6/25 お昼の『株価材料』PART Ⅲ

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■株価材料

■セブン＆アイＨＤ<3382>とユニー<8270>のアウトルックを弱含みに変更＝フィッチ
フィッチ・レーティングスは、セブン＆アイ・ホールディングスとユニーのアウトルックを安定的から弱含みに、イオン<8267>のアウトルックを弱含みから安定的に変更した。フィッチによると、セブン＆アイ・ホールディングスのアウトルック変更は、修正純有利子負債でみた負債比率が上昇していること、グループの国内コンビニエンスストア事業の業況が厳しい業界環境を受けて悪化傾向にあることを反映した。外貨建て・円建て長期発行体デフォルト格付けはＡＡ─に据え置いた。ユニーのアウトルック変更は、緩やかだが上昇傾向にある連結ベースでの負債比率、グループのコンビニエンスストア事業が厳しい事業環境の中で、同業他社に比べても業況が悪化傾向にあることを反映した。外貨建て・円建て長期発行体デフォルト格付け、無担保優先債務格付けはＢＢＢ─に据え置いた。イオンのアウトルック変更は、総合小売部門における販売動向・収益性が改善していること、イオンが負債比率を維持しつつ連結キャッシュフローを継続的に成長させていることを反映した。外貨建て・円建て長期発行体デフォルト格付け、無担保優先債務格付けはＢＢＢに据え置いた。

△ホンダ<7267>の5月世界生産は10.9％増、国内生産は11.8％増
ホンダが２５日発表した５月の世界生産実績は、前年比１０．９％増の３２万９５０７台だった。国内生産は同１１．８％増の１０万５１８８台、輸出が同２２．５％増の５万９１２１台となった。

□マツダ<7261>の5月世界生産は2.1％減、国内生産は8.0％増
マツダが２５日発表した５月の世界生産実績は、前年比２．１％減の９万２４１６台だった。国内生産は同８．０％増の７万３１７５台、輸出は同１４．４％増の５万９５６８台となった。

△米市場でのハーレー株上昇、ホンダ<7267>の買収観測が背景
先週末２２日のニューヨーク証券取引所で、米自動二輪大手ハーレー・ダビッドソンの株式とオプションが急伸し、同社株は前日比２．４３ドル（４．０４％）高の６２．５５ドルで取引を終えた。ホンダがハーレーの買収を目指しているとのうわさが材料となった。市場調査会社トラック・データによると、ハーレーのオプションもこの日は５万８５３５枚と、１日平均の１４倍以上の出来高を記録した。ハーレーのスポークスマンはうわさについてのコメントを拒否し、ホンダの米国部門のコメントも得られていない。ただ一部のアナリストやオプショントレーダーはこのうわさについて、ありそうにない話であり、期末近くといううわさの出てきたタイミングも怪しいとして信ぴょう性を疑っている。

□富士重工業<7270>の5月世界生産は0.5％減、国内生産は2.6％増
富士重工業が２５日発表した５月の世界生産実績は、前年比０．５％減の４万５２４３台だった。国内生産は同２．６％増の３万５０６７台、輸出は同２２．０％減の１万５７８６台となった。

△スズキ<7269>の5月世界生産は9.2％増、国内生産は3.8％増
スズキが２５日発表した５月の世界生産実績は、前年比９．２％増の２１万１１９６台だった。国内生産は同３．８％増の９万８３４１台、輸出は同７．１％増の３万１８６７台となった。

△トヨタ<7203>の5月世界生産は9.8％増、国内生産は7.9％増
トヨタが２５日発表した５月の世界生産実績は、前年比９．８％増の７０万２３８２台だった。国内生産は同７．９％増の３２万２８４１台、輸出は同２．９％増の２０万３２６５台となった。

