2011/05/25 株式クロージングコメント
CLUB Fisco　2011年05月25日16時12分
http://market.fisco.co.jp/update/comment/s_comment.jsp

■膠着相場、材料株による幕間つなぎも厳しく

　日経平均は下落。54.29円安の9422.88円（出来高概算16億株）で取引を終えた。ゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーが原油価格に強気の見方を示したことによる原油先物相場の上昇、トヨタ<7203>の6月の国内生産が震災前の9割まで戻す方針などが材料視され、日経平均は小幅な続伸で始まった。
　しかし、寄り付き直後に9500円台を回復する場面もみられたが、心理的な抵抗線を上放れる手掛かりに欠けるなか、その後は弱含みの動きに。米中景気減速への懸念が根強いなか、為替市場ではドル、ユーロともに対円で円高に振れたほか、東電<9501>が後場一段安になった心理的な影響も売買を手控えさせていた。

興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック！

[1回]

　日経平均は国際帝石<1605>、トヨタ<7203>などのほか、メガバンクがしっかりだったこともあり、上にも下にも手掛けづらい状況。そのなかで、材料系の銘柄に軒並み利食いに押される動きが目立っていた。強いスタートの後だけに、日経平均の膠着以上に不安感の残る相場展開に。
　原発事故の進捗や東電賠償問題に加え、ゴールドマン・サックスによるアジアの成長率予測の下方修正、さらに米銀5行に対する担保物件の不正差し押さえの裁判の行方などへの不安もあったようだ。ただ、基本的にはファンドの決算要因などもあって季節性の要因もある。日経平均の底堅さは意識されるものの、上値を買う理由がない状況である。膠着の中では例え材料株としても、逆行高を意識させる動きは期待しづらいだろう。
　今日の弱い値動きのなかでも、東証1部の値上がり数は465銘柄だった。規模別指数では大型株指数の下げ幅は小さい。日々変わるセクターやテーマ銘柄への循環物色で対応しつつ、現在の保ち合い放れを見極めたいところであろう。
（村瀬智一）