7/3 朝の『株価材料』PART Ⅲ

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[1回]

■株価材料

△ＤＯＷＡホール<5714>　自山鉱比率を倍増　高騰「亜鉛」安定調達図る
非鉄製錬大手のＤＯＷＡホールディングスの河野正樹社長は２日、産経新聞のインタビューに応じ、自動車用鋼板などに使われる亜鉛について、自前の鉱山からの調達比率（自山鉱比率）を現在の倍以上の４０～５０％にする意向を明らかにした。金属価格の高騰が続くなか、自山鉱比率を引き上げて、資源の安定調達をめざす。ＤＯＷＡでは現在、メキシコのティサパ鉱山に３９％を出資。同鉱山からは鉛と亜鉛がとれるが、このうち亜鉛鉱石についてはすべて同社が調達している。その割合は、製錬する亜鉛の１９％を占める。亜鉛は自動車の表面処理鋼板などに使用され、需要は堅調な状況にある。ティサパ鉱山の鉱床を調査したところ「もっと深く掘れば、今の倍以上の採掘が可能」（河野社長）と判断。今後３年程度かけて４０億円を新たに投資して増産をはかる。ＤＯＷＡが自山鉱比率を高める背景には、金属価格の国際的な高騰がある。同社の３カ年計画（平成１８～２０年度）作成時には１トン＝１０００ドルと想定した亜鉛価格が、１８年度下期に平均で３８３０ドルに急騰した。中国が大量輸入国に転じるなど、需給が逼迫（ひつぱく）しているうえ、英豪ＢＨＰビリトンなど資源大手の寡占化が進んでいることが価格の高止まり傾向に拍車をかけている。河野社長はまた、ボリビアを中心とする南米でも新たな鉱山を探していることを明らかにした。こちらはインジウム含有量の多い亜鉛鉱石の安定調達が狙い。インジウムは透明で導電性があるため、テレビやパソコンの液晶ディスプレーの電極素材に利用される。ＤＯＷＡは、亜鉛鉱石の精錬過程で発生した残渣（ざんさ）からインジウムを取り出す高い技術を持っており、液晶ディスプレー市場の成長に対応して電子材料事業を強化する。

▼損保不払い　総額３８０億円
自動車保険などの保険金不払い件数は、損害保険２６社合計で約５０万件、総額約３８０億円になることが２日、分かった。富士火災海上保険<8763>が同日、３回目の調査の結果、新たに約２万８８００件、約３１億円の保険金不払いが判明し、金融庁へ報告した。これに伴い、損保全２６社における保険金不払い調査は完了した。金融庁は各社による再発防止策の実施状況も見ながら行政処分の検討をする方針だ。
金融庁は昨年１１月、損保２６社に対し、自動車保険などの付随的な保険金不払いをめぐる通算３回目の調査を命令。これまでに、東京海上日動火災保険（ミレアＨＤ<8766>）や三井住友海上火災保険<8752>など大手６社を含めた２５社が調査を完了し、金融庁へ報告している。その結果、損保２６社の保険金不払いは２回目調査完了時の昨年９月末から約１８万件、約１９０億円膨らんだ。損保各社はさらに、来春までをめどに保険料の取りすぎがないかどうか全契約の点検作業を進めており、保険不祥事の全容解明は道半ばの状況だ。
（産経新聞）

