『睡起偶成』

参議院議員・宇都隆史さんのブログから拝借いたします。

謹書
参議院議員・宇都隆史オフィシャルブログ　2011年06月28日 18時42分43秒
http://ameblo.jp/captain-kotora/

靖国神社の御霊奉りに奉納する献灯用の書を書きました。

私の大好きな漢詩です。（上記写真）

たとえ独りになっても、暁鐘を撞き続ける信念のある男でありたいです。

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　約１０歳程ワタシよりも若い議員さんが、何とも確りとした方で、
いやはや･････歳だけ喰ったワタシはお恥ずかしい限りでして･････

･･･で、この王陽明の名詩『睡起偶成』乃詩。
王陽明が48歳の時の作と言われています。
･･･で、まず意味なのですが、

　『睡起偶成』　二首

　一

　四十餘年睡夢中
　而今醒眼始朦朧
　不知日已過亭午
　起向高樓撞曉鐘

　二

　起向高楼撞暁鐘
　尚多昏睡正懵懵
　縦令日暮醒猶得
　不信人閒耳盡聾

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『四十餘年睡夢中』
四十余年　睡夢（すいむ）の中
（この世に生まれきてぼうっと過ごして夢うつつ、早や40数年・・・）

『而今醒眼始朦朧』
而今（じこん）　醒眼（せいがん）　始めて朦朧（もうろう）
（今やっと目が覚めたが、まだぼんやりとしている）

『不知日已過亭午』
知らず　日已（すで）に亭午（ていご）を過（す）ぐるを
（はたと気づいて覚醒したはいいが、もはやお昼過ぎ、人生の後半ではないか）

『起向高樓撞曉鐘』
起（た)ちて高楼（こうろう）に向かい　暁鐘（ぎょうしょう）を撞(つ)く
（これはいかぬと起き上がり、本来は夜明けにならすべき明けの鐘を鳴らしに行く、
　すなわち警鐘を）

『起向高楼撞暁鐘』
起ちて高楼に向かい　暁鐘を撞く
（これはいかぬと起き上がり、本来は夜明けにならすべき明けの鐘を鳴らしに行く、
　すなわち警鐘を）

『尚多昏睡正懵懵』
尚（な）お多く昏睡（こんすい）　正（まさ）に懵懵（ぼうぼう）たり
（しかしながら多くの民はかつての私のごとく眠りこけたまま目覚めようともせぬ）

『縦令日暮醒猶得』
縦（たと）ひ日暮るるも　醒猶（な）お得ん
（しかし、たとえ日が暮れかけていようとも（国が滅びの寸前にあろうとも）
　私の鳴らす警鐘で目覚めてくれる人たちはきっといるであろう。）

『不信人閒耳盡聾』
信ぜず　人間の耳　尽（ことごと）く聾（ろう）なるを
（眠りこけている国民がずっとこのままでいることを私は信じない、
　必ずやいつか目を覚ましてくれるだろう。）

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　今ある状況に照らし合わせて要約したものですが、
王陽明が何を言いたかったかと申しますと、

「利益（財物）や名声を追い求める生き方は、真の幸せにつながらない。
真の道に覚醒せよ。道は心だ」

要は『道は心だ』ということなのです。

･･･で、空き缶が好きだと言っている「高杉晋作」が好んだことで
この詩『睡起偶成』は知られているのですが、
当然、空き缶は知らないだろうねぇ～･････

･･･で、この詩が詠われた時期というのは、
王陽明が寧王宸濠の乱を平定した時期です。
王陽明の父、王華は、かなり以前から寧王の反乱を予測していたそうです。
識者の間では予測され、警戒されていたことであるにもかかわらず、
実際に反乱が起こった時に、先ず、立ち上がったのが、
王陽明を中心とする義兵でした。
北方の政府軍は、乱が起こった南方の領民の事も考えず、
武宗親征で軍を南下させ、王陽明の武功に嫉妬し、
いかに自分の体裁が保てるかということしか考えていなかったように
見受けられます。
そんな政府軍の中にも張永という人のように陽明の真意を理解し、
大局を見て判断する官僚もいました。

なので「高杉晋作」が好んだんですよねぇ～･････

いやぁ～それにしてもこの議員さん。久々の大ヒットです。
ワタシが彼の選挙区ならば、手弁当一つで一生懸命サポートするのですが･････
何はともあれ、こういう方に頑張って貰うほかありません｡｡｡

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