7/17 朝の『株価材料』PART Ⅲ

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■株価材料

△住友倉庫<9303>、サウジで物流合弁
住友倉庫はサウジアラビアで現地の大手運送会社との合弁による物流会社を設立、中東地域での物流業務に参入する。住友化学などが計画する世界最大級の石油化学プラントの物流業務を受注し、工場構内での包装、保管や中東域内への輸送を手掛ける。日本の物流会社がサウジに現法を設立するのは初めて。中東エリアへの拠点開設で、国際輸送を拡充する。このほどサウジの大手運送会社、アルマジドゥーイーと合弁契約に調印した。月内をめどに折半出資で「ラービグ　ペトロケミカル　ロジスティクス」を設立する。資本金は200万サウジリヤル（約6500万円）。石化プラントの稼働に合わせ、2008年下期に操業を始める。

△オリックス<8591>不動産、セカンドライフに出店
オリックス子会社のオリックス不動産（東京・港）はインターネット上の仮想空間サービス「セカンドライフ」内に出店する。国内の不動産会社では初めて。実際に販売するマンションの画像を再現するなど販売促進につなげる。オリックスグループ各社も今後、積極的に出店する方針。セカンドライフ内では最大級となる高さ700メートルの大規模複合施設を9月に開設する。施設内に店舗を設け、実際に販売するマンションの室内、共用部分を三次元画像で再現し、眺望を疑似体験できるようにする。
（NIKKEI NET）

△素材創造、触媒にかける・三井化学<4183>――化学を磨く　第１部

△ＳＭＫ<6798>、携帯用スイッチを増産――中国工場に設備増設

△アンリツ<6754>産機、欧州でＸ線異物検出機の販売加速

△ホンダ<7267>のカーナビ用ユニット、「ブルートゥース」対応
アイ・オー・データ機器は、ホンダのカーナビゲーションシステム向けに、短距離無線通信規格「ブルートゥース」機能を加え、車内で無線通信サービスが受けられる車載ユニットを開発した。8月から発売する。カーナビと接続しブルートゥース対応携帯を使うと、カーナビ画面のデータ通信や、車内スピーカーなどを使ったハンズフリー通話が可能になる。開発したのは「インターナビ・ブルートゥース・ユニット」＝写真。従来はブルートゥース搭載型カーナビだけに対応し、携帯と接続するアダプターを取り扱ってきた。新たにブルートゥースに対応していない車種でも簡単にサービスが受けられるようにする。価格は未定。

△田辺製薬<4508>、とろみをつけたコンタクトレンズ使用者向け目薬
田辺製薬は19日、コンタクトレンズ使用者向けの目薬「アスパラ目薬モイストＣＬ」を発売する。とろみをつけてあり、コンタクトレンズに膜を作って目の乾きを抑える。今年度の売り上げ目標は5000万円。3年後には年間で1億5000万円を目指す。涙の成分「塩化ナトリウム」に粘り気を出す「ヒプロメロース」を配合。様々なコンタクト装用者が使える。価格は15ミリリットル入りで819円。
（日経産業新聞）

▼東電<9501>、柏崎刈羽原発から微量の放射性物質含む水が漏えい
東京電力は１６日夜、新潟県の柏崎刈羽原子力発電所６号機から放射性物質を含んだ水漏れが発生したと発表した。漏れた水の量１．５リットルのうち大半が放水口を経由して海に放出された。放射能量は約６×１０の４乗ベクレルと推計され、東電では「ラドン温泉の温水６リットル分で極めて微量」（広報担当者）としている。６号機は地震発生時、定期検査中で運転休止中だった。同社社員が１６日正午過ぎ、６号機の原子炉建屋の３階と中３階の放射性物質を扱っていない非管理区域で水漏れを発見。調べたところ、夕方になって放射能が含まれていることが分かった。同社は、管理区域内の使用済み燃料を保管するプールの水が、地震の揺れによってこぼれたのではないかと見ている。東電によると、放出された水に含まれている放射能量は、法律で禁止されている量の１０億分の１以下にとどまっており、環境への影響はないとしている。放出は現在までに止まっており、６号機の海水モニターに変化はないという。柏崎刈羽原発では、１６日午前１０時１３分に発生した新潟県沖を震源とする地震の直後に、原子炉３基が自動停止。６号機を含めた４基は定期点検などで休止中だった。また、新潟県原子力安全対策課によると、１６日午前１０時過ぎに東京電力<9501.T>の柏崎刈羽原子力発電所の敷地内にある変圧器から出火し、２時間後の正午過ぎに同発電所の職員などが消し止めた。火災が発生した変圧器は近くにある原子炉の建物とは別の場所にあり、この火災で原子炉のある建物等への延焼はなかった。出火は地震による揺れが何らかの影響を及ぼしたと見られるが、東電は「原因は調査中」（広報担当者）としている。
（ロイター）

△夢の街創造委員会<2484>：店舗開拓が苦戦し、第３四半期の終了時点で新規加盟店が計画を大きく下回り、新規加盟料収入が計画未達の見通しとなった。
07年８月期の当期純利益予想は１億5200万円から前期比0.3％減の１億 2000万円に引き下げられた。一方、８月末の株主を対象に１株を３株に株式分割すると発表した。

