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2012 08,04 13:00 |
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【日本株週間展望】もみ合い、業績と円高の夏警戒-政策余力下支え 8月2週(6-10日)の日本株は、日経平均株価が8000円台半ばでもみ合う展開となりそうだ。発表が続く国内企業の決算は通期下方修正含みの内容で、円高が進みやすい8月の季節性もあり、市場参加者の先行き警戒感は強い。一方、期待と失望を繰り返す各国政策には発動余地が残り、相場を下支えする。 クレディ・スイス証券株式調査部の大西勝ディレクターは、「当面はボックス推移を想定。政策対応とあまり良くない企業業績との兼ね合いの中で、相場が上に行く材料は見当たらない」と話している。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
みずほ証券リサーチ&コンサルティングのまとめによると、7月末時点で東証1部の3月決算銘柄、全産業ベース1282社のうち552社が第1四半期業績を開示し、通期の経常利益予想は前期比14.2%増から13.1%増に下振れた。内訳は製造業の34.5%増に対し、非製造業は2.5%減。電機や輸送用機器を中心とした製造業の改善が大きく寄与しているが、進ちょく率では非製造業の27.2%に対し、製造業は18.9%にとどまり、先行き不安が醸成されている。 第1週の日経平均は前週末に比べ0.1%安の8555円11銭と、小幅ながら4週続落。欧州中央銀行(ECB)が南欧国債の買い入れ再開などユーロ圏の債務問題、金融システム安定化に向け具体的な政策を発動するとの期待で週初から堅調に推移していたが、ECBへの失望と国内電機セクターへの収益懸念が重なった3日に値を崩した。 2日のECB政策委員会は、政策金利を現状の0.75%で維持。会見したドラギ総裁は、危険域とされる7%を往来するスペイン国債利回りなどを念頭に、「リスクプレミアム(上乗せ利回り)を容認できない。根本的に対処することが必要」と強調。国債購入の実施に向け作業中であることを明らかにしたが、世界最大の債券ファンドを運用する米PIMCOのビル・グロース氏は「何らかの具体的な取り組みが示されると期待していた」だけに、投資家は失望したと言う。 円高の8月 週末の株安は欧州政策への失望に加え、シャープやソニーという国内の大手家電メーカーがそろって今3月期の業績見通しを下方修正したことも要因だ。シャープは、液晶テレビの不振を受けて行う5000人規模の人員削減費用の負担などが響く。第1週は、週半ばにコマツや住友重機械工業など中国関連銘柄も業績下方修正を材料に急落した。中国向け建設機械の低調などが背景で、欧州や中国、加えて米国といった海外景気の減速感が輸出企業の収益に暗雲をもたらしている。 過去10年の日経平均の月別騰落を見ると、8月は4勝6敗で、3勝7敗の9月には及ばないが、10、11月と並び低調。特に昨年は欧米の債務問題や円高、一昨年も世界景気や為替が懸念され、月間でそれぞれ8.9%安、7.5%安と急落した。 「8月相場の特徴の1つとして、為替市場で円高となる確率が高いことが挙げられる」と言うのは大和証券のチーフテクニカルアナリスト、木野内栄治氏だ。ユーロ導入の1999年から昨年までの13年間で、対ドルで円安となったのが2回、対ユーロでは1回しかなく、確たる要因はないが、長期的に円高が続く中で「取引が閑散となりやすい8月に仕掛け的な円高が出やすいのが一因」と同氏は見ている。 8800円と8295円 海外景気動向と円高リスクは、企業収益への信頼が揺らぐ今夏の日本株にとっても懸念材料だ。ただ日経平均は、スペインの財政・金融問題への不安から昨年までの2年間は高かった7月に3.5%安と、世界の主要94指数の中でキプロスや中国、スペインに続くワースト10カ国の仲間入り。先行して下げた分、下値も限られる可能性がある。 クレディSの大西氏は、「日経平均で9000円を抜けるのは難しく、とはいえ8000円を割れる状況でもなく、そうした投資家心理は現在の出来高低迷に表れている」と指摘した。市場でボックス相場が意識されやすい状況はチャート分析からも示され、SMBC日興証券のテクニカルアナリスト、小柴俊一郎氏は上方では「8800円どころを上抜くかが注目」とし、下方では6月4日安値の8295円の存在を挙げる。 現在は、7月4日の高値9104円で跳ね返された後、7月25日に付けた安値8365円から反転している局面。すでに昨年11月25日の安値8160円に対し、二番底を付けたとの判断に基づくと、6月26日安値から7月4日高値までの上げ分を7月25日安値に当てはめた8806円が節目で、これを抜ければ上昇基調が強まると小柴氏は言う。一方、8295円を割り込めば、昨年11月安値が視野に入るとした。 中国CPI、日銀会合 このほか注視される第2週の投資材料は、国内では主要企業の4-6月期決算の発表が続き、6日に東レ、LIXILグループ、HOYA、7日にブリヂストン、住友金属鉱山、ダイキン工業、鹿島、8日にニコン、SMC、9日にディー・エヌ・エー、オリンパス、10日に三越伊勢丹ホールディングス、東京海上ホールディングスがある。 海外では、9日に中国で7月の消費者物価や鉱工業生産など重要統計が発表され、同国経済の実勢確認は日本の輸出関連株の投資判断に影響を及ぼしそうだ。消費者物価は、ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想で前年同月比1.7%上昇と、前月の2.2%上昇から鈍化する見込み。また7日に豪州、8日から9日にかけては日本、9日には韓国とインドネシアで中央銀行の金融政策決定会合が開催予定だ。 日本銀行の金融政策決定会合に関しては、無風を想定する専門家が多く、ゴールドマン・サックス証券のチーフエコノミスト、馬場直彦氏も政策と経済基調判断の現状維持を予想。日銀にとって懸念の政治圧力は、「消費税増税法案が正式に可決された後に再び強くなる可能性が高いが、現状では落ち着いた印象」としている。
記事:東京 院去信太郎 Shintaro Inkyo 「赤字」下線部は結構重要なので覚えておくように♪ PR |
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