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【日本株週間展望】日経平均1万円値固め、欧米警戒緩和と復興期待 7月8日(ブルームバーグ):7月第2週(11-15日)の日本株市場は、日経平均株価が1万円台で値固めの展開となりそう。欧州財政問題や米国景気への過度な警戒感が和らぐ中、国内では東日本大震災からの復旧・復興期待もあり、株買い優勢の流れが続く見通し。ただ、短期過熱感を示す指標も出始めており、上げ幅は限定されそうだ。 DIAMアセットマネジメントの岩間恒シニアポートフォリオマネジャーは、米国では量的緩和第2弾(QE2)が6月末に終了したが、「米金融当局はマネーの回収に当面動かないとみられ、比較的高い流動性は続く」と指摘。世界的に景気の先行き不透明感は根強いが、「日本では震災で落ち込んだ業況感が底入れし、今後は回復に向かう見通しであることを考えると、日本株は相対的に優位な立場」で、当面は下値を切り上げる展開が想定されるという。 第1週の日本株は3週続伸。堅調な米経済統計を受け、米S&P500種株価指数が3年ぶりの高値に接近するなど世界的株高となるなか、リスク許容度を高めた海外投資家などが買い姿勢を強めたようで、日経平均は週間で269円(2.7%)上昇。8日終値は1万137円と、東日本大震災が発生した3月11日以来、4カ月ぶりの高値に戻した。 相場の上昇持続には、市場全体の売買代金の6割超を占める海外投資家の買いが欠かせない。東京証券取引所が7日に発表した6月第5週の投資部門別売買動向によると、東京、大阪、名古屋3市場の1・2部合計で、海外投資家は4週ぶりに買い越しに転じた。買越金額は2515億円と、4月1週以来の高水準だった。また、取引開始前の外資系証券9社経由の注文状況は、8日までで株数ベースで8営業日連続の買い越しとみられ、足元の需給は良好だ。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
ギリシャ不安後退でリスク資産にシフト 海外勢の買いの背景には、ギリシャ議会が6月29日に中期財政緊縮計画を承認し、欧州連合(EU)などによる当面のギリシャ支援体制が整ったことがある。ギリシャ国債のデフォルト(債務不履行)回避に向けた取り組みが前進し、欧州債務問題に対する市場の懸念がひとまず後退したため、グローバルな投資家が現金やソブリン債などの安全資産から、リスク性の高い株式に資金を移し始めている。 欧州では、域内銀行に対するストレステスト(健全性審査)の結果が13日か、14日に公表される見込み。事情に詳しい関係者によると、テストを監修する欧州銀行監督機構(EBA)は銀行に2011年か12年の収益予想の公表を求めることを検討しているが、銀行は抵抗。公表数字が、銀行が明らかにしている予想より低く、株価下落を引き起こす可能性を銀行は懸念しているという。 ストレステストに関心 これに対し、格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは6日、欧州ストレステストによる格付けへの影響は限定的な公算で、銀行にとってさまざまな前向きの効果もあろうとの見方を示した。 DIAMの岩間氏は、欧州のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)スプレッドは高止まりしており、「投資家が欧州金融システムに不安を抱いたままの状況が反映されている」と指摘。それだけに「ストレステストを無難に通過すれば、株式のショートカバー(売り方の買い戻し)がいったんは広がる可能性がある」と話す。 西欧諸国の国債15銘柄で構成するマークイットiTraxx・SovX西欧指数のスプレッドは7日、254.5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)まで上昇して年初来最高水準を付けた。 ニッセイアセットマネジメントの久保功株式ストラテジストは、欧州不安の後退に加え、「予断を許さないものの、米経済がソフトパッチ(一時的な軟化局面)から抜け出す兆しを見せ始めていることもプラス要因」との見方だ。直近の米統計では、6月のISM製造業景況指数 が55.3に上昇。米民間雇用関連サービス会社ADPによる6月の民間部門の雇用者数は前月比15万7000人と、市場予想を上回った。 国内生産の回復期待も、過熱感は重し また、日本国内で生産の持ち直し傾向が示されたことも、「海外勢の日本株買いにつながっている」と、大和証券キャピタルマーケッツの佐野雄一マーケットアナリストは言う。7日発表の5月の機械受注によると、民間設備投資の先行指標となる「船舶と電力を除く民需」は前月比3.0%増と、2カ月ぶりに増加した。半導体製造装置を含む情報通信機械や復興需要が直接及ぶ建設業などを中心に、震災後に落ち込んだ企業の設備投資意欲は回復しつつある。 一方、SMBC日興証券国際市場分析部の橘田憲和次長は、「足元では相場の過熱感も意識され始めている」と指摘し、目先は上値での売り圧力が強まり、上昇が一服する可能性について言及する。 東証1部の値上がり、値下がり銘柄数の割合を示す騰落レシオ(25日移動平均)は7日時点で128%。同レシオが120%を超えると、相場は過熱気味とされる。また、日経平均は8日時点の25日移動平均線(9650円)からのかい離率が5.1%と、短期的に買われ過ぎとされる5%を超えた。このほか、直近12日間で前日比プラスの日数の割合を示すサイコロジカルラインは、日経平均、TOPIXとも75%(9勝3敗)と、一般的に過熱圏とされる75%以上だ。 第2週に予定されるイベントは、国内では11、12日に日本銀行の金融政策決定会合が開催され、12日夕には白川方明総裁が定例会見を行う。今回の会合では、政策金利、資産買い入れ等基金とも現状維持が見込まれている。14日にはファーストリテイリングの3-5月(第3四半期)決算、6月の首都圏マンション販売の発表が予定。15日には日銀金融政策決定会合の議事要旨が公表される。 米国の経済統計では、14日に6月の小売売上高、15日に鉱工業生産やニューヨーク連銀製造業景況指数などが発表予定。また、4-6月決算発表が始まり、アルミ生産最大手のアルコアが11日、金融大手のJPモルガン・チェースは14日の予定。このほか、13日にはバーナンキ連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言がある。中国では、13日に4-6月の国内総生産(GDP)が発表される。 【市場関係者の見方】 ●独立系株式調査会社TIWの藤根靖晃社長 ●丸三証券投資情報部の中村明彦テクニカルアナリスト ●UBS証券の平川昇二チーフストラテジスト 記事:東京 河野敏 Satoshi Kawano PR |
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