6/28 お昼の『株価材料』PART Ⅱ

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■株価材料

△アリサカ<2328>　自己株式の市場買付に関するお知らせ
（TOKYO IPO）

■小野薬品<4528>株主総会、ブランデス提案は否決
小野薬品工業は28日、大阪市中央区の本社で株主総会を開いた。米投資顧問会社ブランデス・インベストメント・パートナーズから出された2007年3月期末配当を700円（会社提案は60円）とする株主提案は否決された。小野薬品は「新薬候補の買い付けなど投資に資金が必要」と反対を表明していた。ブランデスは発行済み株式の7％を保有する筆頭株主。小野薬品の3630億円（06年12月末時点）に上る金融資産を「事業が必要とする額をはるかに超える」と批判し、配当で株主に返すよう求めていた。

△江崎グリコ<2206>株主総会、スティール増配提案を否決
江崎グリコは28日午前、大阪市内で株主総会を開き、米投資ファンドのスティール・パートナーズによる増配提案を否決した。2007年3月期の年間配当は会社側が提案していた15円で決定。スティールは前の期比３倍の30円にするよう提案していた。スティールはグリコの発行済み株式の14％強を保有する筆頭株主。グリコは「将来の前向きな投資のための内部留保が必要」（江崎勝久社長）として、株主に安定配当を継続することへの理解を求めた。前期は創立85周年だったことから、普通配10円に記念配5円を上乗せすることを提案していた。
（NIKKEI NET）

△アーネストワン<8895>がストップ高、リバウンド狙いの買いを誘う
アーネストワンがストップ高となっている。とりわけ目新しい材料はないものの、これまで金利上昇懸念から不動産株が全体的に下落する中、値幅調整が行き届いたとの見方から、リバウンド狙いの資金を誘っているとの指摘があった。前引け段階で、同社株は東証１部で値上がり率第２位となっている。２６日には上場来安値９１７円まで下落したが、きょうの反発で底入れを印象付けるチャートパターンとなった。

△シンワオックス<2654>とモック<2363>、資本・業務提携で基本合意
シンワオックスとモックは２８日、資本・業務提携で基本合意すると発表した。モックが持つウエディング事業のノウハウを共有化し、シンワオックスが運営する堂島ホテル（大阪市）でのウエディング・パーティーの活性化を目指す。大阪エリア中心のシンワオックスと東京エリア中心のモックが協力し営業基盤の拡大を狙うという。資本提携の内容については決まっていない。

△シーティーエス<4345>が2000株上限に自己株取得、発行済み株の12.4％
シーティーエスは２８日、発行済株式総数の１２．４％に相当する２０００株を上限に自己株を取得すると発表した。取得総額上限は３億６０００万円。取得期間は６月２８日から２００８年６月１８日まで。

△ブリヂストン<5108>の上方修正でゴム株に人気、横浜ゴム<5101>株が大幅高
２８日の株式市場では、横浜ゴムが大幅高となり、４日の年初来高値９１４円を更新した。１０時３５分現在、同社株は東証１部で値上がり率第３位。ブリヂストンが２６日に今０７年１２月期業績予想を上方修正したことをきっかけに、タイヤメーカー全体に連想買いの動きが広がっている。東洋ゴム工業<5105>も２１日に記録した年初来高値６３３円を更新している。住友ゴム工業<5110>も買われるなど、ゴム株が人気化した。

△新日本石油<5001>株が上値追い、年初来高値1149円を更新
午前の株式市場では、新日本石油株が上値追いの展開となり、６日に付けた年初来高値１１４９円を更新した。同社は２７日、原油価格の上昇などを背景に、７月１日からガソリン等の石油製品卸価格を１リットル当たり前月比３．８円程度値上げすると発表。これが材料視されているほか、２７日のニューヨークマーカンタイル取引所で原油先物相場がしっかりとなったことも注目されていた。値上げは５カ月連続。原油調達コストが前月比で１．８円上昇したことに加え、これまでの卸価格引き上げの未転嫁分２．０円を上乗せした。昭和シェル石油<5002>、コスモ石油<5007>など他の石油株も買い優勢となっている。

