7/5 朝の『株価材料』PART Ⅲ

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■株価材料

▼日本製紙<3893>　旭川工場でも排気データ改ざん
日本製紙釧路工場の排気データ改ざん問題に関連し、旭川市の同社旭川工場でも同様の改ざんが行われていたことが４日、明らかになった。旭川市は同工場に対し基準の順守と正確な測定結果の報告を求めた。市は２日に旭川工場に立ち入り検査実施を通告、４日になって同工場から「過去に基準超過があった」との連絡があった。

△ＪＡＬ<9205>再建　航空関連事業分の人員削減、１年前倒し…社長
経営再建中の日本航空（ＪＡＬ）の西松遥社長は４日の会見で、中期経営計画で示した４３００人の人員削減のうち、主力の航空関連事業分（３５００人）について、０９年度の達成目標を１年前倒しする意向を公式に表明した。０８年度から募集予定だった客室乗務員の特別早期退職の募集も１年早め、早期の再建につなげる。　
（毎日新聞）

△「ニコ動（ドワンゴ<3715>）」月間利用時間、YouTubeの倍
ネットレイティングスがこのほど明らかにした5月の動画サイト利用状況（家庭からのアクセス）によると、「ニコニコ動画」の1人当たりの月間平均利用時間が2時間10分28秒となり、YouTubeの約2倍、全動画サイト中最長だった。月間ユニークユーザ（UU）は135万4000だった。
（ITmedia News）

△マツダ<7261>、２０１１年めどに全車種で車台共通化－開発体制見直し
マツダは開発・生産体制の長期的な軸として「全車一括企画」を導入することを明らかにした。開発では車種やセグメントを超えて設計・部品の共通化を高め、生産ではフレキシブル生産体制をさらに進める。これによってハイブリッドシステムなど独自機構開発に力点を置く。全車種の市場投入が一巡する５―１０年を一単位ととらえ、全車種にわたって共通化できる構造、競争力維持のため専門性を保つ構造の分類を洗い直す。プラットフォームやパワートレインを一新する２０１１年から「第１弾」として反映する。取り引きには中期的な対応が求められるため、サプライヤーへの影響は必至とみられる。マツダは０６年末から全社的改革の「モノ造り革新」を構想。その核となるのが、開発から生産全般にまたがる全車一括企画。原則として車種、セグメント別に立ち上がり、それぞれの流用を「共通化」としていたが、今後は可能な限り全車種で構造を共通化する「コモンアーキテクチャー構想」を新基準とする。最初に共通化の問題点をあぶり出して解決、個別車種の開発前からの部品などの共通化を図る。例えばプラットフォーム開発でマザープラットフォームをベースとして個別に開発するのが従来方法。これを改め、基本的に全車標準構造とし、組み立て段階でマイナーチェンジして多品種を同一ラインで生産する。これに先立ち、生産面ではフレキシブル生産方式「計画順序生産」をさらに発展させた「変種変量生産」構築を着々と進めている。今後の課題は開発体制の再構築。マツダはマツダデジタルイノベーション（ＭＤＩ）を活用した生産技術と車種開発チームの同時進行型開発を進めてきた。

△シーイーシー<9692>、技術者の育成策強化－ＰＭ対象に資格試験義務付け
シーイーシーは社内における技術者の人材育成策を強化する。中堅クラスのプロジェクトマネージャー（ＰＭ）を対象とした研修と、オンラインによる若手技術者教育プログラムを８月からスタート。ＰＭ研修では、国家試験などの取得を目的とした外部の講座を活用。有資格者を増やすことでプロジェクトマネジメント能力の標準化を図るとともに、顧客に対しても業者選定の理由付けが可能になるメリットを提供できるとみている。ＰＭの研修プログラムは次長、課長級のプロジェクトリーダー３０人を対象に始める。研修期間は６カ月を予定し、３５時間の公式プロジェクトマネジメント研修講座を受講。資格の取得では、国際資格「ＰＭＰ」や国家試験「情報処理技術者試験」の受験を義務づける。これまでも受験料や講座の受講費用を会社が負担し社員に資格取得を推奨。しかし自発的な取得希望者は年１０人程度にとどまるのが実情だった。ＰＭＰなどの資格は、ＰＭの持つ経験や技術などを見える形で示す指標になる。顧客の側は、なぜ契約したかの理由を明確に説明できるため、経営の透明性が向上する。研修は継続的な展開を計画。さらに仕様書や進ちょく報告書、生産物管理などの標準化も進め同社全体のプロジェクトマネジメント能力についても引き上げる。若手技術者向けはオンラインラーニングシステムを用いた技術教育を計画。今後、詳細を詰めグループを挙げて取り組んでいく。