▼東宝<9602>：14日付の日本経済新聞によると、2007年３－５月期の連結経常利益が前年同期比52％減の40億円程度になったもよう。
前年同期の製作映画「ＬＩＭＩＴ　ＯＦ　ＬＯＶＥ海猿」のヒット反動で、主力の映画事業の興行収入が落ち込んだ。東宝は、17日に同期決算を発表予定。

△島忠<8184>：第３四半期（2006年９月－07年５月期）の経常利益は前年同期比19.2倍増の118億円となった。
通期会社計画133億円に対する進ちょく率は88.4％に達した。また期末配当金を８円から27円に増配した。ニーズにあった品揃えや価格設定などが功を奏し、業績を押し上げた。

▼愛眼<9854>：役員退職慰労引当金の計上に伴い販売管理費と特別損失が増えたほか、第１四半期（４－６月期）の既存店売上高が予想を若干下回ったため、08年３月期の業績予想を下方修正。
連結当期純利益見通しを11億5800 万円から一転して減益となる前期比23％減の８億3000万円に引き下げた。

△日本プロセス<9651>：07年５月期の連結経常利益は、前期比18％増益となった。
ＩＴ関連中心に組み込み系ソフトウエアの需要が順調だった上、プロジェクト監視強化で不採算案件が減少したことも利益に貢献した。人材確保が困難なことなどから、08年５月期経常利益は前期比0.9％減を見込む。
（ブルームバーグ）

△トーヨーアサノ<5271>が今２月期業績を上方修正
トーヨーアサノが１３日午後、今０８年２月期の第１四半期（３～５月）業績発表時に、今期の業績予想を上方修正。連結経常利益を従来予想の２億５０００万円から３億５０００万円（前期比２８％減）に引き上げた。コンクリート二次製品事業が好調で、原価低減なども利益増につながった。同社では、下期も上期に比べ弱含みながら事業は堅調に推移するとしている。

▼Ｖテク<7717>にはゴールドマン証が目標株価を２６万１０００円に引き下げ
ブイ・テクノロジーにはゴールドマン・サックス証券が１３日付リポートで、同社の目標株価を３３万円→２８万円に引き下げた。投資判断は「中立」継続。受注済み案件の売上計上時期が、期初想定から遅れたと分析、４～６月期の売上計画に若干未達となった部分があった可能性があるとしている。注目される直描露光機（ＥＧＩＳ）が仮に受注できればポジティブだが、現状は五分五分の状況という。

△ネクスト<2120>が今期業績予想を修正、純利益を除き増額に
不動産物件サイトを運営するネクストが１３日午前に今０８年３月期の業績予想を修正。連結ベースでは純利益を除いて増額した。大手クライアントとの契約改定を行った結果、売上高、利益ともに当初予想を上回る見通しとなった。併せて１００％出資の子会社を設立し、家賃保証事業に参入すると発表。子会社業績が連結業績に与える影響を踏まえた結果、経常利益は１４億１８００万円から１５億６１００万円（前期は７億１５００万円）に、純利益は８億４１００万円から８億２７００万円（同４億９００万円）とした。

△ワンダーＣｏ<3344>の第１四半期の中間予想進ちょく率は純利益で７８％に
ワンダーコーポレーションは直営店を中心にゲームソフト・音楽ＣＤ販売を手掛ける。１２日に今０８年２月期の第１四半期（３～５月）連結決算を発表し、経常利益５億２０００万円（前期比６．９％増）、純利益２億８１００万円（同２．７％増）となった。８月中間期の経常利益は７億１０００万円、純利益は３億６０００万円を見込むなか、進ちょく率が７３％、７８％と高い。新規出店に加え、隣接店舗の改装効果が出たという。
（株式新聞ダイジェスト）

▼東電<9501>社長を厳重注意＝原発の消火体制を非難－甘利経産相
新潟県中越沖地震に伴う東京電力柏崎刈羽原子力発電所での火災発生を受け、甘利明経済産業相は17日未明、東京電力の勝俣恒久社長を経産省に呼び、消防隊が到着するまでの同社の初期消火活動が遅れたとして、厳重注意した。また、今回の地震による最大加速度が同原発の耐震設計上の想定以上だったことを受け、同原発の7基すべての安全性を確認できるまで運転の再開を見合わせるよう指示した。　
（時事通信）

△西武鉄道、ファミマ<8028>と駅売店を共同運営…３駅に登場
西武鉄道とコンビニエンスストア大手のファミリーマートが共同で運営する駅売店が、西武池袋線の練馬（東京都練馬区）、練馬高野台（同）、西所沢（埼玉県所沢市）の３駅にオープンした。いずれも「ＴＯＭＯＮＹ（トモニー）」のブランド名で営業する。両社は、３店で駅の売店に適した店舗形態や品ぞろえを調べ、西武線全線９２駅のうち約７０駅で、西武鉄道の直営店を新たな店舗に切り替える方針だ。西武鉄道は、新店舗で売れ筋商品の見極め方や効率的な物流システムなどのノウハウを得る。ファミリーマートは、駅構内という集客力の高い店を確保できることになる。両社は、駅売店で売れそうな商品も共同開発していく。練馬駅の店舗は、品ぞろえをファミリーマートの標準店舗の約半数に絞り込む一方、若い女性客を増やすため、化粧品やストッキングなどの品ぞろえを充実させたという。私鉄とコンビニの提携では、ローソンが東京急行電鉄の駅に、ａｍ／ｐｍ（エーエム・ピーエム）が東武鉄道の駅などに、それぞれ出店している。

