6/27 朝の『株価材料』PART Ⅱ

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■株価材料

▼グッドウィル<4723>　「データ装備費」徴収も保険金支払わず
人材派遣子会社「グッドウィル」が、派遣労働者の賃金から天引きした「データ装備費」を、保険料の原資などと説明しているにもかかわらず、重傷事故に遭った労働者に保険金を払っていなかったことが分かった。労組全国ユニオンなどが厚労省と２６日行った交渉で、東京都在住の男性（２７）が告発した。

▼不二家<2211>　店舗閉鎖でフランチャイズ経営会社などが損賠提訴
大手菓子メーカー「不二家」（東京都中央区）が消費・賞味期限切れの原料を使用したあおりで計４店舗が閉鎖に追い込まれたとして、茨城県内のフランチャイズ店２店の経営会社「あおみや」（同県つくば市）と別の２店の個人経営者が２６日、不二家に約４億２６００万円の損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こした。不二家によると、一連の不祥事でフランチャイズ店から提訴されたのは初めて。訴状によると、あおみやはつくば市と守谷市内で２店、個人経営者はつくば市内で２店を運営していた。今年１月、期限切れ原料の使用問題が相次いで発覚して商品供給が止まり、販売中止に追い込まれた。あおみや経営の２店はそのまま閉店し、個人経営者の２店は３月末に営業を再開したが、売り上げが落ち込み、今月閉店した。経営会社などは「不祥事はフランチャイズ店への背信行為で安全な品質の商品を提供する義務を怠った」と主張。今後５年間で得るはずだった営業利益や、異業種への変更費用、建物の解体費用などへの補償を求めている。経営会社役員の鯉渕武彦さん（３８）は「店を続けたかったが、不祥事のダメージが大きかった。深刻な状況を訴えたい」と話した。不二家広報室は「訴状が届いていないため、コメントできない」としている。

■批判記事　「武富士<8564>の提訴は違法」東京地裁が判断
消費者金融大手「武富士」の批判記事を書いたジャーナリストが「２億円の損害賠償請求訴訟を起こされ、精神的苦痛を受けた」として、同社と当時の会長に対し、２億２０００万円の賠償を求めた訴訟で、東京地裁は「武富士の提訴は違法」との判断を示した。裁判長は「根拠もなしに批判的言論を抑圧する意図で提訴」と指摘。

▼加ト吉<2873>　決算を修正　売上高水増しは１０６１億円
冷凍食品大手の加ト吉は２６日、取引先との不当な「循環取引」の発覚に伴い、過去６年さかのぼった決算の修正結果を発表した。０７年３月期までの連結売上高の水増し額は１０６１億円に上ることが確定。０７年３月期連結決算は、水増しの修正に伴う特別損失の計上などで、最終損益が９８億７４００万円の赤字に転落した。

△ＮＴＴドコモ<9437>　巻き返しに営業・広告戦略の“助っ人”招く
ＮＴＴドコモは２６日、８月から日本コカ・コーラの魚谷雅彦会長と「ユニクロ」を展開するファーストリテイリング<9983>の勝部悦子執行役員を営業・広告戦略のアドバイザーに招くと発表した。ドコモは携帯大手３社で唯一、番号継続制度で純増を果たしておらず「独り負け」状態。“助っ人”の力を借りて巻き返しを図る。
（毎日新聞）

△楽天<4755>市場、2万店突破　オープン10年で
楽天は6月26日、楽天市場の出店数が前日付けで2万店を突破したと発表した。05年12月末に1万5000店を突破してから1年6カ月で5000店舗増え、1997年5月のオープンから10年で2万店を超えた。
（ITmedia News）

