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2011 02,19 10:00 |
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【日本株週間展望】上値重い、インフレや中東懸念-QE2持続疑問 2月第4週(21-25日)の日本株相場は、上値の重い展開が想定される。過剰流動性を背景とした日本株の見直しから年初来高値を更新する可能性はあるものの、インフレや中東情勢に対する不透明感がくすぶり、次第に戻り売りが増えそう。 大和住銀投信投資顧問の門司総一郎投資戦略部長は、「米国株には過熱感が出ている。右肩上がりの基調が続いている日本株は、4週に横ばいに近い調整となると見る方が自然だ」と述べた。 第3週の日本株は、TOPIXが前週末に比べ2.9%高の973.60ポイントで終了。週間ベースでは4週連続の上昇となった。米景気や企業業績の回復期待から海外投資家中心に買いが優勢となり、金融株や不動産株などの値上がりが大きかった。 これまでは良好な指標が優勢だった米国景気だが、足元では市場予想を下回るケースも出始めている。12日までの週の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は前週から2万5000件増加して41万件と、ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想中央値(40万件)より悪化した。1月の鉱工業生産指数(季節調整値)は前月比0.1%低下し、エコノミストの予想中央値(0.5%上昇)を下回った。 このほか、2月のフィラデルフィア連銀地区やニューヨーク連銀地区の製造業景況指数は、いずれもエコノミスト予想の中央値を上回ったが、6カ月先の景況感を示す指数は悪化を示した。「現状は良いが先行きは悪いというのは、景気回復モメンタムのピークで見られるパターンだ」と、大和住銀の門司氏は指摘する。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
QE2持続性に疑問も もっとも、米国株式市場は足元の製造業景況指数など、予想以上の経済指標を好感する形で上昇を持続。17日のS&P500種株価指数は2年8カ月ぶりの高値となった。TOPIXも17日には昨年4月30日以来の高値水準を付けた。 そうした強気な投資家心理を支える米国のQE2(量的緩和第2弾)による過剰流動性に対しても、やや懸念が出てきた。1月の米消費者物価指数(CPI、季節調整済み)で、食品とエネルギーを除いたコア指数は前月比0.2%上昇と、2009年10月以来の高い伸びを記録。RBCキャピタル・マーケッツのエコノミスト、トム・ポーセリ氏(ニューヨーク在勤)は「インフレ環境は若干強まってきている」とみる。 三菱UFJモルガン・スタンレー証券の鮎貝正弘シニア投資ストラテジストは、「QE2の弊害と言える世界的なインフレ傾向が米国でも高まってくると、QE2の持続性への疑問が出てくる可能性がある」と危惧する。債券市場や新興国株市場から米国や日本など先進国株式へと向かっているマネーフローが一時的に変調を来せば、数年や数カ月ぶりといった高値圏にある株式市場は下げやすくなる。 エジプトのムバラク前大統領が辞任し、一時は小康状態にあった中東情勢だが、ここにきてアフリカ最大の原油埋蔵量を持つリビアや、米海軍の第5艦隊司令部があるバーレーンでも反政府運動が発生。中東の原油生産の大半を担うペルシャ湾諸国にまで政情不安が広がり、「中東情勢の不透明さは警戒される」と、岡三オンライン証券の伊藤嘉洋チーフストラテジストは語る。 モルガンS証は「株式買い推奨」 半面、下値は限定されそうだ。モルガン・スタンレーMUFG証券の日本市場担当ストラテジスト、アレクサンダー・キンモント氏は17日、マーケットタイミング指標や経済協力開発機構(OECD)国別先行指数で構成する債券と株式の配分モデルが「株式買い推奨」に転換したと指摘。これを基に、「ためらうことなく、株式に対して中期的に強気な立場を取ることにした」という。 株式需給も良好だ。2月2週(7-10日)の日本株市場では、海外投資家が15週連続で買い越した。15週は、05年6月3週から12月1週までの26週以来、約5年ぶりの長さだ。トヨタアセットマネジメント投資戦略部の浜崎優シニアストラテジストは、「新興国での引き締めの着地点がもう少し見えてくるまでは、新興国や商品市場に向かっていた資金が先進国に向かいそう」と予想する。 政治混迷は織り込み済み 一方、民主党の渡辺浩一郎衆院議員ら16人は17日、党に会派離脱届を提出した。野村証券経済調査部の川崎研一主席研究員は、今後の動きを注視する必要があるとしながらも、「ねじれ国会が続き、日本の政界が不安定となっているのは真新しい事実ではない」とし、「金融市場ではある程度の政治の混乱やその影響は既に織り込んでいる」と見ている。 4週の日程は、米国では21日がプレジデンツデーの祝日で株式市場は休場、22日は12月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数、2月の消費者信頼感指数、23日は1月の中古住宅販売件数、24日は1月の耐久財受注などが発表される。国内では23日に1月貿易収支、25 日に1月の全国消費者物価指数が予定されている。 【市場関係者の見方】 ●みずほインベスターズ証券エクイティ情報部の石川照久部長 ●オフィスセントポーリアの馬渕治好代表 ●日興コーディアル証券国際市場分析部の河田剛部長 ●ちばぎんアセットマネジメントの長壁啓明ファンドマネジャー ●SBI証券の鈴木英之投資調査部長 記事:東京 長谷川敏郎 Toshiro Hasegawa PR |
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