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2011 07,18 15:26 |
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ポピュリズムの罪 「薬害エイズ事件の真実」(現代人文社)という本がある。薬害エイズ事件で業務上過失致死罪に問われた帝京大学安部英教授の弁護団と厚生省元生物製剤課長の郡司篤晃氏、それにミドリ十字元社員の岡本和夫氏が執筆し、2008年に出版された。 安部英氏は非加熱製剤を投与されエイズに感染して死亡した患者の母親から1996年1月に殺人罪で告訴され、国会で証人喚問された後、8月に東京地検に逮捕され、9月に業務上過失致死罪で起訴された。しかし2001年3月、一審で無罪判決を受け、二審公判中の2005年に88歳で死亡した。日本中が大騒ぎをした事件だから記憶されている方も多いと思う。 それから3年後にこの本は出版された。執筆者たちは血液製剤によるエイズ感染という悲惨な出来事に対して、冷静に原因究明と再発防止に取り組むことをせずに、感情的に犯人探しに狂奔し、一人の医者に全責任を押し付け、うっぷん晴らしをした世界でただ一つの国、日本のメディアと検察、そして政治家を糾弾している。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
本の内容を紹介する。 独占禁止法が強いアメリカでは赤十字が血液事業を独占する事は出来ず、民間の製薬会社が新規技術を開発して血液製剤を作っている。その結果、アメリカが世界の血液製剤市場を独占するようになった。 84年にアメリカのギャロ博士らによってエイズウイルスが発見される。しかし濃縮製剤によってエイズに感染するかどうかは誰にも分からなかった。従ってアメリカでは非加熱製剤の使用は禁止されず、危険性の低い加熱製剤への変更を考慮すべきであると指摘された程度であった。 安部氏の刑事事件となる患者が非加熱製剤を投与されたのは85年の5月だが、非加熱製剤の危険性が学会で指摘されたのは直前の4月である。そのためギャロ博士らエイズウイルスの専門家からは「安部氏の治療方針は世界の医療水準に適っていた」と指摘されている。 それなのに安部氏はなぜ逮捕・起訴される事になったのか。 外国と日本との違いはポピュリズム対する姿勢の違いだと私は思う。この国ではメディアと捜査機関と政治がポピュリズムに狂っているのである。 メディアは血液製剤によるエイズ感染が世界中で起きていた事実には目を瞑り、血友病治療の権威である安部氏がミドリ十字に便宜を図るため加熱製剤の使用開始時期を遅らせ、感染患者を増やしたというストーリーを作りあげた。「安部氏はミドリ十字から多額の金銭を受け取り、金で医師の良心を売った」と報道された。 メディアの大衆迎合路線にすぐ乗るのが政治と検察である。エイズ騒ぎの最中に就任した菅直人厚生大臣(当時)は抗議活動をしていたエイズ訴訟原告団を省内に招き入れ、「倉庫に隠されていたファイルを発見した」と言って「謝罪」した。 国会の証人喚問は常に質問する政治家のただのパフォーマンスに過ぎず、問題を解明した事など一度もないが、安部氏に対する議員たちの質問は、頭から安部氏の責任を問うだけで、エイズについての科学的見地からの質問は全くなかったとこの本は書いている。 こうして非加熱製剤が投与されてから13年後に安部氏は逮捕された。罪名は業務上過失致死罪だが、メディアは殺人者扱いの報道を続けた。それは「安部氏が製薬会社から金を貰ったから事件が起きた」というストーリーを検察も公判で繰り返したからである。 しかも検察が悪質なのはストーリーに都合の悪い証拠を隠蔽した事である。海外まで国費を使って出張し、エイズ問題の権威であるギャロ博士やシヌシ博士の嘱託尋問を行なったにも関わらず、ストーリーに不利になると分かると検察はそれを隠し続けた。 無罪判決が出るとメディアはどう報じたか。「市民感覚から離れた司法」(毎日新聞)、「無念の傍聴席」(読売新聞)、「命の代価 だれが・・・」(朝日新聞)。大衆迎合のメディアにとっては予想外の判決であった事が良く分かる。 日本はエイズ問題の解明と対策に力を入れるより、悪者を血祭りにあげてみんなでうっぷんを晴らした。 ■□━━━━・・・・・‥‥‥……………………………… 今回の連休は、祇園祭の宵山・山鉾巡行と重なり、 ・・・で、上記記事なのですが、今回は「東電」に置き換えれば判るかと・・・・・ そりゃぁ~原発が無くなれば良いです。 クーラーを止めるよりもテレビを消すほうが数段、省電力になるのをご存知ですか? こんな民度の低い国、確実に沈没します。 政権交代前にも同じ事を言いましたが、この国の国民は、 なら、確実に死を迎えて当然でしょう。 これからまた、多くの日本人が、自ら首を絞めて死に至るでしょう。 ワタシは降りかかる火の粉は、自分のチカラで始末をしますが、 今の日本はヒステリーです。 PR |
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