7/11 朝の『株価材料』PART Ⅱ

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■株価材料

△ドコモ<9437>、来年度にも家庭向け固定・携帯電話融合サービスを開始
ＮＴＴドコモの中村維夫社長は１０日、０８年度にも家庭向けを対象とした固定と携帯電話の融合サービス「ＦＭＣ」事業を開始する方針を明らかにした。
実現にはＮＴＴ<9432>東西地域会社やＮＴＴコミュニケーションズ（ＮＴＴコム）などの固定通信との連携が不可欠。ＮＴＴ持ち株会社が目指すグループ連携強化の一環として、今後の対応が注目される。計画ではＮＴＴ東西が提供する家庭向け光回線に、ドコモの超小型携帯電話基地局「フェムトセル」を接続。まず家庭でもスムーズな携帯電話通話を実現させることを目指す。また、将来はテレビやホームサーバなど情報家電と連携して家庭内ＬＡＮの通信インフラとしても活用することを検討している。ドコモはこれまでＮＴＴコミュニケーションズと連携して法人向けＦＭＣサービスを展開しているが、家庭向けＦＭＣは初めてとなる。基地局からの電波が届きにくい家庭の携帯利用環境を改善するほか、アクセス回線部分に光回線を使うことで通信の輻輳（ふくそう）を回避できる効果もある。ドコモは０７年中に第３世代携帯電話の基地局網をほぼ完成させる。しかし家庭など、既存の基地局の電波が到達しにくい小さな空間はフェムトセルで対応することが必要と判断し、固定回線を持つグループ会社の力を借りることにした。ただ、ドコモとＮＴＴ東西が他社を排除する形でＦＭＣ連携をすることは競争政策上できない。このためサービスメニューの作り方には工夫が必要となる。さらにドコモが競合他社に対抗して、フェムトセルを用いて家庭内に限定して低額の通話料を設定すれば、ＮＴＴ東西の固定電話と競合が避けられないなど課題も抱えている。
【用語】ＦＭＣ＝Ｆｉｘｅｄ（固定）Ｍｏｂｉｌｅ（携帯）Ｃｏｎｖｅｒｇｅｎｃｅ（融合）の略。次世代通信サービスの主力と位置付けられている。一つの端末を自宅では内線通話の子機、外出先では携帯電話として利用する単純なものから、固定網と携帯網を一体的に運用し、利用者に最適な通信サービスを継ぎ目なく提供する高度な利用など様々な使い方が想定されている。

△日本オラクル<4716>、応用ソフトの統合化推進－ＣＲＭ分野で２種発売
日本オラクルは１０日、成長戦略の柱に位置付けるアプリケーション（応用ソフト）事業の新戦略を発表した。異種アプリケーション製品の統合基盤「アプリケーション統合アーキテクチャー（ＡＩＡ）」を提唱。オラクル純正の統合業務パッケージ（ＥＲＰ）「ＥＢＳ」や買収で手中に収めたアプリケーション群の統合化に乗り出す。買収したシーベルやピープルソフトなどのアプリケーション製品に、オラクルの基盤ソフト「フュージョンミドルウエア」を組み込んだパック製品「プロセス統合パック」を発売。サービス指向アーキテクチャー（ＳＯＡ）をベースに業務プロセス（手順）統合を実現する。第１弾として顧客情報管理（ＣＲＭ）分野で２種類の統合パックを用意した。価格は１ＣＰＵ当たり３７５万円から。ＡＩＡはプロセス統合パックと各業界特有の業務プロセスを図式化した参照モデル「業種別リファレンスモデル」で構成。組織やシステムにまたがる業務プロセスを円滑に連携し、稼働中の個別システムや新規に導入したシステムとの統合も短時間で効率よくできる。オラクル製品以外のアプリケーションとの統合も可能だが、その場合はフュージョンミドルウエアを別途購入する必要がある。

