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2010 12,23 18:00 |
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米国経済は、不安要素はまだまだ大きいものの少しずつ、回復の兆しが見え始めました。一方で中国は、消費者物価が過熱しつつあり、インフレの傾向がうかがえます。そして欧州は、ユーロ安のため成長率は伸びてきているものの、依然財政や金融不安を抱えている状況です。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
回復の兆しが見えてきた米国経済 米国の数字は変わりはじめました。まだ、不確定要素は多いものの、以前からお話ししていた、私の仮説が当たりつつあるのではないかと思います。 まず、注目すべきは「個人所得」です。2010年10月は前年比プラス4.1%となり、過去最高となりました。そして「自動車販売」も徐々に伸びつつあります。2010年9月までは1100万台ペースだったのが、10月、11月と2カ月連続で1200万台を超えました。 それから「消費者信頼感指数」にも良い傾向が表れています。2010年9月、10月は50を切る水準でしたが、11月は54.1と上昇しました。 ただ、十分に回復していないのが、やはり雇用の数字です。 2010年11月の数字は、「雇用 非農業部門」はプラス3.9万人にとどまり、「失業率」も若干悪化して9.8%となりました。 そして、「貯蓄率」も2010年10月は5.7%と、依然高い水準を保っています。住宅も依然厳しい状況が続いています。また、後で説明する欧州経済の影響を受けるかもしれません。 このように、良い兆しが表れつつある半面、まだ悪い数字も混在しているのが現状です。しかし、「消費者信頼感指数」や「自動車販売」などの数字を見ると、消費者の心理が若干良くなりはじめていると感じています。 ですから、年末にかけてのクリスマス商戦の動向からは目が離せません。個人消費は、米国のGDPの約70%を支える重要な数字です。米国民はこのところ、景気低迷により消費をかなり抑えてきました。 景気が好調だった2007年は前年比プラス5.2%もありましたが、2009年には前年比マイナス1.0%と落ち込んでいますね。この時期は、リーマンショック直後ということもあり、莫大な消費をする米国民も財布のひもを固く締めていたのです。それが、2010年、春にかけて消費は復活しつつありました。しかしその後、経済全体が停滞しているために消費は増加傾向が鈍りました。 一方、「企業収益」を見ますと、直近の数字である2010年7-9月は1兆6585億ドルまで戻していることが分かります。これは、過去最高に近づいている数字です。 今時点では、「個人消費」の伸びは大きくないのですが、企業業績が回復していること、先程も触れた「個人所得」が過去最高を更新していること、ニューヨークの株式市場が好調なこと、などからクリスマス商戦では個人消費が伸びるのではないかと予測されています。その伸びは“爆発”とまではいかないでしょうが、このタイミングでどの程度まで上向くか。そして、徐々に上向きになりつつある数字が2011年までその傾向が続くのかどうか。これが最も注目したいポイントの一つです。 米国経済が本格的に回復しはじめたら、消費は耐久消費財に向かいます。中でも先に自動車に動きが出ると思います。すでに自動車は少しだけ上向いています。あとはまだ慎重な住宅関連の指標がいつ上向いているかに注目です。 先ほども述べたように、まだ、米国の指標は、いい数字と悪い数字が混在している状況です。しかし私から見ると、いい兆しが見えてきたと感じています。景気が回復を始める頃は、「ジョブレスリカバリー(雇用なき回復)」の傾向が現れますが、このままの企業業績が続けば、雇用は改善傾向を見せ始めると思われます。雇用が回復すれば、消費が回復します。消費が順調に伸びて行けば、米国経済も回復しはじめるのではないでしょうか。 2011年は厳しいことが予想される欧州経済 2011年の欧州経済は、停滞することが予想されます。なぜかと言いますと、理由は非常にシンプルです。 まず、ギリシャのような財政危機問題が、アイルランドやポルトガル、スペインなどに飛び火する可能性があることです。そこで欧州各国政府は、財政問題を解決するために、いずれも政府支出を削減する緊縮策を採用することになっています。 米国などは景気回復が遅れると猛反発していますが、現状の欧州各国にとって財政を立て直すということは急務です。 緊縮財政を行う背景には、欧州各国は2007年のサブプライム危機以降、金融機関や金融システム崩壊を救うために膨大な財政支出を行ったということがあります。それにより、欧州経済は一旦、立ち直りました。しかし、ここで民間の金融リスクが国家の財政リスク(ソブリンリスク)に変わってしまったのです。 