△ｃｃｉ<4788>など４社、ネット広告に特化した日本語解析処理エンジン開発
サイバー・コミュニケーションズ（ｃｃｉ）やＮＴＴデータ<9613>など４社は２６日、ネット広告向けに特化した日本語解析処理エンジンを共同で開発すると発表した。従来のネット広告の配信手法はサイトの単語の出現頻度などに応じたものだったが、開発に着手するエンジンはサイトの文章の意味を分析。インターネット閲覧者がより興味を持つネット広告の配信が実現するという。ビジネスに向けた展開では、開発エンジンを取り入れた「ハイブリッドターゲティング広告サービス」として１０月の実用化を見込む。新エンジン「スーパーなずき」を共同開発するのはｃｃｉ、ＮＴＴデータのほか、クライテリア・コミュニケーションズ（東京都港区）とＮＴＴアド（東京都品川区）。ＮＴＴデータと言語理解研究所（徳島市）が共同で開発した日本語解析技術「なずき」をベースに、サイトの文章の意味を解析する機能を持たせる。また、閲覧者の過去の閲覧履歴や志向性の変化を時系列に補足する機能についても搭載。ユーザーの要望に応じた的確なネット広告手法の確立を目指す。

△ヤフー<4689>、行動ターゲティング広告で地域限定配信など追加
ヤフーは２６日、利用者のインターネット上での行動履歴をもとに広告を配信する行動ターゲティング広告について、７月に性別・年齢別配信機能と地域限定配信機能を追加すると発表した。「２０代の女性向け」など対象を絞った商品を持つ企業や、地域密着で事業を展開する中小企業・商店を新規広告主として取り込む。今後１年で同広告の広告主数を現状比倍の８００社に引き上げる。同広告はウェブページ閲覧や検索などの履歴をベースに、当該のネット利用者がどんな分野に興味があるかを推定し、その興味にあった内容の広告を配信する。追加する新機能は行動履歴とヤフーのＩＤ取得時に登録した年齢や性別、郵便番号情報を組み合わせることで配信先を絞り込む。同じ表示回数で比較した場合「広告単価は現行の行動ターゲティング広告の１・５倍程度」（広告本部）としている。

△日本ユニシス<8056>、知財マネージメントサービスを強化
日本ユニシスは２６日、知的財産マネジメントサービスを強化したと発表した。業務の課題把握支援サービスや、特許戦略ソリューション「ストラビジョン」に付帯したサービスなどを新たに提供。５年間で利用契約数２００件、約５０億円の売り上げを目指す。同支援サービスは現状の業務プロセスなどを把握し、課題の整理を支援するコンサルティングサービス。知財マネジメントのノウハウを持たない企業でも、経営全体の視点でマネジメントに取り組むための基盤づくりにつなげることができる。ストラビジョンはアプリケーション・サービス・プロバイダー（ＡＳＰ）方式で知財ポートフォリオの作成を支援するソフト。今回、同ソフトの操作トレーニングや効率的な利用方法のアドバイスといったサービスを用意した。

△大日本スクリーン<7735>、ＦＰＤ検査装置に参入
大日本スクリーン製造はフラットパネルディスプレー（ＦＰＤ）用検査装置事業に参入する。瞬時電圧低下など外的要因やパネル製造工程で発生する成膜むらなどを検知する「自動ムラ検査装置」や、パネル基板の配線パターン欠損などを精査する検査装置を７月４日に発売する。熟練技能者の目視に頼っている成膜むら検査の自動化は業界初。同社のＦＰＤ製造装置に組み込むことができる。検査装置単体でも販売する。同事業で２０１０年度に売上高４０億円を目指す。自動ムラ検査装置は単体で約７０００万円、パターン検査装置は約１億８０００万円。半導体製造工程で使う膜厚測定装置やプリント配線板検査装置で培った光学技術と検査技術を応用した。ＦＰＤの基板１辺の長さが３メートルを超す“第１０世代”の製造プロセスまで対応する。熟練した技能者がむらと判断する状態をデータ蓄積し、“職人技”が安定して再現できる。製造ラインへの組み込みで自動全数検査も可能。製造工程中の問題点早期発見や歩留まり向上、人件費抑制などの効果が期待できる。