△ＳＢＩ<8473>と米ＧＳがＰＴＳの認可取得、夜間取引市場開設へ
ＳＢＩホールディングスは２８日、米ゴールドマン・サックスと共同で５０％ずつ出資しているＳＢＩジャパンネクスト証券が２７日付で私設取引システム（ＰＴＳ）の運営認可を取得したと発表した。システムテストなどが終了次第、夜間に株式取引ができる私設取引市場を開設する予定という。夜間株取引市場の名称は「ジャパンネクストＰＴＳ」。取り扱うのは国内証券取引所に上場している銘柄のうちＳＢＩが指定する４０００銘柄だが、当初はある程度絞るという。取引時間は毎営業日の午後７時から午後１１時５０分。指値注文のみ扱い、売り手と買い手の指値が合致した場合に取引を成立させる。約定日は売買が成立した日で、決済は５営業日後に行う。相場情報については日本証券業協会のウェブやクイック、ロイターを経由して配信する。

△武田薬<4502>株が堅調、糖尿病治療剤「アクトス」の効能追加申請
午前の株式市場では、武田薬品工業株が堅調。糖尿病治療剤「アクトス」について、「インスリン製剤との併用」の効能追加申請を厚生労働省に行ったと２７日に発表したことが買い材料となっている。アクトスは、インスリン抵抗性を改善する薬剤。武田薬では「インスリンと併用することで、２型糖尿病患者の血糖コントロールだけでなく、インスリン使用量の低減も期待できる」としている。国内では、３つの効能に加え、今年１月には主に肝臓での糖産生を抑制するビグアナイド剤との併用で効能追加申請を行っている。２００７年３月期連結ベースでのアクトスの売上高は３３６３億円。今期も２ケタの伸びを見込んでいる。
（ロイター）

△ＰＢ商品の天然水が大ヒット、ハローズ<2742>株が反発－14期連続の増益期待
広島県や岡山県を中心に24時間営業の食品スーパーマーケットを運営するハローズの株価が、８営業日ぶりに急反発。一時は前日比32円（5.9％）高の577円まで上げた。利益率の高いプライベートブランド（ＰＢ）の天然水などの売り上げが好調な上、新規出店効果も重なり、今通期（2008年２月）業績は14期連続で増収増益を達成するとの期待が高まっている。同社が27日の取引終了後に発表した第１四半期（07年３－５月）決算によると、単体純利益は前年同期比23％増の２億円。新規出店効果に加え、４月に岡山県岡山市にある物流センターが稼働し、物流の効率化が寄与した。利益率の高いＰＢ「ハローズセレクション」の開発も背景にある。４月３日に発売した天然水は１本２リットルで通常価格88円という設定もあり、27日現在で３万2000ケース（１ケース６本）の売り上げを記録した。同社経営企画室の佐藤誠司氏は、「健康志向の高まりで、天然水の需要が伸びている。天然水の売り上げは爆発的。今後もこの傾向が続く」と見込む。通期業績は、純利益で前期比1.3％増の10億1800万円と４月に発表した業績予想を据え置いた。新規出店やＰＢによる収益拡大や、物流の効率化によるコスト削減などを見込む。ハローズの年初来の株価推移を見ると、１月５日に付けた710円を高値に調整し、４月中旬から下落ペースを加速、５月15日に520円まで売り込まれた。ここ１カ月は500円台後半でもみ合う中、テクニカル指標の１つであるサイコロジカルラインは27日までで２勝10敗となっていたため、反発を狙う買いも入りやすかった。サイコロは、投資心理のリズムで株価の上下への行き過ぎを判断する指標で、一般的に過去12日間の間で９日以上上昇すれば警戒ゾーン、９日以上下落すれば底値ゾーンを示すケースが多いとされる。

△セキュアド<2392>株が反発、三菱ふそうの販売店を取得－ファンドに組み入れ
不動産ファンドの組成・管理が主力のセキュアード・キャピタル・ジャパンの株価が反発。トラック販売大手の三菱ふそうトラック・バスから、約180の販売・整備拠点の土地・建物を1500億円規模で取得すると28日付の日本経済新聞朝刊で報じられており、資産規模の拡大に伴い運用が安定化するとの期待が広がっている。買い気配で取引をスタート。午前９時５分ごろに前日比6000円（2.2％）高の27万5000円で寄り付いた。その後も１株単位の買い注文が入っており、じりじりと値を上げている。28日付の日経新聞朝刊によると、三菱ふそうはすでにセキュアドの運営する不動産ファンドに国内180店拠点の土地・建物を売却したといい、財務体質改善などで経営再建を急いでいるという。三菱ふそうはセキュアドに賃貸料を支払い、営業をそのまま続けるとしている。同報道について、セキュアドＣＦＯ（最高財務責任者）の菅井毅氏は、「弊社以外に別の投資家もいる。２者で共同購入した」と解説、若干、報道内容とは異なると話した。ただ拠点180件、買収規模1500億円についてはほぼ報道通りとしている。　　セキュアドはすでに、運用中の不動産ファンドに三菱ふそう案件を組み入れる計画。「個別のリターン設定などは非開示とさせて頂きたいが、ファンドの運用ガイドラインに沿ってリターンを試算しており、三菱ふそう案件もその範囲にあるとみたから組み入れを決めた」（菅井氏）としていた。
（ブルームバーグ）

