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2010 12,04 09:00 |
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【日本株週間展望】日経平均は6週連続高に挑戦、為替など落ち着き 12月第2週(6-10日)の日本株相場は、米国や中国の景気回復期待を追い風に続伸する見通し。為替相場が落ち着いたことで時価総額上位の輸出関連株に見直し買いが継続、日経平均株価は週間ベースで6週連続の上昇に挑戦する。 ニッセイアセットマネジメント株式ストラテジストの久保功氏は、「米経済指標が意外に良い上、欧州不安も和らいだ。ドル・円相場が一気に80円を割り込むような円高に進む状況でなくなったこともあり、日本株の見直しが進んでいる」と指摘。その上で、「為替が現状の水準である限り、日本株は緩やかに上がっていく」と見ている。 第1週の日経平均終値は前週末比1.4%高の1万178円32銭、TOPIXは同1.4%高の879.22。給与明細書作成代行会社の米ADPエンプロイヤー・サービシズが1日に発表した給与名簿に基づく集計調査によると、11月の米国民間部門の雇用者数は前月から9万3000人増加、2007年11月以降で最大の伸びを記録した。また、中国の11月の購買担当者指数(PMI)は55.2と4カ月連続で上昇、市場予想を上回った。米クリスマス商戦の出足好調もあり、日本株市場では自動車や電機などの大型株が上昇した。 米国訪問中のパルナッソス・インベストメント・ストラテジーズの宮島秀直代表によると、米機関投資家の間では、オバマ政権の経済チーム更改に伴い、クリントン政権下で財務副長官を務めたロジャー・アルトマン氏がローレンス・サマーズ国家経済会議(NEC)委員長の後任に就任するとの見方が大勢。「今後は内需優先型の経済に転換していくとみられ、日本が1ドル=75円の円高・ドル安に泣かされることはなくなったと読むファンドマネジャーが増えている」という。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
円高懸念後退、米証券大手も強気に このため、円高に伴う業績悪化懸念から避けられてきた日本株を見直す動きが出ており、予想外に好調な米クリスマス商戦の恩恵を受ける任天堂や、欧州依存度が低いブリヂストン、対米運賃収入が多い商船三井などを買い増す動きがみられると宮島氏は指摘した。 米証券大手の日本株見通しも強気だ。ゴールドマン・サックス証券は2日付の日本株ストラテジーリポートで、11年のTOPIXの高値ターゲットを1080ポイントと設定した。また、シティグループ証券はTOPIXの11年末の予想値を1000ポイントとした。 ただ、足元で日本株を買い増した米機関投資家は少し長めのクリスマス休暇を取ることが多いため、日本株の見直し相場は第3週あたりでいったんピークアウトする、と宮島氏はみている。 企業業績は改善 大和証券キャピタル・マーケッツ金融証券研究所は2日、国内主要300社の11年度の経常利益が10年度予想比14.9%増の24兆1909億円になるとの試算を公表した。前提条件は1ドル=80円、1ユーロ=112円、原油価格が1バレル=85ドル。同試算をまとめた高品佳正シニアアナリストによると、為替前提がそれぞれ5円円高になった場合でも、経常利益は12.3%増益の見通し。「日本企業の利益水準が上がり、為替感応度が全体的に下がっている」という。 11年度の増収率予想が2.2%にとどまるにもかかわらず、10%超の増益を見込むのは、固定費などコスト構造の改革が進んでいるため。同研究所では、300社合計の売上高固定費率は09年度の21.2%から、10年度20.2%、11年度20.0%に低下すると予想。高品氏は、「技術的優位性を持つ先進的なメーカーでは、素材のリユースなどで変動費を切り下げているケースがある」と指摘、国際競争力を高めようとしていると評価している。 5年先の世界を想像 みずほ証券の北岡智哉エクイティ・ストラテジストは、ステファノ・デラビーニャ氏とジョシュア・ポレ氏の「5-10年後の需要成長率が高い企業が向こう1年アウトパフォームする傾向がある」との学説を基に、内閣府が公表する家計調査と世帯年齢別世帯推計を組み合わせて支出細目をシミュレーション。