△ＮＴＴデータ<9613>、レセプト対応の病院向け医事会計システムを発売
ＮＴＴデータは１０日、レセプト（診療報酬請求明細書）のオンライン請求に対応した病院向け医事会計システムを８月１日に発売すると発表した。レセプト電算処理機能を標準で搭載したほか、ＤＰＣ（診療群分類・包括評価）請求機能をオプションで装備可能。０８年度以降施行される後期高齢者医療制度やＤＰＣ制度の拡大など医療制度改革に対応する拡張性を備えた。価格は２０００万円から。３年間で２００医療機関への販売を見込む。

△富士通<6702>ＦＩＰ、メールシステムをＡＳＰ方式で提供するサービス開始
富士通エフ・アイ・ピーは、ミラポイントジャパンと協業し、電子メールシステムをアプリケーション・サービス・プロバイダー（ＡＳＰ）方式で提供するサービスを始めた。自社によるシステム構築・運用が不要となり、コストの削減や早期導入が可能になる。セキュリティー機能やアーカイブ（書庫ファイル）に限定したサービスについても提供する。新サービス「メールセキュリティＡＳＰサービス」はメールボックス、アンチウイルス、アンチスパム機能をパッケージで提供する。価格は初期費用が１ドメインあたり１０万５０００円、利用料が１アカウントあたり月額５２５円。４年間で１０億円の販売を見込む。

△タムラ<6768>、プリンター向け圧電トランスを来春から国内一貫生産
タムラ製作所はレーザープリンター用圧電トランスを量産するため、埼玉事業所（埼玉県坂戸市）の圧電トランス工場に自動組み立てラインを導入する。中国で行っている後工程の組立作業を中止し、０８年４月から埼玉事業所で圧電トランスを一貫生産する。この結果、生産コストを半減、リードタイムも半分に短縮する。圧電トランスは、圧電振動子の共振現象を利用し、低い入力電圧から高電圧を発生させる。銅線トランスより外形が薄くでき、消費電力が少ないのが特徴。同社は９４年に世界で初めて圧電トランスを商品化、１０年ほど前に本格生産に着手した。電子機器の小型、薄型化が進む中で圧電トランスの販売量が伸びている。このため生産強化を目的に埼玉事業所内に圧電トランス工場を建設して５月に稼働を始めた。同工場では０７年度中に、圧電トランスの生産量を月間１８０万個から３倍超の同６００万個に引き上げる。増産分の多くはレーザープリンターの電源部向けとなる。同社はレーザープリンター向けだけで生産数量が大きくふくらみ、量産効果によるコストダウンが見込めると判断。中国・深センで行っている製品組立作業の日本への移管を決めた。０８年春までに組み立てラインを自動化し、埼玉事業所で一貫生産する。埼玉での組み立てライン自動化や一貫生産などによって、生産コストを５割削減、生産リードタイムも現状の１カ月が２週間以下に短縮できる見通し。同社はレーザープリンター向けに続いて、液晶テレビ向けの圧電トランスについても一貫生産を計画している。

△アルプス電気<6770>、ハイビジョン対応チューナーユニットを量産
アルプス電気は１０日、ハイビジョン対応の衛星放送用チューナーユニット「ＢＳＢＥ２シリーズ」を月末から量産すると発表した。衛星デジタル放送のハイビジョン映像規格のＤＶＢ―Ｓ２のほか標準映像規格のＤＶＢ―Ｓにも対応する。チューナーの外装カバーに熱を逃す穴を設けるなど放熱構造を取り入れた。サンプル価格は５万２５００円。１０月から月産２万個を見込む。外装カバーはチューナー内の発振器が発する信号の他部品への影響を防ぐ。セット製品に搭載された中央演算処理装置（ＣＰＵ）などから出るノイズも遮断する。欧州では０６年秋にＤＶＢ―Ｓ２規格の放送が始まり、０８年夏には日本のスカイパーフェクＴＶが同規格の放送開始を予定する。新製品はこれらの放送開始に伴う需要を見込む。

