6/15 お昼の『株価材料』PART Ⅱ

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■株価材料

△住友商事<8053>、カナダの鉱山探鉱・開発会社に約30億円出資へ
住友商事は１５日、カナダの鉱山探鉱・開発会社であるオーガスタ社に約３０億円出資すると発表した。住商はオーガスタ社にグループで８．７％出資する。オーガスタ社は現在、米アリゾナ州南部で銅、モリブデン、銀鉱山プロジェクトの事業化調査を実施中。米国で今後、１０年以内に立ち上がる最大級の新規の銅、モリブデン、銀鉱山になると期待されている。

△東邦チタ<5727>と住友チタ<5726>、チタン新精錬法を開発中
東邦チタニウムと住友チタニウムは１５日、新しいチタンの精錬方法を研究・開発中であることを明らかにした。新精錬法では、連続処理が可能になり、コストは３割程度圧縮できる見通し。両社の広報担当者がロイターに述べた。両社とも、新工法は研究・開発中で実用化の時期は未定としている。住友チタは「０８年まで研究開発で、０９年にパイロットプラントができれば、という計画」としている。研究・開発中の新工法は、還元剤としてマグネシウムの代わりにカルシウムを使う。「従来方法と異なり、連続処理が可能になる。コストは３割減を目指している」（東邦チタ）という。

□川崎重工業<7012>、橋梁・水門事業から撤退
川崎重工業は１５日、橋りょう・水門事業から撤退すると発表した。国内の公共投資が縮小していくなかで事業の維持、拡大が望めないと判断したという。今後、同分野における新規案件について一切の受注活動を行わない。現在施工中の案件については完工まで対応する。２００８年３月期業績見通しへの影響はないという。

△ブルドック<2804>買い先行、スティールがＴＯＢ価格を1700円に引き上げ
米系投資ファンドのスティール・パートナーズは１５日、ブルドックソースに対するＴＯＢ（株式公開買い付け）価格を、これまでの１株１５８４円から１７００円に引き上げた。

△ダイキン<6367>株がしっかり、猛暑を先取りする動き
午前の株式市場では、ダイキン工業株がしっかりとなっている。午前１０時３５分現在、同社株は東証１部で売買代金第５位。市場関係者によると「ラニーニャ現象によって、今年の夏は暑いとの見方が出ており、猛暑を先取りする動きだ。その関連株の代表格として買いを集めている」（みずほインベスターズ証券・投資情報部部長の石川照久氏）という。気象庁によると統計的にみて「ラニーニャ現象」が起きた年の日本の夏（６─８月）の気温は東・西日本とも「平年並みから高い」傾向がある。

▼持田製薬<4534>、妊娠診断補助試薬を製造販売元が自主回収
持田製薬は１５日、医療用妊娠診断補助試薬「ゴナスティックＷ」について製造販売元のニッポンジーン（東京都千代田区）が自主回収を決めたと発表した。持田製薬によると、製造承認上の手続きに関する問題であり、製品の有効性や安全性、品質には問題がないという。「ゴナスティックＷ」は５月２８日に新発売の発表をしており、初年度の販売予定は数千万円程度となっている。

△住友商事<8053>が堅調、欧州で自動車部品参入との報道
住友商事が堅調。１５日付日経新聞朝刊で、同社がヨーロッパで自動車部品事業に参入すると報道されたことなどが材料となっている。まず、チェコの部品メーカーとプラスチック成型部品を生産する合弁会社をハンガリーに設立し、５年後をめどに１億ユーロの売り上げを目指すと報道では伝えている。

▼ＮＥＣトーキン<6759>が新安値、携帯電話向け電池の不具合を嫌気
ＮＥＣトーキンが売り優勢の展開となり、５月３１日に付けた年初来安値４６２円を更新した。携帯電話向け電池に不具合が生じたことが嫌気されている。ＫＤＤＩ<9433>と沖縄セルラー<9436>は１４日、京セラ<6971>製の携帯電話機「Ａ１０１Ｋ」に対応した電池に不具合が判明し、リコール（無償交換）すると発表した。電池は、ＮＥＣトーキンが製造したもので、問題の電池を搭載した携帯電話機は現在、約３万４０００台が利用されている。ＮＥＣトーキンによると、京セラに納入した問題の電池は約６万９０００個。ＮＥＣトーキンは、電池の不具合が同社の業績に与える影響は現在、精査中だとしている。

