2011/03/03 株式クロージングコメント
CLUB Fisco　2011年03月03日16時22分
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■日経平均は膠着も個別ベースではトレンドが強まる銘柄が相次ぐ

　日経平均は反発。93.64円高の10586.02円（出来高概算18億6000万株）で取引を終えた。前日の大幅下落の反動をみせた日経平均だが、結局のところは心理的な抵抗線である5日、25日線辺りで上値を抑えられている。ＮＹ原油先物相場が時間外で強含むなど、中東情勢の緊迫化による地政学リスクによって、上値追いが限れた格好だろう。東証1部の出来高は2月3日以来、1ヶ月ぶりに20億株を下回っている。
　しかし、ソフトバンク<9984>、サイバーエージェント<4751>などの強い値動きや、マザーズ指数の昨年来高値更新などを見る限り、個人投資家の物色意欲は強い。ＡＤＰ米雇用報告が予想外の増加となったことで、週末に発表される米雇用統計に対する期待感。海外勢による日本株買いに対する思惑が根強い中では、下値リスクをそれ程警戒する向きは少ないとみられる。

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　リビアへの軍事介入なども想定されるなか、地政学リスクによる警戒感から、日経平均の一段高は期待しづらい。しかし、個別ベースでは個人投資家の旺盛な物色意欲によって、トレンドが強まる銘柄が相次ぐことになりそうだ。特にスマートフォンなど次世代ＩＴ関連などは、外部リスクを避ける流れにもマッチするため、資金が集中しやすいだろう。また、中小型株の一角には過熱感が警戒されるが、オーバーナイトのできない状況からみれば、大きく買いに傾いている需給ではないと考えられる。
（村瀬智一）