△富士通フロンテック<6945>、ＡＴＭ貸し出しサービスを拡大
富士通フロンテックは、コンビニエンスストア（ＣＶＳ）やスーパーマーケットの店舗に現金自動預払機（ＡＴＭ）を貸し出し、金融機関から運用を受託するサービス事業を強化する。親会社の富士通の営業部隊と連携して、運営店舗数１０００店以下の中堅ＣＶＳチェーン本部と同５０店以下の地方有力スーパーに売り込む。０７年度末にＡＴＭの設置台数を３０００台（０６年度末は２４５０台）、売上高を０７年度４１億円（０６年度は２８億円）にする。同サービスは、富士通フロンテックが自社製ＡＴＭを店舗に貸し出してレンタル料金を受け取り、併せて金融機関から警備や現金の輸送・入金（警送）を受託して手数料を得る仕組み。富士通フロンテックは４月に同サービスを扱う営業部門を「統括部」に昇格させるなど組織を強化。中堅ＣＶＳ、スーパーに営業攻勢をかける。また現在のＡＴＭが０４年の同サービス開始時のものであるため、０７年度から０８年度にかけてＩＣカードや生体認証などでセキュリティー機能を高めた機種を開発、投入する。ＩＴシステムの運用や保守に関する規格「ＩＳＯ２００００」を０８年春をめどに取得し、サービス実施体制を固める。ＣＶＳやスーパーなどの小売業者にとってはＡＴＭ設置で集客力が高まるが、金融機関との契約によるＡＴＭ設置は利用者数など取引量の条件を満たさなければ実現が難しい。富士通フロンテックが提供する同サービスを使えば取引量に関係なくＡＴＭを設置できるメリットがある。同社をはじめ富士通<6702>グループにとっては、同サービスを売りものに流通・小売業界に食い込みＡＴＭ販売を増やす狙いがある。

△ＮＥＣ<6701>、セキュリティー不備ＰＣを社内ネットから隔離するソフト発売
ＮＥＣとＮＥＣソフトは４日、セキュリティーポリシー（運用ルール）を満たさないパソコンを社内ネットワークから隔離し、治療（修復）するソフト「インフォケイジＰＣ検疫」を８月１日に発売すると発表した。協調型セキュリティーソリューションの強化策の目玉。発売に先駆け自社グループ向けに国内最大級の無線ＬＡＮ向けパソコン免疫システムを構築。アクセスポイント約３０００台、端末約１万台を対象に順次運用を開始する。ＮＥＣ製の検疫ソフト「キャップスイート／ＰＣ検疫システム」とＮＥＣソフト製の同ソフト「セックパイロット」を統合し、インフォケイジの中核ソフトとして位置づけた。価格は９２万円から。同ソフトを含め協調型セキュリティー関連全体で０９年度までに６００億円の販売を見込む。機能強化によりＵＳＢメモリーなどのリムーバブルメディアの利用許可や不正アプリケーション起動抑止機能などを検疫ポリシーとして設定可能。ウイルス対策ソフトは２０種類まで同時にチェックでき、トレンドマイクロやシマンテック、マカフィーなどの主要製品に標準対応した。またインフォケイジのパートナー制度にシスコシステムズとアラクサラネットワークが新たに参加。両社の製品との機能連携を実現した。

△デンソー<6902>北九州、１０５億円投じ新工場－トヨタ系の増産に対応
デンソー北九州製作所は０８年３月末をめどに、敷地内に第３工場（仮称）を新設することを明らかにした。九州地域におけるトヨタ自動車グループの生産増強に対応するとともに、製品の内製比率を現在の３０％から最大４５％まで高める。建設費は３５億円で、設備を含む０７年度の総投資額は１０５億円を見込む。デンソー北九州の新工場の敷地面積は２万２０００平方メートル。カーエアコンシステム増産のほか、エアコン用の配管、リザーブタンク、ＥＣＭ（エアコンクーリングシステム）部品などを生産する予定。生産能力は未定。同社は９３年に建設した熱機器工場で、トヨタ自動車九州（福岡県宮若市）、ダイハツ九州（大分県中津市）、三菱自動車水島製作所（岡山県倉敷市）向けに年間約９２万台のカーエアコンシステムを生産。