△エプソントヨコム<6708>、３年で売上高５割増へ－水晶デバイス拡充
エプソントヨコムは２０１１年３月期の売上高目標を０８年３月期計画比５０％増の１５００億円に設定した。光関連やセンサー関連など新分野の水晶デバイス製品を拡充するほか、技術に詳しい営業責任者を任命し提案営業を積極的に行うなどで市場を開拓する。振動子や発振器といった既存の水晶デバイスは今後も伸びるとみて小型高精度品を投入。市場全体の予想成長率を上回る売上高の伸びを目指す。光関連デバイスは現在、製品開発中。水晶の持つ光学特性を生かして、ＤＶＤドライブの光ピックアップやプロジェクター、一眼レフデジタルカメラ向けなどの製品を投入する。センサー関連ではデジカメの手ぶれ防止やカーナビゲーションシステムの位置情報確認向けジャイロセンサーを開発した。センサーの売上高は全体の１―２％程度で、今後、小型化や高精度化した製品でラインアップを充実させる。１日にはセンサー生産を担当する組織「ＳＤビジネスユニット」を設置し本格生産に備えた。加速度センサーを１、２年後をめどに商品化する計画もある。営業強化策として、設計責任者を営業担当役員に任命、技術に明るい人材を営業トップに据えて拡販する。同社は水晶振動子や発振器といった電気信号を送る水晶デバイスでトップシェアを占める。携帯電話やデジタル家電などの市場拡大に合わせて需要が増えており、小型、高精度品の投入でシェア拡大を目指す。光関連やセンサー関連事業はまだ緒についたばかりで、提案営業でセットメーカーに高機能を訴求しながら市場を開拓する。

△三菱電機<6503>、パワーモジュール生産ラインに新システム－見える化推進
三菱電機はＦＡシステム事業の主力生産拠点である名古屋製作所（名古屋市東区）で、生産工程をリアルタイムで管理するＦＡシステムの適用範囲を拡大する。０７年内をめどに、ＦＡ制御機器生産棟の電力制御用基板（パワーモジュール）生産ラインに新システムを導入。生産工程の“見える化”を進めるとともに、自社ＦＡ製品のモデルケースとしても活用する。パワーモジュールの生産ラインは、電子部品実装機（チップマウンター）などが多く稼働している。これら装置類のコントローラー（制御装置）をネットワークで結び、上位の生産管理システムでデータを管理する。これにより、生産設備の稼働状況をリアルタイムで把握したり、個々の製品の品質情報を一元管理することが可能になる。自社製品を使ううえ既存システムの改良で済むため、投資額はおさえられる模様。

△クラリオン<6796>、今年度の簡易型カーナビの国内販売を３万台以上に
クラリオンは、持ち運びできる簡易型カーナビゲーションシステム（ＰＮＤ）の０７年度の国内販売計画を当初２倍の３万台以上に上方修正する。４月の発売以降、６月末まで予想以上に販売数が伸び、カー用品専門店で品薄が続いている。中国の生産委託先に増産を促して８月中旬までに品薄を解消したい考え。今後、２輪車用防水キットなど周辺機器も充実させ、好調な販売を後押しする。クラリオンは軽自動車やセカンドカーなどを持つ、車載型カーナビでは訴求しきれないユーザー層に向け、ＰＮＤを発売した。当初の年間販売計画は１万５０００台。発売当初から新規顧客の開拓に加え、５月に投入した２輪車取り付けキットが、カーナビ装着が困難だった２輪車ユーザーに受け入れられ、販売を伸ばした格好だ。

△ＩＨＩ<7013>、高速半導体搬送システムのＯＥＭ供給開始
ＩＨＩは３００ミリメートルウエハーの積み替えやソーティング（分類）を高速にできる自社開発の「ロット編成機」をＯＥＭ（相手先ブランド）供給する。また年内をめどに周辺設備装置の天井走行台車を商品化し、ロット編成機と合わせてシステム販売する。同編成機の売り上げを０７年度に５億円、０８年度に２０億円に引き上げる。ロット編成機はクリーン度クラス１（１立方フィート中に０・１マイクロメートルのゴミが１個）に対応した非接触で給電する装置。３００ミリメートルウエハーを収納する容器であるフープカセットに１枚ずつウエハーを搬送する。すでに、半導体メーカー向けに受注活動を行っているが、半導体需要の拡大で最先端工場の新設が増える中、直販とともにＯＥＭ供給を推進する。

