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2010 10,17 11:43 |
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【日本株週間展望】反発、円高一服で割安を見直し-銀行株は警戒も 10月第3週(18-22日)の日本株相場は反発の見通し。米国の行き過ぎた金融緩和期待がやや後退し、円高圧力が一服して見直し買いが入りそう。一方、銀行株に対する不透明感が上値を抑える可能性がある。 大和住銀投信投資顧問の門司総一郎投資戦略部長は、「第3週は強めの米経済指標やクリスマス商戦に対する期待感から、追加緩和期待がやや修正される可能性がある」とし、それによる「日本株への影響は、為替を通じてプラスの方が大きいだろう」と予想した。 第2週の日経平均株価は前の週に比べ、0.9%(88円)安の9500円で終了。為替市場で一時1ドル=80円89銭と15年ぶりの水準までドル安・円高が進むなど、円高への警戒が買い手控え要因となった。 米国の追加量的緩和期待による過剰流動性を背景に、マネーのリスク資産への流入が一段と顕著になっている。13日に米ダウ工業株30種平均は一時1万1155ドルまで上昇し、4月の年初来高値1万1258ドルまであと1%に接近。独DAX指数は52週高値、インドネシアのジャカルタ総合指数は最高値を更新した。商品市場も同様で、商品19銘柄で構成するロイター・ジェフリーズCRB指数は2年ぶりの高水準だ。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
もっとも、足元の経済指標は強含みのケースがやや多い上、21日に発表される10月の米フィラデルフィア連銀製造業景気指数は改善が見込まれることから、第3週は行き過ぎた米緩和期待がいったん和らぐ可能性がある。今後発表が本格化する米7-9月企業決算も、先行したアルミ生産最大手アルコアや半導体世界最大手のインテルなど、事前のアナリスト予想を上回るケースが増えており、好業績が期待される。 クリスマス商戦についても、ソニーが14日、欧州と北米の力強い需要に支えられ、家庭用ゲーム機「プレイステーション(PS)3」の2011年3月期の販売台数が目標の1500万台を超えるとの見通しを明らかにした。また、小荷物輸送最大手の米ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)は、ことしのホリデーシーズンに昨年と同水準の5万人を一時雇用する見通しであることを明らかにしている。 12日に発表された米連邦公開市場委員会(FOMC、9月21日開催)の議事録では、政策当局者が景気回復支援に向け金融緩和を実施する用意があるとの認識を示した。11月2、3日に開催されるFOMCでの量的緩和期待は揺るがないとみられるが、金融市場や商品市場はそれを織り込む形で反応しており、一時的に「ガス抜きの反動が出る可能性がある」と三菱UFJモルガン・スタンレー証券の鮎貝正弘シニア投資ストラテジストは指摘する。 米金融緩和期待が一段と高まった9月中旬以降は、海外株の上昇が加速する中で、日経平均はほぼ横ばい圏で推移している。世界的な過剰流動性が日本株の下値を支える半面、緩和期待によるドル安・円高が業績懸念となって上値を抑えている。
日本株にとっても、米金融緩和期待の後退は直接的にはマイナス要因だが、日米金利差の縮小が一巡し為替の円高が一服すれば、割安な株価水準が見直される可能性がある。FOMC議事録で緩和期待が高まりながら12日の米10年債利回りが前日比で上昇するなど、「債券市場では追加金融緩和は完全に織り込み済みで、もはや金利押し下げ要因にはならない」と、マネックス証券の村上尚己チーフエコノミストは分析する。 国内では第3週から企業の7-9月決算発表が徐々に始まる。19日に東京製鉄、21日はKOA、22日はKDDIやヤフーなどが予定。いちよし投資顧問の秋野充成運用部長は、「7-9月業績は減速するが、想定の範囲。バリュエーションが低いだけに相場を押し下げることにはならなそう」と予想。ROE(株主資本利益率)が拡大基調にある中、PBR(株価純資産倍率)が1倍程度の現状は「円高局面であっても、割安で上値余地がある」と同氏は見ている。
ただ、金融株に対する懸念が株価指数の上げを限定させる可能性がありそうだ。全米50州の司法当局は13日、銀行やローン回収業者が不適切な書類や署名を用いて数十万件に上る住宅差し押さえを正当化しなかったか、共同捜査に着手。14日の米国株市場ではバンク・オブ・アメリカ(BOA)など銀行株が急落した。 また、22、23日には20カ国・地域(G20)の財務相・中央銀行総裁会議が韓国で開かれる。米銀行に対する信用リスクの高まりに加え、G2を控えて銀行の自己資本規制に対する不安増大も予想され、銀行株中心に一時的に売り圧力が増す可能性がある。 スケジュール面では、海外で18日に米9月鉱工業生産、19日は米9月住宅着工件数、20日は米地区連銀経済報告、21日は中国の7-9月国内総生産(GDP)、米9月コンファレンスボード景気先行指数などが発表予定。米決算は18日がアップルやIBM、シティグループ、19日はゴールドマン・サックス・グループ、20日はボーイング、21 日はアメリカン・エキスプレス、キャタピラーなどが予定されている。
●みずほインベスターズ証券エクイティ情報部の石川照久部長 為替相場をにらみつつ、日経平均が9600円を上抜けると売り、9300円を割り込むと買いという展開が継続すると見ているが、1月以降、1日の出来高が20億株を超えてきている点はプラス。週末のG2開催を控え、日本政府が為替介入を行いづらい環境だが、いつ介入があってもおかしくない水準。介入でハイテク株が大きくリバンドすることもあり得よう。
不安定的な為替の動きで、ドル安から輸出関連株が売られると言われてきたが、コア30銘柄、日経平均寄与度の高いものの動きが堅調で、株価指数の動きも上昇傾向にある。決算発表の本格化を控えた仕込みの動きで、為替相場を気にしながらも堅調な動きが予想される。レンジは25日移動平均線から5%上の9920円から9300円。懸念材料は、このところ調子が良かった米国株が、決算結果を受けて日本株がキャッチアップする前に一服する可能性があることだ。
世界的に金融相場となっており、米国ではダウ工業株30種が4月に付けた年初来高値を抜く可能性が出て来ている。日本株にも多少なりとも資金は向かってくるだろう。日本株は円高に対する抵抗力も付いてきており、相場の下値は堅い。上昇要因は海外頼みだけだが、連れ高する期待感がある。チャート分析上では、投資家の中長期的な平均売買コストの25日移動平均線と75日移動平均線がゴールデンクロスしており、下値切り上げのトレンドが出来始めている。
1ドル=80円台後半まで円高・ドル安が進行したにもかかわらず、15日はファナックやTDKなど輸出株の一角が上昇したところを見ると、円高抵抗力は相当ついてきた。過剰流動性を背景として、円高耐性の出てきた日本株を見直す動きも出てきそう。低金利から、米国などでM&A(企業の合併・買収)が増え始めていることもプラス。中国で開催中の『5中全会』で、ポジティブな経済政策が出る可能性もあり、その場合は日本でも機械や電機など中国関連業種に買いが波及し、日経平均は1万円の一歩手前まで回復する公算が大きい。 記事:東京 長谷川敏郎 Toshiro Hasegawa PR |
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