2024 11,22 17:17 |
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2011 03,05 16:00 |
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今こそディフェンシブ、今こそ薬品株 (1)=地政学リスクの高まりで相場乱調に備え 医薬品セクターに出直りの素地がある。大手医薬品株には「海外マネーが押し目買いに動いている」(欧州系証券)との声が聞こえてくる。決してアグレッシブな資金流入ではないが、相場乱調に備えた投資行動とも受け取れる。 そもそも、医薬品株は電力・ガス株などとともにディフェンシブ(防御的)・セクターの代表格に位置づけられる。景気に左右されにくいという観点から、景気停滞局面で相対的パフォーマンス(運用成果)を狙い、投資資金の逃避先となりやすい。また、相場環境が悪化した際にも、ディフェンシブ・シフトが表面化する傾向がある。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
日経平均が今年最大の下げ(261円安)を演じた3月2日。中東・北アフリカ情勢の混乱を背景に原油高に伴う景気減速懸念、海外株安などが警戒され、全面安に見舞われた。当日の東証業種別株価指数は33業種すべてが値下がりした。下落率の小さい順では、「石油・石炭製品」「鉱業」「電気・ガス業」「水産・農林業」「陸運業」「情報・通信業」「医薬品」と続いた。上位2業種の石油関連セクターを除けば、ディフェンシブ色が強いことが読み取れる。 ちなみに、今年2番目の下げ(192円安)となった2月22日には、30業種が値下がりしたが、下落率低位では1番手が「食料品」、2番手が「医薬品」だった。さらに同3番目の下げ(162円安)となった1月21日には、「電気・ガス業」「医薬品」の2業種のみが上昇した経緯がある。軟地合い下における医薬品株は、下値抵抗力の点から、まずまずのポジショニングにある。 むろん、騰落順位で見る限り、電力・ガス株に軍配が上がるが、やはり原油高騰はネック。電力・都市ガス大手は2月25日、燃料価格の変動を反映させる原燃料費調整制度に基づき、4月からの一斉値上げを発表した。原油高により、価格転嫁を行うが、料金変更へのタイムラグが生じ、収益に下ブレ圧力がかかりやすい。4月の新料金は、昨年11月から今年1月の平均燃料価格から算出されたもので、2月下旬以降の原油急騰が電力・ガス料金に反映されるのはこれから。今後の原油動向次第では、株価の重しとなる。 その点、医薬品セクターは原油高の影響を直接的に受けることはない。一部特許切れの問題を抱えるが、高配当利回り・低PBR銘柄が多い点は魅力になる。しかも、今春は薬価改定がなく、株価支援要因として先行きクローズアップされそうだ。 (2)=高配当利回り銘柄多く、期末に向け注目度アップ 高配当利回り銘柄では、電力・ガス株にも焦点が合わされやすいが、東証1部銘柄の年間配当利回り(11年3月期予想ベース)が3%を超えるのは、東北電力 <9506> 、九州電力 <9508> 、西部ガス <9536> の3銘柄。一方、医薬品株では、武田薬品工業 <4502> 、エーザイ <4523> 、小野薬品工業 <4528> の3銘柄が4%を超える。この他、アステラス製薬 <4503> 、科研製薬 <4521> 、日水製薬 <4550> 、第一三共 <4568> が3%台を維持している。2%台に至っては、14銘柄に上る。なお、アステラスは2月23日に株式売り出し(合計474万8000株)を発表、需給懸念から下落していたが、3月2日に売り出し価格が3050円に決定、申し込み期間(3月2日から3日)も通過したことで売り一巡感が漂いつつある。 医薬品株の配当利回りの高さは、東証1部平均の1.8%強と比較しても明らか。権利付き最終売買日の3月28日に向けて配当取りの動きが顕在化しても不思議ではない。 <低PBRも見逃せないポイント> 選別するうえで、低PBRも見逃せないポイントになる。あすか製薬 <4514> のPBRは0.6倍台と解散価値を大きく下回る。2月23日に製造販売承認の取得を発表した、国内初の緊急避妊薬「ノルレボ」(開発元はそーせいグループ <4565> )の独占販売権を有し、すでに相場つきは一変。業績予想の上方修正が有力視され、先高期待はなお根強い。低PBRでは、大日本住友製薬 <4506> 、キッセイ薬品工業 <4547> 、日水製薬 <4550> 、鳥居薬品 <4551> なども1倍を割り込んだままであり、水準訂正の可能性を秘める。 さらに、医薬品業界にとって、今春は薬価改定がないため、来期業績は比較的に安定するとみられている。薬価改定は、いわば国内事情のため、内需依存度の高い医薬品メーカーは収益が拡大しやすいとの指摘もある。 医薬品株にはまだ本格的な資金シフトが起こってはいないが、中東・北アフリカ情勢は収まっておらず、リスク回避の流れがいつ再燃してもおかしくない。折りしも、有力証券の間で、一部薬品株の格上げ、目標株価引き上げの動きが出始めており、マークは怠れないところだ。 ■□━━━━・・・・・‥‥‥……………………………… このモーニングスター社の金曜日の<特集>は、 PR |
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