△日立建機<6305>、滋賀工場に昼夜２交代制導入－ミニショベルの需要増対応
日立建機はミニ油圧ショベルを生産する滋賀工場（滋賀県甲賀市）の組立ライン「Ｂライン」に、０９年４月から昼夜２交代制勤務（２直）を導入する。新興工業地域など世界の主力のミニショベル、小型ショベルの需要増に対応する。また０７年度中に１５億円を投じ２トン未満を生産する「Ｃライン」を新設し３ライン体制とする。Ｂラインは部品の塗装装置を増設するほか、ラインを延長し工程を細分化、生産速度を上げる。滋賀工場は日立建機のミニ油圧ショベル生産子会社、日立建機ティエラ（大阪府門真市、０７２・８８１・８１８１）が７トン以下の小型ショベルと６トン未満のミニ油圧ショベルを生産している。Ｃライン新設とＢラインでの２直導入などにより、同工場の年間生産能力を２０１０年度に０７年度比３３・３％増の２万台に引き上げる。
　
△富士フイルム<4901>、Ｘ線画像情報の読み取り密度２倍の装置を発売
富士フイルムはＸ線画像読み取り装置「ＡＣ―７　ＨＲシステム」を発売した。同時発売したイメージングプレート「ＵＲ―１」と組み合わせ、Ｘ線画像情報を従来の２倍の密度となる５０マイクロメートル（マイクロは１００万分の１）間隔で読み取る。価格はモニター、ソフトウエアなどを含むシステム一式で２５２０万円。自動車や航空機、エネルギー関連に３年間で１０００台の販売を目指す。最大サイズ（縦４３センチ×横３５・４センチメートル）の「ＵＲ―１」を最短９３秒で読み取る。本体の大きさは幅５９０ミリ×奥行き３８０ミリ×高さ８１０ミリメートル。重さは約９９キログラム。コンパクト設計により従来機を約４０％軽量化した。読取密度を高めることで、これまで難しかった肉厚差がある鍛造部品や航空機用ジェットエンジン部品など特殊合金部品の欠陥検査にも対応できるようになった。

△アスカ<7227>、米にロボ製販会社設立－日系企業にサービス強化
アスカは１０日、米ケンタッキー州に、ロボットシステムや溶接治具の製造、販売を行う全額出資子会社「アスカ・ＵＳＡ」を設立したと発表した。北米地域の自動車関連の日系企業に対するロボットシステムのサービス体制を強化するのが狙い。９月に事業を開始し、０９年８月期に売上高３億円を目指す。アスカ・ＵＳＡの資本金は約１億８０００万円。社長には片山義規アスカ常務が就任した。工場は床面積約１８００平方メートルで、３人で事業を始める。北米の日系企業向けを中心に、ロボットシステムや溶接治具の製造、販売、メンテナンスを行う。既存のロボットシステム販売子会社のアスカ・エンジニアリング（オハイオ州）はアスカ・ＵＳＡの新設に伴い８月で解散する。

△滝澤鉄工所<6121>、８インチチャックに対応のＣＮＣ旋盤を発売
滝澤鉄工所は８インチチャックに対応するＣＮＣ旋盤「ＴＣＣ―２０００」を発売した。ＴＣＣ―２０００は、本体の幅が１３００ミリメートルで、設置スペースは約２平方メートル。工場の省スペースに貢献する。価格は６２０万円。自動車部品、電機業界向けなどに月間２０台の販売を目指す。同機は切削油をベッド全体にポンプでゆっくり循環させ、機械の温度分布の平準化を図ることで熱変位が小さくなり加工精度が安定する。また切くずの滞留防止するためベッドのシュート角度を８０度の急傾斜にしたほか、ドア開口幅を４３５ミリメートル確保し作業性を重視した。最大加工径は３５０ミリメートル。移動量はＸ軸１９０ミリ、Ｚ軸２５０ミリメートル。早送り速度は毎分２４メートル。

