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2010 09,25 10:00 |
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【日本株週間展望】円高警戒し弱含み、配当落ち-短観で波乱公算も 9月第5週(9月27日-10月1日)の日本株は弱い動きとなりそう。米国で追加金融緩和の観測が強まっており、為替市場では日米金利差の縮小を見込んだ円高・ドル安圧力がかかりやすく、日本株への買いは敬遠されがちだ。配当権利落ちによるマイナスの影響もある。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
メッツラー・アセット・マネジメントの小林光之社長は、米国経済のファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)は日本より劣っているとの見方が広がっており、「円高・ドル安進行への警戒は根強く、輸出関連銘柄を中心に買いは入りにくい」と指摘。相場を支える一因となっていた「配当狙いの買いが見込めなくなるのも痛い」と言う。 9月4週の日経平均株価は、立会日の3日すべてで下げた。24日終値は、前の週末に比べ154円(1.6%)安の9471 円と反落。週末には、為替介入観測の浮上をきっかけに日経平均は上昇転換する場面もあったが、大引けにかけては力なくマイナスに沈んだ。 米連邦準備制度理事会(FRB)は21日開いた連邦公開市場委員会(FOMC)後の声明で、「必要に応じ緩和措置を追加する用意がある」と表明した。これを受けて米金利が低下し、為替市場ではドルが売られ、ドル・円相場は1ドル=84円台前半と、政府・日本銀行が6年半ぶりに為替介入を実施した15日以来の円高水準を付けた。 FRBが国債購入を増やす準備を進めているとの観測から、足元では米国を中心に国債が買われ、ニューヨーク金先物相場は22日まで5日連続で過去最高値を更新。世界のマネーは、相対的に高リスク資産の株式からリスクの低い資産に向かっている。 もっとも、為替の円高進行局面では、日本の通貨当局が追加介入に動くと予想され、一方的な円高も考えにくい。「為替変動に連動する格好で日本株売りが加速し、日経平均が9500 円の節目から大きく下振れることはなさそう」と、メッツラーの小林社長は見ている。
週初27日は、3月決算企業の4-9月期の配当(中間配当)などの権利付き最終売買日だ。翌日以降は、配当や株主優待を取得する権利を得た投資家の売りが株価の押し下げ要因として警戒される。日立製作所や東芝、三菱電機の総合電機大手3社がそろって復配を決めるなど、業績回復を背景に復配・増配銘柄が相次いでいるだけに、権利落ち後の株価下落の可能性は否定できない。ブルームバーグのデータによると、権利落ちが日経平均に与える影響は63円。 配当落ち日以降、早急に当該下落分を埋められない場合は、相場の上値が一段と重くなると懸念されている。東洋証券情報部の檜和田浩昭 ストラテジストは、「市場エネルギーが低調な上、個人の投資余力 もまだ落ち込んでいる状態で、利益確定や戻り待ちの売りに押されやすい」との見方だ。9月4週の東証1部売買代金は平均で1兆2264億円と、年初来平均(1兆3468億円)を1割近く下回る。
このほか、海上保安庁の巡視船と中国漁船の衝突事件をめぐり、中国が対日姿勢を硬化させていることも懸念材料だ。中国の大手健康食品メーカーが10月に予定していた1万人規模の訪日団体旅行の中止を17日に発表。また、建設会社フジタの社員が中国当局に取り調べを受けたことが24日に確認され、中国政府がレアアース(希土類)の対日輸出を事実上停止したとの報道もある。 しかし、アムンディジャパン運用本部の吉野晶雄チーフエコノミストは、日中の相互依存関係を考えると、「仮に外交など政治面が一時的に冷え込んでも、レアアースやレアメタルなどの日本への輸出を中国側が持続的に止める可能性は低い」と見る。中国も、日本から電子部品などを多く輸入し、「自国の経済活動にも支障が生じるから」だ。 今回の船舶衝突事件で送検されていた中国漁船船長を処分保留のまま釈放することが24日午後に決まり、「両国の緊張状態は収束に向かい、金融市場での材料性も徐々に薄れよう」と吉野氏は話す。
日銀は29日、9月の企業短期経済観測調査(短観)を発表する。ブルームバーグが調査機関19社を対象にまとめた予測調査(中央値)では、景気が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた割合を引いた業況判断指数(DI)は、大企業・製造業がプラス7と、前回6月の調査から6ポイント改善しそう。ただ、改善幅は前回の15 ポイントから縮小、次回12月の予測はプラス3と悪化する見通しだ。 前回調査で1ドル=90円18銭だった今年度の想定為替レートが、どの程度円高方向に見直されるかも注目点。さらに、短観の結果を受けて日銀が示す景気認識への関心も高い。しんきんアセットマネジメント投信の山下智巳主任ファンドマネジャーは、「仮に日銀が景気下振れリスクを軽視するコメントを出した場合、翌週に控える金融政策決定会合で追加金融緩和がないと市場参加者が読み、円高圧力が強まりそう」と警戒感を示している。 一方、日銀が一歩踏み込んで企業業績の先行き警戒を強調するようなら、「追加緩和期待が高まることで、為替がいったん円安方向に動く」と山下氏は予想。その場合は、輸出株を中心に買い戻され、「日本株の上昇が一時的に大きくなりそう」と、同氏は指摘する。 このほかの投資材料は、米国で28日に9月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、30日に4-6月期GDP(国内総生産)確定値が発表予定。10月1日には個人消費支出やISM製造業景気指数もある。また、中国市場は10月1日から7日まで、国慶節で休場となる。国内では、27日に8月の貿易収支、30日に8月の鉱工業生産や住宅着工、10月1日には8月の失業率や家計調査、消費者物価指数(CPI)などが発表される。
●中央証券株式部の大越秀行部長 「テクニカル的に急ピッチの上げに警戒感がまだ残り、調整地合いは続きそう。世界的な景気減速が日米企業の業績にどのように影響を与えているのか、決算発表の本格化を控え、見極める時期に差し掛かっている。為替の介入警戒感は残っているものの、米長期金利は低い水準にとどまったままで、日米金利差の観点から円高懸念が残る。見極め材料が多く、手控えムードは強い」
「上値を追う動きは期待できないが、日経平均は9500円を挟んで上下200円程度の価格帯を堅調に推移しよう。那覇地検が中国人船長を釈放し、日中関係悪化への懸念はいずれ収まっていこう。コマツや日立建機など売り込まれていた中国関連株の戻りが期待できる。政府は為替介入を否定したが、企業の中間期末をにらみ1ドル=85円と日経平均9500円を大きくは割り込ませないとの意向は透けて見える。内需好業績株は無論、輸出関連株にも買い戻しが期待できよう」
「米国の主要株価指数は25日、75日、200日移動平均線を抜けてきており、大きく崩れる可能性は低い。そのため、日本株も大きな波乱はなく一定レベルのもみ合いとなろう。24日の日経平均は、何とか75日線(9446円)を上回って引け、来週はこれが意識されやすい。すべてに閉塞感が漂い、24日午後には日銀総裁辞任の観測が一部で流れるなど、市場を動かすうわさなどが出やすい時期でもある」 記事:東京 河野敏 Satoshi Kawano PR |
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