△ハイテク株が底堅い、米株安よそにキヤノン<7751>小じっかり
午前の株式市場では、米国株の下落をよそに、ハイテク株が全般に底堅い推移。キヤノン株、松下電器産業<6752>株などは小じっかりで推移している。為替が円安基調で推移していることから業績予想上方修正への期待が出ているほか、鉄鋼・非鉄株などに比べて出遅れ感も強いという。年後半からの世界景気加速局面ではハイテク株が相場のけん引役になるとの期待もあり、根強い買いが入っているという。

△エキサイト<3754>株堅調、プロの翻訳サービス開始との報道
午前の株式市場では、エキサイト株が堅調。２５日付日経新聞朝刊で、同社が翻訳サービス大手と組んで、ネット経由で２４時間以内のプロによる有料の翻訳サービスを開始と報道されたことなどが材料視されている。報道によると、エキサイトがサイト内にサービスの入り口を提供する。

▼グッドウィル<4723>株が続落、データ装備費に関する特損拡大を嫌気
午前の株式市場では、グッドウィル・グループ株が売り優勢。同社は２２日、連結子会社のデータ装備費に関する特別損失が最大で６億６０００万円拡大する見込みと発表、これが嫌気されている。人材派遣の「プレミア・サービス」とセールスプロモーションの「ソア」の両社に関して、登録スタッフが負担したデータ装備費を支払うことを決定したため。同社は２１日に、連結子会社のグッドウィルについて、登録スタッフが負担したデータ装備費を支払うことで、最大約３７億円の特別損失が見込まれると発表していた。

▼日立建機<6305>株売り気配、エクイティファイナンス報道で
午前の株式市場では、日立建機株が売り気配。２３日付日経新聞朝刊が、９月までに最大で８００億円程度のエクイティファイナンスを実施すると伝えたことが需給圧迫や希薄化への懸念につながっているという。報道によると、公募増資で８００億円を一括調達する公算が大きく、この場合、２００７年では約１１００億円を調達したダイキン工業<6367>に次ぐ規模になる見通しという。日立建機は２５日、資金調達に関しては決定した事実はないとするコメントを発表している。
（ロイター）

△コーナン商<7516>---コスモ証券では「B＋」としてカバレッジ
年初来高値レベルでの膠着。なお、コスモ証券では利益率上昇と規模拡大の進展が見込まれるとし、投資判断を「B＋」としてカバレッジを開始したもよう。販売管理費コントロールにより今期会社計画の利益上振れを予想している。

△バンド化<5195> 賑わう。
三菱ＵＦＪが投資判断を新規に「２」としており、買い材料視されているようだ。タイ・中国・トルコなど海外事業が収穫期入り、親会社の収益が安定して拡大している中、中期的に一定の利益成長が見込まれるとしている。今期営業利益は会社計画82億円を上回る87億円と予想。

△佐世保<7007>---トレンド変わらずも目先調整へ
トレンド変わらずも目先調整へ。25日線を割り込んできている。一目均衡表の遅行スパンも下方転換シグナル発生が近づいている。信用倍率は2.00倍と株価位置から買い方有利ながら、4月は1倍を下回っていたことを考えると、一旦は調整に入りやすい。

■サイバー<4751> リーマンでは投資判断「1-Overweight」を継続したものの、目標株価については15.3万円から13.9万円に引き下げたようだ。
中長期的に強気のスタンスに変更はないとしながらも、ブログ事業の収益化の遅れを業績予想に反映したとしている。

△セキド<9878>---急伸、先週末の第1四半期好決算で
急伸。先週末に第1四半期の決算を発表、経常利益は5000万円の黒字と、前年同期2.6億円の赤字から急回復へ。中間期の予想2000万円を上回る水準となっている。好決算期待が背景か、先週から株価は急騰してきたが、業績上ぶれ期待の高まりで一段の上値追いの展開となっている。

□ダイキン<6367>---下げ渋る、気象庁3ヵ月予報の発表もあり
売り先行後は下げ渋る展開、出来高は膨らんでいる。本日は公募・売出株の受渡期日となっており、需給懸念から売りが先行した格好。ただ、本日は気象庁の3ヵ月予報なども発表予定であり、シーズンストックとしての期待感も高まる方向。