▼グッドウィル<4723>日雇い　二重派遣で禁止業務　厚労省調査へ
グッドウィル・グループの子会社で日雇い派遣大手グッドウィル（東京都港区）から派遣された男性スタッフ（２７）が、職業安定法に違反する二重派遣の状態で、労働者派遣法で禁止された港湾での荷物の積み下ろし作業をしていたことがわかった。
男性が三井倉庫<9302>（同）の構内で労災事故にあったことで明るみに出た。グッドウィルが労災を適切に報告しなかった疑いもある。同じ状態で働く人は多数いるとみられ、厚生労働省はグッドウィルが違法派遣にかかわった可能性があるとみて調査し、違法性が確認されれば行政処分を検討する。
関係者によると男性は今年２月９日、東京都江東区の港湾地区にある三井倉庫の構内で、同社下請けの笹田組（横浜市中区）の指示のもと、２５キロの粉袋を荷台に積む作業中に荷崩れに巻き込まれ、左ひざが折れるなど全治３カ月の重傷を負った。 男性はグッドウィルの藤沢支店（神奈川県藤沢市）から東和リース（東京都港区）に派遣されていた。東和リースは笹田組と請負契約を結んでいたが、男性は笹田組の指示で働く偽装請負の状態で、実態は派遣だった。これは二重派遣となり、職業安定法（労働者供給事業の禁止）に抵触する。また、港湾業務は安全面の問題などから労働者派遣が禁止されている。 派遣労働者の労災は、派遣元と派遣先企業の双方が労働基準監督署に報告する義務があるが、笹田組は報告しなかった。グッドウィルは藤沢労基署に報告したが、派遣先の事業場名を形式的な派遣先の東和リースとし、事故時の作業も「倉庫内での仕分け業務」と実際と異なっており、労働安全衛生法違反の可能性もある。 日雇い派遣業界では、港湾や建設、警備といった禁止業務への派遣や、二重、多重派遣の横行が指摘されてきた。東和リースはグッドウィルのスタッフを三井倉庫を含む複数の会社に長年送り出しており、多数の労働者が違法状態で働いていた可能性が高い。男性が加入するグッドウィルユニオンの関根秀一郎書記長は「ほかにもグッドウィルの日雇い派遣労働者から、建設現場で働いたなどの相談が多数ある」と話す。 グッドウィルは０５年６月、建設業務への派遣を繰り返し、東京労働局から事業改善命令を受けており、厚労省はこの事実を重視。違法な派遣への関与が確認され、悪質と判断されれば、事業改善命令や事業停止命令が出される可能性がある。 グッドウィル・グループ広報ＩＲ部は「東和リースと笹田組は請負契約で二重派遣ではない。事故時の作業は港湾業務ではなく、労基署への報告にも問題はない」としつつ、東和リースが二重派遣や港湾業務に従事させた「疑義がぬぐえない」として、当面同社との取引をやめるという。
（朝日新聞）

△三井リース　中央三井リースを買収へ
三井物産<8031>グループの三井リース事業が、中央三井信託銀行の全額出資子会社、中央三井リースを買収する方針を固めたことが２日、分かった。中央三井リース株全株を数十億円で買い取る方向で最終調整している。三井リースはＪＡグループの協同リースと１０月をめどに経営統合することを決めている。
（毎日新聞）

△「サカタのタネ<1377>」と「ぶんか社」が家庭菜園の本
種苗販売の「サカタのタネ」と出版社「ぶんか社」が共同で、雑誌「得種！　簡単育成！　お家で育てて　お家で食べる安全野菜完全BOOK」を2007年7月2日から販売している。家庭菜園になじみの薄かった30歳代前半を中心とした若いファミリー層をコアターゲットとし、野菜づくりに初めて挑戦する人にもわかりやすく、種まきから調理までの方法を解説している。創刊号は「茎ブロッコリー」「ベビーキャロット」「ミニチンゲン菜（シャオパオ）」で、「サカタのタネ」が開発したオリジナル野菜の種をセットにした。定価は1,000円（税込み）。
（J-CASTニュース）