△大型鉄鋼株が買い優勢、住金<5405>が年初来高値更新
大型鉄鋼株が買い優勢となっている。住金が４日に付けた年初来高値７１３円を更新したほか、ＪＦＥホールディングス<5411>も堅調。９時５０分現在、東証１部の出来高で、新日鉄<5401>、神戸製鋼所<5406>、住金が上位３位を独占するなど、商いを伴い総じて上値を追っている。相場全体の地合いが好転したことで、短期ディーリング資金や機関投資家の実需買いが、手ぞろいで向かった格好。市場では「相場環境から上値が追えるとのムードが出ており、主力どころの鉄鋼株に資金が回帰してきた」（三菱ＵＦＪ証券・エクイティトレーディング部課長代理の中川智博氏）との声も出ている。一部の外資系証券が、投資判断を引き上げたことも注目されていた。

△ＪＰＮ債権回収<8774>が大幅高、2─4月期経常益は91.7％増

△ゴールドパック<2589>が堅調、08年第1四半期の経常利益が2.9倍
ゴールドパックが堅調。同社が１４日に発表した２００８年１月期第１・四半期の非連結の業績で、経常利益が前年同期比約２．９倍の２億３２００万円となったことが材料視されている。同社では、設備の増強を行い、より一層の競争力強化を図るとともに、飲料市場の低価格傾向に対応して購入資材などのコスト削減に努めたと説明している。

▼アプレシオ<2460>が売り気配、07年9月期業績予想を赤字修正

△アドウェイズ<2489>が買い気配、伊藤忠<8001>との業務提携を発表
アドウェイズが買い気配。同社が１４日、伊藤忠商事とインターネット・モバイルアフィリエイト広告事業で業務提携することで合意したと発表したことが好感されている。今回の提携で、伊藤忠商事は、アドウェイズ株式１万１６００株（出資比率１５．０％）を取得する予定としている。

△輸出型優良株がしっかり、為替円安を好感
午前の株式市場では、輸出型優良株がしっかりとなっている。ソニー<6758>、キヤノン<7751>、トヨタ自動車<7203>などコア銘柄を中心に買いを集めた。外為市場で１２３円台までドル高／円安が進んだことが好感されている。２００７年度の決算見通しについて、主力企業の多くは、ドル／円の想定レートを１１５円に設定していることから、上方修正余地が広がるとの見方も出ていた。ユーロ／円の想定レートも１５０円が多く、現時点では円安メリットが生じる状況となっている。前日の米国株高も手掛かりにされた。

△トヨタ<7203>株堅調、ディーゼルエンジンをいすゞ<7202>に委託との報道
午前の株式市場では、トヨタ自動車株が堅調。米国株高や円安基調の為替が支援材料になっているほか、低燃費のディーゼル車に関する競争力を高めるため、低公害型のディーゼルエンジンをいすゞ自動車に生産委託すると報じられたことが手掛かりになっているという。

△大王紙<3880>株が堅調、米Ｐ＆Ｇから日本での大人用紙おむつ事業買収
午前の株式市場では、大王製紙株が堅調。同社が１４日、米日用品大手のプロクター・アンド・ギャンブル（Ｐ＆Ｇ）が日本で展開する大人用紙おむつ「アテント」の事業を買収すると発表したことなどが好感されている。買収金額は非公表。大王紙は、大人用紙おむつ市場で第２位となる。買収は９月めど完了が目標。大王紙はＰ＆Ｇから商標権と生産設備などを取得する。
（ロイター）

△トヨタ自<7203>---直近戻り高値突破、テクニカル妙味も
直近戻り高値突破、テクニカル妙味も。為替相場の円安基調のほか、低公害型ディーゼルエンジン強化との報道が手掛かり材料に。一目均衡表では先行スパン（雲）上限を捉えてきており、テクニカル妙味も。

△飯田産業<8880>---しっかり、今期の大幅増益見通しを評価
しっかり。前日に発表した決算内容が評価材料となっている。前期実績は16％経常増益とほぼ計画線上での着地。今期は同31％増益の113億円と計画している。本日発売の四季報予想105億円なども上回る水準、ストレートに大幅増益見通しを好感する格好へ。

▼ＧＭＯ<9449> 急落。
第3者割り当てによる新株式、ＣＢの発行を前日に発表、希薄化懸念が嫌気される格好となっている。ともにリーマンが引受先、割当増資は691万5630株で発行価額は723円、50億円のＣＢ行使価額は849円などとされている。