△ホンダ<7267>、テレマティクスの新サービスを発表－豪雪・地震情報も配信
ホンダは４日、テレマティクス（自動車向け情報提供）「インターナビ・プレミアムクラブ」の新サービスを発表した。主要道路が開通した際、即時にルート案内機能に反映する機能や、地震発生時に自車の位置をメール送信する機能を今秋発売する新型「フィット」向けから順次展開する。テレマティクスでは、トヨタ自動車<7203>が地図の自動更新機能などを投入しており、サービス競争が激化してきた。ホンダの主要道リアルタイム地図更新は、従来、ハードディスクのデータ全体を入れ替えていたものを、携帯電話などを使い変更データ分だけ更新できるようにした。更新分は数分でカーナビのルート案内に生かせる。一方、トヨタの次世代テレマティクス「Ｇ―ＢＯＯＫ　ｍＸ」は、ホンダより先に常時無料での地図データ更新を始めたものの、新しい道路のルート案内への反映は７日かかる。

△ＤＯＷＡ<5714>メタルマイン、秋田・小坂製錬でアンチモンを生産
ＤＯＷＡメタルマインはレアメタル（希少金属）の一種であるアンチモンの生産に乗り出した。中国の輸出抑制策など供給不安を背景に価格が１トン当たり５５００ドル前後と３年前の２倍の高値が続き、事業の採算が取れると判断した。小坂製錬（秋田県小坂町）に月間能力５０トンの湿式処理設備を導入、生産を始めた。当面は鉛の添加材として国内バッテリーメーカーなどに最大で年間６００トンの販売を目指す。アンチモンは銅や亜鉛の副産物であり、銅精鉱や亜鉛精鉱に含まれる。従来は価格が安く、処理技術も難しいため、製錬工程で無害化して濃縮された中間製品を堆積するのみで地金は未回収だった。しかし、供給不安や価格高騰を機に事業性を認識。このほど湿式プロセス技術の開発にこぎつけ年産６００トンの自社開発設備を導入した。

△ハザマ<1719>、ひび割れ幅を正確に測定するコンクリ向け評価手法を開発
ハザマは４日、コンクリート表面のひび割れ幅を正確に測定する評価手法を開発したと発表した。ファースト（神奈川県大和市）と共同で測定器も開発している。コンクリートのひび割れは測定基準や方法がまだ標準化されておらず、今回の評価手法の開発は、品質確保の観点から注目されそうだ。測定器はひび割れを撮影するカメラと、データをパソコンで処理するソフトウエアで構成する。測定したい領域にカメラをあわせ、カメラをＵＳＢケーブルで接続したパソコンの画面を見ながら測定する。割れ幅を連続的にチェックし、その結果を統計的に処理して、割れ幅の平均値や最大値を測定する。測定結果は測定場所や位置情報と共に保存可能で、報告書データとして活用できる。測定器はファーストが９月から２４万円程度で発売する予定。

△文化シヤッター<5930>小山工場、新商品生産比率を倍増－頭脳的拠点、位置づけ
文化シヤッターは０８年度に主力生産拠点の小山工場（栃木県小山市）の新商品（過去４年間に発売した商品）生産比率を現状の２倍近い２０％に引き上げる。最初に新商品を生産し、効率的な生産技術を他の工場に移転する基幹工場としての役割を明確にするのが狙い。さらに最新の技術を搭載した新商品の生産を通して、現場作業員の技能・意識向上にもつなげていく。これにより、同工場を最新の生産技術を開発する頭脳的な生産拠点として位置づける考え。文化シヤッターは小山工場で重量シャッター（布製防火シャッターを除く）の３６％、軽量シャッターの２７％、オーバースライディングドアの全量を生産している。また生産品目も窓シャッターからバルコニー、間仕切りなどまで幅広い。これらを首都圏を中心に東日本、一部商品については全国に供給している。同工場は本社の開発部門と連携しやすい立地のため、これまでも他工場に先駆けて新商品を生産してきた。