△明電舎<6508>、静岡・沼津で電気二重層キャパシターの年産能力１．５倍に
明電舎は沼津事業所（静岡県沼津市）で電気二重層キャパシターユニットの生産能力を年間１万５０００個と従来の１・５倍にした。生産設備の瞬時電圧低下（瞬低）補償装置の定格容量が大きくなり、一カ所で使われるキャパシターユニットの数が増えたことに対応する。同社はキャパシター事業について、年産能力１万個を前提に０８年度売上高４０億円を計画している。実際には新規需要開拓が進み生産能力も１万５０００個に増えたことから、売上高は計画を大きく上回る可能性が高まった。沼津事業所のユニット生産設備は０６年３月に稼働を始め、同年夏までに生産能力を年間１万個に増強。その後の需要拡大に合わせて、ユニット組み立ての所要時間（タクトタイム）短縮など生産効率化と設備稼働率向上で生産能力を高めた。同社はもう一段の生産能力拡大も検討している。需要動向や自社製品の性能向上、競合社の状況を見極めて、増産の規模や時期を決める。よりコストダウンできる生産性の高い新工場を建設して、現工場を他製品の生産に転用する可能性もあるという。落雷などによる送電事故で瞬間的に電圧が低下すると、工場で生産設備の制御異常や不良品発生のおそれがある。そのため低下電圧分をキャパシターから放電する瞬低補償装置が使われる。工場内の特定の生産設備だけでなく工場全体で瞬低補償のニーズが高まり、同社ではキャパシターユニットを１０００個規模で大量使用する装置の受注が増えた。さらに同社は鉄道の制動エネルギーをキャパシターに貯蔵し、加速などに必要な電力を補う「回生電力貯蔵装置」の一号機を受注。モーター加速時のピーク電流をキャパシター放電で充当する産業機器向けシステムを受注するなど、瞬低補償以外の用途でも実績をあげている。

△日本オラクル<4716>、リスク管理・法令順守など支援強化へ中核ソフト発売
日本オラクルは２日、企業経営に求められるガバナンス（統治）やリスク管理、コンプライアンス（法令順守）の支援を強化し、今後１年間に同分野で約１０億円の売り上げを目指すと発表した。「ガバナンス、リスク、コンプライアンス（ＧＲＣ）」を包含する新たなフレームワーク（枠組み）を提唱。中核ソフトとして内部統制管理のプロセス（手順）を最適化するアプリケーション「ＧＲＣマネージャ（ＧＲＣＭ）」を３日に発売する。価格は４０ユーザー以上の条件で１ユーザー当たり４９万９３７５円。ＧＲＣＭは米オラクルが０６年１１月に買収した米ステレントの製品。オプションとして職務分掌管理ツール「ＡＡＣ」や業務処理統制モニタリングツール「ＡＣＣ」、ＧＲＣに関する情報分析ツール「フュージョンＧＲＣインテリジェンス」も品ぞろえした。ＧＲＣＭは業務プロセスをリスク・コントロール・マトリックス（業務リスクと予防策の対比を記した評価表）で管理・テスト。その上で内部統制などの不備や欠陥の把握から改善処理、有効性の評価、報告まで総合的に支援する。オラクル以外の異種混在のシステム環境でも利用が可能。グループ会社のデータ収集・連結や連結データを分析するアプリケーションと併用することで、複雑化するコンプライアンス要件に対応し、監査を効率化できる。

△ＮＥＣ<6701>、ＳＮＳ情報分析して企業向けマーケティングサービスを開始
ＮＥＣは２日、特定のテーマやキーワード、商品などについて、ブログ（日記風簡易ホームページ）やソーシャル・ネットワーキング・サービス（ＳＮＳ）に記載された情報を分析し、その評価をリポートする企業向けマーケティングサービスを始めると発表した。価格はキーワードや画面設定などの初期費用が１６０万円、月額料金が６０万円。３年間で１００社への提供を見込む。提供するのは「ｅヒョウバン（いい評判）／マイニングサービス」。あらかじめ設定したキーワードに対し、ブログ記事中での出現頻度を時系列に示す。また肯定・否定の意見内容や競合比較情報などをリポート形式で提供する。分析の評価軸を個別設定し、レーダーチャートやマップなどでリポートする拡張サービスや、消費者の潜在的な話題を発見できるプレミアムサービスも用意した。新サービスはＮＥＣの中央研究所が開発した独自技術を活用。不要な類似キーワードを含む記事や広告などのスパムを高い精度で自動排除でき、既存の同種のサービスに比べて約２倍のカバー率を実現したという。