△洋鋼鈑<5453>---売り方の踏み上げ狙い
反発で6/20以来の年初来高値更新。再編期待が根強いほか、液晶用鋼板の需要拡大期待などによる業績上振れ期待も。6/22時点の信用倍率は0.72倍と1倍を下回っており、売り方の踏み上げ狙い。

△村田製<6981>---前日の下落分を吸収、4/26高値9130円を意識
大幅反発で前日の下落分を吸収、4/26高値9130円を意識。米国市場の上昇に加えて、携帯端末向け地上デジタル放送「ワンセグ」を受信できる携帯電話の出荷は07年度に2000万台前後に達し、電子部品業界に年間1000億円程度の増収効果と報じられており、材料視されている。

△大丸<8234>---5/23以来の1400円を回復
3日続伸で5/23以来の1400円を回復している。一目均衡表では上値抵抗線として意識されている雲下限を捉えてきている。遅行スパンは上方転換シグナル発生の可能性。3-5月期業績、自社株消却発表以降はリバウンドの流れに。

▼積水化<4204> 軟調。
岡三では26日付で投資判断を「やや強気」から「中立」に格下げしている。業績拡大基調は続くと見られるが、今期の業績は会社計画やや未達とみているもよう。塩ビ樹脂購入価格上昇の影響や住宅事業の新規受注の不透明感などを懸念のようだ。会社計画である今期営業利益550億円に対して520億円を予想へ。

△Ａ＆Ｔ<6722> ストップ高買い気配。
修正率の大きさがポジティブサプライズとして受け止められているようだ。07年6月中間期並びに07年12月期の業績予想を大幅に上方修正、通期の経常利益については従来予想の4億円から8億円に増額された。

△ナブテスコ<6268>---25日線サポートに反転し、最高値接近
25日線サポートに反転し、最高値接近。なお、メリルリンチでは、主要ユーザーであるロボットメーカーの生産回復を背景に、会社計画を6％程度上回る公算が強いと考えているようである。

▼日特建設<1929>---下げ目立つ、不適切な会計処理発覚で
下げ目立つ。過去の決算において、不適切な会計処理を行なっていたことが発覚したと前日に発表、先行きの不透明感につながる格好。リース資産の過大計上などが内容、02年3月期以降の税引き前利益が合計で約10億円程度減少するようだ。

△ＵＢＩＣ<2158> 大幅高。
本日は地合い好転を受け、直近上場株が軒並み上昇している。なお、いちよし証券では27日付で紹介レポートをリリースしており、中期ＥＰＳ成長率で年率約43％を見込むと。

△ＯＳＧ<6136>---続伸、中間期減益決算も目先の出尽くし感に
続伸。前日に中間決算を発表、営業利益は前年同期比12％減の73億円、会社計画80億円を下回っている。ただ、四半期ベースで見ると、第2四半期は前四半期比で29％増となっており、業績の底打ち感も感じられる状況。ひとまず、中間決算発表通過で目先の悪材料出尽くしと捉えられているもようだ。

△高島屋<8233>---ＵＢＳでは、小売り業界は金利上昇で注目とも
続伸。前日逆行高となった小売り株は本日も底堅い展開が続いている。各社の好決算を受けて、週末の決算発表に対する期待感などもあるようだ。なお、ＵＢＳでは小売りセクターは「金利上昇シナリオ」のダークホースと指摘、政策金利引き上げの際の利息収入アップサイドは大きく、これが消費回復のドライバーとして大きな役割を果たすと指摘しているようだ。

△セイコー<8050>---スプリングドライブの収益期待も
4日続伸。年初来高値レベルでの強含みの展開が続いている。再編期待が燻っており、海外ファンドの買いが継続しているとも。機械式とクオーツを融合したスプリングドライブの収益期待も。