△日本テクシード<2431>、韓国からＣＡＥ技術者受け入れ－強度解析の業務請負
日本テクシードは資本・業務提携先の韓国企業からコンピューター利用エンジニアリング（ＣＡＥ）技術者を受け入れ、強度解析などの業務請負を０７年内に始める。主要顧客の自動車・自動車部品メーカー向けサービスを拡充するもの。今回の連携を足がかりに、提携先と共同での海外展開も検討する。日本テクシードは、ＣＡＥの技術で韓国の自動車メーカーなどから業務請負の実績があるＣＩＥＳと０６年１１月に業務提携を締結。さらに６月に資本参加した。ＣＡＥ技術を使う業務請負を始めるにあたり、ＣＩＥＳからＣＡＥ技術者約２０人を受け入れる。同社は現在、既存顧客など自動車関連の数社と業務請負を交渉中で、年内にも受注できる見通し。ＣＩＥＳは技術者を日本に派遣することで、技術力向上や日本での顧客開拓を狙う。

△昨年度の宅配便・郵便小包取り扱い数、「ゆうパック」が４位浮上
０６年度の民間宅配便と日本郵政公社の郵便小包を合わせた取り扱い個数とシェアが４日まとまった。国土交通省、日本郵政公社の調べによると、ヤマト<9064>運輸の「宅急便」がシェア３６・６％（０５年度は３５・６％）で首位を維持する一方、郵便小包「ゆうパック」が８・４％（同７・８％）とシェアを伸ばし、福山通運<9075>を抜いて４位に浮上した。宅急便は前年度比４・０％増の１１億７４５６万個と伸ばし、２位の佐川急便「飛脚宅配便」も同３・６％増の１０億３７８７万個と追撃。郵政公社は百貨店やコンビニエンスストアの取り扱い増などで同８・６％増の２億６７９５万個となった。３位の日本通運<9062>「ペリカン便」は同０・５％増の３億４２８７万個で、前年度のシェアを確保。一方、福山通運（トラック運送のみ）は同２６・０％減の２億４６万個、西濃運輸<9076>（同）は同１・９％増の１億３４８９万個。

△第一興商<7458>、宴会に特化したカラオケ店を東京・八重洲に出店
第一興商は“宴会特化型”の新業態店「楽蔵うたげ」を２５日に東京・八重洲に出店、カラオケと飲食の複合型店舗バリエーションを拡充する。同店舗は飲食からカラオケまで通して利用できる宴会スペースを店舗全体に導入、従来のカラオケと飲食の複合形態をさらに進化させた。多店舗化は計画していないが、立地など条件が折り合えば、リニューアルなどで展開していく。第一興商はカラオケルーム「ビッグエコー」２０６店舗、飲食店５８店舗を展開し、このうちカラオケルームと飲食店を同時展開する複合型店舗は１９カ所。なかでも、宴会スペースでカラオケまで通して利用できる店のリピーターが増えているという。新規オープンする楽蔵うたげは、その店舗戦略を店全体に広げたもの。現有店舗をリニューアルし、宴会スペースを店舗全体（４フロア）で展開する。

△みずほ<8411>銀、中堅・中小のＩＰＯ支援へ新組織－グループ連携加速
みずほ銀行は中堅・中小企業の新規株式公開（ＩＰＯ）支援を本格化する。「証券・信託業務部」を新設し、みずほフィナンシャルグループ（ＦＧ）のみずほインベスターズ証券、みずほ信託銀行、みずほキャピタルとの連携強化を加速する。グループの総合力を活用した問題解決型の営業力を強めることで、みずほ銀を窓口に、ワンストップで、中堅・中小のＩＰＯを後押ししていく考えだ。みずほＦＧ各社間の情報共有化に同意した顧客に対し、銀行、証券、信託、キャピタルなど、それぞれの会社が持っている専門分野の知識や情報、ノウハウをみずほ銀行を通じて提供していく。ＩＰＯや公募・売出（ＰＯ）、証券仲介などの分野は、みずほインベスターズ証券が担当する。みずほ信託銀行を通じて、ＩＰＯを検討している中堅・中小企業に対して、証券代行業や確定拠出年金、不動産関連業務を提案する。
（日刊工業新聞）

