新興市場展望＝主力ネット株が底上げ、テクニカルより年末相場の勢いに乗る
モーニングスター　2010年12月18日（土）10時38分
http://news.finance.yahoo.co.jp/detail/20101218-00932901-mosf-market

　新興市場は力強い展開を続けている。マザーズ指数は１７日まで６日続伸、日経ジャスダック平均に至っては１４日続伸と、連勝連敗癖のある指数であることを考慮しても記録的な動きとなっている。

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[2回]

　新興市場はもともと、東証１部市場に対する出遅れ感が今回の相場の出発点であったが、今週までの連騰によって目先的な過熱感も台頭。指数ベースでは移動平均線とのカイ離率などが警戒される水準に達しつつある。ただ、株式市場は年末相場特有の特殊な雰囲気。このまま、テクニカル指標などよりも目先的な物色の勢いで年末相場を押し切ってしまう可能性もある。
　主力ネット株が底上げの動きを続ける。東証１部市場ではディー・エヌ・エー（＝ＤｅＮＡ、２４３２）が相次ぐ材料浮上を受けて人気化しており、関連株に刺激を与える新たなけん引役となっている。８日には公正取引委員会による立ち入り検査を受けて急落したが、現在はその急落分を軽く埋めて株式分割後高値を更新する展開。サイバーエージェント <4751> やスタートトゥデイ <3092> といった時価総額上位銘柄も力強い動きとなっており、ネット株への懸念は乏しい状況だ。
　一方でテーマ株物色も強烈。電子書籍関連のスターティア <3393> やプライムワークス（＝Ｐワークス、３６２７・Ｍ）、クラウドコンピューティング関連のシナジーマーケティング（＝シナジーＭ、３８５９・ＪＱ）などが騰勢を続ける。直近ＩＰＯ（新規上場）では東証１部上場銘柄が極度に弱い動きとなっているが、イー・ガーディアン（＝Ｅガディアン、６０５０・Ｍ、サービス）が過熱感をものともしない上値追い。値動きの良い銘柄に資金が集まる、という現在の投資マインドはこの株の値動きが如実に表している。
　ネット株とテーマ株が人気化したことで印象が薄くなっているが、ＪＡＳＤＡＱ―ＴＯＰ２０もジリ高基調を継続。２２日には三井住友アセットによる投資信託設定が控えており、再びＥＴＦ（上場投資信託）組成時のような買い付けを期待する相場となりそう。ユビキタス <3858> やガンホー・オンライン・エンターテイメント <3765> などは高値圏でもみ合っており、再騰のタイミングが近そうだ。
（小泉健太）