▼パイオニア<6773>、中期計画達成先送り－「プラズマＴＶ不振」
（読売新聞）

■中越沖地震　原発停止　夏の電力供給に懸念　東京電力<9501>
東京電力は１６日、新潟県中越沖地震で柏崎刈羽原子力発電の４基が自動停止したため、夏の最大電力需要に対する供給に支障が出る可能性があるとして、追加供給策の検討に入った。東電は今夏の渇水や猛暑に備え、長期停止中の２基の火力発電を再稼働させているが、追加の再稼働や他の電力会社からの融通も視野に入れ、検討を進める。今回の地震で自動停止したのは、１６日夜からの本格稼働に向けて起動中だった２号機（出力１１０万キロワット）と運転中だった３、４号機（各同１１０万キロワット）と７号機（同１３５．６万キロワット）の計４基（合計出力４６５．６万キロワット）。残る１、５、６号機は定期検査中なので、柏崎刈羽原発はすべて停止したことになる。東電は、夏の電力需要を、気温が平年並みで最大電力約６１１０万キロワット、記録的な猛暑となった場合は約６４００万キロワットと想定。これに対し、供給力は同原発停止前で、平年並みの場合が４１７万キロワット、猛暑の場合は１９２万キロワットの余裕があるとしていた。同原発の稼働停止が長期化すれば、気温が通常の場合でも供給不足が懸念される。東電は７月２日に石炭火力の勿来（なこそ）６号機（福島県いわき市、出力１７．５万キロ）を稼働させ、１１日には天然ガス火力の五井２号機（千葉県市原市、２６．５万キロワット）を再開、夏の最大需要期に備えていた。今週については、最大電力４８００万キロワットの見通しに対し、供給力は同原発を除いても５８５０万キロワットあり、「供給能力に支障はない」（東電広報部）という。
（毎日新聞）

△東レ<3402>、半導体保護膜用樹脂の生産能力３倍に
東レは半導体保護膜用ポリイミドコーティング樹脂の生産体制を増強する。滋賀事業場（大津市）の生産能力を現在の月間４トンから３倍の同１２トンに拡張する。設備投資額はクリーンルームを含めると５億―１０億円になる見込み。工場を増設し、マーケットの拡大に対応する。設備を増強するのは、配線ルールの微細化に適した露光部分が溶解する感光性ポジ型ポリイミドコーティング材。同社は半導体保護膜用ポリイミドコーティング市場で２０％シェアを持ち、なかでも配線ルール９０ナノメートル（ナノは１０億分の１）以下の最先端分野では世界１位のシェアを持つ。今後は先端デバイス用途向けに需要がさらに拡大することから、電子材料製品を手がける滋賀事業場の生産能力を増強し、需要拡大に応える。半導体市場は０９年には３００ミリウエハーが全体の３分の１以上に拡大するとともに、高密度集積回路（ＬＳＩ）技術の革新により配線ルールも９０ナノメートルや６５ナノメートルの微細パターン化が進行する大口径・微細化が進んでいる。これに伴い半導体保護膜用ポリイミドコーティング市場は、現在の約２００億円規模が２０１０年には先端デバイス用途を中心に３００億円まで成長する見込み。なかでも感光性ポジ型市場は年１５％の成長が予測される。同社は成長が期待できるポジ型でシェア拡大を図る戦略で、２０１０年には全体シェアで３０％以上、ポジ型のみで５０％のシェアを獲得し、売上高１００億円を目指す。

