2011/03/02 株式クロージングコメント
CLUB Fisco　2011年03月02日15時59分
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■様子見というよりもきっかけ待ちのスタンス

　日経平均は大幅下落。261.65円安の10492.38円（出来高概算21億9000万株）と、終値ベースでは2月24日以来の10500円を割り込み、直近3営業日の上昇分を帳消しにした。欧米市場同様に、中東情勢の緊迫化による原油相場の上昇が嫌気され、下げ幅は昨年8月31日（325.20円安）以来に。
　下げ一巡後は心理的なサポートとして意識される25日線レベルでの攻防をみせていたが、後場半ば辺りでの先物市場での大口売りをきっかけに、下げ幅を広げる展開となった。先物主導によるインデックスに絡む売りの影響から幅広い銘柄が値を下げており、東証1部の値下り数は全体の9割を超える全面安。

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[1回]

　政情不安がイラン、サウジアラビアといった他の産油国へも飛び火しての原油相場の上昇、これによる先進国経済の失速懸念につながっている。ＡＤＰ全米雇用報告を控え、手掛けづらさもあった。混迷の度が深まるばかりの中東情勢には、沈静化を見極めるまでは手が出せない状況であろう。
　先物市場での大口売りについては、クレディスイス（ＣＳ）との見方がされていた。これまでも先物主導でトレンドが出るときは、ＣＳの商いの影響が大きかったが、結果的には週初から振らされている格好である。一方、現物については全面安のなかでも、サイバーエージェント<4751>が終日強含みで推移。高岳<6621>などテーマ銘柄の一角もプラスをキープしている。仕手系色の強い低位材料株など、質の面で問題があろうが、個人投資家の物色意欲の表れとして評価できよう。
　中東情勢が沈静化するまでは、オーバーナイトのポジションは取れない。しかし、海外勢による日本株買いに対する思惑が根強い中では、様子見というよりもきっかけ待ちのスタンスが続こう。
（村瀬智一）