15年以降に人口構造や世帯構成要因から需要増加が期待できる業種として魚介、果物、設備修繕・維持、家事サービス、医薬品、パック旅行、理美容サービスを挙げた。 北岡氏は、「5年以内の予測情報は、既に会社の中期経営計画やアナリスト予想を通じ株価に織り込まれている可能性があり、将来リターン予測には寄与しない可能性もある」とし、市場が関心を払っていない「5年先以上将来の人口動態変化の影響が注目される」と話す。 岡三証券によると、日経平均1万100円-1万200円は過去の売買代金が多く、売り圧力が高まる価格帯。株価指数の上値の重さが意識される中、「幻想やロマンに基づくキャピタルゲイン追求型の投資ではなく、着実に手のひらに現金を乗せてくれるリアリティーのある資産運用に頭を切り替えていく必要がある」と、HCアセットマネジメント社長の森本紀行氏は指摘、高配当利回り銘柄などに注目している。 第2週の注目スケジュールは、6日の非公式ユーロ圏財務相会合と7日のアイルランド11年予算案提出だ。欧州中央銀行(ECB)が2日に非伝統的措置の継続を決議、トリシェ総裁がポルトガルとアイルランドの国債を購入する意向を示したため、これら2国を含む国債に買いが入り、ユーロも対ドルで反発した。しかし世界最大の為替ヘッジファンド、米FXコンセプツのジョン・テイラー会長は、「救済策を講じても域内のソブリン債危機を解決できない」とし、欧州が来年景気後退に陥ると予想している。 このほか、各国の中央銀行が金融政策決定会合を開催する。8-9日開催の英国や、ブラジル、カナダ、ニュージーランドなどの判断にも関心が寄せられそう。米経済指標では、7日のABC消費者信頼感指数、8日のMBA住宅ローン申請指数、9日の新規失業保険申請件数が公表予定。日本株市場では、週末10日に株価指数先物・オプション12月限の特別清算値(SQ)算出がある。 【市場関係者の日本株の見方】 ●ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズの高山秀樹・専務最高投資責任者 日本株は投資タイミングとしては悪くない。円高による収益懸念から、トヨタ自動車などグローバル企業のPBRが1倍程度などバリュエーションは割安。海外株式市場よりもダウンサイドリスクは小さい。世界的に投資家のレバレッジが低下する中、日本企業は財務体質が健全なことも注目。世界経済が上向く場面での上値の追随性もある。 ●中央証券の大越秀行・株式部長 上昇の余地はまだあると見ている。外国人投資家が買い越し姿勢である上、個人投資家は信用買い残の整理が一巡しており、需給バランスは好転している。また、円高の影響はあるが、企業業績は総じて堅調で、割安な日本株の見直しは続くだろう。 ●ティー・アイ・ダブリュの西村尚純調査部長 輸出企業の多くは1ドル=80円を前提に下期の予算を組んでいるため、同84円から85円の為替水準でドル円相場が安定すれば、第3四半期決算時に為替メリットの享受が期待できる。投資家のセンチメントも明るくなっており、日経平均は1万1000円から1万1500円のレンジに挑戦する場面も出てこよう。 ●東海東京調査センターの中井裕幸専務 日経平均予想レンジは1万100円から1万300円。強含みで推移するだろう。1万254円を付け、戻り高値を抜けてきている。利益確定売りが出やすい水準でもあり、いったん調整もあると思うが、基本は押し目買いだ。11月3日の米国のQE2(量的緩和第2弾)以来、特に為替など大きくシーンは変わってきており、トレンドは上向き。 ●太田忠投資評価研究所の太田忠代表 どんな相場環境でも業績堅調、売られ過ぎ、出遅れの3拍子そろった銘柄をポートフォリオの核に据えれば、パフォーマンスが良くなる。三井住友フィナンシャルグループなど銀行株は、その3条件に当てはまる。景気敏感ならば、高値を更新したコマツより、いまだに年初来高値より2割安い日立建機の方が投資妙味も大きい。 記事:東京 鷺池秀樹 Hideki Sagiike PR |
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