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2011 11,13 09:00 |
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【日本株週間展望】下値懸念、欧州問題くすぶる-国内業績不透明も 11月3週(14-18日)の日本株相場は、引き続き下値懸念が強い。イタリアの国債利回りが一時、危険水域とされる水準まで上昇し、欧州債務問題への警戒がくすぶる。世界経済の減速や円高、タイの洪水被害などを背景に、国内企業業績の先行きも不透明で、投資家は株式保有を増やすことに慎重なままだ。 BNPパリバ・インベストメント・パートナーズの清川鉉徳執行役員は、「欧州関連情報のヘッドラインに一喜一憂して、相場が一時的に大きく上下に振れることはあっても、明確な方向性は出ない」と予想。ただ、イタリア国債利回りの急伸や、世界的な株安による経済・企業業績のファンダメンタルズへの悪影響といった「自己実現的なスパイラル」に陥る可能性があることは、「テール・リスク」に近いものとして意識しておかなければならない、という。 第2週の日経平均株価は、前の週に比べ3.3%安の8514円と続落。8月最終週から続いた週間での上昇、下落を交互に繰り返す「鯨幕相場」は途切れた。10日には254円安の8500円と急落し、終値で約1カ月ぶり安値を付けた。 国際通貨基金(IMF)に緊縮財政実施の監視を要請するなど債務懸念が高まるイタリアでは、欧州の決済機関LCHクリアネットが同国債を取引する顧客に求める証拠金の比率を引き上げると8日に発表。これをきっかけに、9日の欧州債市場でイタリア国債が売られ、同国10年債利回りは急上昇し、1999年のユーロ導入以降、初めて危険水域とされる7%を上回った。10年国債利回りの7%超えは、ギリシャやポルトガル、アイルランド救済の引き金となった。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
SMBC日興証券の牧野潤一チーフエコノミストは、イタリア国債の急落に関し、「イタリアの財政収支は改善傾向にあり、ファンダメンタルズは特に市場を裏切る状況にはない」と指摘。一連の政局混乱も1つのきっかけに過ぎず、「真因はおそらく、依然として厳しい欧州銀行の資金調達環境にある」との見方を示す。3カ月欧州銀行間取引金利(EURIBOR)とユーロのオーバーナイト金利(EONIA)スプレッドは高止まり、仏・ベルギー系金融機関のデクシア破綻後も、欧州銀は厳しい資金調達環境に直面している。 牧野氏は、これではいつ自分の銀行がデクシアの二の舞になるか分からず、常に破綻の恐怖におびえていなければならないと指摘。それを避けるため、欧州銀は「災いの元であるGIIPS(ギリシャ、イタリア、アイルランド、ポルトガル、スペイン)国債を早く処分しなければならない。処分売りはきっかけさえあればすぐに先鋭化し、投げ売りになる」と見る。 10日には、イタリア10年債利回りが6%台後半に低下。同国政府が実施した1年物国債入札で目標上限の資金を調達したほか、欧州中央銀行(ECB)が同国債を購入したとの観測が支援材料となった。ただ、依然高水準に変わりはなく、なお予断を許さない 通期業績下振れ、計画未達も懸念 国内では企業の4-9月期決算発表が峠を超え、今期計画を含め全体的な傾向が見えてきた。みずほ証券リサーチ&コンサルティングによると、東証1部企業(金融除く1178社)のうち89%に当たる1053社が10日までに4-9月期決算発表を終え、今期(2012年3月期)の予想経常利益は前期比9.8%減と、9月末時点の予想値4.1%減から下振れた。通期計画に対する上期の進ちょく率は47.6%。 みずほ証リサーチの米澤忍クオンツアナリストは、5割を下回る進ちょく率について、下期の業績モメンタムが上がるなら問題ないが、「どちらかというと、全体的にモメンタムは落ちるイメージを描いている」とし、足元で下振れた企業の通期計画達成に向け、懸念を示す。 また、BNPパリバの清川氏は「産業ベアリングや大手プラントメーカーなど一部企業で、経営陣の将来に対する発言が弱い」点を警戒。企業の先行き慎重姿勢が広がるようだと、「新事業などへの投資をしなくなり、投資をしなければ乗数効果も出ず、経済がうまく回らない。それが一番困る」と話していた。 第3週の主要企業の決算発表は、14日に三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループ、第一生命保険など。18日には東京海上ホールディングス などの損保各社が発表する予定だ。 7-9月国内GDPと日銀会合に注目 また国内では、14日に7-9月期の国内総生産(GDP)が発表され、15-16日には日本銀行の金融政策決定会合が開かれる。7-9月GDPは、エコノミスト25人を対象とした事前調査の予想中央値が前期比年率で5.8%増と、4四半期ぶりにプラス成長(4-6月は2.1%減)に転じる見通し。サプライチェーン復旧に伴う生産や輸出の回復、震災で冷え込んだ消費者心理の改善が寄与するもようだ。 UBS証券の会田卓司シニアエコノミストは日銀会合について、前回10月の会合で資産買入れ枠を5兆円増額したが、10月31日の財務省による為替介入の規模が8兆円と相当程度大きかったことや、今後も大規模な介入の可能性が高いことを踏まえると、「さらに基金を増額してくる可能性はある」と予想。為替介入と同時の金融緩和は、介入の事実上の非不胎化措置に等しいため、と同氏は指摘する。 欧州を中心に海外発の新たな悪材料が出ず、国内GDPの回復や日銀の追加金融緩和決定があれば、日本株への買いが優勢になる可能性は高い。いちよし投資顧問の秋野充成運用部長は、日経平均の目先レンジを8500円-9000円とし、「現状は想定レンジの下限近くにあるだけに、好材料に対し株価は素直に上方向に反応しやすい」と読む。
-- Editor:Shintaro Inkyo オリンパスの件は、また想っている事を書こうかと思っています。 PR |
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