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2011 02,19 17:00 |
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新ステージ迎えた次世代電池 古河電池のウルトラバッテリー 3月2日から4日まで東京ビッグサイトにおいて、第2回国際二次電池展(バッテリージャパン)をはじめ、第4回太陽電池展、第7回水素・燃料電池展などが同時開催される。バッテリージャパンは世界最大の国際商談展示会で、同時に材料開発や次世代電池の開発動向などのセミナーが行われる。そのなかで、注目されそうな新技術や新用途、リチウム電池の現状について分析を行った。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
ウルトラバッテリーは、鉛蓄電池と従来のキャパシタと比較して容量が大きいスーパーキャパシタを極板レベルで結合、大電流充放電に対応した。同社では「ある程度重さが必要とされるフォークリフトや大型ビル用の非常用電源としての活用を想定している」(企画部)とし、今回の出展により、関連する企業へのサンプル出荷に進む意向を持っている。鉛蓄電池はリチウムイオン電池と比較して価格優位性があることから、アイドリングストップ車やマイルド・ハイブリッド車(モーターによる走行はなく、モーター機能は走行アシストおよびアイドリングストップからの再発進動力に限定)などへの使用も考えられそう。 ウルトラバッテリーは、従来の鉛蓄電池と比較して大容量の充放電が可能となることから、太陽光や風力などで発電された電力を蓄電し、必要な時に放電するスマートグリッド(次世代送電網)の蓄電用への展開も考えられそうだ。同社はNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「蓄電複合システム化技術開発」事業で、京都府のけいはんな学研都市と北九州市の実証に参画。けいはんな学研都市では「施設ナノグリッドを対象とするビルエネルギーマネジメントシステム(BEMS)の開発」、北九州市では「地域節電所を核とした地域エネルギーマネジメントシステムの開発」を手掛けている。実用化に向け、実験結果に期待が高まろう。 新ステージ迎えた次世代電池(2) リチウムイオン電池というと、まず脳裏に浮かぶのは携帯電話、それから電気自動車(EV)をはじめとするエコカー。だが、実際はもっと多彩な新規用途が活発に模索されている。 日立製作所 <6501> は太陽光、風力など自然エネルギーの利用で発電した電力の蓄積媒体として注目している。リチウムイオン電池は同一性能のニッケル水素電池に比べて体積・重量が約2分の1、鉛電池と比べて約3分の1というエネルギー密度の高さが特長。充放電効率も90-95%と、ニッケル水素電池(85%)、鉛蓄電池(70%)、NaS電池(85%)より高い。このため、変動の大きい自然エネルギーで生じた電力を省スペースで蓄え、素早く充放電するシステムの構築に向くと考えられる。資源エネルギー庁によると、2030年度目標規模の太陽光発電システム(321万キロワット)を安定運用するには6億4000万キロワット時の蓄電池容量が必要になる。自然エネとスマートグリッド(次世代送電網)が2本柱となる次世代電力システムでは、不可欠な要素になると考えられる。 燃料電池では、リチウムイオン電池の牙城であるモバイル機器への利用が有望視されている。株式会社楽楽エージェント、有限会社MFCテクノロジーのHPによると、実用化が近い固体高分子形燃料電池(PEFC)が注目株。PEFCは発電効率(30-35%)こそ大規模発電用の溶融炭酸塩形(MCFC、40-50%)、固体酸化物形(SOFC、40-50%)に比べて低いが、常温作動が可能で、熱の排出量が小さい。リチウムイオン電池の約10倍といわれる燃料電池ならではの長寿命も相まって、モバイルへの応用が想定されている。関連銘柄にはキヤノン <7751> 、東芝 <6502> 、ソニー <6758> 、ダイハツ工業 <7262> 、カシオ計算機 <6952> 、ジーエス・ユアサ コーポレーション <6674> がある。 このほか、電動バイクやおもちゃなども期待分野。