『年越し蕎麦』（京都の休日１７０）

　今年もあと残すところ数時間、皆様方には、迎春準備も整い
やっと一息ついている頃ではないでしょうか。

　一年の締め括りである大晦日に欠かせない食べ物と言えば「蕎麦」。

「蕎麦」は江戸の食文化というイメージがありますが、大晦日に食べるそばを
「年越し蕎麦」と呼ぶようになったのはそう古くはないようです。

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[2回]

　本来は、立春の節目に食べるそばを年越し蕎麦と呼んでいたようです。
その名残をとどめているのが、京都市左京区の吉田神社の節分祭。
今でも、老舗のそば屋が境内に出店して、蕎麦を振る舞っています。

　大晦日に食べる蕎麦は「晦日蕎麦」と呼ばれていたといい、
由来は諸説あるようです。
・博多で鎌倉時代、不景気で苦しむ庶民にそば粉が振る舞われた
・金細工の職人が工房にそば粉をまいて、飛び散った細かな金箔を集めており、
　縁起をかつぐため
・細く長く続くそばに、長寿や家運の繁栄への願いを込めた･･･
･･･などなど･････ほかにも
そばが切れやすいことから「一年の苦労や厄災を断ち切る」との意味があると
いう説など、各地で諸説があるのですが、いずれにしても
「そば」は縁起の良い食べ物として古くから愛されてきたということです。

  本日は、一年を無事に過ごせたことを感謝しながら、
年越しそばを美味しくいただきたいですね。

京都では『年越し蕎麦』と言えば「鰊蕎麦（にしんそば）」です。
明治時代に誕生したそうで、そんなに歴史はありません。

年越し蕎麦には○○そばを食べる、という決まりはありませんが、
京都では年越しそばといえば「鰊蕎麦（にしんそば）」なんですよねぇ～･･･

昆布（利尻が一番、だしが濁らないので）と、鰹節の旨みで食べるような
薄味の京風だしの蕎麦に、丼を真一文字に横切るサイズの甘辛く煮た
身欠き鰊（みがきにしん）を乗せます。

山に囲まれ、生魚と縁遠い京都では干物のにしんはよく食べられていて、
“茄子とにしんの炊いたん”（京のおばんざいはこんな言い方をします）は
伝統的ともいえる京都的な料理です。

柔らかく炊いたにしんを食べつつ蕎麦を食べ進むと、
薄味のだしの味に少しずつにしんの甘辛さが溶け出して
食べ始めと食べ終わりでは違う味になるのもまたオツなもんです。

　ＴＶで「ゆく年くる年」でも観ながら召上がって下さいませ。

　そして、最近流行りだしたのが『年明け饂飩（うどん）』
勿論『年越し蕎麦』にあやかって饂飩業界が仕組んだことなのですが、
これって実は昔から、あちらこちらで見かけますよね。
ちなみにワタシは高校生の時に岩清水八幡宮で年末・年始、
アルバイトしていた時、この年明け『厄除け（年明け）うどん』や
『厄除け甘酒』の販売をしていた経験があるんですよねぇ～･････

誰が仕掛けようとも、気は心！　
縁起を担いで皆様、良いお年をお迎え下さいませ。