△日本信号<6741>、ナレッジマネジメントシステム構築へ
日本信号は社内に分散している情報やノウハウを共有する「ナレッジマネジメントシステム」を構築する。鉄道・交通の信号や情報システム、自動料金収受システム（ＡＦＣ）など全事業の設計、生産、それらに関係するノウハウを集約する。技術継承とともに製品開発や製造期間の短縮、コスト低減に役立てる。同社の０７年度設備投資計画は２８億円で０６年度実績約１４億円から倍増しており、増加分の大部分を同システム構築の費用に充てる。日本信号では多くの経験豊富な技術者が定年を迎えるなどの問題もあり、社内知識の集約を経営上の課題として認識。全社でシステム構築に乗り出した。同社内で「日本信号ナレッジリソースマネジメント（ＮＫＲＭ）」と呼ぶシステムは、製品一つひとつの部品表を作成するほか、システムを構成要素ごとに分割するなど、製品の細部に至るまでの知識をデータ化する。また、設計、製造現場でのノウハウ、人から人に伝承する手法も集める。データをコンピューターで一元管理し、必要に応じて閲覧、利用するシステムとすることで、技術者育成に役立てる。また、開発支援や設計作業の効率化、生産技術の改善にも有効だとして、同社は新製品の開発期間の短縮も期待する。同社は研究開発投資も０７年度３５億円と過去最高額にする。０６年度から研究開発センターの活動を製品開発の素になるシーズの研究と製品開発に大別し、そのうち新製品開発力を強化する。研究開発の充実とＮＫＲＭ活用で、全社の技術力を高める。

△ＮＴＴ<9432>、財務システム統合へ－グループ経営体制を強化
ＮＴＴの三浦惺社長は２日、グループ各社の財務システムを統合する方針を明らかにした。グループ経営体制を強化し、運用コストを低減する上でも財務システムの統一化が不可欠と判断した。まず０９年度中に持ち株会社のＮＴＴのシステムに、ＮＴＴ東西地域会社やＮＴＴコミュニケーションズなど非上場の主要事業会社の財務システムを統合。ＮＴＴドコモ<9437>やＮＴＴデータ<9613>など上場する子会社についても統合する方向で検討する。システムの統合に向けては会計基準がＮＴＴとＮＴＴドコモは米国会計基準、その他は国内基準と異なる。このため「まずシステム統合を進め将来的にはその時点で適切な会計基準を選択する」（三浦社長）方針だ。現在、ＮＴＴおよび事業会社各社は個々に財務システムを構築している。このためＮＴＴの連結決算の作成作業は煩雑でコスト負担も大きい。ただＮＴＴドコモは顧客管理を含めた独自の経営管理システムを開発しており「当社は今回の統合構想の例外扱いになる」（広報部）と現時点では不参加の意向。また、システム統合は事業会社の独立性維持を求める電気通信事業法の趣旨に反する可能性もあり、今後さまざまな波紋を広げそうだ。

△ツガミ<6101>、自社製工作機械向けにチャック・ダイスを製販
ツガミはアフターマーケット事業に参入する。自社製工作機械の交換用チャックとダイス（型）の生産、販売を始める。信州工場（長野県佐久市）に専用設備を導入し、７月から量産する。自社製の機械に合致したチャックとダイスを継続的に供給することで、ユーザーニーズに応える。アフターマーケット事業を製品販売に続く経営の柱に据える。工作機械メーカーが交換用チャックとダイスの生産、販売を手掛けるのは異例。信州工場のＯＥＭ生産をやめた空きスペースを活用し、ＮＣ精密自動旋盤の材料を保持するチャックと、ＮＣ精密転造盤用のダイスを生産する。０７年度に計画している設備投資額７億７０００万円の大部分を専用生産設備の導入費に充てた。当面は国内だけで販売する。海外市場への供給も検討する。

△ディスコ<6146>、中国で半導体製造装置のサービス体制強化
ディスコは中国のサービス体制を強化する。半導体製造装置を整備する中国人技術者を２０人増員し、０７年度中に６５人体制にする。中国では同社の中古機が２０００―３０００台ほど使われており、メンテナンスのニーズが高まっている。現在、上海の現地法人を含めてサービス拠点は５カ所。きめ細かいサービスで顧客を取り込み、買い替え需要につなげる。中国の電子部品メーカーがオモチャ用など高い機能を求めない集積回路（ＩＣ）を中古の半導体製造装置で作るケースが増えている。欧米で使われた中古機が中国に入っており、「中古機の販売台数はこれまで上海オフィスが販売した製品の１０倍に上る」（関家圭三常務）という。