△ティラド<7236> 連日の年初来高値更新。
04年4月高値675円と05年11月高値680円レベルでのダブルトップが形成されており、これを打ち破る流れが期待される。トヨタの低公害ディーゼル強化から、関連銘柄への物色意欲も高まっている。

△ＢＯＳＣＨ<6041>---1/12年初来高値642円が徐々に意識され
続伸で戻り高値更新。1/12年初来高値642円が徐々に意識されてきている。トヨタは低公害型ディーゼルエンジンの生産をいすゞに委託すると報じられている。ハイブリッド車で先行するトヨタが低公害ディーゼルを強化することで、関連銘柄への波及効果も。

△ヤフー<4689>---大幅続伸で直近戻り高値レベルを捉える
大幅続伸で直近戻り高値レベルを捉える。米アップルと、日本での音楽配信サービスで提携したと報じられている。ヤフーで検索した楽曲を、アップルの配信サイトで簡単に購入できるようにしたようだ。ただ、ヤフーへの効果というよりは、音楽配信サービスを手掛ける企業にとっては猛威か。

△東レ<3402>---じりじりと1/29高値950円を意識した展開に
5営業日続伸で戻り高値更新。じりじりと1/29高値950円を意識した展開に。なお、有機ＥＬの消費電力を低減したり発光効率を高めたりするのに有望な新材料を開発したと報じられている。

△電気硝子<5214>---続伸、ＵＢＳの投資判断格上げきっかけに
続伸。ＵＢＳが投資判断を「ＲＥＤＵＣＥ」から「ＮＥＵＴＲＡＬ」に格上げしており、本日のプラス材料となっている。液晶ガラス主要顧客の大世代化進展をポジティブと評価の模様。前日など液晶関連の一角が強い動きを見せてきており、関連の出遅れ銘柄として見直しの動きにもつながりやすくなっているようだ。

△イビデン<4062>---大幅続伸、アナリストで相次ぎ高評価の動き
大幅続伸で連日の高値更新。メリルが投資判断を「中立」から「買い」に格上げ、目標株価を8700円としており、本日の物色材料とされる。ＤＰＦ事業の想定以上の収益性向上などが評価対象となっている模様。排ガス対策関連への関心が高まっていることも追い風へ。なお、ＫＢＣでも投資判断を新規に「ＢＵＹ」、目標株価を9000円としている模様。

△テレウェイヴ<2759> 買い気配。
前日はヤフーとの資本提携を受けてストップ高比例配分、本日もこれを好感する動きが継続しているようだ。なお、いちよし証券ではヤフーとの提携をポジティブと評しており、14日付で投資判断を「1-B-HR」から「1-A-HR」に引き上げている。

△住友チタ<5726>---買い気配、チタン精錬の新手法開発と報じられ
買い気配。チタン精錬の新手法を開発と報じられており、リバウンドのきっかけ材料につながっている格好。東邦チタニウムも買い気配スタート。また、みずほでは航空機関連のレポートをリリース、関連銘柄との位置づけの高さも注目材料。2009年以降に航空機向けスポンジチタン市場が減少しない可能性もあるなどと指摘されているようだ。

△大和工<5444> 買い気配スタートで5/14以来の最高値更新。
メリルリンチでは電炉業界唯一の「買い」企業と。H形鋼米国最大手のNucor Yamato Steelが、会社計画を上回る業績が予想されるほか、海外での需要拡大の恩恵を享受するポジションにあるとみているようだ。

△いすゞ<7202>---買い優勢、低公害ＤＥの生産受託報道で
買い気配。トヨタが低公害型ディーゼルエンジンの生産を同社に委託へと報じられている。トヨタとの連携具体化として評価されるほか、ストレートに業績への寄与も期待される格好。直近で賑わっている排ガス関連のなかでも、中心的な存在としての位置づけが高まる方向へ。

△住金<5405>---買い先行、メリルではセクタートップピックと評価
買い先行。メリルが鉄鋼セクターの投資判断、目標株価を総じて引き上げている。中期的な鉄鋼需給のタイト化を背景としている模様。同社に関しては「買い」を継続で目標株価を680円から860円にまで引き上げ、セクター内でのトップピックと評価している。なお、ＪＦＥＨＤと神戸製鋼の投資判断は「買い」に格上げ、日新製鋼と大和工業は新規に「買い」としている。

