2011/06/09 株式クロージングコメント
CLUB Fisco　2011年06月09日15時58分
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■いつも以上にＳＱ値が心理的な影響に

　日経平均は小幅に続伸。17.69円高の9467.15円（出来高概算18億5000万株）で取引を終えた。8日の米国株安や為替市場での円高の流れ、東電<9501>の大幅な下げなどが嫌気され、日経平均は保ち合いレンジの下限レベルでの攻防となった。
　ただし、寄り付き直後に付けた9383.12円を安値に下げ渋りをみせ、これまで同様、下値の堅さが意識されている。日銀による株価指数連動型投信（ＥＴＦ）買い入れへの期待が下支えとなっているほか、明日のメジャーＳＱ（先物・オプション特別清算指数算出）を控え、仕掛け的な売買が限られている状況である。
　後場に入ると一時148円まで下げていた東電が急速に下げ幅を縮めたほか、為替市場ではドル、ユーロともに対円で円安に振れたことから下げ幅を縮め、その後プラスレンジに。先物市場では比較的まとまった買いが入る場面もみられた。

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[1回]

　ボトム水準での下げ渋りの動きが続いているが、明日のメジャーＳＱ（先物・オプション特別清算指数算出）後が注目されよう。心理的にＳＱ値が支持・抵抗として意識されやすいため、下で決まった方がその後の下支え要因になりそうだ。6月1週の投資主体別売買動向では、海外投資家が買い越しに転じた。世界景気の先行き不透明感や米国で量的緩和第2弾（QE2）終了を控えたリスク資産圧縮の動きが重荷になっていただけに、海外勢の押し目買い意欲も下支えになる。
　一方で今晩の米国市場次第ではあるが、ＳＱ値が9500円以上となるとテクニカル面での抵抗が重なることもあり、ＳＱ値が上値抵抗として強く意識されてしまう可能性はありそうだ。東電<9501>の荒い値動きによって強気な見通しが出てきている銀行も手掛けづらい状況のなか、材料系の銘柄や中小型株による物色になりそうだが。
（村瀬智一）