△東栄住宅<8875>　期初の土地の仕入れは万全
東栄住宅の株価は、１月２５日の２０２０円高値から５月１８日の１５０６円の最安値をつけた後徐々に回復し、７月４日には１６４７円まで戻っているが、まだ業績を反映したものとはいえない。
今０８年１月期業績予想は、売上高１５１６億円（前期比２７．７％増）、経常利益６７億４０００万円（同３３．６％増）、純利益３９億３０００万円（同５３．０％増）を見込んでいるが、期初の土地の仕入れは万全であることから予想数字は達成されるものと思われる。また、１００株以上の株主にＪＣＢギフトカード２０００円券、５００株以上に３０００円券、１０００株以上に５０００円券の株主優待策を設けている上に、７月の中間配当２０円もあることから、配当狙いの買いが膨らむことも予想される。

△ラクーン<3031>　６月次の経営指標発表
ラクーンは４日、６月次の経営指標を発表した。６月の会員小売店数は、前月末比６１０店増の１万１９８１店、出展企業数は３３社増の７１３社、商材掲載数は７５２２点増の１１万７７４８点となった。会員小売店数は、このペースであれば今期８１９６店と中期経営戦略の７０００店を１１９６店上回る。出展企業数のペースは計画の３５０社を４４社下回る３０６社。商材掲載数は７万２７８６点となることから計画の４万２０００点を３万７８６点上回るペースである。　したがって、会員小売店と商材掲載数が中計の予想を大きく上回るペースであり、出展企業数も今後の回復余地は十分あるため、全体としては中期経営戦略を上回るペースといえる。
（証券日刊新聞）

△新端末、新料金、助っ人招聘　ＮＴＴドコモ<9437>が反撃のノロシ
「そろそろ反撃してもいいですか？」。こんなＣＭキャンペーンを展開しながら、なかなか反撃の兆しが見えなかったＮＴＴドコモが、番号継続制以降、完敗を喫した「ａｕ」のＫＤＤＩ<9433>などに対して、反撃の狼煙（のろし）をあげ始めた。端末では新シリーズ「７０４ｉ」８機種を今月から発売。料金面でも最も割引率が高いプランを家族で共有できる家族向け新割引制度を９月から導入する。さらに、ブランド向上に向け８月に社外からマーケティングのプロ２人を招聘（しょうへい）するなど“独り負け”の汚名返上に向け躍起だ。謳（うた）い文句通りドコモの反撃策は実るのか？「サービス、ネットワーク、端末、料金含めて、すべてを変革する」。ドコモの中村維夫社長は先月２６日の会見でこう宣言した。同社は５月から「ドコモ２・０」と冠して「変革する会社」を標榜（ひょうぼう）。刺激的なキャッチフレーズで顧客の関心を誘い、巻き返しを目指してきたが、５月の携帯の新規契約から解約を引いた純増数は大手３社中最下位となるなど反応は今ひとつ。実際に新規導入された機能が、既存機能の延長線とみられるためで「賛否両論、物議をかもしているのは事実」と中村社長も認めている。昨年１０月に始まった番号継続制。大手３社中ドコモだけが５月まで純増を果たせず、他社の“草刈り場”状態が続く。「反撃してもいいですか？」の文句はむなしく響いた。しかし、国内携帯シェアで５４％を握る眠れる巨人は、ここに来て急速に目覚め、底力を見せ始めた。まず手をつけたのが、消費者にとって分かりやすい「料金」。２００億円の減益覚悟で、家族と個人向けに基本料を最大半額とする割引制度の９月の導入を決めた。さらに「番号継続制以降、低下しつつある」（中村社長）というブランド力の向上に向け外部から助っ人を招聘。日本コカ・コーラの魚谷雅彦会長と「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングの勝部悦子執行役員をアドバイザーに招き、ブランド力の建て直しを図る。「できるだけ（他社より）先の機能、サービス、料金を目指し、失地を回復する」。６月の株主総会で株主にこう宣言した中村社長。果たして言葉通りにドコモの反撃策は実るのか。今後の動向に注目が集まる。