△横河電機<6841>、電圧電流発生・測定器を発売－複数の電気特性を測定
横河電機は半導体デバイスや電子部品の電気特性を測定する電圧電流発生・測定器「マルチチャネルソースメジャーユニットＧＳ８２０」を発売した。アナログ信号の入出力チャンネルを二つ備えており、半導体などに搭載した複数の機能を同時に測定できる。価格は１００万―１２０万円。初年度５００台の販売を見込む。信号出力時の切り替え時間や測定データの取得時間は約０・００１秒で、業界最高水準という。生産時間の短縮に貢献する。またデジタル信号の入出力機能を持つ機種も備え、デジタルとアナログの信号処理回路を混載する半導体を１台で測定できる。今後は半導体や電子部品のメーカーなどに提供する。

△デンソー<6902>北九州、カーエアコン再編－三菱自<7211>向けを広島に移管
デンソー北九州製作所は、三菱自動車水島製作所（岡山県倉敷市）向けカーエアコンシステム生産を、親会社のデンソー広島工場（広島市安芸区）に移管する。１０月から移管作業を始め、０８年３月末完了する。空きラインはダイハツ九州（大分県中津市）の増産分に切り替える。九州地域で生産するトヨタグループのカーエアコンは、デンソー北九州が全量まかなう。デンソー北九州製作所のカーエアコンシステム年産能力は、トヨタ自動車九州（福岡県宮若市）向け４７万台、ダイハツ九州向け２５万台、三菱自水島向け２５万台―の計９７万台。しかしダイハツ九州が０７年末に第２工場の稼働を予定しており、生産能力は倍の５０万台に達する。

△トヨタ紡織<3116>、タイ合弁を完全子会社に－内装部品の体制強化
トヨタ紡織は２日、タイで自動車用シートなど内装部品を生産するニッパツとの合弁会社「タイオートモーティブシーティングアンドインテリア」（ＴＡＳＩ、チャチュンサオ県）を８月１日付で、トヨタ紡織グループの完全子会社にすると発表した。ニッパツ保有の５０％のＴＡＳＩ株式すべてを、タイのトヨタ紡織のアジア統括会社が約４３億円で取得する。ＴＡＳＩは９７年にニッパツと折半出資で設立。０６年１２月期の売上高は約１２０億円だった。これまでニッパツが社長を派遣し、実質的に主導権を握ってきた。株式取得後は社名を「トヨタ紡織ゲートウェイ」に変更。トヨタ紡織は今後、同社を通じ、タイを中心にアジア域内での内装部品の生産、開発効率を上げ、体制強化をねらう。

△東ガス<9531>と子会社、小規模建物向けガスエンジンコジェネを商品化
東京ガスと子会社のエネルギーアドバンスは、発電出力の小さいガスエンジンを使った空調システムを商品化し、７月から販売を開始する。
川重冷熱工業<6414>と共同で排出ガス投入型の吸収冷温水機を新たに開発。出力３５０キロワットのガスエンジンと組み合わせたコジェネレーション（熱電併給）システムとし、年間を通して冷暖房需要が見込まれる商業施設やビルへ売り込む。開発したのは冷房容量が１０５５キロワット（３００冷凍トン）と１４０６キロワット（４００冷凍トン）の吸収冷温水機。ガスエンジンから出た排温水に加えて４００―５００度Ｃと高温の排出ガスも投入し、空調のための冷温水を高効率で製造する。排熱の冷熱変換効率は１・１で、システムとしての総合効率は７５％程度という。

