2024 11,25 10:32 |
|
2010 11,20 09:00 |
|
【日本株週間展望】1万円固め、世界からの出遅れ修正続く-警戒も 11月第4週(22-26日)の日本株相場は、日経平均株価が約5カ月ぶりに回復した1万円台を固める展開になりそうだ。為替市場の円高修正などを背景に、世界的に出遅れが目立っていた日本株への資金流入が続くとの見方は多い。ただ、急ピッチの上げに対する警戒感もあり、上値は限定的になる。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
ビスタマックス・ファンド・アドバイザーズの藤原正邦最高経営責任者(CEO)は、「中国の金融引き締め、米金利上昇など気になるところはあるが、まだ戻りはあるだろう」と予想。さすがに安さが目立っていたため、「グローバル投資家がアンダーウエートしていた日本株を埋めているようだ。個人投資家が動き出すかがポイント」と言う。 第3週の日経平均は、前週末比3.1%高の1万22円39銭で終了。週間ベースでは3週連続の上昇となった。18日には終値で6月22日以来の1万円台を回復、投資家の長期的な売買コストを示す200日移動平均線も5月14日以来、6カ月ぶりに上抜け、上昇局面入りした。証券ジャパンの大谷正之調査情報部長は、「何度も跳ね返された9700円水準を上回り、相場は強い」と見ている。 相場上昇のきっかけとなったのが、為替の円高修正だ。今月1日には、ドル・円で約15年半ぶりの円高値となる1ドル=80円22銭を付けたが、足元は同83円台半ばまでじわじわと修正が進み、円高への警戒感は遠のいている。米連邦準備制度理事会(FRB)による金融の量的緩和策第2弾の実施を受け、米国で過度のデフレ懸念が後退し、米債券市場で金利が上昇、日米金利差の拡大からドル買い・円売りの動きが広がっている。 日米の2年債利回り格差は3日に0.1827%と過去最低を記録したが、その後は拡大傾向にあり、足元は0.3%台まで回復。岩井証券イワイリサーチセンター長の有沢正一氏は、「12日に開催された20カ国・地域(G20)首脳会議で、ドル安に対する強い批判が出たこともあり、米金利は低下余地が少なくなってきている」と話す。
最大の懸念材料だった円高警戒感が後退し、外国人投資家を中心に日本株に資金が流入し始めている。東京証券取引所が18日に発表した11月第2週(8-12日)の投資部門別売買動向によると、東京、大阪、名古屋3市場の1・2部合計で、海外投資家は2週連続で買い越した。2週間の買越額は2698億円に達した。 世界的な金融緩和で世界の株式市場が軒並み上昇する中、日本株は為替要因で出遅れていた。世界の主要株価指数の年初来騰落率(現地通貨建て)を見ると、米国のS&P500種株価指数がプラス7.3%、英FT100指数はプラス6.6%、香港ハンセン指数はプラス7.9%など。しかし日経平均は、なおマイナス5%にとどまっている。 また、東証1部市場の純資産倍率(PBR)は18日時点で1.09倍と、依然として解散価値すれすれの水準で、日本株の割安感も強い。野村証券投資情報部の品田民治課長は、「景気敏感株だけでなく、不動産など内需株も含めて、全体的に底上げの展開になるだろう」と予想している。
中国の金融、過熱経済の引き締め懸念も日本株にとってはプラス要因との見方が出ている。11日に発表された中国の10月の消費者物価指数は前年同月比4.4%上昇と、ブルームバーグがまとめたエコノミストの予想中央値である4.0%上昇を上回り、2008年9月(4.6%上昇)以来の高い伸び率となった。中国の温家宝首相は16日、インフレ抑制に向け政府が対策を検討していると表明、金融引き締め懸念から中国市場では上海総合指数が1カ月ぶりの安値水準に沈んだ。 証券ジャパンの大谷氏は、「これまで資金を振り向けていた中国など新興国の資金配分を落とし、日本株に振り向ける動きが見られる」と指摘。そうした動きが、日本株の押し上げ要因の1つになっているとの認識だ。 もっとも、テクニカル分析面からは高値警戒感が漂う。日経平均は終値での直近安値を付けた1日から13営業日で867円上昇。投資家の短中期的な売買コストの25日移動平均線(19日時点、9562円)からの上方かい離率は4.8%と、目先の相場過熱を示すとされる5%に接近しており、投資家はひとまず売りを意識しやすい。 欧州の財政問題も気になるところだ。アイルランド政府が国内銀行の救済に向け、国際的枠組みでの支援要請に前向きな姿勢を示したことを受け、為替市場ではユーロが買い戻されるなど、足元は落ち着いた動き。しかし救済の具体的な内容は決まっておらず、予断は許さない。ポルトガルやギリシャなど財政懸念がぬぐい切れない国も依然多く、欧州の財政不安が再び高まればユーロ安・円高となって日本株にマイナスに働く可能性がある。 このほか注目材料としては、米国で24日に10月の耐久財受注と個人消費、新築住宅販売統計などが発表予定。17日に発表された10月の新築住宅着工統計が予想より大幅に悪い数字だっただけに、住宅関連指標は特に注目されそう。米景気の底堅さが確認されれば、同国金利の上昇を通じ、ドル高・円安が進むことも想定される。
●立花証券の平野憲一執行役員 「12月決算を控えるヘッジファンドなどによる『新興国株買い、債券買い、日本株売り』を組み合わせた取引の解消で、日本株には買い戻しエネルギーが続く。欧州の重債務国問題や米中経済などに不測の事態が起きない限り、目先はじり高基調で、日経平均株価は6月の戻り高値(1万251円)を目指す展開となろう。25日移動平均線からのかい離率が5%を一時超えるなどで、テクニカル面ではいったん売りも出やすいが、需給のプラス要因の方がやや強いと見ている」 ●SBI証券の鈴木英之投資調査部長 「1、2週間前から世界で日本株は相対的に堅調だった。中国の引き締め懸念など外部環境は良くないが、為替がやや落ち着くなど今までの日本株売りの背景にあったものが一巡しており、基本的には上向き。日経平均予想レンジは9900円から1万200円。リスクとしては、欧州や中国の問題でマーケットが予想以上に荒れたり、足元の過熱感がピークに達する可能性がある。注目業種は、1万円を回復した時に強かった銀行株を含む証券、不動産などの金利敏感株」 ●フェアトレード調査部の平山修司氏 「円安で株式相場が強含んでいるが、実体経済は今後厳しくなる。来年にかけて業績は悪くなり、株式相場は先行き弱含むだろう。基本的に株式投資を見送るべきだと思うが、着実に成長する企業なら個別で買ってもよいだろう」 取材協力 鷺池秀樹、河野敏、岩谷多佳子 PR |
|
コメント |
コメント投稿 |
|
trackback |
トラックバックURL |
忍者ブログ [PR] |