△インバーター制御で安定電力　小容量で高品質なＵＰＳ　サンケン電気<6707>が月末出荷
サンケン電気は、小容量で高品質な電力を供給するＵＰＳ（無停電電源装置）「フルバックＳＲＵシリーズ」を開発、７月下旬に出荷開始する。ＳＲＵシリーズは、停電や電源変動などの電源トラブルが発生した場合、内部バッテリーを電源としてコンピューターや周辺機器などの負荷に電源を供給する装置。入力電力の電圧、周波数の変動にかかわらず、インバーター（直流電力の交流電力変換）制御で負荷には常に一定の電圧と周波数の電力を出力する「ＣＶＣＦ型常時インバーター方式」を採用している。出力周波数を常に一定に制御し、高品質で高精度のクリーンな電力を供給できるのが特徴だ。また、独自開発の回路配置により従来品容積比で最大約４０％小型化。ラックシステムに収納可能な厚さ８８ミリメートルサイズにしている。価格は、１１万５５００～１７万６４００円。ネットワークサーバーやストレージシステム向けに年間１万台の販売を計画している。流体制御機器メーカーのテイエルブイ（ＴＬＶ、兵庫県加古川市、ＴＥＬ０７９・４２２・１１２２）は、ポンプ機能付きスチームトラップ「パワートラップ　ＧＴ５Ｃ」を発売した。スチームトラップは、熱効率の妨げとなるドレン（凝縮水）を排出して蒸気を止める機能を持つ自動弁。ＧＴ５Ｃは、これまで外付けだった入り口と出口の逆止弁や空気排除弁を内蔵しているうえ排気管も省略できるので、配管の設置がシンプルにできるのが特徴。また、ドレンの排出・流入の切り替えをスムーズに行う、独自開発のスナップ・アクション機構の採用で小型化を実現。ドレン取り出し口の高さが１７０ミリメートルの低流入水頭での作動を可能にした。最高使用圧力は０・５メガパスカル、同温度は１８５度Ｃ。最大排出流量は毎時約１トン。空調機、乾燥機、加熱器などの小型熱交換器に採用すれば、熱効率アップ、省エネに役立つ。価格は２６万２５００円から。初年度２００台の販売を見込んでいる。

△「世界陸上」日本代表ユニホーム開発のミズノ<8022>　レーシングタイツに先端技術、フィット性保ち着用感抑える
８月２５日から９日間、大阪市で開かれる「第１１回世界陸上競技選手権大会大阪大会」。日本代表選手の公式ユニホームを開発したのがミズノだ。なかでもレーシングタイツには、選手の能力を最大限に引き出そうと最先端の技術が詰め込まれている。「着用感のないレーシングタイツがほしい」。男子短距離の第一人者で、日本代表に選ばれたミズノ所属の末續慎吾選手の要望を受け、大会用の「バイオギアレーシングタイツ」開発はスタートした。同社は、日本代表選手向けにレーシングシャツやパンツなど約３０種類の公式ユニホームを開発した。このうち末續選手が開発に携わった同タイツは「開発に最も注力した最先端のユニホーム」（アスレティック事業部の中島雅利さん）という。近年、レーシングタイツは、高いフィット性（締め付け感）から選手の間では人気が高まっている。しかし、フィット力が強いだけに、ランニング時に体の一部の部位に余分な圧迫感を感じるケースもあった。そこで「フィット性を保ちながら着用感を極力抑えたタイツ」（中島さん）の開発に着手。まず、ランニング時のランナーの皮膚の動き（伸縮など）を知るために「ヴァーチャルボディデザイン」という独自手法を導入した。実際の人間の動きをコンピューター上で再現し、そこから得たさまざまなデータ（動作時の皮膚の伸縮量、方向、速度など）を開発品の形状や素材決定に利用する設計手法だ。ランニング時のランナーを同手法で分析した結果、臀（でん）部から太ももの裏側上部にかけての皮膚が最も伸縮していることが判明。そこで同部位には伸縮性の高い素材を使い、そのほかの部位にはフィット性に優れた素材を組み合わせることで“着用感を抑えた”レーシングタイツを実現した。臀部にはとくに伸縮性の高い新素材を採用。従来のレーシングタイツ素材に比べて約１・７倍の伸縮率があり、「（ランナーは）従来の５６％の力でタイツを伸縮できるメリットがある」（中島さん）のが特徴だ。一方で、その他の部位にはある程度の締め付け感があって、肌触りにも優れた別の新素材を採用した。同タイツは選手にも好評で末續選手も「とても走りやすい」と高く評価している。史上最多の２１２カ国・地域から約３２００人の選手・役員が参加する世界陸上は、オリンピック、サッカーのワールドカップと並ぶ世界３大スポーツイベントの一つ。ミズノのハイテク技術はどれだけメダルを呼び込めるか。開幕まで２カ月を切った。

