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2011 10,01 09:02 |
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【日本株週間展望】底固め、欧州不透明感残る-日米の経済統計注視 10月1週(3-7日)の日本株は、底固めの動きとなりそう。欧州発の金融危機再来に対する過度な不安心理は和らいできたが、根幹にあるギリシャのデフォルト(債務不履行)リスクはなお抱えたままだ。重要統計の発表が相次ぐ日米経済への警戒も強く、日経平均株価は8000円台後半でもみ合う公算が大きい。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
第一生命経済研究所の人見小奈恵副主任エコノミストは、ユーロ圏の救済基金である欧州金融安定化基金(EFSF)の機能拡充をめぐり、「各国の思惑が飛び交い、欧州問題の先行きが不透明で本腰を入れて投資判断ができない」と言う。ただ、7月以降の急落で債券利回りなどと比較した「アセットアロケーション面で相対的に株式の割安感は出ており、そこを拾おうという動きはある。上値は重いが、底堅い相場」を予想している。 9月4週の日経平均は、週間で1.6%高の8700円と反発。9月は隔週で上昇、下落を繰り返した。20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会合では、欧州債務問題などを念頭に世界経済が直面する課題に協調して取り組む姿勢を確認したものの、具体的成果は乏しかったとし、週初の26日には8374円と終値で2年半ぶりの安値を付けた。 ただその後は、米国のガイトナー財務長官がABCテレビとのインタビューで、金融危機回避に向け欧州各国に一層の努力を促すなど、外圧で欧州も積極的に対応せざるを得ないとみられ、日本を含む世界の株式、商品などリスク資産の価格は反転。丸紅ワシントン事務所の今村卓所長によると、米国のエコノミスト・金融市場関係者の間では、欧州危機の波及がなくても今後の米景気が後退に陥る可能性は3-4割との見方が多く、「その上に欧州の危機拡大という外的ショックが生じれば、米景気は耐えられず失速してしまう可能性が十分にある、と懸念している」という。 EFSFの重要な担い手であるドイツの連邦議会下院は29日、基金拡充案を賛成多数で可決した。ドイツがEFSFに提供する保証は2110億ユーロ(約22兆円)と、従来の1230億ユーロから増え、基金からの国債購入や銀行への資本注入、財政情勢の厳しい国への予防的な与信枠設定の許容度が増すことになる。 ただ、基金拡充案はユーロ圏17カ国すべての承認が必要で、29日時点での承認国は10カ国。与党内に反対意見を持つスロバキアなどの採決を残す。また、欧州問題の端緒であるギリシャ情勢も、欧州連合(EU)、欧州中央銀行(ECB)、国際通貨基金(IMF)の代表団が29日から財政再建策の進展状況の査定を再開。遅れている同国への第6回目融資の実施判断は、大詰めの局面を迎えた。欧州危機は「経済ではなく、政治と制度設計の危機」と丸紅の今村氏は指摘している。 雇用統計、短観など内外で重要統計 第一生命経研の人見氏は、「直近のリバウンド相場で無視していた面もあるが、あらためて実体経済の悪さで相場の上値が重くなる可能性」に警戒感を示している。10月1週は、米国で3日に9月の供給管理協会(ISM)の製造業景況指数や新車販売台数、7日に9月の雇用統計など重要統計の発表が目白押し。日本でも、3日に日本銀行が企業短期経済観測調査(短観、9月調査分)を公表する。 ブルームバーグ・データによると日銀短観は、大企業・製造業の業況判断指数(DI)が23調査機関の予測中央値でプラス2と、前回6月調査時のマイナス9から改善する見込み。ただ、先行きDIはプラス3と、回復ペースは鈍るとみられている。今回調査分の大企業・全産業の設備投資額はプラス4.3%で、前回のプラス4.2%から小幅な伸びにとどまるもよう。 日本経済の厳しい現状は、倒産動向にも表れている。東日本大震災から200日目に当たる9月26日時点で商工リサーチがまとめたデータによると、震災関連で直接、間接的に倒産した企業数は349件、負債総額は6344億円に上った。1995年の阪神・淡路大震災時の関連倒産は、震災発生からの3年間累計で314件だったため、すでにこの水準を上回る。26日には東証1部上場で、リーマン・ショックから震災に至る局面で業況が悪化した東北地盤のマンション事業会社、サンシティが仙台地方裁判所に民事再生法の適用を申請、受理された。 海外勢売り・国内勢買い 日本株を需給面から見ると、売買代金シェアで約7割を握る海外投資家の売りが続く半面、年金や企業の自社株買いの動向を反映しているとされる信託銀行、個人など国内純投資家が買い向かう構図となっている。東京証券取引所の公表データによると、海外勢は9月3週まで9週連続で売り越し、この間の売越額合計は1兆8440億円に達した。これに対し信託銀は8週連続の買い越しで、買越額は1兆780億円。個人は売り買いを交えながら、海外勢の連続売り越し期間中に8700億円買い越した。 ただ、国内勢は上値を買わず、いわゆる「押し目買い」の傾向が強いため、相場水準の押し上げ役にはなり得ない。実際に日経平均は、海外勢売りが始まった7月最終週の9833円から直近まで12%下げている。海外勢の売り越し規模は足元で縮小方向にあるが、運用成績の悪化などを受けて換金売り需要も根強く、早々に買い方への転身は見込みにくい情勢だ。 世界最大の上場ヘッジファンド会社、英マン・グループは28日、運用資産が6月末の710億ドルから9月末までに650億ドルまで8.5%減少するとの見通しを示し、株価が25%安と約3年ぶりの下落率を記録した。同社最高経営責任者(CEO)のピーター・クラーク 氏は、「ここ数カ月間の極端に高いボラティリティ(変動率)により、あらゆる投資資産で運用環境が厳しくなっている。年内は投資意欲が引き続き抑制されると考えている」と言う。 【市場関係者の日本株の見方】
●ビバーチェ・キャピタル・マネジメントの三井郁男氏
●しんきんアセットマネジメントの藤本洋主任ファンドマネジャー
●東海東京調査センターの隅谷俊夫投資調査部長
記事:東京 院去信太郎 Shintaro Inkyo PR |
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