△ヤクルト<2267>---5/15以来の3000円を回復
5/15以来の3000円を回復している。先週、メリルリンチでは投資判断「買い」継続で、目標株価を3200円から4000円にまで引き上げていた。一目均衡表の遅行スパンは上方転換シグナル発生。雲下限を捉えてきており、突破が期待される。

▼ライトオン<7445> 東証１部下落率トップ。
先週末に発表した第3四半期の決算が嫌気されている。経常利益は69.2億円で前年同期比22％減益、中間期の14％減益から減益幅が拡大する状況に。つれて、通期予想は100億円の従来予想から60億円にまで下方修正へ。主力のデニムジーンズの販売不振などが響いているようだ。

△ヨコオ<6800>---強い動き、大和では投資判断を新規に「２」
買い先行。大和が投資判断を新規に「２」、目標株価を1500円と設定しており、買い材料視される展開となっている。短期的には利益寄与度の高い回路検査コネクタ事業の業績回復に注目としているほか、中期的には高機能携帯電話向けスプリングコネクタの伸長などに注目とも。

△セイコー<8050>---1/29年初来高値に接近
反発。1/29年初来高値に接近してきている。6/15時点の信用倍率は2.36倍と5月末の5.41倍から着実に改善している。再編期待は根強い。来週から「セイコーホールディングス」に社名変更。

▼日立建機<6305>---売り先行、800億円規模のファイナンス報道で
売り先行。9月までに最大800億円規模のエクイティファイナンスを実施する公算が大きいと報じられており、目先の需給悪化懸念が先行する状況のようだ。ダイリューションは約9％程度になる格好。ただ、資金調達による今後の成長期待が高いほか、すでにファイナンスの可能性は示唆されていたこともあって、下げ幅は限定的なものにとどまってはいる。

△沖電気<6703>---出来高伴い続伸、電機業界の再編期待波及か
出来高伴い続伸と強い動きが目立つ。特に材料は観測されていないようだが、日本ビクターとケンウッドの経営統合合意報道が伝わっており、電機業界の再編進展期待が波及する展開と見る向きが多いようだ。

■ソニー<6758>---ゲームソフト各社が任天堂に比重移す
テクニカルで調整ムード強まる。ゲームソフト各社が開発の比重を任天堂に移していると報じられている。一目均衡表では雲上限を割り込んだほか、遅行スパンは下方転換シグナルを発生させた可能性。

△ツルハ<3391>---買い優勢、好決算映して新光が格上げへ
買い気配スタート。先週末に決算発表、前期経常利益は16.7％増の92.7億円となり会社計画88.5億円を上ぶれた。今期も21％増益の112.5億円を予想、好決算を素直に評価する動きとなっている格好だ。新光では投資判断を「２＋」から「１」に格上げしている。

△山武<6845>---買い優勢、大型ビルのＣＯ２削減義務報道を受け
買い優勢。大型ビルにＣＯ２削減を義務づける方向で検討との報道が伝わっている。同社はビルの空調制御システムで国内８割のシェアを占めるとされており、野村では、今後温暖化ガス削減に向けた空調制御システムの更新需要が期待できると指摘へ。

△フォスタ<6794> 年初来高値レベルでの膠着。
短期トレンドは上向きであるが、中期的にも均衡表の雲上限に接近してきており、出直り基調が一段と強まる可能性はありそう。今週は、米アップルが携帯電話「iPhone」を発売することもあり、関連銘柄として動意付く可能性も。

▼Ｅトレード証<8701> 日興シティでは証券5社のカバレッジを開始。
Ｅトレードについては新規に「3H」、目標株価については9万6900円としたようだ。現状の市場は小康状態、株のブローキング以外の成長ドライバーが必要と。また、海外ＥＴＦ等金融商品の拡充については、利益貢献に時間を要するとしている。