△三菱自<7211>、自動でクラッチ操作できる新変速機を開発
三菱自動車は１０日、手動変速機（ＭＴ）の機構を採用したうえでクラッチ操作を不要とした新しい変速機を開発したと発表した。車速に応じて２系統のクラッチを自動で相互に切り替えるのが特徴。同社調査では５速自動変速機（ＡＴ）に比べて２０％の燃費改善効果を得た。また４輪の駆動力、制動力を高度に制御し、安全性を高めた車両統合システムを開発。両技術をまずは今秋発売の「ランサーエボリューション」に搭載する。新変速機を今後はディーゼルエンジン車を含め、排気量２０００ｃｃ以上で高トルクエンジン搭載車種に幅広く展開する。ＡＴと異なりトルクコンバーターがないため燃費効率が高いという。ドイツのゲトラグ・フォードと共同開発した。エンジンとの協調制御が開発のポイント。変速機は同社から調達するが、三菱自は将来の内製を検討する。類似の変速機はすでに独フォルクスワーゲン（ＶＷ）が実用化。

△カルソニックカンセイ<7248>、電装基板向けハンダの鉛フリー化に着手
カルソニックカンセイは、自動車用電子電装システムの基板に用いるハンダの鉛フリー化に乗り出す。電子部品のマザー工場である児玉工場（埼玉県本庄市）で鉛フリーハンダへの切り替えを近く始めるのを皮切りに、米国、タイ、中国の各工場などグローバル拠点に波及させていく方針だ。児玉工場で鉛フリーハンダ採用に伴い、５０００万円を投じて新型のハンダ挿入機やハンダ漕を近く導入する。基板に電子部品を搭載する設備がボトルネック（障害）となっており、今回の投資でリードタイムの短縮も図る。児玉工場は、高度道路情報システム（ＩＴＳ）関連製品、電装品の機能を統合的に制御するボディーコントロールモジュール（ＢＣＭ）、エアバッグコントローラーなどの電子コントロールユニットを生産する　

△沖縄電<9511>、９日の使用電力量は過去最高の３１３８万９０００ｋｗ時
沖縄電力は１０日、同社管内での日電力量（１日の使用電力量）が９日に３１３８万９０００キロワット時となり、過去最大を記録したと発表した。最高気温が３３度Ｃと上昇したことに加え、湿度も７５％と高く、冷房機器の稼働が上がった。０３年７月３０日に３１１９万４０００キロワット時を記録して以来の４年ぶりの更新となる。ちなみに０３年度は６回にわたって記録を更新している。

△九州電<9508>、宮崎・木城町の小丸川発電所で１期目の運転開始
九州電力は１０日、宮崎県木城町で建設していた揚水式水力発電所「小丸川発電所」で１基目の発電機の運転を開始した。２０１１年までに出力が各３０万キロワットの発電機を４基稼働させる予定にしており、合計出力は１２０万キロワットと同社最大の水力発電所となる。総投資額は約２４００億円を見込む。上部調整池の総貯水量は６２０万立方メートル、下部調整池の総貯水量は６９０万立方メートル。電力需要のピーク時や他発電所のトラブル発生時の代替電源として利用し、最大出力で７時間連続運転できる。発電機などの技術改良により起動から最大発電量に達する時間が２分３０秒と、九州電のほかの揚水式発電機に比べて半分に短縮した。

△笹野電線、銀イオン入り光触媒塗料を開発
笹野電線、住電トミタ商事、住友電気工業<5802>の３社は、高い抗菌性能を持つ銀イオン入り光触媒塗料を開発した。アパタイトを被膜した光触媒酸化チタンに、銀ナノ粒子分散液を独自比率で配合。抗菌力を高めた。９月末までにサンプル販売を始め、０７年度中の事業化を目指す。開発したのは、笹野電線が「ササミック」ブランドで事業展開している光触媒酸化チタンと、住友電工の開発した銀ナノ粒子分散液を混ぜ合わせた複合塗料。住電トミタ商事が販売する。銀ナノ粒子分散液の実用化を図りたい住友電工と、販売品目を増やし新分野への参入を狙う住電トミタ商事、光触媒塗料の性能アップを目指す笹野電線の思惑が一致し、製品化に至った。３社は近く同塗料に関する秘密保持契約を結ぶ予定だ。