△ソニー<6758>、０８年に８００万画素のＣＭＯＳ投入へ
ソニーは０８年に、画素数８００万の相補型金属酸化膜半導体（ＣＭＯＳ）イメージセンサーを投入する。デジタルカメラ付き携帯電話に搭載する。同社は現状では３００万画素と５００万画素を主流にしている。８００万画素を２品種投入し、普及型から高付加価値型までラインアップを拡充。０８年度に携帯電話向けＣＭＯＳのシェアを２倍に引き上げる。ＣＭＯＳは開発の方向性が高画素化と小型化に向いている。高画素化では８００万画素のＣＭＯＳ２品種の開発を推進。０７年末から０８年初頭に寸法が２・５分の１型（対角長さ約６・５ミリメートル）を投入。これに続き、０８年半ばには一段と小型化した３・２分の１型（同約６ミリメートル）を投入する。既存の３００万画素と５００万画素では小型化を一段と進める。３００万画素では０８年半ばにイメージサイズ５分の１型を、５００万画素では同４分の１型を相次いで投入する。イメージセンサーには電荷結合素子（ＣＣＤ）とＣＭＯＳなどがある。ＣＣＤはコンパクトデジタルカメラやデジタル一段レフカメラ、デジタルビデオカメラなど幅広い商品に搭載され高画素化と小型化が進んでいる。一方、ＣＭＯＳは消費電力を抑制できることからデジタルカメラ付き携帯電話への搭載が進み、０５年ごろから生産・出荷が増加。今後、コンパクトデジタルカメラへの搭載も期待されている。このため、ソニーでは０７年にＣＭＯＳとＣＣＤの生産・出荷数量が半々となり、０８年にはＣＭＯＳがＣＣＤを上回る見通し。今後は高画素化と小型化に加えて、静止画と動画の両方に対応できるＣＭＯＳの開発にも力を入れていく。
　
△ＮＥＣ<6701>、システムモデルを全社横断で再構築
ＮＥＣは新設のＩＴソリューショングローバル戦略本部を核に全社横断の特別作業班（タスクフォース）を立ち上げた。ソリューション事業の海外展開でカギとなるシステムモデルを再構築する。案件ごとのシステム構築（ＳＩ）手法を見直し、組み替え可能なプラグイン方式でソリューションの組み合わせパターンを検討。自社製品を中核にする国内モデルに対し、海外では自社製品にとらわれないベストオブブリード（最良の選択）モデルを全面展開する。ＩＴソリューショングローバル戦略本部は４月に海外ユニット内に設置。特命プロジェクトとなるタスクフォースは相澤正俊取締役執行役員専務をリーダーに、ソリューショングループの事業本部長級を集めた。またプロジェクトを後押しするため企業ソリューション担当の瀧澤三郎取締役執行役員専務、海外ユニット担当の松岡邦朋執行役員常務らも推進役として参画。同社として「こうした全社横断の取り組みは初めて」（相澤取締役）という。構築するモデルはシステムプラットフォーム型、アプリケーションフレームワーク型、セミＳＩ型、パッケージ型の４パターンが基本となる。システムプラットフォーム型は米ヒューレット・パッカード（ＨＰ）製のサーバや米ＢＥＡシステムズのミドルウエア（基盤ソフト）など海外で実績を持つパートナー製品への対応を強化する。アプリケーションフレームワーク型は業界を問わない共通ビジネス基盤を品ぞろえする。ユーザーの要望に応じたサービスプラットフォームの構築や、ＳａａＳ（サービスとしてのソフトウエア）などの新しいサービスモデルを提供する。海外では指紋認証や「ｉモード」の海外版などの強みも生かし、新しい事業領域と絡めて市場を切り開く。その一環として米ユニシスとの提携関係も「さらに踏み込む」（同）方針だ。ソリューション事業は地域性が強く、国産ベンダー各社はグローバル展開に苦戦。ＮＥＣは日本企業の海外サポートからビジネス基盤を固める一方で、海外ベンダーの買収も検討していく。

△富士通ゼネラル<6755>、手書き追記できる情報共有ツール発売
富士通ゼネラルは会議や打ち合わせなどでの情報共有機能を強化したツール「＠Ｂｏａｒｄネットワークエディション」を２５日に発売する。出席者の手元パソコンの「クライアント機能」を拡充することで、大型ディスプレー（マスタースクリーン）や相互のパソコンにも追記事項を表示し手軽な情報共有を可能にした。価格はオープン。企業や学校、病院などに年間１００セットの販売を見込む。強化したクライアント機能の一つは「個人ノート機能」。意見や質問内容などを手元パソコンに手書きで簡単に追記できる。また追記内容を進行役の許可を得てボタン操作１回で全員のパソコンやマスタースクリーンに表示可能。これにより資料のペーパーレス化や会議後のデータベース（ＤＢ）化が容易になり、共有情報の正確性も向上する。このほか、どの手元パソコンからも資料の切り替えや議事進行などの機能を受け持つ「リモート制御機能」、わずらわしいメニュー選択が不要で手書き感覚のペンの動きだけで複写・削除などの編集操作ができる「ジェスチャー機能」などを搭載し操作性を向上した。

△ＳＭＫ<6798>、名刺サイズのＰＬＣモジュールを開発
ＳＭＫは機器組み込み用に名刺サイズの電力線搬送通信（ＰＬＣ）モジュールを開発した。ＬＡＮで標準的に使われるイーサネットのインターフェースを備えた機器に組み込み、電力線を使って情報を伝送できるようにする。通信速度は毎秒１４メガビット（メガは１００万）。モジュールを名刺程度に小型化して機器に組み込みやすくした。ノイズ低減回路を実装することで、漏えいノイズを低減し、通信の安定性を高めた。

△大日本印刷<7912>、印刷物用画像データの基準づくりへ
大日本印刷はチラシやパンフレット、雑誌などの印刷物用に入稿されるデジタルカメラのデータの基準づくりに乗りだした。画像サイズ、ホワイトバランスの設定や、適切なＲＧＢ（光の３原色）値や画像解像度を数値で示す。カメラマンや印刷物の発注会社に対して月内にも冊子を無料で配布。自社のホームページでも公開する。明確な基準をつくることでカメラマンとの色調修整の手間を省き、印刷物の制作をスムーズにする。冊子の初回配布数は３０００部。反響をみて増刷したり社員が説明に出向いたりする。デジタルカメラの普及とともにデジタルデータでの入稿が増加、現在は８割程度に上るという。一方で、銀塩写真のポジフィルムのように基準にできる色見本がないため、カメラマンとの間で色調の修整をすることが多かった。同社の試験では今回つくった基準の採用により、折り込みチラシの写真１点につき修整に要する時間を５分から２分に短縮できた。大日本印刷が制作や印刷を受注している約１万５０００社に対して基準を示していくほか、印刷業界全体に採用を呼びかける方針。