△ＮＥＣ<6701>、携帯端末を遠隔制御できる通信事業者向けソフトを発売
ＮＥＣは２６日、携帯電話などのモバイル機器を遠隔制御できるソフトウエア「ＮＣ７０００―ＤＭ」を発売した。携帯端末の故障診断などモバイル機器を統合的に運用管理したいという通信事業者の要望に応えた。サーバ用とクライアント用の２種類がある。ライセンス販売を行う。３年間の販売目標はサーバ用が３０システム、クライアント用が５０００万ライセンス。今回発売したソフトを通信事業者側と携帯端末側の双方に提供して相互通信を保証。端末内蔵ソフトの更新や状態監視などを遠隔操作で実施できるようにする。ほかの使用例として、航空機の乗降時に、携帯電話の電源のオンオフを自動で行うことも可能だという。また、携帯電話関連の標準化団体「オープン・モバイル・アライアンス」が推進する規格に準拠している。

△三菱電機<9503>、中国でサービス網拡充－加工機の販売・保守強化
三菱電機は中国で放電加工機とレーザー加工機の営業サービス網を拡充する。販売、保守業務を行うサービス拠点を０８年度末までに３拠点増やし、１１拠点にする。商品を常設する展示場も０８年度末までに２カ所増設して７カ所とする。拠点網を張り巡らせ、携帯電話やデジタル家電製品の生産の拡大に合わせて増加している各種加工機の需要を取り込む。サービス拠点は上海、香港、大連、天津など沿岸部の都市部を中心に現在、８拠点がある。すでに無錫と広州への設置を決定。さらに青島か厦門（アモイ）にも新設し、０８年度末までに１１拠点とする。実機や加工技術を紹介する展示場は東莞、上海、大連など５カ所ある。０８年度末に無錫、南京に新設する。レーザー加工機と放電加工機の販売先が沿岸部全域に加え、内陸部にも広がっている。

△ダイキン<6367>、ビル用エアコン向け外気処理ユニットを１１月に発売
ダイキン工業は２６日、無給水で除加湿ができるビル用エアコン向け外気処理ユニット「ＤＥＳＩＣＡ（デシカ）」を１１月１日に発売すると発表した。加湿用の給水配管が不要で、同社従来システムに比べ初期工事費用を約２３％、運用コストを約３５％削減できる。価格は実勢で約１９０万円を想定。年２０００台の販売を見込む。室内の湿度を制御する専用ユニットで、同社のビル用マルチエアコンと組み合わせて使う。従来は空調システムの一部である室内ユニットに加湿器を内蔵し、給水のための配管が必要だった。除加湿時のエネルギー消費削減のため、新開発のデシカント（吸脱着）素子を採用した。外気の水分を吸脱着する同素子と熱交換器を一体化することで、除加湿時の吸着材の加熱を従来より低温（４０度Ｃ前後）で行う。省エネ効率を示すＣＯＰ値は３・５となり、従来のデシカント除湿機の約６倍の高効率。

△クボタ<6326>、ミニバックホーの増産計画前倒し－海外需要に迅速対応
クボタは建設機械の０７年度の生産計画を引き上げる。主力のミニバックホーで０９年度に計画していた３万２０００台の目標を２年前倒しし、０７年度に達成する。急激に伸びる海外の建機需要に対応し、供給量を迅速に拡大。あわせて欧州などでディーラー数を増やし、シェア拡大を狙う。市場動向を見ながら、増産対応のための追加投資も検討する方針。クボタはミニバックホーの主力工場である枚方製造所（大阪府枚方市）で増産計画を進めてきた。設備投資を終える０７年後半には同製造所の生産能力を２万台に高め、堺製造所（堺市堺区、年産５０００台）とドイツ工場（ラインラント・ファルツ州、同）を合わせ、３万台体制にする計画だった。

△島田理化<6818>、体積半分のユニット型高周波インバーターを発売
島田理化工業は同社従来品に比べ体積を半分にしたユニット型高周波インバーター「ＳＦＴ―ＥＵ５Ｎ／１０Ｎ」を開発、７月に発売する。外寸は幅４５０ミリ×高さ３５０ミリ×奥行き４５０ミリメートルで、日本工業規格（ＪＩＳ）の１９インチラックに合わせて設計した。重さは約３５キログラム。価格は三つの基本ユニットで、出力５キロワットの５Ｎが２３１万円、１０キロワットの１０Ｎが３１５万円。初年度１５０台の販売を見込む。同製品は誘導加熱装置向けインバーター。ユニットの内部配線を基板化することで、小型化を実現。インバーター装置には強い電流が流れるため熱に弱いプリント基板は使えなかったが、独自開発した放熱技術を採用。出力１０キロワット、周波数４００キロヘルツレベルに耐えられる基板の開発に成功、大幅な小型化を実現した。

