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2011 01,03 14:00 |
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投資ファンド:日本の中小企業に資金向かう-「隠れた財宝」再評価 米投資会社による邦銀買収を契機に外資ファンドが相次ぎ日本に上陸し始めてから10年。日本での投資ファンドの活動は様変わりして、現在は国内ファンドによる中小企業買収が目立っている。 ロンドンのプレキン社の調査によれば、日本での1件当たりの平均買収規模は06年から09年の間は2億-3億ドル台(約160億円-約245億円)で推移していたものの、2010年は5300万ドル(約43億円)と小型化している。 独立系プライベートエクイティ(PE)投資助言会社、ブライトラストPEジャパンの竹内丈二代表は、最近のPEファンド動向について「国内勢の投資対象は中堅・中小企業で、大型ファンドもここ1年ほどは対象規模の下限を下げている」という。生き残りをかけた中小企業がファンドの支援による事業拡大や合併に動き出していることなどが背景にある。 中堅企業専門の独立系ファンド、アント・キャピタル・パートナーズの尾崎一法会長兼社長は「この間まで大型、中型案件を対象としていたファンドが、今は小型案件にまで参入している」と分析。飯沼良介マネージングパートナーは「日本の中堅・中小企業はヒドゥン・ジュエル(隠れた財宝)と呼ばれている」と話す。 米投資家会社リップルウッドが破綻した日本長期信用銀行を約1200億円で買い取ったのは2000年。その後、カーライル・グループやブラックストーン・グループなどが相次いで日本に拠点を構えた。しかし2009年11月に米ベイン・キャピタルがベルシステム24を買収して以降は、外資系による1000億円規模の案件は出ていない。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
海外で大手銀行などに積極投資している米大手投資会社のKKRは日本進出3年半でようやく7月に初投資に漕ぎ着けたが、その額は325億円。対象は、伸び盛りだが中堅クラスの人材派遣会社インテリジェンスだった。 世界で展開するKKRが成熟市場の日本企業への投資を検討する際の投資テーマは、グローバル化や新規技術。円高を契機に海外進出を試みる企業や、独自技術を売り物に事業拡大を図る大手企業などを念頭に置く。 小規模の企業となると、魅力的なのは日本よりも成長率の高い中国やインドの企業だ。KKRジャパンの蓑田秀策社長は世界中の案件が集まる投資委員会で「日本企業を同じテーブルに乗せても筋が通らない」と中小企業への投資許諾の難しさを指摘する。拡大を続けるインテリジェンスのような企業はなかなか見つからない。 「大型ファンドは苦戦」 アントの尾崎氏は、中堅・中小企業では「大型案件のようにレバレッジ(てこの原理)を使い金融工学的に収益が狙えるわけではない」と指摘。スイスのキャピタル・ダイナミックスの小林和成社長は、中小企業投資に不慣れな「大型ファンドは案件確保に苦戦している」という。 「コテコテのオヤジさんの企業に入っていって一緒にネジを拾いながら汗をかく」-。アントで工作機械メーカーを支援した飯沼氏はハンズオン(きめ細かな支援)の経験を振り返る。同社にとってのハンズオンは、取締役会への出席や、経営者の派遣だけではなく、一緒に汗水流して企業価値を上げることだと強調する。 日本政府も中堅・中小企業の成長を支援する姿勢を強めている。中小企業基盤整備機構は、98年からベンチャーや中小企業に投資するファンドに出資しているが、今年7月には出資要件などを緩和し、ファンドが中小企業により柔軟に投資できるようにした。 業界再編 同機構ファンド事業部の落合徹氏は、要件緩和により「今まではなかったファンドからも出資要請がきている」という。9月時点での出資ファンド数は142件、出資金額は1270億円、投資先企業は2627社。今後も年間110億円程度の出資を継続する方向だ。 東京海上ホールディングス傘下の東京海上キャピタルは2011年初めにも新規PEファンド運用を開始する。同年末までに国内外の機関投資家から最大500億円を募り、1件当たり50-500億円を複数の企業に投資する。アントも11年3月までに150億円を集める計画だ。ロングリーチ・グループも上半期中に7億5000万ドルを募集する。 外資勢でも、仏商業銀行クレディ・アグリコル系のCLSAキャピタルパートナーズは、企業価値が50億円-150億円の中堅企業のMBO(経営陣による企業買収)や、1案件20億-70億円の投資をしている。スイスのキャピタル・ダイナミックスも良い案件があれば、中堅・中小企業でも積極的に投資していく考えだ。 企業再生専門のネクスト・キャピタル・パートナーズの立石寿雄社長は「日本では会社を売る=負けたと思う風潮がある」と述べ、株主利益追求を徹底し、会社売却への抵抗感がなくなるかが、今後のPE市場発展の鍵とみる。今の経済状況では「業界再編なしでは企業は存続できない」と指摘している。 記事:東京 伊藤小巻 Komaki Ito ■□━━━━・・・・・‥‥‥……………………………… 今年の日本市場は、新興市場を中心に動きますよ! PR |
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