それが発端で(ギリシャは財政赤字をごまかしていたということもありますが)、欧州全体が信用を失い、ユーロが売られました。 ただ、このユーロ安のおかげで、欧州、特にドイツは大きく経済成長しました。ドイツの2010年4-6月の成長率は、実質9.5%という大きな伸び率になりました。それでも、すでに莫大な財政支出をしたわけですから、今後、ドイツを始めとする欧州各国政府は財政赤字を減らさざるを得ません。 そのため、2011年の欧州の成長率はかなり厳しめではないかと予測しています。 欧州の経済不振は米国や中国にも影響を与えます。米国経済のうち25%くらいは欧州経済に依存したものです。欧州の経済不振が米国経済の足を引っ張る可能性があります。中国も、輸出の約20%がEU各国向けです。それらが、どれだけの影響になるのかが懸念されます。 もちろん、日本にも悪い影響が出る可能性があります。それまでに、米国経済が順調に回復しはじめていれば、これまで何度もお話ししているように回復へ向かうシナリオになるでしょう。つまり、米国が成長し、米金利が上がりはじめて円安に振れ、それに伴って日本経済も回復しはじめるという流れになるというシナリオです。 しかし、欧州の緊縮財政の影響が大きく出てしまって、ポルトガルなどの財政が再び危なくなるという話が出ると、シナリオが大きく狂う可能性があります。不確定要因がたくさんあるため、このあたりは現時点では予断を許しません。 経済規模では一流だが、政治的にはまだ三流の中国 次に、中国の数字を見て行きましょう。中国は今、過熱気味という印象があります。中国のGDPを見ますと、2010年も大きく成長していることが分かりますね。 また先日、中国の2010年11月の消費者物価が発表になりましたが、前年比プラス5.1%と大きく上昇しました。つまり、物価が加熱し始めているのです。そこで、ご存じのように、中国は金融を引き締めつつあります。 インフレは中国の政策にとって、非常に大変な状況なのです。なぜかと言いますと、インフレになると弱者が困るからです。 経済的に豊かな人は、インフレに強い不動産や株式などを購入し、リスクを回避することも資産を増やすこともできます。中国では土地は国有なので買えませんが、住宅は所有することができます。これがインフレで価格が何倍にも上がると、資産を増やすことができるのです。しかし、経済的に貧しい人は、インフレになると食料品や日用品などの物価が上がり、即座に生活が圧迫されます。このようにして中国ではインフレはどんどん格差を広げる要因で、政府にとっては頭の痛い問題なのです。 中国は、暴動が頻発している国です。インフレになると、貧富の差が広がりますから、暴動がさらに起きやすくなります。ここが、中国がインフレを恐れている理由です。不満の矛先はいつ政府に向けられるか分かりません。 今年は、中国のプレゼンス(存在感)が非常に大きくなった年でした。これには、いい意味と悪い意味が含まれています。 いい意味では、GDPが世界第二位になりつつあるということです(為替レートの影響もあり、現時点では正確には分かりませんが、2011年には確実に第二位となるでしょう)。経済的には、世界的に大きなプレゼンスを得たということは間違いありません。 ただし、大きな政治的問題も抱えています。ここが悪い意味でのプレゼンスになるのですが、一つは尖閣諸島の問題です。この問題によって、日本国民の嫌悪感の増大のみならず、中国は世界から「なりふり構わず領土を拡大しようとしている」という目で見られてしまいました。 また、今年ノーベル平和賞を受賞した人権活動家・劉暁波氏の問題もありました。この背景には、国際社会の中国に対する民主化と人権問題の改善を強く求めていることがあります。 経済的に見ると、規模は一流国になりましたが、政府の統制が大きく、為替も管理していることなどから考えるとまだ実質的には二流です。そして、政治的には人権問題や領土問題があるために三流のままであり、国内では暴動の種を抱えている状況です。 このような背景がある中で、消費者物価が過熱しつつある状況です。今年、中国政府は、ある程度の政策転換に出たのではないかと私は考えています。次回、中国が図った政策転換について、具体的にお話しします。その上で、中国経済に依存している面が大きい日本がどのような問題を抱えているかを指摘し、 2010年の締めくくりとしたいと思います。 ■□━━━━・・・・・‥‥‥……………………………… ザクッと簡単に今年を振り返り、 これから日本は好転して行きますよ! 但し、来年1月~3月は毎年のごとく世界中の悪材料を 但し、来年だけはパターンが変わる可能性があります。 上記週足チャートを観て戴くと判ると思いますが、 但し、窓埋めの為、2番底が控えている事を念頭に入れて置きましょうね。 PR |
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