△ジェイテクト<6473>、主要部品を標準化した車向け専用機を汎用横型ＭＣで発売
ジェイテクトは２６日、自動車部品加工専用機「トップセンター」を汎用横型マシニングセンター（ＭＣ）として７月１日に発売すると発表した。各部品を標準モジュール化した「Ｆシリーズ」２機種を完成し、汎用機としても使用可能にした。価格は、主軸が最高毎分１万回転のタイプで１７９０万円。初年度３００台の販売目標。従来のトップセンターは自動車部品向けの量産ラインにだけ使われる。Ｆシリーズは主軸やコラムなどを標準モジュール化し、顧客の生産形態に合わせて選択できる。これにより量産ラインから汎用ＭＣの用途まで対応できる。また構造部材は高強度材料を薄肉鋳造して剛性を確保。従来は主軸のテーパー４０番で加工していたものでも、同３０番での加工を可能にした。制御盤などを小型化し、設置スペースを従来機比で４３％削減。機械間の隙間を無くして２台ずつ並べることができ、生産ラインの面積を従来比６０％削減できる。

□いすゞ<7202>、来年度からの次期中期経営計画の公表を８月下旬に延期
いすゞ自動車は、当初７月中旬を予定していた０８年度からの次期中期経営計画の公表を、８月下旬に延期した。トヨタ自動車との業務提携を含め、具体策をより詳細に盛り込むために、公表時期を先送りした。海外でのトラック生産・販売強化策や、ディーゼルエンジンの開発・生産体制の整備なども織り込まれる見込みだ。

△ホンダ<7267>、関東・関西間の４輪車を下期から船輸送に切り替え
ホンダは２６日、０７年度下期から関東―関西間の４輪車物流で船による輸送を始めることを明らかにした。トラックからの切り替えで、二酸化炭素（ＣＯ２）排出量の削減を狙う。現在、国内４輪車の船輸送の比率は約３５％（出荷台数ベース）だが、大都市圏間のモーダルシフトを進め、２０１０年度までに同比率を約５５％まで高める考えだ。主要工場の狭山製作所（埼玉県）と鈴鹿製作所（三重県）が対象。鈴鹿は四日市港（同）を利用する。四日市港からはすでに四国や九州への船輸送を実施中。関東圏の港は選定中で、現在、北米などへの輸出は習志野港（千葉県）を利用しているが、今回は同港を使わない方針。

△ホンダ<7267>、人間の認知心理学を取り入れた安全技術の実用化目指す
２輪車の「安全」や「走り」は“感性”で―。ホンダは、人間の認知心理学を取り入れた人の顔に近い前面（フェイス）デザインを採用した先進安全技術の実用化を目指している。視認性を高め、対向車や周囲からの発見率を高め事故防止につなげるのが狙い。一方、ヤマハ発動機は、電子制御モーターを使う可変吸気ダクトで中低速と高速性能を両立させた新技術を実用化した。人間の官能性能を重視しているのが特徴。２輪車は４輪車以上にドライバーとクルマが一体化するため、今後、技術開発で人間の感性に対する研究が一層進みそうだ。２輪車の死亡事故原因では、４輪車ドライバーの見落としが３割強。ホンダは認知されにくい課題を克服するため心理学を取り入れている。特定のパターンに敏感に反応する顔ニューロン（脳部位）があることに着目。前面カウルに口をメーンランプ、目を方向指示器とポジションランプでつくった試作車を作った。