△ライオン<4912>　シャンプー「ソフトインワン」シリーズを一新
ライオンは４日、コンディショナー成分を加えたシャンプー「ソフトインワン」シリーズを一新し、８月１日に発売すると発表した。細い髪にハリやコシを与え、ボリューム感を増やす「ふんわり」タイプを追加した。同シリーズは８９年以来リンス・イン・シャンプーとして投入。今回、大幅に髪質の改善成分を投入したことで「コンディショナー・イン・シャンプー」として販売する。ふんわりタイプには、髪に弾力を与える成分として有効な「酢酸ビニル・ビニルピロリドン共重合体（ＰＶＰ／ＶＡ）」を付着させる技術を開発し採用した。リンス・イン・シャンプーでは初めてとなる。リンス・イン・シャンプーは、シャンプー市場の約１割となる年間１００億円規模。忙しいときやシャワーだけですませるときにニーズが高いが、女性にとっては仕上がりが不満な点もあり、今回、ふんわりタイプ投入でイメージの一新を図る。店頭での価格は５５０ミリリットル入りで９９５円程度を見込んでいる。

△小林製薬<4967>、今秋１０品目投入
小林製薬の小林豊社長は４日、都内で会見し、積極的な新商品投入を継続し、０８年３月期も新商品売り上げ１００億円を目指す方針を明らかにした。薬局で購入できる大衆薬（ＯＴＣ）分野や消臭剤などで、今秋１０品目を投入する。今秋投入するのは耳鳴りの改善薬「ナリピタン」、せき止め薬「セキピタンＳＰ」、トイレ用脱臭剤「しみつき臭の消臭ミスト」など。これら１０品目の今後１年間での売り上げは５６億円を目指す。すでに春商戦で投入した商品が６８億円の目標となっているため、０８年３月期も１００億円規模の新商品販売を見込んでいる。０７年３月期は、肥満症改善薬「ナイシトール」、イオンを使った部屋用消臭剤「クリエアー」が好調で、全売上高に占める新商品比率は１７・９％と目標の１０％を大きく上回った。小林社長は「ニッチ分野での新商品で確実に収益をあげる」方針を説明。「安定的に新商品比率１０％を目指す」と語り、０８年３月期も１０％前後に目標を設定するとしている。

△「ロガン」ベースの低価格車　日産自動車<7201>、メキシコに投入　
日産自動車は４日、ルノーの低価格車「ロガン」をベースにした小型セダン「アプリオ」をメキシコ市場で発売した。日産が東欧などで人気のあるロガンをベースとした車を販売するのは今回が初めて。日産はメキシコ市場で小型セダンを２車種販売している。アプリオの投入で一層のシェア増加を狙う考え。販売価格は約１２８万～約１６６万円。ルノーのブラジル工場で生産する。ロガンは、ルノー傘下のルーマニアの自動車メーカー・ダチアが開発し、２００４年に市場投入。高い環境性能、安全性能を確保しつつ、１００万円を切るモデルを設定するなど低価格が受け、これまでに５０カ国で５０万台が販売された。

△トヨタ<7203>が１１日に安全運転講習会　高齢者向けで初
トヨタ自動車は、６５歳以上の高齢ドライバーを対象とした安全運転講習会「トヨタ　ドライバーコミュニケーション」を１１日、富士スピードウェイのトヨタ交通安全センターモビリタ（静岡県小山町）で開く。高齢者向けの講習会は同社として初めて。反響や効果などをみて今後同様の講習会を拡大するか検討する。モビリタのある小山町在住の６５歳以上の高齢ドライバー１２人が対象。段差を乗り上げたときのショックで焦り、アクセルとブレーキを踏み間違えて事故を起こすケースが多いことから、踏み間違えを防止するトレーニングを行う。また、車内と車外に設置した４台のカメラで自分の運転を録画した映像を見ながら、客観的に安全運転を学ぶ「見直し運転講習」も実施する。少子高齢化で自動車の保有年齢も高齢化が進むなか、交通事故死者数の約４割を高齢者が占め、そのうち自動車乗車中の死者が４分の１となっているなど、高齢ドライバーの事故増加は今後も増える可能性が指摘されており、今回の取り組みで有効性などが確認できれば、今後も継続して行う方針だ。
（FujiSankei Business i）