△岡野バルブ<6492>---続伸で高値更新、業績上方修正好感
続伸で高値更新。前日に業績予想を上方修正、中間経常利益は6.3億円から8.7億円に引き上げている。原発の安全性重視に向けたメンテナンス需要の好調などが主因と見られているようだ。通期の経常利益も12.7億円から15.2億円に引き上げているが、野村では16.5億円と13％増益の予想、上方修正値も上回るとみているようだ。

△日ギア<6356>---過熱感警戒も順調な上昇で利食いも出難い
年初来高値更新。1ヶ月間で株価はほぼ倍となっているが、信用買い残高も倍増している。原発関連として注目されている。過熱感が警戒されるものの、順調な上昇で利食いも出難い。

△トヨタ自<7203> 反発で前日の下落分吸収。
25日線がサポートとして機能。ＮＹ市場の反発と為替が再び123円台で推移しており見直し買いに。松下との株式持ち合いなど異業種再編への期待も。

△加ト吉<2873>---続伸、日興シティでは960円目標に引き上げ
続伸。26日の決算発表以降は安心感が台頭する展開となっている。日興シティでは投資評価を「１Ｍ」として、目標株価を910円から960円へ引き上げている。有価証券報告書を29日に提出する予定とも発表しており、上場廃止リスクの可能性は極めて低くなったと判断しているようだ。

△ＪＲ東<9020>---政府はロシアに新幹線技術支援
ＪＲ3社が堅調。政府はロシアが進めるシベリア鉄道などの鉄道網整備計画について、新幹線技術を使った支援に向けてロシア側と協議に入ることを明らかにしたと、報じられている。鉄道車両・整備・施設関連銘柄などへ思惑的な動きにつながる可能性も。

△ブリヂストン<5108>---反発、業績上方修正を素直に好感
反発。前日の引け後に発表した業績上方修正が材料視される。通期営業利益は1910億円の従来予想から2110億円に上方修正へ。円安効果に加えて、米社買収の完了などが背景。上方修正観測は強かったものの、再増額修正などへの期待感も先行へ。ＧＳでは目標株価を3100円に引き上げ、セクター内でのトップピックとする。同社の上方修正を受けてタイヤセクターが一斉高の展開にも。

△菱樹脂<4213>---塩化ビニール樹脂の輸出価格が7ヶ月連続の引き上げで決着
反発。上昇する25日線をサポートとした上昇トレンド継続。塩化ビニール樹脂の輸出価格が7ヶ月連続の引き上げで決着したと報じられている。中国以外のアジアや中東などの需要が拡大しているようであり、関連企業へ注目も。

△日産<7201>---買い先行、野村ではセクターで最推奨と
買い先行。野村では自動車セクターの投資判断を「中立」から「強気」に格上げ、ファンダメンタルズが改善傾向にある中、直近の円安が業績を大幅に引き上げる可能性があるとしている。現在の株価はこうした状況を織り込んでおらず、割安感が強いとしているもようだ。なかでは、同社、トヨタ、いすゞの順で推奨と。

□楽天<4755> リーマンでは目標株価を7.5万円から7.2万円に引き下げたものの、投資判断については「1-Overweight」を継続したようだ。
証券事業の価値の再評価に伴って目標株価を引き下げたが、ＴＢＳ株に対する不透明感等で株価はディスカウントされており、ファンダメンタルズからみれば割安な水準と。

△メガチップス<6875> 4日ぶり反発。
25日線レベルが下値支持線として機能してきている。一目均衡表の雲接近で正念場に。携帯端末向け地上デジタル放送「ワンセグ」を受信できる携帯電話の出荷は07年度に2000万台前後に達し、電子部品業界に年間1000億円程度の増収効果と報じられている。

△ＧＣＡ<2126> 買い気配から。
四半期決算の内容が評価されているようだ。第1四半期は、経常利益で前年同期比34.9％増の8.63億円となった。前期実績が計画未達となっただけに、足元の順調な業績推移が評価されているもよう。なお、大和総研では高い利益成長が続くとしているものの、株価に割安感はないとしており、投資判断「3」を継続の方針と。

△住友ゴ<5110>---ＧＳでは「買い」を再強調
買い先行。昨日は利食い優勢のスタートとなったが、さらに下振れる流れとはならず、一目均衡表の先行スパン（雲）がサポートとして機能している。ゴールドマン・サックスでは「買い」を再強調している。