△三菱重工<7011>など、ＧＰＳ使い通行料金課金するシステム開発
三菱重工業と三菱商事<8058>、シンガポールのＭＳＩグローバルは、全地球測位システム（ＧＰＳ）と移動体通信技術を応用した次世代道路課金システムを開発した。ＧＰＳの車両位置情報をもとに、指定した課金区域に、どの経路から進入しても、正確に通行料金を課金できる。渋滞緩和のため一般道路にも課金し通行制限を行うアジアの都市部で受注を目指す。次世代道路課金システムはＧＰＳにより、課金区域と車両の位置情報を照合して課金する。このため、ゲート間の走行距離で料金を課金する料金自動収受システム（ＥＴＣ）とは違い、課金のゲートが不要になる。通信用車載器を付けた車両が、設定した課金区域に進入すると、ＧＰＳ衛星で車両の位置を特定。広域通信網を通じてセンターシステムと情報を交信する。センターシステムで課金処理後、車載器に課金結果を返信する。ＧＰＳでの位置特定は３個以上の衛星から信号を受信する必要がある。

△富士通<6702>テン、韓国に車用ＡＶ製品販売・保守・サービスの現法設立
富士通テンは２６日、韓国に自動車用音響・映像（ＡＶ）製品の販売・保守・サービス会社「富士通テン韓国」（ソウル市）を設立し、９月１日に営業を始めると発表した。富士通テンの全額出資で、資本金は４５００万円。従業員は５人で、２０１０年に１億円の売上高を見込む。保守・サービスのほか、現地の自動車メーカーや自動車部品メーカーへの製品納入を目指す。韓国ではこれまで富士通の現地法人に保守・サービス業務を委託していたが、契約期間の満了に伴って自社で行うことにした。海外の全拠点数は３２となり、うち販売・サービス拠点は１６カ所となる。

△新日石<5001>、マンション向けエネサービス事業を子会社へ移管
新日本石油はマンション向けのエネルギーサービス事業を、年内にも子会社の特約店３社へ移管する。同事業は０５年夏に立ち上げ累計５件の受注を獲得してきたが、これまではビジネスモデルの確立を目的に新日石自らが事業展開してきた。今後は燃料販売と同様に特約店を通じて拡大を図るとともに、新日石本体では新たなサービスの開発に注力する。子会社以外へも順次広げ、これまで燃料販売に特化してきた特約店の経営体質強化にもつなげたい考え。同サービスの取り扱いを始めるのは、ＥＮＥＯＳフロンティア（東京都品川区）、高輪エネルギー（東京都港区）、太平洋石油販売（東京都中央区）。新日石ではシステム設計や料金設定、マンション開発業者や管理組合との契約などのノウハウが固まったため、３社への移管に踏み切る。マンション向けエネルギーサービスではマンションの灯油タンクや各戸への供給設備の設置と保守、燃料の補給をパッケージ化。

△三井不動産<8801>販売、顧客満足度を数値化へ－取引後に評価集約
三井不動産販売は、顧客満足度（ＣＳ）を数値化する取り組みを年内に始める。同社は不動産仲介事業を『三井のリハウス』としてブランド展開しており、取引直後の顧客に「三井のリハウスでの取引を第三者に勧めるか」を聞き取り、１０点満点で評価を受ける。年度ごとに支店単位での評価の推移を把握するなどＣＳの“見える化”を進め、サービスの質の向上につなげる。顧客への質問は、第三者に紹介するかどうかに重点を置く。インターネットを活用した情報発信の重要度が高まってはいるものの、すでに取引実績のある顧客からの紹介案件のほうが効率よく営業でき、成約の確率が高いという。三井不動産販売では顧客満足度を高めて紹介案件の増加に結びつける。

△王子紙<3861>、ＣＯ２削減目標を４年前倒しで達成
王子製紙は２６日、化石エネルギー由来二酸化炭素（ＣＯ２）排出原単位の削減目標を４年前倒しで達成したと発表した。０６年度に化石エネルギー原単位で９０年度比２３％削減、化石エネルギー由来ＣＯ２排出原単位で同２４％削減となり、２０１０年度にそれぞれ２０％削減するという目標を大きくクリアした。非化石燃料への転換を加速するために導入した新エネルギーボイラの稼働が貢献した。新エネルギーボイラは０４年から導入し、０６年度までに全国の工場で計５基が稼働している。同ボイラはバイオマス燃料や廃棄物由来燃料を利用するもので、化石エネルギーの使用を削減できる効果がある。王子製紙はグループで今後、３基の新エネルギーボイラを稼働させる計画。