□トクヤマ<4043>、中国子会社を売却－ＰＰフィルムから撤退
トクヤマは２日、中国・天津でポリプロピレン（ＰＰ）フィルムを生産する完全子会社「天津陽光塑料」を、インドネシアの大手フィルムメーカーであるＰＴ・トリアスセントーサの完全子会社「アストラ　パッケージング　ＰＴＥ」に売却したと発表した。売却価額は明らかにしていない。天津陽光塑料の従業員約２００人はアストラが引き取る。天津陽光塑料は９５年に設立され、二軸延伸ＰＰフィルムの生産を開始。しかし中国国内メーカーの増加で競争が激化し、収益性が低下。このためトクヤマは天津塑料の保有株式すべてをアストラに売却し、中国での二軸延伸ＰＰフィルム生産から撤退することにした。中国の二軸延伸ＰＰフィルム市場については、トクヤマ子会社のフィルムメーカーであるサン・トックス（東京都港区、緒方隆之社長、０３・３５９７・５０５０）が輸出などで対応する。

△ＪＦＥ<5411>スチール、クロム系ステンレスの生産能力を増強
ＪＦＥスチールはニッケルを含まないクロム系ステンレス「ＪＦＥ４４３ＣＴ」の生産能力を増強する。東日本製鉄所千葉地区（千葉市中央区）の設備を増強し、０８年５月までに月産能力を６０００トンから１万３０００トンに引き上げる。ニッケルの高騰でニッケル系ステンレスからより安価なクロム系ステンレスへのシフトが進んでおり、同社にも注文が殺到しているため、供給能力を倍以上にする。投資額は約１０億円。４４３ＣＴはクロムを２１％含有し、一般的なニッケル系ステンレスである「ＳＵＳ３０４」とほぼ同等の耐食性を持つ。希少金属のモリブデンも含まず、価格は１トン当たり３０万円程度とニッケル系ステンレスの約半値の水準だ。現在、同種のステンレスを供給できるのはＪＦＥスチールのみ。２年前に商品化し、徐々に販売実績が積み上がってきたのに合わせ、電磁調理器のほか、建材や自動車用部材メーカーからの受注が急増している。

△鹿島<1812>、技術研究所を建て替え－最先端の建設技術を投入
鹿島は２日、技術研究所の飛田給研究センター（東京都調布市）を建て替えると発表した。同技研は１９４９年に業界初の研究所として発足。開設６０周年を迎えるにあたり、約２００億円を投じて、中心施設である飛田給研究センターを全面的リニューアルする。ゼネコンの研究開発拠点にふさわしい最先端の建設技術を投入し、研究者に研究開発の場を提供するとともに、来訪者に技術を体感してもらうショーケースとしての機能も持たせる。６月に着工しており、２０１１年３月に完成予定。総延べ床面積は約３万平方メートル。同社が保有する技術のうち、地震の危険回避や復旧支援をするリアルタイム防災システムなど７０件を適用、建物自体を試験体とした実験・実証し、適用技術を発展させる。

△ＩＮＡＸ（住生活グループ<5938>）、首都圏で「焼き物」強化－熟練技術者を派遣
ＩＮＡＸはタイルやトイレ、手洗い器などの焼き物について、特注品を必要とする首都圏の建築家やデザイナーとの連携を強化する。焼き物文化を伝承する「ものづくり工房」（愛知県常滑市）から首都圏に技術者を派遣、建築家やデザイナーと連携して、より最終消費者のニーズに合った商品を開発する。高い意匠性が求められる特注品を通してブランドイメージ向上にも結びつける。最終消費者のニーズに合った住まいづくりを目指す目的で東京・銀座に２日に開設した「ＩＮＡＸ：ＧＩＮＺＡ」を連携の拠点にする。同社は焼き物の熟練した技能を持つ人材を集めたものづくり工房を設け、自社工場や協力工場に技能者を派遣するとともに、建築家やデザイナーと連携し、“一品もの”などのモノづくりを支援している。今回、ＩＮＡＸ：ＧＩＮＺＡの開設を機に、特注品の焼き物の需要が多い首都圏でも同様の試みを始めることにした。

