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2010 11,06 09:00 |
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【日本株週間展望】上値重い、為替や米国株調整警戒-G20注視 11月第2週(8-12日)の日本株相場は、上値が重い展開となりそうだ。米国の量的緩和を背景にドル安が進んでおり、11日からの20カ国・地域(G20)首脳会議を控えて円高への警戒は根強い。足元での上昇ピッチが速い米国株のスピード調整も懸念され、戻り売り圧力は強まるとみられる。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
トヨタアセットマネジメント投資戦略部の浜崎優シニアストラテジストは、「イベント通過は株価にとって好材料だが、日本株は為替次第という面は変わっていない」とし、「円高が止まるかどうかで株価の戻りの幅は違う」と述べた。 第1週の日経平均株価は、前の週に比べ4.6%(423円)高の9625円で取引を終了した。週ベースでは4週ぶりの上昇。米連邦公開市場委員会(FOMC)が会合後の声明で、6000億ドルの国債を来年6月にかけて追加購入する方針を示したことで、金融緩和による景気浮揚や流動性の高まりが期待された。 1週は米国で2日の中間選挙、2、3日のFOMC、5日予定の雇用統計と、重要なイベントが重なる週だった。このうち、FOMCでは失業減少とデフレ回避に向けた量的緩和第2弾として資産購入を拡大させることを決定。4日には米S&P500種株価指数が4連騰となり、終値ベースで米リーマン・ブラザーズ・ホールディングスの破たん後の2008年9月19日以来の高値を記録した。
海外では株価上昇に加え、長期金利の低下、国際商品市況の上昇が同時に進行。半面、重要イベント通過により、米S&P500種の下落に備えたオプションのコストを示すVIX指数は、4日には18.52と約半年ぶりの低水準となり、流動性相場の色彩が濃くなっている。 もっとも、S&P500種は4日に、過去の上昇幅と下落幅から「買われ過ぎ」「売られ過ぎ」を分析するテクニカル指標RSIで77%まで上昇。一般的に、70%超えは「買われ過ぎ」とされる。このため、「FOMCフィーバーが終わった後、株価や商品市況の短期高騰を受けてマネーがアンワインド(巻き戻し)する可能性がある」と、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘投資情報部長は懸念する。 為替市場では、FOMC後にドル安傾向となっている。米国が量的緩和政策を進めるなか、欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁は緊急的な措置の段階的解除を続ける方針を直ちに変更する意向はないことを示唆。ドルは対ユーロをはじめ対豪ドルなどでも下げが目立つ。主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)のドル指数は昨年12月以来の低水準75.631まで下げた。 ドルは円に対しては反発したが、81円台半ばまでと反発力は鈍い。東海東京調査センターの隅谷俊夫投資調査部長は、「FOMC後の『米国株安・ドル安円高』懸念はとりあえず杞憂(きゆう)に終わった」としながらも、「政府・日銀のドル安円高対策の効果がまだ目に見えず、ドル高円安の流れに変わったという確信は持てない」と指摘した。日本銀行の5日の金融政策決定会合では、追加緩和は見送られた。米量的緩和がドル余剰を生み出すなかで、円高圧力への警戒は根強い。
11、12日に韓国ソウルで開催されるG20では、通貨や為替に関して議論される見通し。中国人民銀行貨幣政策委員の夏斌氏は、G20の会合で中国が米国に反対を唱え、世界の主要通貨の安定に向けた計画の策定を強く求めていく必要があると発言。ショイブレ独財務相も、米金融緩和が世界に生じさせている問題をG20で米国側に提起すると述べた。G20を控え、日本による為替介入は困難との見方が市場で強まれば、円高圧力が増す恐れもある。 また5日の東京株式市場では、りそなホールディングスの株価が財務基盤強化をめぐる公募増資観測から急落。G20では、大手金融機関の破たんについての協議も予定されており、議論の行方次第では金融株の株価が不安定になる可能性もある。
もっとも、流動性相場の様相が強まっていることは、株式などの資産価格にとって中期的にはプラスに働く。さらに、米中間選挙で与党民主党が下院の過半数議席を失ったことを受け、「企業寄りの政策を志向する共和党が議会勢力を拡大したことは、株式市場には好材料」と、大和住銀投信投資顧問の門司総一郎投資戦略部長は評価する。ゴールドマン・サックス証券では選挙結果を受け、ブッシュ前米政権時に導入された大型減税が全所得層を対象に延長される可能性がある、と予測した。 企業業績の堅調も株価の下値を支えそう。クレディ・スイス証券によると、1-3月決算の東証1部企業1447社のうち、4日までに上半期決算の発表を終えたのは772社(既発表率53%)で、今年度の営業利益は39%増益の見通し。明治安田生命保険の津坂睦彦特別勘定運用部長は、「輸出企業は1ドル=80円で業績予想を見直しているが、上半期の数量効果が業績に貢献したことで、大きな下方修正はなかった」と評価。PER(株価収益率)15倍の現在の日本株は買っていいレベルと話していた。 このほか11月2週は、海外で10日に米9月貿易収支や中国の10月貿易収支、11日に中国の10月消費者物価や小売売上高、鉱工業生産、12 日には米ミシガン大学消費者信頼感指数などが発表される。国内では、9日に10月の景気ウオッチャー調査や工作機械受注、10、11日にアジア太平洋経済協力会議(APEC)閣僚会議、11日に9月機械受注、12日に日経225オプション11月限の特別清算値(SQ)算出が予定されている。
●三井住友アセットマネジメントの山口健シニアファンドマネジャー 長い間、米国でドル安政策を推進してきたバーグステン氏が所長を務めるピーターソン国際経済研究所が、日米の均衡レートは1ドル=84円と言及。米当局者らは、その価格を参考にしながら交渉を行っているとみられ、為替相場が84円を挟んでボックス圏に入る公算が大きい。ドル安懸念の後退で米株高に拍車が掛かるとすると、企業業績も良好な日本株はまさにスイートスポット(最適な立地場所)に入る。割安修正から上昇が見込まれる。
米国の大規模な金融緩和を受け、為替の円高・ドル安が進行しなかったことで不安が遠のき、余剰資金がようやく日本株にも向かい始めた。ただ、急反発しただけにいったん反動売りに押されやすいタイミングで、小休止に入る公算が大きい。足元の株価急伸は、先物へのヘッジ売り解消が主因と見られ、持続性が弱い面もあろう。日経平均は9月21日(高値9704円)、10 月7日(同9716円)と、9700円台前半で跳ね返されており、この水準が戻りめどとして意識されやすい。
過剰流動性を背景にした世界の商品高、株高の流れは変わらないだろう。上昇が急ピッチであるため、スピード調整は入るかもしれないが、世界的な流動性相場の影響は続くとみる。為替市場でドルが買い戻されていないのは、米国がさらなる金融緩和を進めると期待している証拠だ。円高の影響のある日本株がどこまで世界に追いつくかだが、カギを握るのは個人投資家だ。個人は売り越し姿勢になっており、買いに転じるかどうかで相場は変わってくる。
戻り歩調で推移するだろう。米国の注目イベントも無事通過し、日本企業の決算も4-9月は上振れで推移している。日経平均レンジは、直近の状況からすると9300円から1万円。注目イベントは国内では機械受注統計。7、8月と高い伸びを示してきたが、9月も2けた台に至らず、1けた台半ばぐらいのマイナスにとどまれば、落ちこみが小さかったということで安心感が広がるだろう 記事:東京 長谷川敏郎 Toshiro Hasegawa PR |
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