△日清紡<3105>、特殊・家庭紙分野で特種東海ＨＤ<3708>と資本・業務提携
日清紡は１０日、特種東海ホールディングス（ＨＤ）と特殊紙・家庭紙分野で提携すると発表した。日清紡は特種東海ＨＤの子会社の特種製紙、東海パルプと新製品の共同開発や生産体制の効率化を進める。詳細は今後詰める。同分野は国内市場が成熟化するほか、原燃料価格も高騰しており事業環境は厳しさが増している。
特種東海ＨＤは６月に王子製紙<3861>とも特殊紙分野で事業・資本提携することを決めている。日清紡と特種東海ＨＤは相互に株式を持ち合い資本提携も結ぶ。日清紡は１９日付で特種製紙が保有する特種東海ＨＤ株式５２０万株（発行済み株式総数の３・１％）を取得する。特種製紙は市場取引を通じ日清紡株式５０万株（同０・２％）を取得する予定。

△住友化学<4005>、イギリスの農薬会社を買収－欧４カ国で体制整備
住友化学は１０日、フランスの完全子会社「スミトモ　ケミカル　アグロ　ヨーロッパ」を通じ、英国の農薬開発・販売会社であるインターファームを買収したと発表した。同国での農薬事業を強化するのが狙い。住友化学は今回の買収でフランス、英国、スペイン、イタリアの欧州主要４カ国で農薬の開発・販売体制を整備したことになる。インターファームは英国とアイルランドで農薬を開発・販売している企業で売上高は約１０億円。住友化学は仏子会社を通じてインターファームの株式の８０％を取得し買収した。取得金額は明らかにしていない。英国の農業は麦、ジャガイモ、菜種などを主要作物とし、農薬市場は欧州第４位の規模。今回の買収により農薬開発や関係当局への登録作業の迅速化が図れる見通し。

△ワールド・ロジ<9378>、大阪に通販ビジネスに特化した大型物流施設完成
ワールド・ロジは商品の受注から配送までの物流一貫機能に加え、情報システムやカスタマーサービス体制なども完備した大型流通施設「グリーンキューブ」（大阪市住之江区）を完成させた。敷地面積１万９２５５平方メートル、建物は鉄骨造５階建てで、延べ床面積４万２４５１平方メートル。施設は賃借で使うが、独自に内装などに約１６億円を投じた。同社と同社グループの本社機能も同センターに１７日移転する。企業の物流を一括受託するサード・パーティー・ロジスティクス（３ＰＬ）事業で、通信販売ビジネスに特化した流通センターとして利用する。１階にトラックバース、２―４階に倉庫スペース、５階にはオフィスや託児所を設置した。５階のコントロールセンターでは人員配置や作業の進ちょく情報など、すべての情報が把握できる。

△野村<8604>信託銀、３年後めど従業員持株会提携ローン会員数を４０万人へ
野村信託銀行は、同社が提供する従業員持株会提携ローン「もちロン」の会員数を３年後をめどに現状の１０万人から４０万人に引き上げる。ホームページ上でのシミュレーションツールや漫画などで商品を解説、顧客の声を聞きながら融資の限度額など商品の利便性も高めていく。現在の融資額は１０万―５００万円、または担保差し入れ持ち株の時価の７割で、追加差し入れも必要ない。同サービスは０６年２月に開始。企業が買収防衛策の一環として安定株主づくりを強化するなか、持株会発展のためのサービスとして急速に広まった。同じ野村グループの野村証券が受託している持株会は、東証上場企業全体の約６割に達する。その持株会参加の従業員へのサービスとして、野村信託銀が提供する持ち株を担保にした融資が「もちロン」。
（日刊工業新聞）