△ローム<6963>、入力接点数が異なる汎用ビデオスイッチＩＣを開発
ロームは映像信号の複雑な切り替えに対応する汎用ビデオスイッチＩＣを開発した。入力６口・出力１口の「ＢＨ７６３６系」と、入力３口・出力１口の「ＢＨ７６３３系」の２シリーズがある。２シリーズ併用によりＩＣごとに必要だった入力側コンデンサーを共用でき、外付け部品を削減できる。８月から月５０万個の規模で量産する。サンプル価格は３００―５００円。入力接点数の異なる２シリーズを組み合わせることでシステムを自由に構築できる。シリーズの中には映像信号を歪みなく通過させるビデオドライバーを内蔵し、出力側の大容量コンデンサーも不要にした機種などがある。回路の省エネ化を図り３ボルト電源にも対応。２シリーズそれぞれに信号入力方式などが異なる４モデルを用意する。複数の映像システムを接続するカーナビなどの機器での採用を見込む。

△ＴＣＭ<6374>、ロシアにフォークリフトの物流拠点センターを新設
ＴＣＭは０８年度中にもロシアにフォークリフトの物流センターを新設する検討に入った。モスクワに設置する案が有力。同社のロシアにおける０６年シェアは約６％。「現地のフォーク需要は年率２０％以上増える」（石木厚重社長）と判断。現地に物流拠点を持つ日系メーカーはなく、競争激化に先がけ拠点を開設し商品の供給体制と代理店支援を強化する。同社の動きを受け、競合も対応を迫られそうだ。ＴＣＭはロシアでモスクワ、カザン（タタール自治共和国）、サンクトペテルブルク、ウラジオストクの４地域にフォークリフトの販売代理店がある。同社は現在、フォーク本体と保守用部品を日本から輸出している。現地のフォーク需要増加に伴い、発注から納品までのリードタイムの長さが競合他社に対する販売競争力の低下に直結する課題となっていた。物流センター開設により部品や新車を常備することで、納期を短縮し４地域の代理店の販売を後押しする。

△日立ツール<5963>、刃先交換式切削工具の新製品を発売
日立ツールは刃先交換式切削工具「アルファ高送りラジアスミルＡＳＲＴ形」を発売した。三角形のインサートを使う３コーナータイプ。インサートの取りつけ部を厚くし、剛性を高めたのが特徴。価格はホルダーが５万２９５円から、交換式のインサートが１２１８円から。年間３億円の売り上げを目指す。アーバーと呼ばれる保持器に取りつけて使う切削工具。ホルダーのインサート取りつけ部を改良、従来の３コーナー製品の課題だった剛性不足を改善した。ホルダーの外径は、５０ミリメートルから１００ミリメートルまで４種類をラインアップした。インサートは潤滑性に優れたコーティング材を採用しており、鋳鉄から焼き入れ鋼まで幅広い鋼材の加工が可能。中型から大型の金型や部品加工に適している。

△ホンダ<7267>、ＪＤパワーのドイツ自動車顧客満足度調査で初の首位へ
調査会社のＪ・Ｄ・パワーアジア・パシフィックが実施した０７年のドイツ自動車顧客満足度調査によると、ブランド別ではホンダが初めて首位になった。
続いてトヨタ<7203>、スバル（富士重工業<7270>）とトップ３を日本車が独占、強さが際立っている。車種別ではトヨタのハイブリッド車「プリウス」が調査対象モデルのなかで最も高い評価を得た。満足度は車の品質と信頼性（構成比率３０％）、車の魅力（２５％）、アフターサービス（２３％）、維持費（２２％）の４ファクターで評価。トップのホンダは全項目で高い評価を得た。同調査は０４年１月から０５年１２月の間にドイツで新車を購入した顧客を対象に調査し、２万人以上から回答を得ている。

△増田製作所、丸順<3422>・ベステックスと合弁のインディアナ州の生産拠点を増強
増田製作所は、丸順、ベステックスキョーエイと共同出資する米国インディアナ州の生産拠点を増強する。プレス機械のほか、溶接や組み立てのラインを増やし、フューエルフィラーパイプやヒンジ類などの部品を増産する。
主要取引先のホンダ<7267>が同州の４輪車新工場を０８年秋に稼働する予定で、これに対応して車両約２０万台分の部品の生産能力を増強する。投資額は１０億円以上と見られる。インディアナ州の拠点「トマスコインディアナ」は増田製作所が６５％、丸順とベステックスが１０％ずつ出資し、ホンダ向けにハンドブレーキレバーやヒンジ類など小物プレス部品を生産している。０６年度売上高は約１９億７０００万円。
　
△奥村組<1833>、再生骨材コンクリートの適用拡大
奥村組は再生骨材コンクリートを初めて実際の物件に適用した。再生骨材の製造過程で付着するモルタルをある程度除去した「Ｍクラス」の再生骨材を横浜市港南区の共同住宅と兵庫県西宮市の事務所ビルに採用、通常のコンクリート同様に構造体に使用できることを確認した。今後、この実績をもとに適用を拡大していく。横浜市では、鉄筋コンクリート造５階建ての場所打ち杭２９本と基礎スラブ・フーチングにＭクラス再生骨材を使用。西宮市では鉄骨造８階建ての捨てコンクリート、基礎スラブ・フーチング、基礎梁（はり）に使用した。この２物件で場所打ちくいや基礎部分に再生骨材を適用して、フレッシュコンクリートの性状、圧縮強度の発現状況、施工性とも良好な結果を得たという。