△トヨタ<7203>---買い先行、ＧＳでは「買い」に格上げへ
買い先行。ＧＳでは投資判断を「中立」から「買い」に格上げ、目標株価も7700円から8500円に引き上げている。環境規制の強化などに伴って、自動車業界は規模の経済性がより重要性を増していると指摘しているもよう。また、野村でも自動車業界の投資スタンスを「中立」から「強気」に引き上げている。

△トウアバルブ<6466>---最高値更新期待
最高値更新期待。岡野バルブが昨日取引終了後に業績見通しを上方修正している。原発関連として高値レベルで推移している同社への期待も高まる。昨日は高値474000円顔合わせで膠着していたが、高値突破による上値余地拡大に期待。

△岡野バ<6492>---89年の修正前高値1290円突破が期待される
昨日取引終了後に業績見通しを上方修正。07/11期連結経常利益は減益見通しから一転前期比5％増の15.2億円を見込み。原発関連として高値レベルで推移。89年の修正前高値1290円突破が期待される。
（フィスコ）

△出光興産<5019>は原油価格反発を受け好需給見直し反発
出光興産は、２００円高の１万３７８０円と反発し１万３０００円台固めに煮詰まり感を強めている。同社株は、５月７日に世界の機関投資家のベンチマーク（運用指標）となっているモルガン・スタンレー・インターナショナル・バーラ（ＭＳＣＩバーラ）標準指数の構成銘柄に新規採用され最高値顔合わせとなり、翌８日には今３月期業績の発表で２ケタ減益を予想して急落していたが、前日の米国市場で原油価格が反発したことをきっかけに下値買いが増勢となっている。原油先物（ＷＴＩ）価格は、１．２０ドル高の１バーレル＝６８．９７ドルと反発、一時６９．１２ドルまで上昇した。週間石油在庫統計で、ガソリン在庫が減少したことを要因としており、需要期のドライブシーズンを迎えるだけになお原油価格上昇、同社業績の押し上げ思惑につながっている。同社の今期純利益は、４１６億円（前期比３０％減）と２期ぶりの減益が予想されている。この要因として、原油・石油化学製品の下落、製油所の安全投資負担、税制改正に伴う減価償却費増、探鉱費拡大などが上げられている。このうち原油価格は、ドバイ原油で１バーレル６０ドル（前期実績６０．８ドル）と前期並みと想定しているが、原油価格次第で業績が上ぶれされる展開も有力となる。ＭＳＣＩバーラ採用の好需給も支援しリバウンド幅の拡大も想定される。

△洋ゴム<5105>はＢＳ連想で今期増益転換業績を見直し急反発
東洋ゴム工業は、４４円高の６４５円と変わらずを挟み５営業日ぶりに急反発している。この日、ブリヂストンが中間期業績の上方修正で急伸しているのを連想し、今３月期業績の増益転換予想を見直し買いしているもので、投資ファンドのスパークス・アセット・マネジメントの保有株拡大思惑や外資系証券の投資判断引き上げなどもフォローしている。同社の今期業績は、売り上げ３４９０億円（前期比８％増）、経常利益９０億円（同５５％増）、純利益７１億円（同１８％増）が予想されている。前期業績は、期中に増額・減額修正が交錯、結局の下ぶれ着地となったが、この要因の天然ゴム価格の高騰は続くものの、暖冬に伴う冬用タイヤの需要減などは一巡、昨年１０月に本格稼働した北米工場の生産能力・生産性アップ、非タイヤ事業の化工品と自動車部品の統合効果などが寄与する。株価は、５００円台割れを下値にする１００円幅のボックス展開を続け、この上値フシを抜く正念場に差し掛かった。ＰＥＲはなお１８倍台と市場平均を下回り、信用取組も売り買いが拮抗し厚みを増しているだけにさらに上値指向を強めよう。