△日本精線<5659>---買い気配、三菱ＵＦＪが新規に「１」
買い気配。三菱ＵＦＪが投資判断を新規に「１」としている。目標株価は1000円と設定している模様。世界的にみても高い技術力を保有しており、今後も安定した収益拡大が続くと見られることから、来期予想12倍のＰＥＲ水準は他の中小型株と比較して割安であると判断しているようだ。

△日ビクター<6792>---買い気配、ケンウッドと経営統合合意報道
買い気配。ケンウッドと経営統合する方向で大筋合意と伝わっている。先行きの不透明感が強まっていた中、方向性が定まりつつあることを評価する動きが先行。すでに観測報道が伝わり、増資による希薄化懸念などを嫌気する動きもあったが、その後の株価一段安から、今後のファンダメンタルズ改善を期待する動きに変化しつつもあるようだ。

△日精線<5659>---小刻みに年初来高値を更新
小刻みに年初来高値を更新。目先的には節目の800円、またチャート面では1996年12月の戻り高値981円が意識される。なお、三菱ＵＦＪ証券ではレーティングを新規「1」、目標株価を1000円としてカバレッジを開始している。

△森精機<6141>---国内で増産体制を敷き効率よく需要を取り込む
「タイ新工場建設断念」と報じられている。タイトルだけをみてしまうとネガティブに映る。しかし、内容は時間のかかる海外での新工場の建設を取りやめ、国内で増産体制を敷いた方が効率よく需要を取り込めると判断。フル生産の状態が続いており、ポジティブであろう。
（フィスコ）

△ビクター<6792>は３連騰、ケンウッド<6765>との経営統合報道に反応
日本ビクターは前場、３９円高の４３４円まで買い上げられ３営業日続伸となった。６月２３日付けの日本経済新聞で、同社とケンウッドが、経営統合することで大筋合意したと伝えられたことが買い材料となっている。両社の経営統合は、６月１１日にも伝えられ売買が一時停止されたばかりで、株価はほぼ反応薄で推移してきた。今回も、両社は２３日に前回同様に「何も決まっていない」とのコメントを発表したが、株価は好反応した。報道では、経営統合は両社と松下電器産業（６７５２）を含めた３社が詳細を詰め、来月中の正式合意を目指す方向になったとした。統合手順は、まずビクターが、今夏にケンウッドを引受先とする２００億円規模の第３者割当増資を実施し、続いてケンウッドの筆頭株主のスパークス・グループが、松下の保有するビクター株式の一部を取得する。２００８年にビクターとケンウッドは、共同持ち株会社を設立し、同持ち株会社に松下は残るビクター株を売却するとした。松下は、経営不振の続くビクター株式の売却交渉を昨秋から進め、優先交渉権を与えていた米投資ファンドのＴＰＧとの協議が不調に終わりケンウッドとの再交渉に入っていた。報道で、両社単純合算の売り上げが約９１００億円に拡大、カーナビゲーションと通信機器の両部門に強みを持つとされたことも押し上げ効果を発揮した。統合本決まりへ向けさらに株価思惑は高まろう。なおケンウッドの株価は、一時９円高の２０５円と反発したが、前引けは前週末比変わらずと伸び悩んだ。

△日カーリット<4271>は希薄化・需給悪一巡し下値打診買いで小反発
日本カーリットは、５円高の７５９円と５営業日ぶりに小反発している。４月１３日払い込みで実施した公募増資・株式売り出し（発行価額７３７円）から希薄化・需給悪化懸念が強まり年初の２月高値から値幅で４００円、日柄で４カ月の調整を経過し、悪材料は織り込み済み、ボトリング事業へのシーズン人気再燃も期待し下値での打診買いが続いている。同社の今３月業績が、小幅ながら続伸が予想され、割安放置となってうることもフォロー材料となっている。同社の今期業績は、売り上げ３００億円（前期比６％増）、経常利益２５億円（同４％増）、純利益１４億円（同１％増）と予想されている。化学品では紙パメーカー向けの二酸化塩素発生装置や自動車用緊急保安炎筒、電子材料では有機導電材料、イオン導電材料、電気二重層キャパシタ用電解液、プラズマディスプレイパネル向け光機能材料などの拡販が続き、公募増資などによる調達資金を電解液設備増強に充当することも寄与する。ボトリング事業は、前期に天候不順と受託先の内製化で１５％減となったが、今期は８％増と回復を予想、猛暑の早期到来で上ぶれの可能性も出てくる。株価は、公募価格近辺を固める動きが続いたが、ＰＥＲは１１倍台と割り負けている。まず調整幅の３分の１戻し８５０円が上値ターゲットに浮上する。