△カシオ<6952>、化学物質データ管理システムを中国の調達先と構築
カシオ計算機は中国の部品調達先と含有化学物質データ管理システムの構築に乗り出す。０８年度までに現地の約２００社を対象にし、含有化学物質データなどをサプライヤーがウェブ画面上から直接入力できる仕組みにする。データ収集・管理を効率化するのが狙い。これまでは各サプライヤーごとにメール経由などで情報を収集しており、それらをデータベース（ＤＢ）化するのに手間と時間がかかっていた。カシオ計算機が導入するシステム「ＧＰ―ＷＥＢ」は部品調達先から入手した含有化学物質データを自動集計し、自社の設計部門が使う環境ＤＢなどとも連動する。サプライヤーはカシオへ提出する製品含有化学物質情報をウェブ画面上から入力するだけで、部品一つごとにリアルタイムで回答できるようになる。ウェブ画面は使用するユーザーに合わせ中国語、英語、日本語に切り替えが可能。

△三菱ガス化学<4182>、東京研究所内にＰＣシート・フィルム研究開発拠点
三菱ガス化学は２６日、需要が急増しているポリカーボネート（ＰＣ）シート・フィルム事業の研究開発拠点として「シート・フィルム東京開発センター」を７月１日に開設すると発表した。同社東京研究所（東京都葛飾区）内にクリーンルームや大型の成形機２機を設置。製品開発から量産化技術まで一貫体制で開発する。三菱ガス化学は０５年１０月に大阪工場と生産子会社の富士化成とを統合してＭＧＣフィルシート（埼玉県所沢市）を設立。ＰＣシート・フィルム事業の生産を統合した。近年はフラットパネルディスプレー（ＦＰＤ）や携帯電話など向けの、高機能製品の需要が急増している。このため、ＭＧＣフィルシートは０８年度の売上高目標であった２００億円を０６年度に前倒しで達成するなど、好調な業績をあげている。

△グンゼ<3002>、ＩＴＯフィルム増産－８月めど能力２５％増強
グンゼはタッチパネルの構成部品であるインジウム・スズ酸化物（ＩＴＯ）フィルムの加工能力を８月をめどに２５％増強する。亀岡工場（京都府亀岡市）に新ラインを作り、これに伴い、後工程であるタッチパネルの印刷・組み立てを行う米国工場の生産能力も倍増、中国工場は３割アップさせる。さらに０９年度にはフィルム生産能力を現行比約２倍に引き上げる。同社は今回の能力強化で、タッチパネルの世界的な需要の高まりに対応する。亀岡工場にＩＴＯのスパッタリングの新建屋を建設した。延べ床面積約８００平方メートル。スパッタリング装置を１台増やし、印刷工程を自動化。一方、０９年度にはＩＴＯフィルム加工施設に従来の乾式スパッタリング方式のほか、生産性の高いウェットコーティング方式の複合装置を導入し、加工能力を２倍とする。フィルム関連の投資額は合計約２０億円を見込む。

△エーザイ<4523>、頻脈性不整脈治療剤で発作性心房細動の追加承認を取得
エーザイは２６日、頻脈性不整脈治療剤「タンボコール錠５０ミリグラム、１００ミリグラム」（一般名酢酸フレカイニド）で、頻脈性不整脈の発作性心房細動・粗動の効能・効果、用法・用量の追加承認を取得したと発表した。発作性心房細動・粗動は、ともに激しい動悸を引き起こすだけでなく、心原性脳塞栓症を引き起こすリスクを持っている。発作性心房細動・粗動の現在の患者数は１００万人以上といわれ、加齢に伴い罹患者数が増加することも知られている。

