2024 11,23 10:04 |
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2010 12,11 10:00 |
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明日の戦略-3日ぶりの反落で「幻のSQ」 来週は高値警戒感などから弱含みか 10日の東京市場は反落。利益確定売りに押された。業種別では、保険業、その他金融業、鉄鋼、小売業、食料品などが値上がり率上位。その一方で、海運業、ガラス土石、輸送用機器、非鉄金属、精密機器などが軟調だった。売買代金上位は、三井住友、ファナック、トヨタ、三菱UFJ、ソフトバンク、ファーストリなど。 日経平均はSQに伴う売買で高寄り後に急落すると、その後は安値圏でのもみ合いが続いた。週末要因に加え、高値警戒感や中国の利上げ懸念なども重しになった。東証1部の値下がり銘柄数は849(全体の50.9%)に達し、規模別株価指数はすべて下落。国際優良株や資源関連が利益確定売りに押された一方、金融など内需関連が底堅く推移した。メジャーSQのため売買が膨らみ、東証1部の売買代金は今年最高を記録した。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
軟調な展開になりそうだ。日経平均が約7カ月ぶりの高値をつける過程で、短期的な高値警戒感が日増しに強まっている。相場の過熱感を示す東証1部の騰落レシオ(25日移動平均)は9日に163.74%にまで達し、4月5日につけた今年最高値(153.28%)を更新。過去10年で最高の水準を記録した。騰落レシオは、一定期間の値上がり銘柄数の合計を値下がり銘柄数の合計で割った指標で、100%が中立の状態。120%以上で「買われ過ぎ」、70%未満で「売られ過ぎ」と言われている。同指数が高値をつけてから下落する過程で、相場は調整に転じるケースが多いことに留意したい。また、今後の相場を占う意味で注目された、週末の日経平均終値は12月限SQ値(10420.74円)を下回ったうえ、SQ算出日の高値が一度もSQ値にタッチしない「幻のSQ」となった。幻のSQとなった翌週以降は調整色を強めるアノマリーがあるだけに、利益確定売りに押される公算が大きそうだ。とはいえ、押し目買い意欲は強く、年末高への期待感もあるとみられ、10000円の大台を割り込むまでには至らないと思われる。その一方で、欧米株式市場は2年ぶりの高値となっているが、さらに上値追いの展開となれば東京市場も連れ高となる可能性もあろう。当面は12月限SQ値(10420.74円)を奪回することが課題だが、あっさりクリアすれば心理的な節目の10500円や昨年末の水準(10546円)も視野に入ろう。 来週は15日に発表となる12月日銀短観が注目だろう。注目度の高い大企業・製造業の業況判断DIは7期ぶりの悪化になる公算が大きい。エコカー補助金の打ち切りなど政策効果のはく落に加え、円高警戒感などから慎重な見通しを示すとみられる。日銀短観の前哨戦と目される10-12月期の法人企業景気予測調査では、大企業の景況判断指数が-5.0と3期ぶりのマイナスで、7-9月期(+7.1)から大幅に悪化。1-3月期見通しも、大企業全産業で-0.9とマイナスが続くとしており、先行き不透明感が強い。また、想定為替レートが変更されるかも注視したい。9月調査時の2010年度想定為替レートは1ドル=89.66円(上期89.900円、下期89.44円)だった。足元の円高一服で、為替相場は9月日銀短観時とさほど変わらない水準に戻ったとはいえ、これまでの想定レートとの乖離はかなり大きい。その他では、大型上場の大塚HDの動向も注目か。米国では重要指標の発表が相次ぎ、クリスマス商戦を含む小売売上高などへの関心が高まりそう。14日にFOMCが開催されるが金融政策は変更されず、6000億ドルの国債買い入れプログラムの効果を見守るなどに留まりそう。 【今週を振り返る】 堅調に推移した。日経平均は8日に12月3日につけたザラ場ベースで直近の戻り高値(10254円)を更新すると、9日には終値ベースで5月14日(10462円)以来、約7カ月ぶりの高値をつけた。週末は、SQに伴う波乱や高値警戒感などから利益確定売りに押されたが、週間ベースでは6週連続の上昇となった。