△Ａ＆Ｔ<6722>は業績再増額で４期ぶり過去最高に増益転換し買い気配
エイアンドティーは、寄り付きから買い気配を切り上げ２６日終値に対して４５円高の４５５円買い気配と急伸している。売り物はなく９万７０００株の買い物のみ集めストップ高ペースで推移している。前日に今年４月に続いて今６月中間期業績の再増額と１２月通期業績の上方修正を発表、通期業績が期初の大幅減益予想から４期ぶり過去最高更新へ増益転換することがバイオ関連の割安株買いを再燃させている。上方修正のうち１２月通期業績は、売り上げが期初予想を１億円、経常利益が４億円、純利益が２億２０００万円それぞれ上回り、純利益は２億９０００万円（前期比１６％増）と２００３年１２月期以来の過去最高となる。臨床検査情報システムや消耗品の販売が順調に推移し、各製品の製造原価の低減、販管費の圧縮が重なり上方修正につながった。株価は、４月の中間期業績の上方修正にも反応せず、品薄・値付き難で推移し昨年来安値３８０円まで突っ込んだ。通期業績増額でＰＥＲは一気に９倍台と超割安となり、Ｖ字反騰思惑を高めよう。

△フォーバル<8275>が急続伸、Ｍ＆Ａで今期売り上げを上方修正
ファーバルは、１８円高の４５１円と急続伸している。前日にリンクアップ（東京都千代田区）の第３者割当増資の引き受けと、これに伴う今３月期売り上げの上方修正を発表、業績底入れを見直し買い先行となっている。リンクアップは、携帯電話の販売と付帯サービスの提供を主力業務としており、ＩＰ電話サービス、オフィス向け情報通信機器からモバイル端末を核とした事業の拡大を図っているフォーバルの法人向け事業展開をスピードアップするとして第３者割当増資を引き受ける。７月９日払い込みで１万４０００株を７００万円で取得、取得後の保有株式数は１万７６００万株（所有割合６７．０％）となる。この子会社化により同社の今３月期売り上げは、期初予想の３００億円から３６０億円に引き上げられたが、利益はリンクアップの「のれん」の償却金額が確認するまで期初予想を据え置き、純利益は８億円（前期は１３億８７００万円の赤字）としている。なお同日同時にディー・エヌ・エー（２４３２・Ｍ）の一部株式売却益が５億円発生すると発表したが、業績予想には変更はないとしている。株価は、今年３月の前期業績の下方修正・赤字拡大で３５０円安値まで調整し、今期純益の大幅黒字転換予想で８０円幅の反騰となった。なおＰＥＲ７倍台、配当利回り４．４％の割り負け修正が期待されている。

△ＧＣＡ<2126>は１Ｑの大幅増収益着地を手掛かりに急反発
ＧＣＡは、３万７０００円高の７４万３０００円と４日ぶりに急反発している。前日に発表した今２月期第１四半期（１Ｑ）の大幅増収増益業績をきっかけにＭ＆Ａ関連の好実態株買いが再燃している。同社の１Ｑ業績は、前年同期比５９％増収、３４％経常増益、６３％純益増益で着地した。内ー内、外ー内のＭ＆Ａが増加し、米シティ・グループによる日興コーディアルグループの株式公開買い付けやリコーによる米国ＩＢＭのプリンター事業買収にアドバイザーとして関与したことが大幅増収増益要因となった。今期通期業績は、期初予想を据え置き純利益は１７億９１００万円（前期比２５％増）と２期ぶりの過去最高を見込んでいる。株価は、昨年１０月に公開価格２３万５０００円で新規上場され、Ｍ＆Ａブームの好環境下、１０８万円高値まで高人気化したが、前期業績が２ケタ減益で着地したことに失望感が働き中段固め継続となっていた。好時流株として見直し買いが再度、増勢となりそうだ。

△岡野バルブ<6492>は増益転換の業績増額を追撃材料に高値更新
岡野バルブ製造は、９３円高の１２６３円と急続伸し６月２５日につけた昨年来高値１２３０円を更新している。前日に２００７年５月中間期・１１月通期業績の上方修正を発表、減益予想が増益にプラス転換することが、原子力発電人気に続く追撃材料となり買い物を膨らませている。上方修正のうち通期業績は、売り上げが期初予想より２億円、経常利益が２億５０００万円、純利益が１億１０００万円各引き上げられ、純利益は、８億１０００万円（前期比５％増）と期初の減益予想が増益となり、連続して過去最高を更新する。国内では納入済みバルブや部品の取り替え、電磁弁診断、海外では中国、韓国、東南アジアなどの電源開発向けプラント案件やメンテナンス工事などが好調に推移、生産量増加による工場稼働率の高位維持やメンテナンス部門の原価引き下げなどが重なり上方修正となった。株価は、今年３月に発表した今期第１四半期の大幅増益・高進捗率業績をきっかけに棒上げとなり、６月高値まで一気に２．２倍の大化けとなった。１９８９年の上場来高値１２９０円を上抜くと青空相場となり、全員参加型相場の様相を一段と強めよう。