△岡部<5959>、冬季五輪にらみカナダに新ホテル建設
岡部は２６日、カナダのバンクーバーに新しいホテルを建設すると発表した。地上２０階、地下４階建てで、全２２０室。投資額は約５９億円。２０１０年に同地で開かれる冬季五輪に合わせ、０９年９月に開業する計画。全額出資子会社のオカベ・ノースアメリカがカナダに所有する５ホテルのうち、老朽化したコーストプラザホテルを現地のマンション開発業者に約５５億円で売却することを決めた。売却益が１５億８１００万円見込まれるため、追加投資して新ホテル建設を決めた。

△日清オイリオ<2602>、マヨネーズタイプ調味料を８月から１０円値上げ
日清オイリオグループは２６日、８月１日出荷分からマヨネーズタイプ調味料「日清マヨドレ」（容量３１５グラム）を約１０円引き上げると発表した。同調味料の値上げは、現在の容量に変えた０３年以降で初。マヨネーズ類ではキユーピー<2809>、味の素<2802>がすでに値上げしており、マヨネーズ類の店頭価格は総じて上昇する見通し。食用油高騰や燃料・物流コストの上昇を受け、同社では「生産性向上や合理化を進めてきたが、現行価格の維持が困難になった」としている。

△郵船航空サービス<9370>、中国とベトナムを結ぶトラック輸送サービス開始
郵船航空サービスは２６日、中国とベトナムを結ぶトラック輸送サービス「国境快速（通称、友誼関（ゆうぎかん）快速）」を７月に始めると発表した。中国・深センとベトナム・ハノイ、ハイフォンを最短２日間でつなぐ。香港発のトラック便も設定。中国南部とベトナム北部間の船便と比べて、輸送時間を最大で５日間短縮、費用も航空便の４割に抑えるという。サービスは郵船航空航運（香港）が手がける。チャーター便に比べてコストが割安の混載トラック便を活用する。郵船航空サービスは電子部品輸送などの利用を想定しており、家電や電子機器などベトナムの組立工場向けに運ぶ。帰り便は回送扱いだが、荷主の要望があれば輸送サービスを検討するという。
（日刊工業新聞）

■電源開発<9513>、きょう総会　英ファンドの大幅増配案を否決へ
電力卸最大手の電源開発（Ｊパワー）が２７日開催する株主総会で、筆頭株主の英系投資ファンド、ザ・チルドレンズ・インベストメント・ファンド（ＴＣＩ）による大幅増配を求めた株主提案が否決される見通しであることが２６日、明らかになった。関係者によると、同日午後までにＴＣＩの提案に反対する議決権行使書が全体の半数を超えたという。すでに米系ファンドのスティール・パートナーズ・ジャパンがブラザー工業や因幡電機産業に求めた増配提案も、総会で相次ぎ否決されている。安定株主の存在に加えて、一般株主の間では「過剰配当は会社の将来に響く」と受け止める向きが多く、外資ファンドの要求はなかなか支持が広がらない状況が続いている。ＴＣＩはＪパワーに対し、「設備投資計画に比べて配当が少なすぎる」などとして、年間配当について、会社側計画（６０円）の倍以上である１３０円を要求。これに対し、Ｊパワーは「発電設備増強のために財務基盤の強化が必要」と反発していた。主要株主である金融機関や取引先企業の多くが会社側を支持したとみられ、会社側の配当提案は賛成多数で承認される見通しだ。

