2011/03/17 株式クロージングコメント
CLUB Fisco　2011年03月17日16時08分
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■冷却作業の行方を見守りたい

　日経平均は下落。131.05円安の8962.67円（出来高概算41億株）で取引を終えた。原発事故への警戒感が一段と強まり、海外市場は軒並み大幅に下落。為替市場ではリスク回避やリパトリ（本国への資金還流）思惑の円買いが強まり、ドル・円は一時76円台に突入。この流れを受け、日経平均は寄り付き直後に一時、8639.56円まで下げ幅を広げた。
　ただ、その後は原発の行方に市場の注目が集まるなか、陸自ヘリによる放水作業が伝わると、急速に下げ幅を縮める展開に。後場に入ると警視庁機動隊と自衛隊による地上での放水作業を控え、先物市場では日経225先物が9020円と前日比プラスに転じたほか、日経平均についても9093.61円と前日比変わらず水準まで戻す場面もみられた。大引けにかけては放水作業の行方を見極めたい流れからやや下げ幅を広げたが、ジャスダック平均、マザーズ指数などはプラスで終えている。規模別指数でも大型株指数はマイナスだが、中型、特に小型株指数の強さが目立った。

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[1回]

　世界の注目は、まもなく始まる原発3号機への警視庁機動隊と自衛隊による地上での放水作業となる。また、本日中にも外部の送電線からの電源が回復する見通しとの報道も伝えられている。3号機は限界にきていると報じられていることもあり、総力を挙げての取り組みが、今晩の欧米市場へも大きく影響を与えることになるほか、沈静化の動きが若干でも確認できるようであれば、明日もマーケットへのインパクトも大きくなる。
　企業の一部にも操業再開のめどがついてきているところが出てきているほか、石油なども来週には供給が安定化するとも伝えられている。徐々にではあるが社会インフラの回復への期待も高まってくるため、冷却作業の行方を見守りたい。
（村瀬智一）