2011/06/13 株式クロージングコメント
CLUB Fisco　2011年06月13日15時54分
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■レンジ下限からの反転期待しづらく、材料系や中小型株に物色の矛先向かう

　日経平均は5営業日ぶりに反落。66.23円安の9448.21円（出来高概算14億3000万株）で取引を終えた。出来高は5/30（13億8000万株）以来、売買代金（9001億円）については今年最低を記録し、昨年12/29（8523億円）以来の低い水準だった。週末の米国株安の流れに加え、寄り付き前に発表された4月の機械受注が、予想に反してマイナスだったことが嫌気された。これにより日経平均は寄り付き直後に9400円を下回る場面をみせた。その後はレンジ下限である9400円辺りでの底堅さが意識されるなか、次第に買い戻しとみられる動きも。為替市場ではドル、ユーロともにやや円安に振れていることも、押し目買いの動きにつながったようである。
　しかし、注目されるのは下値の堅さのみであり、レンジ下限レベルからの反転を狙った商いにはつながらなかった。特に後場に入ると膠着感が一段と強まっており、日経平均の値幅は20円程度にとどまっている。そのため、物色については低位材料株や中小型株の一角に短期資金が集中する状況に。

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[1回]

　日経平均はレンジ下限レベルでの膠着ながら、外部環境の不透明要因を考慮するならば、しっかりの展開といったところか。一方、週明けの米国株式の動向などに振らされることになろうが、テクニカル面では一目均衡表の雲下限が抵抗として意識されることになる。そのため、ボックスレンジが、これまでの9400-10000円から9400-9500円辺りと、かなり狭くなる状況。一気に雲下限をクリアするようならば、上限が9700円辺りに切り上がるが、それがなければ下振れへの警戒がくすぶることになる。
　欧州信用リスクや米経済指標の内容が注目される状況下、反転が期待しづらいとなれば、割り切りスタンスによる材料株や指数連動を避ける形での中小型株へ、引き続き物色の矛先が向かいやすいだろう。
（村瀬智一）