△ファナク<6954>---連日の年初来高値更新
連日の年初来高値更新。前日にＮＣ装置の新工場建設との報道を好感し、昨年4月以降の抵抗線レベルを突破している。なお、ゴールドマン・サックスでは規定路線とは言え、先行きの工作機械需要の強さを予見させるポジティブな内容と。

△イビデン<4062>---ＭＬでは「買い」に引き上げ
買い気配スタート。トヨタの低公害ディーゼルエンジン強化の報道から、排ガス関連銘柄への注目度が高まっている。なお、メリルリンチでは投資判断を「中立」から「買い」に引き上げている。目標株価は8700円。ＤＰＦ事業の想定以上の収益性向上や、ＦＣパッケージに対する堅調な需要増を引き上げの要因としている。
（フィスコ）

△石油資源<1662>はもみ合い、原油価格続伸も株式売出と綱引き
石油資源開発前場、前日変わらずの９４００円で引け上下１００円幅の小幅もみ合いを続けた。前日の米国市場で、原油先物（ＷＴＩ）価格が、１ドル３９セント高の１バーレル＝６７ドル６５セントと続伸し、一時は今年３月２７日以来の６８ドル台に接近したが、この日は産業経済省保有株の売り出しの受け渡し日となっていることから反応は限定的となった。同社のほか鉱業株は、国際石油開発帝石ホールディングス、ＡＯＣホールディングスなどが軒並み高く業種別騰落率で第３位となったが、石油株は高安マチマチで引けた。原油価格高騰は、米国の石油精製施設の稼働率低下でガソリン在庫の減少が懸念され、さらにパレスチナ自治区ガザなどでの中東情勢の緊迫化なども背景にしており、北半球の夏場需要期のドライブシーズンを控えさらに高騰思惑につながっている。石油資源の株価は、５月２９日に産業経済省保有株の一部９１１万１０００株の売り出しが発表されて以来、原油価格の高騰と綱引きし高値もみを続け、６月１１日に売り出し価格が９４００円に決定してからはこの売り出し価格に収斂する展開となっている。受け渡し終了後の来週以降の「御用金相場」が、経済産業省の高値売り逃げとなるか原油価格動向次第となりそうだ。

△星和電<6748>は７期ぶり最高純益更新の見直し買いから続伸
星和電機は、２４円高の５４９円と続伸している。同社株は、５月２５日に発表した３月期決算が、前期は再々下方修正され赤字拡大で着地したが、今期は一転して大幅黒字転換、７期ぶりの過去最高純益更新を予想したことから、窓を開けて急伸し高値もみとなっていた。この下値からＰＥＲはわずか９倍台で値ごろ妙味があり、大証銘柄特有の逆行高習性の発揮を期待し相場格言通りに「初押しは買い」となっている。同社の今期業績は、売り上げ２２５億５０００万円（前期比６％増）、経常利益８億２０００万円（同５．３倍）、純利益７億５０００万円（前期は２億１６００万円の赤字）が予想され、純利益は７期ぶりに過去最高を更新する。公共投資関連の道路情報機器や照明器具が回復し、産業用照明器具も設備投資向けに続伸、新規事業の電磁ノイズ対策製品やオプトデバイス製品も着実に伸長することが業績を高変化させるもので、純利益は前期の繰延税金資産の取り崩しが一巡し黒字転換する。株価は、決算発表とともに１００円高したが、ＰＥＲのほかＰＢＲも０．６倍、配当利回りも１２円へ２円増配して２．１％と割り負けが目立つ。再度の急伸も想定範囲内となる。

△アドウェイズ<2489>は伊藤忠<8001>との業務提携を追撃材料にストップ高
アドウェイズは、寄り付きから買い先行で始まり２万円高の１２万１０００円とストップ高し３日続伸している。前日に発表した伊藤忠商事との業務提携、株式取得が追撃材料となってネット関連人気が拡大している。同社は、アフィリエイト（成功報酬型）広告で、インターネットとモバイル（携帯電話）向けを同時展開する唯一の企業で、業務提携は伊藤忠の国内の幅広いネットワークを活用した大手広告主の獲得や海外ネットワークを活用した広告事業活性化の協業体制を構築することを目指し、世界展開することも視野に入れている。この協力関係を強化するために伊藤忠は、同社第２位株主の中鉢正人氏から１万１６００株（出資比率１５．０％）を取得する。株価は、前期業績が金融業界やインターネット業界の広告予算削減た広告出稿の見合わせなどで減額修正され、今３月期利益も、収支トントンか５億円の赤字となお水面下予想をしたことから株式分割後安値４万６１００円まで急落した。下げ過ぎ訂正で急落幅の半値水準まで戻しているが、今回の提携をテコに業績、株価とも大幅復元期待を高めることになりそうだ。