△国内医療機器で協業　組み合わせ販売　コニカミノルタ<4902>、富士通<6702>と１０月から
コニカミノルタエムジーと富士通は１０日、国内の診療所向け医療機器事業で協業することで基本合意したと発表した。コニカミノルタエムジーのデジタルＸ線画像読み取り装置「レジウス」と富士通の電子カルテシステム「ホープ　イージメイン　シーエックス」を組み合わせて、１０月から販売を始める。両社の製品を組み合わせることで、システムごとに必要だった入力装置を１つにまとめることができ、作業の効率化や省スペース化を図れるという。販売はコニカミノルタエムジーが担当し、電子化の進展が期待される国内の診療所を対象に、２０１０年度末までに１０００システム以上の販売を目指す。コニカミノルタエムジーは、レジウスに電子カルテを組み合わせたシステム販売に乗り出すことで医療機関にＩＴ（情報技術）サービスを提供し、医療事業を強化していく方針。一方、富士通は電子カルテで国内トップシェアを握っており、従来の大規模病院に加え、コニカミノルタエムジーが持つ診療所の顧客網を活用することで拡販を図る。両社によると電子化の進む大規模病院に比べ、診療所の電子カルテ導入率は１０％以下にとどまっている。厚生労働省が医療分野のＩＴ化を促進するなど、今後は国内に約９万７０００施設ある診療所でも電子カルテの導入が進むと期待されている。

△ファンコミュニケーションズ<2461>　アフィリエイト関連で特許、広告が情報の一部のように
アクセス数増加の貢献度に応じて報酬がもらえるアフィリエイト（成果報酬型）広告事業を展開するファンコミュニケーションズ（東京都渋谷区）は、アフィリエイト関連の特許「３９７４３２０」を取得した。この特許のタイトルは「ネットワーク広告管理システム、ネットワーク広告管理システムの管理サイト装置および記録媒体」で、広告をあたかもコンテンツ内の内容の一部かのように思わせて読者（顧客）の関心を集めるようにできる技術。２０００年に出願した。具体的には、ブロガーなどのアフィリエイターがコンテンツを作成した際に、広告リンクしたいキーワードを選択すると、それに合致した広告リンク群がレコメンド（推薦）され、それを選択することで自動的にキーワードに広告リンクを埋め込むことが可能になる仕組み。同社が取得したアフィリエイト関連特許はこれで３件目となる。

△コネクトテクノロジーズ<3736>とアマノ<6436>　携帯電話で介護時間管理、場所などの情報チェック　信頼回復のツールに
携帯電話向けソフトの開発を手掛けるコネクトテクノロジーズは、タイムレコーダー最大手のアマノと共同で、携帯電話を使った介護事業者の介護時間を管理するためのシステム「訪問介護時間管理システム」を開発した。実用化の時期は未定だが、今後も共同で研究を進め、早期にサービス開始を目指す。１１日から東京都江東区の東京ビッグサイト（東京国際展示場）で開催される「介護フェア２００７」に出展する。
訪問介護時間管理システムは、ＮＴＴドコモ<9437>が提供しているＦｅｌｉｃａ機能（おサイフケータイ）とＧＰＳ（衛星利用測位システム）が搭載されている携帯電話「ＦＯＭＡ９０３ｉ」シリーズを使って介護ヘルパーが何時間、介護サービスを行っていたかを管理するシステム。ヘルパーは、就業場所、業務開始時間・終了時間といった情報を収集するため、就業先の要介護者が所持するＩＣカードを携帯電話に触れてもらう。ヘルパーは情報を携帯電話から管理サーバーに送信。管理サーバーが受信した就業情報は、アマノグループで時刻配信や認証サービスを手掛けるアマノタイムビジネス（横浜市港北区）が運営する「就業情報収集センター」に送られ、情報が本当かどうかチェックする仕組み。コネクトテクノロジーズでは「データの真正性が確保できる」としている。
コムスン（グッドウィル<4723>）など一部の大手介護事業者の不正問題で、介護事業者全体の信頼が揺れている。介護時間の管理を徹底できる同システムは、不正を減らすと同時に、介護事業者の信頼回復につながるツールとして採用が広がりそうだ。

