2011/07/06 株式クロージングコメント
CLUB Fisco　2011年07月06日15時53分
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■オプション権利行使価格を意識すると震災時のマド埋めがターゲット

　日経平均は7営業日続伸。110.02円高の10082.48円（出来高概算18億5000万株）で取引を終えた。終値での1万円回復は5月2日以来、7営業日続伸は09年7月（14-27日の9営業日）以来となる。前場半ばに1万円を回復したものの、その後は膠着感の強い相場展開が続いていた。しかし、先物への断続的な買いや主力銘柄へのインデックスに絡んだ海外資金流入などが観測されるなか、日経平均はじりじりと上げ幅を広げている。
　5月戻り高値（10017.47円）を超えた辺りから、主力銘柄に加えて、利食いに押されていた中小型株などにも見直しの動きが強まった。東証1部の騰落銘柄は、前場段階で値下がり数が過半数を占めていたが、大引けでは値上がり数が6割を占めている。

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[1回]

　日経平均は保ち合いレンジを上放れてきた。短期的なテクニカルでは、さすがに過熱感が意識されてくる。しかし、週足の一目均衡表では雲上限（10081.68円）を捉えており、中期トレンドが一段と強まる可能性がある。また、週末のオプションＳＱを前に権利行使価格の1万円を突破したため、権利行使価格の9750円と1万円のレンジから、1万円から10250円のレンジに移行する可能性も意識される。10250円というと、震災時に空けたマド上限であり、心理的にもターゲットとして意識されそうである。
　欧州債務問題や中国の利上げへの懸念はくすぶるものの、市場はこれを織り込んだ格好。反対に、明日の機械受注に対する上振れへの期待。また、週末の米雇用統計では非農業雇用者数予想が先週末の8万人増から、現在は10万人増とコンセンサスが上振れ。一部ではこれを上回る13.5万人増を予想する向きも出てきているようである。過度な期待は禁物ではあるが、日本の震災で寸断されたサプライチェーンが復旧に向かう中、期待は高まりやすいだろう。出遅れ銘柄への見直しや好需給銘柄へのカバーを意識した動きが強まりやすい。
（村瀬智一）