2024 11,23 05:42 |
|
2011 09,17 13:00 |
|
国債・公債のデフォルト確率上位国をグラフ化してみる(2011年9月15日版) 債権リスクを示す指針の一つCPDを元に、主要国・地域の国公債のデフォルト確率上位国を2010年12月から1か月単位で確認している。今回は2011年9月分として、15日時点での数字をグラフ化してみることにした。
データ元は【CMA Market Data】 まずは用語説明。CPD(累積債務不履行確率、Cumulative Probability of Default)はCDS市場などを元に算出されたもので、CMEグループのCMA DataVisionが計算したもの。具体的にはCPDの値がそのまま「今後5年間にデフォルトとなりうる値」を示している。例えばA国の国債におけるCPDが5%なら、A国国債が今後5年間にデフォルトしてしまう(基本的には「支払いができませんよ」とギブアップする)可能性は5%と、CDS市場などが判断していることになる。 もちろん【破たんリスク30%超えも!? 日本企業のCDS値をチェックし直してみる】でも解説しているように、CDSはち密・厳密な計算によるものだけでなく、市場原理(しかもその市場の参加者は株式市場よりはるかに少ない)によって大きく左右される。当然、市場関係者の心理や思惑で大きくぶれることもありうる。その値を元にしている以上、CPDもまたCDS同様に、完全に対象となる国債・公債のデフォルトの可能性を正確に示しているとは言い切れない。あくまでも「市場が想定している」割合であり、いわば逆人気投票結果のようなもの。競馬で例えるなら、一番人気の馬が常に一等になるわけでは無いという次第。 今件のグラフは日本時間で2011年9月15日、つまり(日本時間で)本日取得したばかりの一番新しいデータで生成している。今回も前回から大きな変動が確認できた。前回も掲載されていた国・地域については前回値を併記している。
いわゆる「ジャスミン革命」「Facebook革命」と呼ばれた中東近辺の連鎖反応的動乱は、一部先日の「ロンドン暴動」「イスラエルの大型デモ」などへも飛び火したが、結局のところ(背景や表現の仕方に違いはあれど)「モバイル端末」と「相互情報の容易なコミュニティ」というツールで形成された、主に若年層による「エネルギーの発散」という形でまとまりつつある。多くの国では経済的に混乱を積み増しただけの感は否めない。リビアの騒動もひと段落つき、事後の状態回復の方向で進んでいる。 一方で債務問題の悪化を起因とした欧米通貨、特にヨーロッパ方面のユーロをはじめとした各通貨への信頼性への揺らぎは続いており、これがここ数か月の間続いている極端な(特に対ユーロにおける)円高の一因にもなっている。今件データを見ると分かるように、特にギリシャのCPD値の上昇は著しく、同国の債務問題が極めて厳しい(と少なくとも市場関係者からは判断されている)のが確認できる。またポルトガルやアイルランド、イタリアなど周辺ヨーロッパ諸国も連鎖リスクを想定されてなのか、CPD値上昇の動きが見られる。 さらにリスク資産からの逃避も加速している関係から、この影響を受ける形で新興国の経済も(投資引きあげ、資源商品への投資資金流入に伴う価格上昇)悪化を見せ、各国株価も下落のさなかにある。日本ではあまり報じられていないが、例えば先日【イスラエルで続く生活改善を求めるデモ】で伝えたイスラエルでのデモにもあるように、諸外国では状況の悪化に伴う険悪な雰囲気が浸透しつつある。
なお日本の国債に対する値は4半期ごとに更新されるCMD Visionのリスクレポートの最新版【2011年第1四半期リスクレポート(PDF)】で確認できる(現時点ではまだ第2四半期のレポートは公開されていない)。 先月よりヨーロッパ各国、特にギリシャの値の伸びが目立った今月データだが、その数字の上昇分以上に、同国周辺の債務問題について、悪化を示唆する報道・数字の提示が相次いでいる。時折伝えられる状況改善のコメント・施策などで一息つける感はあるものの、全体的な流れを押しとどめることはできず、「三歩進んで二歩下がる」が続いているようなもの。 今後の動きについては、最優先で欧州の経済情勢、そしてその動きに連動する形で変化を見せつつある周辺国の経済・株価動向にも気を付けていかねばならない。今しばらくは「臨戦態勢」で気を引き締めた方がよさそうだ。 ■□━━━━・・・・・‥‥‥……………………………… ■用語説明■
CPD(累積債務不履行確率、cumulative probability of default)はCDS市場などを元に算出されたもので、CMEグループのCMA DataVisionが計算したもの。
リストを詳しく見れば分かるが、
仮に日本の国債がデフォルトを起こすのなら、確率論としてはその前に
そんな事態に世界経済が陥れば、CPD値など無意味な状態になってしまうのは、 PR |
|
コメント |
コメント投稿 |
|
trackback |
トラックバックURL |
忍者ブログ [PR] |