△プライム<2684>は業績再増額と復配をテコにストッップ高気配
プライムは、寄り付きから買い気配をアップさせ５０００円高の６万４００円買い気配とストップ高の急続伸となっている。売り物はなく買い物はなお３４５３株と膨らんでいる。前日に今６月期業績の２回目の上方修正と復配を発表、好感する割安株買いが増幅している。同社の６月期業績は、今年１月に上方修正されているが、その修正値をさらに増額した。売り上げは２億９０００万円、経常利益は２億８００万円、純利益は１億６０００万円それぞれ引き上げられ、純利益は５億３０００万円（前期は１４億５８００万円の赤字）と黒字転換幅を拡大する。５月１１日に発表した第３四半期決算がすでに通期利益予想を１００％以上上回っていたが、その後も物販事業で美容・健康関連商品の「スレンダーシェイバー」の売り上げが伸び、重点的にオリジナル商品を販売したことから粗利益がアップ、メディア向けに媒体効率を高めたことが寄与した。配当は、前期の赤字転落で無配としていたが、年間２０００円として復配する。株価は、今回の業績再増額でＰＥＲ６倍台と超割安となる。前回修正時には２．２倍となる短期大化けを演じており、再現思惑を強めよう。

△スリープロ<2375>は中間業績を再々上方修正し急反発
スリープログループは、寄り付きの買い気配から１万８０００円高の１４万８０００円とストップ高寸前まで買い上げられ急反発している。前日に発表した今年３月、５月に続く２００７年４月中間期業績の３回目の上方修正が、反発材料となっている。同社の中間期業績は、売り上げが前回５月の修正値を９３００万円、経常利益が１１００万円、純利益が１６００万円各上回り、純利益は１億１６００万円（前年同期は４００万円の赤字）と黒字転換幅を拡大する。パソコン出張サービスの人材派遣会社として受注が旺盛に推移し、高利益率案件も受注、エージェントシステムにより人材活用の効率化が進んだことなどが要因となった。通期業績は、精査中で６月１９日予定の中間期決算開示時に公表するとしている。株価は、業績低迷で長期調整トレンドが続き、今年４月に９万７０００円安値まで突っ込み大底から出直っている。投資採算的には割高だが、６月１９日の決算発表への期待も底流し、一段の底離れを支援しよう。

△エコトレディン<7427>は「団塊の世代」関連で下げ過ぎ訂正期待し反発
エコートレーディングは、１６円高の１２１７円と反発している。「団塊の世代」退職元年を迎え、少子化社会でいまや子供の数をペットの飼育頭数が超え、ペット関連に「癒し系」本命人気が底流しており、同社の今２月期の連続最高純益更新を見直し下げ過ぎ訂正期待の買い物を集めている。同社は、ペットフード・用品卸の最大手として、「ペットソリューションカンパニー」を目指し今期から中期経営計画を推進、新規事業開発や差別化戦略により業容の充実を図り、３年後純利益は前期実績比３割増を計画している。この初年度の今２月期は、売り上げ６０８億７４００万円（前期比６％増）、経常利益９億６４００万円（同２０％増）、純利益５億６４００万円（同強含み）を予想している。純利益の伸び率は微増だが、前期純利益には子会社解散に伴う法人税等負担減が１億５８００万円含まれており、実質２ケタ増益の連続過去最高更新となる。株価は、今期業績の小幅増収益予想が響き下値確認トレンドが続いているが、ＰＥＲは１３倍台、ＰＢＲは０．９倍、配当利回りは２．４％と下げ過ぎを示唆している。下値妙味は大きい。

△明豊エンター<8927>は業績増額で流動化関連の割安株買い強まり急続伸
明豊エンタープライズは、８０円高の１５０５円と急続伸している。前日の今７月期第３四半期（３Ｑ）決算の開示に合わせて、今期通期業績の上方修正を発表、過去最高純益を更新することが不動産流動化関連の割安株買いを優勢とさせている。同社の３Ｑ業績は、前年同期比２５％増収、３．２倍経常増益、３．２倍純益増益と高変化して着地するとともに、利益水準は期初の通期予想業績に対して９２ー９６％の高進捗率となった。外断熱工法を特色とするマンションデペロッパーとして、分譲マンションやファンド向けワンルームマンションが計画通りに推移し業績を押し上げた。これに当初予定していなかった物件などの売り上げが見込めることから、期初予想を上方修正した。売り上げは５０億円、経常利益は１億５０００万円、純利益は７０００万円上回るもので、純利益は１５億円（前期比１１％増）と２期ぶりに過去最高を更新する。株価は、２００５年１２月に実施した公募増資・株式売り出しやこの後の業績伸び悩みなどから株式分割後の下値を探る動きを続けた。ＰＥＲ８倍台の割安修正でリバウンド幅を拡大しよう。