△アドバネクス<5998>は今期増益転換の未達懸念を織り込み続伸
アドバネクストは、１８円高の２６３円と４営業日続伸となっている。同社株は、６月１５日に発売された東洋経済会社四季報夏号で、今３月期予想業績の未達が観測され一時下ぶれたものの下値抵抗力を発揮したことから、低位値ごろの割安株として下値買いを誘っている。同社の今期業績は、前期の再三の下方修正、減収減益着地から売り上げ３３８億円（前期比２％増）、経常利益１０億４０００万円（同２．３倍）、純利益５億５０００万円（同１４％増）と増収増益転換が予想されている。国内精密ばね事業が、ＯＡ機器・自動車向けに続伸し、海外での利益率の高いタングレス・コイルスレッドの拡販、上期減少の精密組立部品の下期持ち直し、モーター事業での中国工場の合理化などを前提にしている。これに対して会社四季報では、新機種の収益悪化で前期営業利益が５８％減益となったモーター事業次第では会社予想の未達の可能性があるとして、純利益は４億円の連続減益と厳しく予想した。ただ株価は、今年２月、５月の２０９円安値でダブル底形成のチャートとなっていただけに大きく下値を探る展開とは逆に低位値ごろ思惑を誘った。値ごろ妙味と業績下ぶれ懸念が綱引きする強弱感の対立から株価思惑も高まりそうだ。

△ディスコ<6146>は米国株大幅反落も円安、ＢＢレシオ改善で４連騰
ディスコは、１００円高の７３２０円と４営業日続伸となっている。前週末の米国ＮＹダウが、１８５ドル５８セント安の１万３３６０ドル２６セントと大幅反落したが、為替相場は１ドル＝１２３円台、１ユーロ＝１６６円台と円安水準が続いていることにポジティブに反応、２０日に発表された５月の米国半導体ＢＢレシオ（受注額を出荷額で割った値）が、４カ月ぶりに１．０倍と改善したことなども買い手掛かりとなっている。同社株は、５月１０日の決算発表時に今３月期業績を小幅増益予想にとどめた失望感から、昨年１２月高値８５５０円から２０００円幅の調整となった。前期純利益が期中の上方修正値を上ぶれ前々期比３２％増益で着地しただけに、今期予想の１１７億円（前期比７％増）と落差が目立ったためだ。ただ、２００８年の北京オリンピックを控え年度後半に向けて半導体業界向けの精密加工装置、精密加工ツールの受注は好調に推移しているとしており、ＢＢレシオ改善、円安メリットも加わり前期同様の業績上方修正期待は高く、純利益は２００１年３月期の過去最高（１１８億１１００万円）を更新する可能性もある。株価は、安値場面での国内外証券の投資判断再引き上げ、目標株価アップなどが続き、調整幅の３分の１戻しをクリアしたところである。半値戻しから今年４月高値７７４０円が上値ゾーンに浮上する。

