2011/03/29 株式クロージングコメント
CLUB Fisco　2011年03月29日16時17分
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■海外勢の押し目買い確認、原発問題の収束が上値追いに向かわせるきっかけに

　日経平均は小幅下落。19.45円安の9459.08円（出来高概算29億2000万株）で取引を終えた。東電<9501>を一時国有化する案が政府内で浮上しているとの報道や、原発の建屋外にも汚染水がみつかるといった深刻な状況のなか、日経平均は前場半ばに9317.38円まで下げ幅を広げた。ただし、後場に入るとアジア市場の堅調な値動きや、為替市場でのユーロ高を手掛かりに先物に大口買いが連発。これを受けて日経平均は一時9502.23円とプラスに転じる場面をみせた。大引けにかけてはポジション調整の流れもあって下げに転じているが、3月期企業の配当・権利落ち分である83円を考慮すると、実質はプラスに。

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　大引けがプラスで終えられれば、配当・権利落ち分を即日埋めたとの見方から、安心感につなげられたが、引けで埋め切れなかったところが、原発への不安感の表れだろう。また、Ｆリテイ<9983>、ソフトバンク<9984>、京セラ<6971>、アドバンテスト<6857>といった指数インパクトの大きい値がさ株の影響が大きく、225型の買いによる効果である。
　東証1部の騰落銘柄は値下がり数が全体の過半数を占めているほか、225に対してTOPIXの弱さが目立つ。225とTOPIXで強弱感が違う状況では、明確なトレンドは出難いと考えられ、やはり原発への不安を後退させる必要があろう。長期的な観点での日本株への注目といった、海外勢による資金流入は引き続き期待される。しかし、現状では押し目での買いとみられ、原発問題の収束が図れるかが、上値追いに向かわせるかのきっかけとなろう。
（村瀬智一）