△乃村工<9716>は８月中間業績の早期増額修正をテコに急反発
乃村工藝社は、２２円高の６４５円と急反発している。前日に今２月期第１四半期（１Ｑ）決算の開示に合わせ、早くも８月中間期業績の上方修正を発表、消費関連の好実態株買いを誘発している。同社の中間期業績は、売り上げが期初予想を３５億円、経常利益が８億円、純利益が４億５０００万円それぞれ上回り、純利益は１４億５０００万円（前年同期比７１％増）と大きく伸びる。ディスプレイ業界の大手として、専門店市場分野のアパレル関連や金融機関の店舗工事、余暇施設市場分野の複合エンターテインメント施設、子供向けアミューズメント施設への展開、さらに連結子会社化したテスコの上乗せなどから、１Ｑ業績が順調に推移、期初の中間期予想に対して高進捗となっており、第２四半期も好調持続として上方修正した。通期業績については、受注環境は良好だが不透明要因もあるとして期初予想を据え置いた。ただ、同社は、前期も昨年６月に中間期業績を増額し、９月には通期業績の上方修正をしており、再現思惑が高まる。株価は、再三の業績増額にもかかわらず６００円台で８０円幅のボックス展開が長引いている。上値フシ抜けから上位往来圏の昨年５月高値７９０円への浮上も有力となろう。

△ブリヂストン<5108>は今度は通期業績を上方修正し急反発
ブリヂストンは、寄り付きの買い気配から８５円高の２６２５円まで買い進まれ変わらずを挟み４日ぶりに急反発している。前日に今年５月の今６月中間期業績に次ぎ、今度は今１２通期業績の上方修正を発表、好感する買い物を集めている。同社の１２月通期業績は、売り上げが期初予想を２７００億円、経常利益が１８０億円、純利益が１６０億円それぞれアップされ、純利益は１０６０億円（前期比２４％増）と増益率を拡大する。為替レートが期初想定の１ドル１１０円、１ユーロ＝１４０円より円安で推移、同１１７円、１５４円に見直した為替差益のほか、昨年１２月に発表した米国子会社による再生タイヤ最大手のバンダグ　インコーポレーテッド買収の買収手続き完了に伴い、同社売り上げを連結化したことが寄与している。株価は、昨年６月に前期業績を下方修正したことが響き５月高値２９４５円から１９０３円安値まで１０００円安の急落となった。その後、バンダグ社買収や今年２月の前期業績の上方修正、さらに同５月の中間期業績増額が重なり急落幅の半値戻しをクリアしている。主力株人気再燃で一段のリバウンド幅拡大が有力である。

△テーオーシー<8841>は変更ＴＯＢ価格にサヤ寄せし３連騰
テーオーシーは、３７円高の１２８５円と３日続伸し前日につけた昨年来高値１２９２円に肉薄している。同社株式を７月１８日までを期限に株式公開買い付け（ＴＯＢ）しているダヴィンチ・アドバイザーズ（４３１４・ＨＣ）が、前日にＴＯＢ価格を従来の１１００円から１３０８円に引き上げることを発表、新ＴＯＢ価格にサヤ寄せする動きを触発している。ＴＯＢ価格の変更は、テーオーシーの株価が、すでに従来のＴＯＢ価格を上回って推移しており、買い付け期間の最終を迎え株主の応募を促すことを目的としている。両社のＴＯＢを巡る攻防は、４月のテーオーシーのＭＢＯ（現経営陣の株式公開買い付け）からスタートした。ＭＢＯ価格８００円に異議を唱えたダヴィンチが、ＴＯＢを表明、ＭＢＯは５月１２日に不成立となった。この後、ダヴィンチはＴＯＢに入ったが、テーオーシーはダヴィンチのコンプライアンス（遵法）問題などを指摘し反対を表明、攻防が続いている。ダヴィンチが申し立てた株主名簿閲覧謄写仮処分命令が東京地裁で却下される一方で、ＭＢＯ当事者の大谷興産が、市場でテーオーシー株式を買い増したことにはダヴィンチが遺憾を表明している。株価は、この攻防のなかすでに８割高となっており、残りあと半月、大きなヤマ場を迎えることになる。なおダヴィンチの株価は、１０００円高の１１万円と変わらずを挟み６営業日ぶりに小反発している。
（東洋経済新報社）