△攝津製油<2611>、パーム油販売を年内に着手
攝津製油は年内にもパーム油の外部販売を始める。価格が高騰しているパーム油を市場投入することで、油脂部門の収益向上などにつなげる。パームの原料はグループのメーカーなどから調達する。現在、市場調査を進めている。売り上げ計画などは策定していない。パーム油はフライやラーメン用などに使う。同社は油脂部門でコーン油や大豆油を主力品として生産しているものの、パーム油の需要は依然として高い。そこで油脂部門の業績向上のため、外食メーカーなどを対象に販売する方針を打ち出した。
同社は日清オイリオグループ<2602>の子会社。全売上高のうち、日清オイリオグループ向けが約３０％を占めている。攝津製油の０８年３月期の油脂部門の売上高は前年度比６・３％減の約４２億円の見通しだが、この中にパーム油の販売計画は含まれていない。

△前田建設工業<1824>、エンジ事業の受注拡大
前田建設工業は食品や医薬品などの生産施設のエンジニアリングを強化する。医薬品製造関連施設のクリーンルームの設計技術を確立したのを機に、それらの分野でのエンジニアリング受注拡大を狙うもので、０６年度に３０億円だった食品・医薬品分野の受注額を、０７年度には１００億円と３倍強に引き上げることを目指す。既存の工場の改善やライン変更に利用してきた「インダストリアル・エンジニアリング」の技術を、食品・医薬品の新設工場についても顧客に提案していく。インダストリアル・エンジニアリングは、製造量、在庫量、売り上げなどの条件から必要となる生産ラインや機器、補完スペースなどを分析。その結果から製造のシミュレーションをしてボトルネックや工程の相関を考慮しながら工場のレイアウトを決める。これをもとに、工場の完成当初から最適生産が可能な建設を目指す。
（日刊工業新聞）

△バリオセキュア・ネットワークス<3809>　市場規模も急拡大
インターネットセキュリティサービスを事業の中核におき業績を拡大しているバリオセキュア・ネットワークスは、多機能ルーター、ＯＳ、ソフトを自社で開発しているため、同業他社よりも格安でサービスを提供できることから、顧客獲得数を伸ばしている。主力のセキュリティサービス提供数は、昨年５月末より６１０件増加し今年５月末には１９５０件となっている。今期は６５０件増の２６００件を目標としている。販売方法は、代理店契約を結んでいる販売パートナーによる販売が主である。パートナーには、ＵＳＥＮ、ＳｏｆｔＢａｎｋ　Ｔｅｌｅｃｏｍ、ＫＤＤＩ、といった大手通信会社が名を連ねている。また、新規パートナーとしてＫ－ＯＰＴＩ．ＣＯＭ、販売代理店９社と契約している。契約企業から支払われる月額料金が主な収益源であることから、契約件数が増えれば収益も増加するため、契約件数を増やす一方で、解約件数を減少することが必要である。今期は、顧客サービス予算を８０００万円準備し、顧客サービス向上に努める計画。また、ベーシックなファイアーウォールを売っていくと共に、大量に販売できる迷惑メールフィルタリング「バリオアンチスパム」を新規に販売する。さらに、ウィルス、ハッカー、ワームから守るために２４時間の監視体制を取っているが、オペレーションを機械化し、定型化してアウトソーシングする方針である。ここまで順調に来ているが、唯一つ気がかりなことは、ＮＴＴとのビジネスが始まっていないことである。しかし、ＮＴＴの仕事をしている日本コムシスと今期より業務提携したことにより、徐々にビジネスが開始されるものと予想される。
０８年５月期業績予想は、売上高１３億６０００万円（前期比２５．１％増）、経常利益３億８０００万円（同１２．０％増）、純利益２億２８００万円（同１３．３％増）を見込んでいる。既に０７年５月期末で今期予想売上の８５％が既存顧客ベースで見込まれていることから、今期予想の１３億６０００万円達成はほぼ確実。しかも８月から販売開始する迷惑メールフィルタリング「バリオアンチスパム」のＡＳＰ販売は今期の売上に見込んでいないことから、かなり固めの数字といえる。年間配当は１１９０円と連続増配を予想。また、同社は収益の一部を活用して毎年様々な社会貢献活動を支援しており、前期は、国境なき医師団、ＷＷＦジャパン、ＷＦＰ国連世界食糧計画、ＵＮＩＣＥＦに寄付している。マネージドセキュリティサービス市場規模は、０６年７７５億円であったが、０８年１４２５億円、１０年２１９０億円へと急拡大が予測されていることから、業界のトップである同社の業績拡大が期待される。
（証券日刊新聞）

