう、日銀に働きかける圧力が弱いと見られているからです。つまり、安倍政権が誕生したとしても、これまでの発言よりもかなり強い金融緩和姿勢を打ち出し、市場を信用させない限り、どのような選挙結果になったとしても、円買い優勢になると考えています。 そして、財政の崖の問題は、年内に解決できなければ、株安となってユーロ/円、ユーロ/ドルは下落。米国では長期金利が低下し、ドル/円を押し下げる方向に働くでしょう。反対に年内合意ができた場合は、ユーロ/円、ユーロ/ドルが上がって、ドル/円も値上がりすると思います。 年末相場は、売買量が薄くなる中で材料がいろいろとあるので、大きく価格が動きやすいと思います。その都度、変化に対応しながら、短い期間で動いていった方が、うまくいく相場展開になると思います。予断を持って、ポジションを作ってしまうとうまくいかないのではないでしょうか。それほど、大きな材料が入り組んでいます。ここでは、宵越しのポジションは持たないほうが良いと思います。 ――中国で政権が変わり、中国との関係が深い豪ドルの見通しは? 中国の新指導部の金融政策についてのスタンスは現在のところ見えにくい状態です。ただ、同国指導部が金融緩和への積極姿勢を打ち出してくるようなら、豪ドルにプラスになります。 たとえば、年末に向けて、中国の経済指標に弱いものが目立つようなら、中国の金融緩和観測が台頭してくると考えられます。そうなった場合は豪ドル/円を押し上げる材料になります。 また、米国の崖問題が合意に達すれば、リスクオンムードが拡がり、豪ドルにはやはり追い風になると思います。 ――その他、気になる通貨は? 英ポンドは、ここ数カ月で値上がりしましたが、ここから値下がりの可能性があります。英国は資産購入という金融緩和政策が、既に購入可能額上限に達している状態です。 ただ、11月の金融政策委員会の議事録で、資産購入枠の拡大に賛成した委員が9人中1人いました。その前は、全員一致で資産購入枠は据え置きでした。そこで、12月の理事会がポイントになっています。金融政策に変更がなくても、議事録で資産購入枠拡大賛成派の委員が増えているかどうかがポイントとなります。
資産購入枠拡大に賛成する委員が2人、3人に増えると、ポンド売り要因になります。ポンドは、金融政策が9人の委員の投票結果が分かりやすく明らかになるので、金融政策委員会の内容が為替にダイレクトに伝わります。英国の材料は、日本時間で仕事が終わった後に出てきますので、個人投資家が取り組みやすい通貨だと思いますので、ロンドン発の情報に注目しながらポンドの動きに注目してみてください。(編集担当:徳永浩)
12月の「高島暦」の「株式市場大観」にも、 PR |
|
コメント |
コメント投稿 |
|
忍者ブログ [PR] |