シンガポールの燃料電池開発会社、ホライゾン・フュエルセルは水だけで走るミニカーの開発実績を持つ。付属タンクに入れた水を太陽電池で発電した電気が電気分解し、発生した水素をミニカーに供給する仕組みだ。野外用のポータブル発電機も各メーカーの間で注目度が高い。娯楽・スポーツ関連市場は潜在規模が大きく、案外、燃料電池を含めた新世代二次電池の普及のかぎを握っているかもしれない。 用途の広がりはメーカー側の電池生産規模の拡大、ひいてはコスト減につながる。生産量の増加→価格の低下→用途のさらなる拡大という好循環が生まれることで、目下想定されている以上の規模で普及が進む公算が高まる。携帯機器用、車載用以外の新分野への応用にも目を配っていきたいところだ。 新ステージ迎えた次世代電池(3)=需要拡大で増産相次ぐ 二次電池のなかで最もホットなのがリチウムイオン電池だ。高性能を背景に、ノートパソコン向け、携帯電話向けではすでに主要電源としての位置を獲得しており、足元では、スマートフォン(多機能携帯電話)向けでの需要が急拡大中。今後は、車載向けでの利用の本格化が見込まれる。富士経済では、二次電池市場が15年に6兆5740億円と10年予想の4兆4498億円と比べて47.7%伸長すると試算。なかでも、リチウムイオン電池については15年に2兆2920億円と10年予想8936億円の2.56倍になると想定している。 急拡大が見込まれるリチウムイオン電池市場のけん引役は、電気自動車(EV)向けの本格化が想定される「車載向け」。電気自動車(EV)に関しては、三菱自動車 <7211> が09年に「アイミーブ」を発売。10年12月には日産自動車 <7201> が日米で「リーフ」の発売を開始した。11年以降は海外メーカーの投入が相次ぎ、トヨタ自動車 <7203> 、ホンダ <7267> は12年に発売する予定。世界的な環境規制強化を背景に、市場の急速な立ち上がりが見込まれている。 自動車メーカーの取り組み本格化と並んで、電池メーカーの動きも活発化している。パナソニック <6752> グループでは、三洋電機 <6764> が11年度に兵庫県に加西工場を立ち上げる予定。パナソニックは、パソコン向け電池の高容量化による対応を進めている。日産自動車とNEC <6701> の合弁である「オートモーティブエナジーサプライ」では、アメリカ、イギリス、フランス、ポルトガルでの量産開始により、現時点の生産能力(年間6.5万台)を12年には世界で約50万台分へと引き上げる方針だ。 ジーエス・ユアサ コーポレーション <6674> は三菱商事 <8058> 、三菱自動車との合弁による子会社「リチウムエナジー ジャパン」でEV用リチウムイオン電池を生産している。同社は10年11月に現行の3カ年中期計画(10-12年度)を見直し、想定を超えたリチウムイオン電池の市場拡大が期待されるとして、さらなる生産体制拡大に向けた取り組みを加速させる方針を示している。 東芝 <6502> は、負極材にチタン酸リチウムを使用した独自構造の「SCiB」を手掛ける。11年2月から新潟県・柏崎工場で量産が開始する予定で、11年後半から12年初めには設備増強による一段の生産能力拡大を計画している。 部材メーカーの動きも加速しつつある。「正極材」「負極材」「セパレーター」「電解液および電解質」という4つの主要部材を中心に、関連企業の取り組みが活発化している。今年に入ってからも、JXホールディングス <5020> 傘下のJX日鉱日石金属が正極材の生産能力の大幅増強を発表。92億円を投じて、12年初めにも、生産能力を現行の年産300トンから同5000トンに引き上げる方針を示した。また、宇部興産 <4208> と日立マクセルは、2月1日付でセパレーターの合弁会社を設立した。 なお、下記に主要部材メーカーを挙げた。これらは、自動車メーカーや電池メーカーと並ぶリチウムイオン電池のコア銘柄。今後の数多くのニュースフローが流れると予想されるだけに、その動向は要マークだ。 ●主な部材メーカー <正極材> 田中化研 <4080> <負極材> 昭電工 <4004> <セパレーター> 旭化成 <3407> <電解液・電解質> セ硝子 <4044> PR |
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