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2011 06,25 11:00 |
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【日本株週間展望】こう着、目先の欧州懸念後退-転換点で売買交錯 6月第5週(27日-7月1日)の日本株相場は、現水準付近でこう着する見込み。欧州債務危機に対する過度な警戒感が和らぎ、投資家のリスク許容度は正常に向かっている。日本株の底堅さも再認識された一方、腰を入れて買うには不安要素も多く、売り買いが交錯しそうだ。 RBCインベストメントの武田洋二ファンドマネジャーは、「アジアの株式市場の中では日本が足元でアウトパフォームしており、底固さを印象づける相場展開だ」と指摘。ただ、現在の株価水準から上に行くには「欧州情勢や米景気状況がはっきりする必要がある」とし、当面は横ばいを予想する。 第4週(20-24日)の日経平均株価は前週末比3.5%高の9678円、TOPIXは3.5%高の833.20で終え、2週ぶりに上昇した日経平均の週間上昇率は3カ月ぶりの大きさ。欧州連合(EU)首脳が23日にギリシャの債務不履行(デフォルト)を回避すると約束したことで、市場関係者の間ではギリシャの7月の資金需要を満たすため、関連当局が最大限の支援を行うとの見方が広がり、不透明感が後退した。 世界の投資家のリスク許容度を示すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数(VIX)は23日の取引で19.29と、直近で最も高かった16日の22.73から低下している。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
転換点、陰の極迎える JPモルガン証券の北野一ストラテジストは23日の投資家向けリポートで、22日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で追加的な金融緩和策の可能性が示唆されなかったとして、同日の米国株が下落したことに言及。7日のバーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長講演後の反応とほぼ同じだったと言い、「同じ材料に同じ反応を繰り返すことがある。経験的には、こういう場合は相場の転換点」との認識を示した。ある種の「陰の極」を迎えたとみられ、「今後は、金利上昇、株価上昇、ドル上昇に向かうのではないか」と予想した。 大和証券キャピタル・マーケッツ金融証券研究所の木野内栄治チーフテクニカルアナリストは、日経平均が13週移動平均線(24日時点9636円)や6月10日の直近高値9613円を上回っている点から、「5月以降の下落トレンド上抜けをトライ」しているとの見方だ。ただ、震災以降の保ち合い上限の1万円を上抜ける波動に入ったかを見極めるには、「7月の米経済指標を受けた日本株の反応を確認すべき」という。 嵐の前の小康状態 ギリシャ問題が一定の前進を見せ、当面の世界的な金融危機は回避できる見通しとなったが、中長期的な不安心理が完全に払しょくされたわけではない。国際通貨基金(IMF)の元チーフエコノミストで、米ハーバード大学のケネス・ロゴフ教授は先週発行のスイス経済誌のインタビューで、「向こう数年間、われわれは数多くの欧州ソブリン債のデフォルトを目の当たりにするだろう」と発言。現実的なシナリオではポルトガル、アイルランド、ギリシャの債務再編だが、「当局の動きが遅ければ、スペインやイタリアも救えない」と指摘した。 一方、米投資会社フォックスホール・キャピタル・マネジメントのポール・ディートリヒ最高経営責任者(CEO)は、金相場が向こう1年間に1オンス=2000ドル以上に上昇すると予測。米国の債務が膨らむ中、「欧州の人々が恐怖心からドルの購入をやめれば、ドルは下落するしかない」とみているためで、価値保存手段としての金が投資魅力を高めるという。 米国の追加金融緩和の可能性をめぐっては、米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)で世界最大の債券ファンドを運用するビル・グロス氏が22日、 FRBは、1940年代に約10年にわたって長期国債の金利上限を2.5%で維持。バーナンキ議長はFRB理事時代の02年の講演で、長期金利を引き下げる手段としてこの手法が好ましい、と述べていた。金利上昇というリスクをある程度限定しながら実質的な金融緩和効果を出す手法として、市場関係者の間でも関心が高まっているようだ。 アイザワ証券投資リサーチセンターの吉永俊朗アナリストは、「世界的な金融クラッシュやパニックを起こしたい向きも、次の新秩序創造を模索する向きも、来年にも起こり得る情勢急変を意識しているため、今は動けない」と指摘。日本株も含む世界の市場は、しばらくは現状の小康状態が保たれるとみている。 BIS年次総会、海外中心に経済統計 第5週の主な予定は、27日にスイスで国際決済銀行(BIS)年次総会が開かれるほか、7月1日には中国で6月の製造業PMI指数の公表、共産党創建90周年式典などがある。国内では、3月決算企業の株主総会が相次ぐほか、28日にJフロントリテイリング、30日にしまむら、ユニーなど小売大手が3-5月期(第1四半期)決算を開示する予定。 このほか、海外で注目される経済指標は、米国で27日に5月の個人支出、28日に6月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、1日に6月のISM製造業指数や自動車販売統計など。欧州では、30日に6月のユーロ圏消費者物価、1日に5月のユーロ圏失業率などがある。 【市場関係者の見方】 ●ベイビュー・アセット・マネジメント運用第二部長の高松一郎氏 ●SMBC日興証券・国際市場分析部の西尾浩一郎次長 ●証券ジャパンの大谷正之調査情報部長 ----取材協力:河野敏、岩谷多佳子Editor:Shintaro Inkyo、Makiko Asai PR |
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