この週は方向感に乏しい日々が続き、週末を除いて日経平均の日中値幅100円未満に留まった。指標面では、10月機械受注統計で民間設備投資の先行指標である「船舶・電力を除く民需」の受注額(季節調整済み)が前月比1.4%減の7457億円と、2カ月連続の減少。市場予想(0.1%減)を下回ったものの、誤差の範囲。10-12月期が前期比9.8%減と見込まれているだけに、無難な立ち上がりとなった。11月景気ウオッチャー調査では、現状判断指数が43.6(前月比+3.4pt)と4カ月ぶりに改善。家電エコポイント半減を前にしたテレビなどの駆け込み需要に過ぎないとの見方もあるが、気温低下に伴う冬物衣料の売れ行きも上昇に寄与するなど、消費意欲がやや戻りつつあるのはポジティブに評価された。その一方で、11月消費者態度指数は前月比40.4(前月比-0.5pt)で、5カ月連続の低下。これを受けて、内閣府は消費者心理の基調判断を「ほぼ横ばいとなっている」→「弱含みとなっている」に下方修正した。米国では、オバマ大統領が年末に期限切れとなる個人所得税減税「ブッシュ減税」の扱いに関して、高所得者層を含む全国民を対象に2年間延長することを発表。これを受けて、景気浮揚に対する期待感が強まり欧米株式相場は2年ぶりの高値に上昇。また、米雇用統計の悪化に伴うドル安で商品市況が上昇し、金と銅が最高値を更新。NY原油も約2年ぶりに90ドルの大台を回復。また、日米で長期金利が半年ぶりの高値に上昇するなど、金利上昇も話題になった。 【物色動向】 金融株の上昇が目立った。相対的な出遅れ感に加え、長期金利の上昇や米金融株の上昇などを背景に買い戻しが入った。みずほは約4カ月ぶりに140円台を回復するなど、メガバンクが商いを伴って上昇。足元の商品市況高を背景に資源関連も堅調に推移し、コマツなどが年初来高値を更新した。その一方で、欧州ソブリンリスクへの警戒感から対ユーロで円高が進行し、国際優良株が下落。特に、欧州売上比率の高い精密などが軟調に推移した。その他では、大幅下方修正のSUMCO、公取委が独占禁止法違反で立ち入り検査したDeNAなどが急落した。 【来週の予定】 国内では、11月発受電電力量、会社四季報(2011年1集・新春号)発売(13日)、20年国債入札、11月首都圏・近畿圏マンション販売、10月鉱工業生産確報(14日)、12月調査日銀短観、第三次産業活動指数、大塚HDが新規上場(15日)、テラプローブが新規上場(16日) 、7-9月期資金循環統計、11月日本製半導体製造装置BBレシオ(17日) などが予定されている。 決算発表は、ファーマフーズ、ナイガイ、京王ズ、ウイルコ、正栄食品、泉州電業(13日)、フルスピード、ネクストHD、フリービット、サイボウズ、サーラ住宅、くらコーポ、イハラケミカル(14日)、稲葉製作所、MPHD、CHI、三井ハイテク、アールエイジ、パーク24、クミアイ化、オハラ(15日)、アスクル(16日)、クスリのアオキ、ジーンズメイト、西松屋チェ、HIS(17日)などが予定している。 海外では、OECD10月景気先行指数(13日)、FOMC、WTO一般理事会〔スイス・ジュネーブ~15日〕、インド11月卸売物価、独12月ZEW景況感指数、米NFIB中小企業楽観指数、米11月生産者物価指数、米11月小売売上高、米10月企業在庫、FOMC誘導金利目標、米ABC消費者信頼感指数(14日)、英11月失業率、スウェーデン中銀政策会合、米MBA住宅ローン申請指数、米11月消費者物価指数、米12月ニューヨーク連銀製造業景気指数、米10月ネット長期TICフロー、米11月鉱工業生産、米11月設備稼働率、米12月NAHB住宅市場指数(15日) 、トルコ中銀金融政策決定会合、インド準備銀行金融政策決定会合、EU財務相緊急会合、EU首脳会議〔~17日〕、環大西洋経済評議会〔ワシントン~17日〕、香港9-11月失業率、米11月住宅着工件数、米11月着工許可件数、米新規失業保険申請件数、米12月フィラデルフィア連銀製造業景気指数、北米11月半導体製造装置BBレシオ(16日) 、インド市場休場、独12月Ifo景況感指数、米11月コンファレンスボード景気先行指数(17日) などが予定されている。 提供:株式会社T&Cフィナンシャルテクノロジーズ PR |
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