△住友商事<8053>　加藤進新社長に聞く　質向上で次なる成長路線
住友商事の２００７年３月期連結決算は、資源・エネルギー事業の好調を追い風に、最終利益が４期連続で過去最高を更新した。現時点で世界経済に大きなマイナス材料はなく、今期も最高益を見込む。４月からは２カ年の中期経営計画「ＧＧプラン」がスタート。６月末に岡素之前社長からバトンをうけた加藤進社長は、「この２年間に資産の入れ替えを通じて質の向上を進め、次なる成長路線につなげたい」と抱負を語った。
－－前社長から経営のボトルネックがあるとすれば、人材育成が事業拡大に追いついていない点だと課題を託されました。
「新規事業への取り組み、資産の入れ替えによる事業売却が増え、従来以上に経営ノウハウや経験が求められており、人材育成の重要性を実感している。しかし、人材育成は簡単ではなく、ひとつの解決方法がＭ＆Ａ（企業の合併・買収）だろう。事業だけではなく、人材への投資という視点からいかに優秀な経営陣を囲い込めるかがポイントだ。０５年のタイヤ大手のＴＢＣ買収の際にも、事前に経営哲学や経営者の人格を重視したほか、買収後も経営や物事の考え方などを徹底して議論している」
－－今年からの２カ年にネットで２８００億円を投資する計画ですが。
「約２０％に相当する５５０億円を資源・エネルギー事業に、２９０億円を金属事業に投資するが、石油やＬＮＧ（液化天然ガス）など既存の分野だけでなく、カザフスタンのウランや事前調査中のマダガスカルのニッケル、ハイテク製品に不可欠のレアメタルの権益取得を加速したい。世界的に自動車関連ビジネスが拡大しているほか、インフラ開発も進んでおり輸送機、建機などにも３００億円を投資する計画だ。既存の資産の入れ替えを進めるため、実際には６０００億円程度の投融資になる見通しだ」
－－米国住友商事は、純利益で前年比７０％増と商社トップの２３５億円を稼ぎ出しました。
「世界的な石油などの資源開発を背景に油井用の鋼管販売が順調に拡大しているほか、ＴＢＣも収益に貢献している。これらは、先輩たちがまいた種が結実したものだ。年内には配管用塩化ビニールパイプを扱うカンテックスのアリゾナ新工場も稼働し、西海岸の需要を取り込みながら事業を拡大できるとみている」
－－中期経営計画をどう位置づけますか。
「体質強化の４年を経て、最近の４年間は日本と世界経済の回復を背景に、収益基盤の拡大と成長戦略をとってきた。しかし、必ずしも質を点検してきたとはいえない。資産の見直しを進めると同時に、事業の将来性など投資の中身を再点検し、成長路線を続けていきたい」

△世界メーカーと激突　主戦場は小型大衆車　ロシア
世界の主要自動車メーカーのロシアへの進出が相次いでいる。同国第２の都市、サンクトペテルブルク郊外に工場を建設中のトヨタ自動車<7203>に続いて、日産自動車<7201>も８日に同市で工場起工式を行った。既に現地生産に入っている米フォード・モーター、仏ルノー、韓国・現代自動車などに加え、スズキ<7269>、ドイツのフォルクスワーゲン（ＶＷ）も進出を決定、戦国時代の様相を呈してきた。ロシアの昨年の新車販売台数は１７８万台で、前年比２３％増を記録。外国車のシェアは６割近くに上った。成長の主力はフォード「フォーカス」、ルノー「ロガン」、現代「アクセント」など現地進出で先行した企業の小型車だ。ルノーとモスクワ市の合弁会社アフトフラモスのジャリニエ社長は「ロシア市場の半分は１万２０００ドル（約１４５万円）以下の小型車」と指摘する。ＶＷもチェコ子会社シュコダの小型車をベースに開発を進めているとされ、外国メーカーが小型大衆車にシフトする傾向が強まっている。進出戦略が多様化する兆しもある。日産のタバレス副社長は工場起工式で、乗用車「ティアナ」など２車種を２００９年初めから年間５万台生産すると発表した。ティアナは価格３万～４万５０００ドルで、現地生産の第１段階から高級車を投入する戦略だ。同副社長は「ティアナはブランドとして確立しており、消費者へアピールできる」と強調した。一方、ボルガ自動車工場（ＡＶＴＯＶＡＺ）など国内メーカーは生き残り戦略を必死に探り始めた。ロシア政府は超低価格車を主力とする中国メーカーの進出規制などで支援の構えを見せるが、決め手はなく、ロシア勢はいずれ市場から一掃されるとの観測も出ている。
（FujiSankei Business i）