△東洋証券<8614>、中国株取引拡大へ上海に駐在員事務所
東洋証券は中国株取引サービスを強化する。中国の拠点として設立している香港現地法人に加え、年度内にも上海に駐在員事務所を開設。同時に、中国の有資格国内機関投資家（ＱＤＩＩ）制度の実施に伴い、今後、増大が見込まれる中国の富裕層投資家による日本株への投資ニーズに対応し、中国の申銀萬國証券などから業務研修生を受け入れる方針だ。東洋証券は早くから中国株に特化した経営を展開しており、８７年には香港に現地法人「東洋証券亜州」を設立。中国株の売買注文の取り次ぎや、中国株系投資信託の販売を手掛けている。今後も中国は高い経済成長が続く見通しのため、拠点の新設でサービス体制を強化する。まず、年度内にも上海に駐在員事務所を開設する方針で、その後、天津などでも開設を目指す。こうした新拠点に配置する人材を確保するため、香港現法の人員を強化しており、現在、２０人体制に増強している。

△楽天<4755>証券、ＨＰ投資情報コンテンツの音声サービス開始
楽天証券は、ホームページ（ＨＰ）上の投資情報コンテンツの音声読み上げサービスを３日にも始める。まず、ＨＰ上の投資情報の中で、著名人による経済や金融、投資に関する「レポート情報」から音声読み上げを開始。今後、あらゆる情報コンテンツにも同サービスを展開していく。同社は、投資家のすそ野を広げるため、インターネットやパソコンに詳しくない顧客にも受け入れられるような利便性の高いサービスを強化しており、ＨＰ上の情報を音声による読み上げもこの一環。これまでも株価情報の音声読み上げは提供してきたが、新たに投資情報コンテンツへの同サービスを取り入れた。最近、投資情報などインターネット上のコンテンツ音声読み上げが広まっている。
ネット専業証券では、先行して松井証券<8628>も取り入れており、インターネットと音声サービスを融合させて顧客の利便性を高める動きが拡大しそうだ。
（日刊工業新聞）

△製造費１０００分の１以下に　ＪＦＣＣなど開発　セラミックス水素分離膜
ファインセラミックスセンター（ＪＦＣＣ、名古屋市熱田区）は２日、ノリタケカンパニーリミテド<5331>、東京大学大学院工学系研究科の中尾真一教授と共同で、世界で初めてセラミックス製水素分離膜モジュールを開発したと発表した。希少金属を素材とする既存の分離膜に比べ、１０００分の１以下のコストで製造できる。このため、都市ガスや灯油などから水素を取り出す家庭用燃料電池や水素ステーションの普及を後押ししそうだ。このモジュールは、直径６ミリ、長さ４０センチのアルミナ製多孔質チューブ支持基材を６本、同心円状に配置し、中心に分離した水素を集めて取り出すためのアルミナチューブ管を設けている。水素分離膜はガラス由来の非晶質シリカ製で、水素と窒素などの混合気体が膜の直径０・３ナノ（１ナノは１０億分の１）の穴を通過する際、穴より小さい水素分子とそれ以外の気体とを分離する。都市ガスなどの一次燃料から水素を取り出す家庭用燃料電池の水素改質装置などの基幹構成部品となる。同モジュールを使った改質装置は、既存装置に比べて３００℃ほど低温の５００℃で機能し、３工程の改質工程を１工程に簡素化できるため、運転コストの安い小型装置となる。モジュール１個の水素処理能力は、１キロワット級の家庭用燃料電池１台分に相当。２０１０年度の実用化を目指す。水素分離膜の材料は、高分子ポリマーによる有機材料や希少金属のパラジウムを使った金属材料が一般的。だが、高熱で膜が変形し、効率良く水素を取り出せなかったり、製造コストが高すぎる問題があった。この研究成果は４日、東京・北の丸の科学技術館で開かれるＪＦＣＣ主催の研究成果発表会で発表される。