△小林産業<8077>は業績増額が低位割安株買いを呼び込み急続伸
小林産業は、１４円高の３５５円と急続伸している。前日に今４月中間期・１０月通期業績の上方修正を発表、低位値ごろの割安株買いが増勢となっている。上方修正のうち通期業績は、売り上げが期初予想を４億円、経常利益が１億８０００万円、純利益が８０００万円それぞれ上回り、純利益は７億円（前期比１６％増）と前期の過去最高を大幅に更新する。受取配当金が２２００万円増加し、為替相場が円安に振れたことから通貨スワップなどの評価益７０００万円が上乗せ、連結子会社の業績が好調だったことなどが寄与した。株価は、昨年３月に実施した公募増資・株式売り出し（発行価額３７２円）が響いて昨年年央にかけ２２５円安値まで調整となった。ようやくここにきて３００円台を回復したが、ＰＥＲは１４倍台と割安である。もともと値動きの軽い北浜銘柄として個人投資家に人気のある低位値ごろ株だけに、大きく株価水準を上げる展開が有力となる。

△いすゞ<7202>は高値肉薄、トヨタ向けにディーゼルエンジン生産受託報道
いすゞ自動車は、２８円高の６５７円と３日続伸し今年２月につけた昨年来高値６６６円に肉薄している。このところ円安メリット株の一角として買い物を集めてきたが、この日は日本経済新聞で伝えられたトヨタ自動車向けの乗用車用の次世代ディーゼルエンジンの生産受託が追撃材料として株価を刺激している。同社は、昨年１１月にトヨタが三菱商事、伊藤忠商事が保有していたＧＭの元保有株を１億株（発行済み株式数の５．９％）を取得して資本提携していたが、この提携後の共同プロジェクトは初始動する。報道では、生産受託するのは、トヨタが欧州に投入する小型車用の低公害型ディーゼルエンジンで２０１２年をメドに年間２０万基供給する。このためいすゞは、生産子会社のいすゞエンジン製造北海道（苫小牧市）の隣接地に約３００億円を投資して専用工場を建設する方向で調整しているとしている。トヨタは、次世代環境適応車としてディーゼル車をハイブリッド車と並ぶ両輪と位置付け、いすゞの開発・生産技術を取り込む。苫小牧市の生産拠点は、もともといすゞが総合自動車メーカーからトラック・エンジンメーカーへビジネスモデルを転換、ＧＭ向け供給基地としてスタートした経緯がある。株価は、トヨタと提携後６割高しているが、業績の高水準推移からＰＥＲはなお１４倍台と割安である。高値抜けからの一段高が有望となる。

△京セラ<6971>は一気に高値更新、４年半ぶり円安でメリット思惑
京セラは、寄り付きの買い気配から２６０円高の１万２７３０円と３日続伸し６月８日につけた昨年来高値１万２５９０円を一気に更新している。前日の米国為替市場で、円相場が一時１ドル＝１２３．１３円と２００２年１２月１２日以来約４年半ぶりの円安となったことから円安メリット思惑が高まり、買い先行となっている。同社自身の前日ＡＤＲ（預託証券）も、東京市場の終値（円換算値）に対して１２８円高で引けたこともフォローしている。この日の寄り付きでは同社のほかトヨタ、ソニー、キヤノンなどＡＤＲ銘柄を中心として輸出優良株が軒並み高で始まっている。各社の今期想定為替レートは、ほとんど１ドル＝１１５円で一致しており業績の上ぶれ要因なり、第１四半期決算発表時には上方修正に進むとの観測が有力となっている。京セラの株価は、４月末に発表した今３月期決算予想で純利益を１０３０億円（前期比３％減）と小幅減益としたが、市場コンセンサスを約４２億円上回るとして買い増勢となった。いよいよ始動期待が高まる業績相場で、リード役の一角として活躍しよう。
（東洋経済新報社）