△純度９５％超すスーパービタミンＥ　米ぬかから連続生産、世界初、農研機構など成功
農業・食品産業技術総合研究機構（農研機構）の東北農業研究センター（盛岡市）と東北大学、三和油脂（山形県天童市）、オルガノ<6368>（東京都江東区）は、米ぬかから米油（こめあぶら）を製造したときの廃棄残渣（ざんさ）から、高純度トコトリエノールを工業的に連続生産する技術開発に世界で初めて成功した。トコトリエノールは、一般的なビタミンＥであるトコフェロールの側鎖に２重結合を３つ有する物質で、「スーパービタミンＥ」とも呼ばれる。抗酸化作用のほか、ヒトでのコレステロール低下作用や動脈硬化、リウマチ性関節炎などの予防効果についての報告もされており、食品や医薬品、化粧品の成分として注目されている。既存のトコトリエノール生産では、純度６０％以下の低含有量のものが少量生産されている。イネはトコトリエノールを含む作物として知られており、イネ由来の廃棄物系バイオマスからの抽出に取り組んだ。米ぬかから、サラダ油・マーガリン・せっけんの原料などに使われる米油を製造する工程で排出される脱臭スカム油から、工業的に物質を分離技術である疑似移動層クロマトグラフィーを適用することで、高純度トコトリエノールの連続製造に成功した。得られるトコトリエノールは、純度９５％以上、回収率は８０％以上だという。

△携帯各社　家電とのコラボ花盛り　ブランド向上＋販売増の起爆剤
シャープ<6753>「アクオス」、ソニー<6758>「ウォークマン」…。携帯各社が、液晶テレビや携帯音楽プレーヤーで人気の家電ブランドを冠した端末を相次ぎ発売している。家電分野で培われた抜群の知名度が目印となる家電ブランド端末は、顧客にとっても選択しやすく、端末販売の拡大につなげられるとの思惑があるからだ。とくに来年の国内上陸がささやかれる米アップルの、音楽と映像が再生できる携帯「ｉフォン」など“世界的な有名なブランド” は、飽和状態の国内携帯市場での起爆剤となるだけに、各社のブランドを巡る争奪戦も激しくなりそうだ。家電ブランドとの連携した携帯が出現し始めたのは昨年６月。
まずソフトバンク<9984>モバイルがシャープ製の液晶テレビブランド「アクオス」を冠した端末を投入したのが走りとなった。同端末は、ソフトバンクモバイルの携帯の中で初めて地上デジタル放送「ワンセグ」に対応。上位３社中ではワンセグで最後発ながら、アクオスの抜群の知名度が手助けして「一気に他社のワンセグ機種に追いつくとともに当社のブランド価値向上にも寄与した」（幹部）と胸を張る。ソフトバンクモバイルは今年６月に後継機種を発売。販売増に向け、営業に力を入れる。
一方、ソフトバンクモバイルとほぼ同時期の昨年６月下旬に、音楽の切り口で家電ブランドと連携したのがＫＤＤＩ<9433>。同社が発売したのはソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ製の「ウォークマンケータイ」。人気の携帯音楽プレーヤーとのコラボで、携帯と音楽プレーヤーを別個に持ち歩くのを面倒とする若者の需要を取り込んだ。
ＫＤＤＩは続けて今年３月に「アクオス」携帯、さらに６月には新型ウォークマン携帯、８月にはカシオ計算機<6952>のデジタルカメラブランド「エクシリム」を投入するという。
ＮＴＴドコモ<9437>はアクオスケータイ「ＳＨ９０３ｉＴＶ」のほか、今年６月２２日にはソニーの液晶テレビ「ブラビア」とコラボしたソニー・エリクソン製端末「ＳＯ９０３ｉＴＶ」を発売した。ブランド人気に加え、３インチの大型液晶が好評で、販売も好調という。国内の携帯電話の普及台数はすでに１億台に迫り、ほぼ飽和に近づいている。端末の新規購入が減り、買い替えが中心となる中では、家電など強力なブランド力を持つパートナーとの連携が販売の後押しとなる。それだけに、今後も強い家電ブランドとの連携はますます進んでいきそうだ。

△ダスキン<4665>　高齢者サービス事業強化　フランチャイズ１５０店へ
ダスキンは、介護保険制度を使わないシニアケアサービス「ホームインステッド事業」を強化する。２４時間体制で高齢者の要望に対応するサービスで、今年度中に同事業を展開するフランチャイズ店を１２２店から２割増に１５０店にする方針だ。同事業は介護保険制度を使わないため、サービス料金は全額利用者負担になる。しかし、制度の枠にとらわれないため、２４時間体制で幅広く、きめ細かなサービスが提供できるのが特徴。具体的には、家事の手伝いや外出時の付き添い、夜間の見守りや庭の草取り、話し相手など、サービスは多岐にわたるという。ダスキンは現在１２２カ所でフランチャイズ方式で同事業を展開しており、今年３月末現在の利用者は約２７００人。２００６年度の売上高は１３億９８００万円で、「本格的な高齢化社会を迎え、さらにニーズは増える」（山村輝治取締役）と判断。店舗拡大で事業強化に踏み切ることにした。同サービスを提供するシニアケアスタッフの平均年齢は６５歳。介護を受ける高齢者が、同世代のスタッフを指名するケースが多いためで、「定年を迎えた団塊世代をスタッフとして積極採用し、人生経験を生かしたサービスを充実する」（同）としている。同サービスは２０００年２月に、米シニアケア事業者「ホームインステッド　シニアケア」（ネブラスカ州）と提携してスタートした。