△メディシノバ<4875>　ぜんそく薬など資源集中
創薬ベンチャーのメディシノバは２６日、気管支ぜんそくの急性発作「化合物・ＭＮ－２２１」と多発性硬化症「同－１６６」の治療薬の開発に経営資源を集中すると発表した。早ければ２０１０年の自社販売を目指す。不眠症や尿失禁といった進行中の他の開発プログラムは商品化を着実に進めるため製造販売の提携先を探す。これまでの臨床試験の結果と市場性から判断した。研究開発資金の効率的な運用も狙いの一つ。このうち「同２２１」は、緊急医療施設において、ぜんそくの急性発作に対する新しい標準療法と期待されている。現在は吸入薬を使用するのが一般的だが、気管支が縮んでいるため、うまく吸えないうえ、心臓への負担も大きいといった課題があった。「同２２１」は静脈注射による投与のため直接、肺に薬が届くうえ、心臓への負担も低減できるという。患者への有効性や用法・用量を確認するフェーズ２の臨床試験結果は０７年１０～１２月期にも得られる見込みで、患者への大規模試験を実施するフェーズ３に向けて経営資源を集中。０９年秋から１０年初めには新薬の認可申請を米国の食品医薬品局（ＦＤＡ、日本の厚生労働省に相当）に出し、早期の商品化を目指す。同社は、米カリフォルニア州サンディエゴに本社を置き、大阪証券取引所ヘラクレスと米ナスダックに株式を上場する医薬品開発企業。日本の中堅製薬企業から動物レベルでの安全性・有効性が実証された医薬品候補の開発権利を買い、人間にとって安全かつ有効かどうかの臨床実験を実施。さまざまな疾患領域の新規医薬品を、自社販売か製造・販売権の製薬会社への売却で市場に送り出すビジネスモデルを作り上げた。今回は、どの開発プログラムを収益性の高い自社販売にするのかを決めた格好だ。

△アサヒビール<2502>　「本格麦焼酎かのか」発売　仕込みに新麹製法
アサヒビールは２６日、独自開発した新しい麹製法で製造した「灌水麹（かんすいこうじ）」で仕込んだ乙類焼酎「本格麦焼酎かのか」を７月１０日に発売する。灌水麹は、通常は空気中で培養する麹菌を水中で培養する。水中で培養することで空気中と異なり、均一に培養できるため、「味わい深さとスッキリした後味を両立した焼酎を製造できる」（森田健・商品開発第２部長）という。灌水麹製法は、３０件の特許を申請し、４件の特許を取得済みだ。焼酎の主力ブランド「かのか」は、麦焼酎の「かのか」「特撰かのか」のほか、「いも焼酎　かのか」「こめ焼酎　かのか」「かのか　深層地下水割り」の５種あるが、これまではすべて甲類焼酎と乙類焼酎の混合焼酎だった。新製法の確立で純粋な乙類焼酎「本格焼酎かのか」を「かのか」のラインアップに加えて乙類焼酎を強化する。アサヒの焼酎売上高は２００６年で５７２億円。今年は６％増を見込んでいる。乙類焼酎は０６年で焼酎全体の１割に当たる５７億円。今年は２０％増を見込んでいる。「本格焼酎かのか」は、アルコール度数２０度、９００ミリリットルが希望小売価格７４７円。２５度９００ミリリットルが８３１円。２５度１８００ミリリットルが１５６７円。初年度は５万ケース（１ケースは７２０ミリリットルが１２本）の販売が目標。

△フルハイビジョン向けＬＳＩ量産　ザインエレクトロニクス<6769>、年末商戦モデルに搭載
ＬＳＩの設計・開発などを手掛けるザインエレクトロニクス（東京都中央区）は、フルハイビジョンテレビ（フルＨＤ）向け新型ＬＳＩ「ＴＨＣ７９８１」を開発し、量産を開始した。複数の薄型テレビメーカーの採用が決定しており、今秋以降に発売される年末商戦モデルに搭載される見通しだ。フルＨＤ対応の薄型テレビにアナログケーブルをつなげて視聴する際、画像のアラが目立つケースがあり、フルＨＤが持つ高精細画像を楽しめないといったユーザーの声は多かった。今回、同社が開発したＴＨＣ７９８１は、アナログケーブルでもフルＨＤの高精細画像を十分に引き出せる約１０億７０００万色（ＲＧＢの３色で）の色表現を実現した。また、ＴＨＣ７９８１は、高精細画像を映し出す性能面だけでなく、コスト面での利点もある。高精細テレビやプロジェクター、その他のビデオ機器においてアナログフロントエンド部の設計や画像処理エンジンのシステム構成を簡素化できる。このため、同社では、「部品点数や設計工数の削減をはじめ、画像処理エンジンを搭載する基板スペースの削減にもつながる」（高田康裕取締役業務部長）と期待している。
（FujiSankei Business i）