△ソフトバンク<9984>　携帯電話の電波向上　家庭内基地局の実験開始
ソフトバンクモバイルは２日、家庭内に置くことが可能な超小型の携帯電話基地局「フェムトセル」の実証実験デモンストレーションを、東京都港区の本社で報道陣に公開した。同社は同基地局を使った通信システムの実験免許を総務省から６月２８日に取得し、一般向けの周知を狙いに実験デモを実施した。家庭内基地局は、ＡＤＳＬ（非対称デジタル加入者線）、光ファイバーなど既存の回線経由で接続できるなどの簡単便利な機能が特徴で、屋内など電波状況が悪くなりがちな場所での利便性向上に一役買いそうだ。ソフトバンクモバイルは現在、携帯電話に電波を送るための基地局を全国に４万２０００局開設している。急速に増やしてきたため屋外での通話環境は好転しつつあるが、電波の届きにくい屋内で携帯を使用する場合には電波が弱くなるとの弱点がある。「利用者の通話エリアに対する関心は高く、電波が２本でも満足しないのが現状だ」（宮川潤一・取締役執行役員）という。このため、ソフトバンクモバイルは、家庭内に基地局を開設すれば電波状況が飛躍的に良くなる点に着目し、総務省に実験免許を申請し、免許を取得したという。ただ、現状ではコストや技術面での課題もある。システム１台あたりの価格は５万～１０万円と割高で、普及に向けては「２万円まで下げる必要がある」（宮川取締役）。また、電波干渉の問題に加え、１つのシステムごとに免許申請が必要など、規制の緩和も欠かせないという。実験は１都３都道府県で１２月まで実施。携帯電話のネットワークの接続方法やブロードバンド（高速大容量）回線の安定性などを調べる。実験にはＮＥＣ、サムスン電子、モトローラなど８社が参加し、機器の側面から協力する。ソフトバンクモバイルでは「来年３月ごろの商用化を目指す」（宮川取締役）という。

△リノベーション事業　関東圏以外でも展開　東電<9501>出資会社　売上高１００億円目指す
東京電力は、企業の遊休社宅などを１棟丸ごと買い取りオール電化住宅に再生して販売する「リノベーション事業」を強化する。同社の供給エリアである関東圏以外の地域でも同事業に乗り出す。これにより２００７年度の売上高は前年度比３倍の１００億円を目指す。同事業を展開するのは東京電力と不動産コンサルティング会社、都市デザインシステムの共同出資会社「リビタ」（東京都渋谷区）。リストラなどで売りに出された企業の社宅や賃貸マンションを購入。建物診断を実施した上でオール電化リフォームを行い、分譲マンションとして販売するほか、不動産ファンドなどへ丸ごと転売するのが事業の仕組みだ。従来は１都３県で事業を展開。家電や造船メーカーの社宅などをオール電化分譲マンション・賃貸住宅に再生している。０５年度の設立時から事業化決定分を含めた実績は、コンサルティング分を含め１２物件・４３３戸に達した。同社が事業エリアの拡大に乗り出す理由は、世界的な景気拡大を追い風に企業収益は拡大しているものの、バランスシートの改善を目的とした資産リストラが続いているため。すでに西日本地域で複数の物件が事業対象に決まっており、０７年度の売り上げに計上される見通しだ。エリアの拡大は採算性が合うものであれば、地域を問わず進めていく。ただ、支店制を導入せずに、東京の本社を拠点として効率的に展開していく考えだ。また、今後は中古分譲マンションの一括再生事業にも力を入れる方針を掲げている。リビタの０６年度売上高は３２億７０００万円で、経常利益は１億７０００万円。０７年度にはそれぞれ約１００億円、約５億円を目指す。また、将来的には有料老人ホームの再生も検討する。

△トヨタ<7203>　中国に「ハイランダー」　富裕層獲得へＳＵＶ充実
トヨタ自動車は２日、北米市場で人気のスポーツ多目的車（ＳＵＶ）「ハイランダー」の新モデル販売を今月１８日に中国と米国で同時に開始すると発表した。中国市場への「ハイランダー」投入は初めて。ＳＵＶの品ぞろえを増やし、比較的若い富裕層への浸透を狙う。中国で販売するのは３５００ｃｃの４モデルで、当面はすべて日本から輸入する。中国合弁会社、広州トヨタの系列チャンネルを通じて全国で販売する。価格は最上級モデルで４６万９８００元（約７６０万円）。広州トヨタ系での販売は昨年の「カムリ」に続き２車種目。トヨタは今年５月末、天津の第３工場を稼働させ、戦略モデルの新型「カローラ」の生産、販売を開始した。今年の中国市場でのトヨタブランドの販売は「４０万台以上」を目指している。
（FujiSankei Business i）