△ＵＢＩＣ<2158>、３年計画　顧客１０倍の１５００社へ　証拠開示支援サービス拡充
訴訟における電子データの証拠開示支援やコンピューター内のデータの不正調査などを手掛けるＵＢＩＣ（東京都港区）は、現在１５０社の顧客企業数を３年後の２０１０年までに１０倍の１５００社に増やす計画を明らかにした。顧客向けに訴訟における電子データの証拠開示支援サービス「コンピュータ・フォレンジック」に関するセミナーの開催を増やすほか、顧客を紹介してくれる弁護士や保険会社、リスクコンサルタントなどとの連携を深め、啓蒙（けいもう）活動を積極的に行っていく計画だ。新規顧客の獲得につなげ、業績拡大を目指す。昨今では、内部情報の漏洩（ろうえい）や公文書、有印私文書偽造、知的財産権の不正使用、ネットオークションに代表されるようなネット詐欺といったコンピューターを使った犯罪が横行している。コンピュータ・フォレンジックは、こうした不正行為が行われたであろう痕跡や証拠をハードウエアやソフトウエアを駆使して、パソコン本体やパソコンのメモリー部分に保存されているデータに対して調査・解析などを行い法的問題を解決するサービス。ただ、電子データは意図的にデータを改竄（かいざん）したり、消去もでき、データの取り扱い方法を誤ると一瞬にして証拠を失う危険性を持っている。こうした特性のため電子データは、訴訟が起きた場合、証拠になりづらかった。ＵＢＩＣは、訴訟などが起きた際、デジタル機器に保存されているデータを変更できないようにしたり、改竄がないことを証明し、電子データが裁判の証拠として使えるようにする技術やサービスを提供している。コンピュータ・フォレンジック市場規模は日本では約１００億円とされる。しかし、訴訟社会の米国では、日本市場の約２０倍となる約２０００億円（２００６年）の巨大市場を形成している。粉飾決算により経営破綻（はたん）したエンロン事件を機に、市場は急拡大。さらに、コンピュータ・フォレンジック導入企業が、より有利な判決結果となっている事例が多いことから、導入企業数は右肩上がりで伸びている。今後の市場の成長率は年率３０％を超える見込みで、同市場規模は２０１０年には４３００億円を突破すると予測されている。日本でも米国と同様に企業を巡る訴訟の増加が予想されており、同市場規模は２０１０年には現在の３倍の３００億円以上に拡大すると期待されている。

△文科省、経産省　希少元素・金属確保へ　１１研究テーマ採択
文部科学省と経済産業省は、開発途上国での需要拡大などに伴い、今後の安定供給が懸念される希少元素・金属を確保するための研究開発プロジェクトのテーマを決定した。
文科省「元素戦略プロジェクト」が採択したのは、メッキ鋼板などで大量に消費される亜鉛に代わるアルミニウム合金系の表面処理技術を開発する東京工業大学、ＪＦＥ<5411>スチール、新日本製鉄<5401>、日本軽金属<5701>などの共同提案や、自動車排ガス浄化触媒として使われるパラジウム、ロジウム、白金などの大幅低減を目指す日本原子力研究開発機構やダイハツ工業<7262>、北興化学工業<4992>などによる共同提案など７テーマ。
また、経産省「希少金属代替材料開発プロジェクト」では、液晶用などの透明電極に使われるＩＴＯ（酸化インジウムスズ）におけるインジウムの使用量低減を図る東北大学、アルバック<6728>、三井金属鉱業<5706>、ＤＯＷＡ<5714>エレクトロニクスの共同提案や、超硬工具向けに使われるタングステン代替材料として複合構造の炭窒化チタン系材料を開発する住友電気工業<5802>と産業技術総合研究所、タンガロイ、冨士ダイスなどの共同提案など４テーマを採択した。経産省では、これらの研究開発によって２０１１年度までに、透明電極向けインジウムを５０％以上、超硬工具向けタングステンを３０％以上削減する目標を立てている。

△ソニー<6758>が共通品質基準策定　経営の最重要課題　改革に向き合う時期
ソニーが品質管理ルールを全面改定するのは、ノートパソコン用リチウムイオン電池の自主回収を機に、品質への取り組みが経営の最重要課題となっているからだ。国内企業が抱える品質問題の経営リスクは、ここ数年で確実に増大している。価格下落のデフレと厳しい市場競争のなかで、固定費負担の増加を嫌う企業経営者は、需要が減れば契約を打ち切ることができる派遣社員や業務の外部委託を拡大、経営資源を外に求める遠心力を働かせてきた。その結果、景気変動への対応力の向上とは裏腹に、品質への意識を共有しなければならないにもかかわらず、製品づくりの現場と経営の距離は広がっている。また、コスト削減を狙った集中購買や部品の共通化は、１つの不良を大量の製品回収へと増幅させており、構造的に品質管理上のリスクは増している。原価の割安な中国製品などの調達比率を高めてきた新興国の現場でも、「契約時に確認した原材料や生産設備が、知らない間に変更されていた」（大手電機メーカー）など品質管理の問題も起こっている。一方、パロマの給湯器欠陥事故などを受け、５月１４日にはメーカーや輸入業者に、製品欠陥などによる重大事故について、１０日以内に国に報告することを義務付ける改正消費生活用製品安全法（消安法）が施行。企業は製品事故への危機管理と、欠陥をつくらない品質管理の徹底を改めて厳しく問われている。ソニーに限らず、経営者は、収益改革の事業構造変化への対応に比べ出遅れていた品質管理の改革に正面から向き合う時期にきている。
（FujiSankei Business i）