△石油資源<1662>が小反発、岩船沖油ガス田の試掘に成功
石油資源開発は、安寄りのあと５０円高の９２５０円と持ち直し３日ぶりに小反発している。前週末に子会社や三菱瓦斯化学などと共同で進めていた新潟県北部沖合に位置する岩船沖油ガス田の試掘井の試掘に成功と発表、前週末の米国市場で原油先物（ＷＴＩ）価格が、０．４９ドル高の１バーレル＝６９．１４ドルと反発し高値をキープしたこともフォローし下値買いを誘っている。試掘に成功した試掘井は「岩船沖南西ＭＳ－１号井」で、今年１月２５日から試掘を開始し、深度３７４８メートルまで掘削、５月上旬から産出テストを続けてきたが、主目的層の椎谷層の油ガス層から原油、天然ガスの産出を確認した。産出量は、天然ガスが日量１２万４０００立方メートル、原油が４８キロリットルで、今後は評価作業により埋蔵量を算定するとともに、周辺の有望構造への試掘も含め、探鉱作業を継続する。株価は、原油価格の高騰と今３月期業績の減益予想、さらに５月２９日に発表された経産省保有株の株式売り出し（売り出し価格９４００円）が綱引きとなり高値波乱が続いていた。株式売り出しの払い込みは６月１５日に終了し、売り出し価格の妥当性に注目が集まっていた局面で試掘成功であり、夏場の需要期を迎える原油価格の動向とともに売り出し価格クリアへの思惑を高めよう。

□ブルドック<2804>は売り買い交錯、新株予約権無償割当も出尽くし感
ブルドックソースは、２円安の１６７９円と変わらずを挟み５営業日ぶりに小反落している。２４日の定時株主総会で、株式公開買い付け（ＴＯＢ）を実施中の米投資ファンド、スティール・パートナーズ・ジャパン・ストラテジック・ファンド（オフショア）、エル・ピー（ＳＰＪＳＦ）に対抗して経営陣が提案した買収防衛策が、３分の２以上の賛成をを得て承認され、承認に基づき２４日夕方に新株予約権の無償割当（基準日７月１０日）を発表したが、材料出尽くし感から売り買いが交錯している。買収防衛策は、全株主に新株予約権を発行したうえで、ＳＰＪＳＦに割り当てた予約権は、株式に転換せず現金で買い取ることになっていおり、約１０％となっているＳＰＪＳＦの保有比率は、約３％まで下がる。ＳＰＪＳＦは、１３日に同予約権発行について、東京地方裁判所に差止仮処分命令の申し立てをしており、次はこの司法判断がポイントとなり、同社ではこの動向次第では無償割当が行われない可能性もあるとしている。前週からスタートした３月期決算会社の株主総会では、大幅増配要求の株主提案や買収防衛策などを巡って、投資ファンドと会社サイドの攻防が続いているが、ここまでは投資ファンドの連敗が続く。今週本番を迎える株主総会の動向がクローズアップされ、株価を刺激する展開も想定される。

△ツルハＨＤ<3391>は連続最高純益を手掛かりに買い気配アップ
ツルハホールディングスは、寄り付きから買い気配を切り上げ３００円高の４３６０円買い気配と急反発し昨年来安値に並ぶ５月の３９２０円からの出直りに弾みをつけている。前週末に発表した４月期決算を手掛かりに、内需関連のディフェンシブ株人気が再燃している。同社の前４月期業績は、ほぼ期初予想通りに前々期比１０％増収、１６％経常増益、５％純益増益で着地した。暖冬などの天候不順で季節商品が伸び悩んだが、昨年１２月のくすりの福太郎の完全子会社化や今年４月の信陽堂薬局の一部店舗譲り受けなどにを含め８０店の新規出店と１９店の閉店を進め、プライベートブランド商品を積極拡販したことなどが寄与した。今期は、前期実施のＭ＆Ａのフル寄与にさらに９５店の新規出店、２５店舗の調剤薬局併設を加え、東北・関東地区のドミナント網拡大から連続の過去最高更新を見込んでいる。売り上げは２２９８億２８００万円（前期比３２％増）、経常利益１１２億８２００万円（同２１％増）、純利益６２億９９００万円（同２４％増）と増収増益率を伸ばす。株価は、Ｍ＆Ａをきっかけに持ち直す場面もあったが、持ち株会社化後の昨年１１月安値３７１０円を再度試す下値調整となっていた。ＰＥＲ１６倍台の割安訂正から大幅リバウンドへ進もう。

△東証２部上場のＴＯＷ<4767>は小幅続伸してスタート
テー・オー・ダブリューは、この日から東証２部に新規上場され、ジャスダック証券取引所との重複上場となったが、７円高の７０９円と小幅続伸して始まっている。６月１８日の上場承認で、今年４月以来の７００円台回復となったが、なお割り負け顕著として下値買いが続いている。同社は、イベント企画・運営の大手で、業績は今年１月に今１２月期業績を上方修正するなど好調に推移している。愛知万博関連の大型だが利益率の低い案件が一巡し、若手社員の成長に伴い中・小案件の受注が拡大し業績を上ぶれさせた。純利益は５億４００万円（前期比１９％増）と増益率を伸ばし、１６円配当も安定継続される。株価は、上場に際して公募増資・株式売り出しなどの希薄化・需給悪化要因も伴わないことから素直にＰＥＲ１７倍台、配当利回り２．２％の好実態が見直されている。今年４月の戻り高値７０５円抜けから昨年９月の７３５円、同４月の７７４円に向けてレベルアップが有力となる。

△セキド<9878>は１Ｑの大幅黒字転換が極低位株思惑を増幅し続急伸
セキドは、４４円高の２３２円と続急伸し今年５月につけた昨年来安値１１５円からの底離れを一段と際立たせている。前週末２２日に発表した今２月期第１四半期（１Ｑ）業績の大幅黒字転換が、極低位値ごろ株思惑を増幅している。同社の１Ｑ業績は、売り上げが前年同期比１８％減と落ち込んだが、経常利益は５０００万円（前年同期は２億６１００万円の赤字）、純利益は１億７１００万円（同４億９５００万円の赤字）と黒字転換した。前々期から取り組んできた不採算事業・店舗からの撤退のリストラ策の最終段階で、ファッション部門の不採算店を１店舗閉鎖し、天候不順の影響もあり減収となったが、リストラ効果や既存部門での高付加価値商品の集中販売、遊休固定資産売却益１億４７００万円などが重なり黒字転換した。中間期・通期業績は、期初予想を据え置き、通期純利益は２億６０００万円（前期は３７億３００万円の赤字）としているが、１Ｑ純利益が高進捗率を達成しているだけに、黒字転換幅の拡大も有力となる。株価は、６月１８日から動意付き一気に１１０円高しているが、値ごろはまだ２００円台下位で、ＰＥＲは１０倍台、ＰＢＲは０．五倍台と下値妙味を示唆している。上値追いに拍車がかかりそうだ。

△しまむら<8227>はディフェンシブ株人気高め反発、１Ｑが２ケタ増益
しまむらは、１４０円高の１万２９６０円と３営業日ぶりに反発している。前週末２２日に発表した今２月期第１四半期（１Ｑ）決算が、２ケタ増益で着地、７期連続の過去最高業績更新を確実にしたことや、前週末の米国株価が大幅反落したことも加わりディフェンシブ株人気が再燃している。同社の１Ｑ業績は、前年同期比８％増収、１７％経常増益、２０％純益増益で着地した。期初の暖冬、４月の異常低温など天候要因は逆風となったが、全業態で２１店の積極出店策を続け、物流効率化もオンし増収増益を達成した。このうち主力のしまむら業態では、１３店出店、１店建て替え、３３店改装と活性化し、ファッション性の高い商品のコーディネート提案を強めたことから客数、既存店売り上げ、全店売り上げとも前年同期比プラスを達成した。ベビー・子供用品のバースデイ業態、女性用ファッション雑貨のシャブル業態、女性用靴を展開するディバロ業態も順調に推移した。今８月中間期・２月通期業績は、期初予想通りとして通期純利益は２１８億８７００万円（前期比１６％増）と連続の過去最高更新となる。株価は、今年４月の好決算発表で上値を窺ったものの、天候不順が上値を圧迫し総じて１万２０００円を下値とする中段固め継続となった。逆日歩のつく信用好取組などをベースに上値指向を強めよう。
（東洋経済新報社）