6/11 お昼の『株価材料』PART Ⅱ

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■株価材料

△「ニコニコ」ならぬ「ニフニフ動画」――ニフティ<3828>が動画コメント共有サービス
インターネット接続サービス大手のニフティは11日、インターネット上で公開されている動画にコメントを付けて共有できるようにするサービス「ニフニフ動画β（ベータ）版」を始めたと発表した。動画共有サイトの米ユーチューブに投稿されている動画に対して、動画の内容や画像が移り変わるタイミングに合わせてコメントをつけることができる。１つの動画に対して、最大100のコメントを付けられる。
（IT-PLUS）

▼ビクター<6792>株が売られる、連日の年初来安値更新
午前の株式市場では、日本ビクター株が売買再開後、売られている。連日の年初来安値更新となった。市場では「松下電器産業<6752>がビクター株の売却先としてケンウッド<6765>と再交渉していると伝えられたことが不安視されているのだろう。ビクターよりも規模の小さいケンウッドへの売却ということで先行きへの不安が出ている」（国内証券ディーリング部）との声があった。ロイターは９日、複数の関係筋の話として、松下が子会社・日本ビクターの売却で、ケンウッドと交渉していることがわかったと伝えた。ケンウッドがビクターによる約２００億円の第三者割当増資を引き受けるという。

△ハイテク株が買い優勢、前週末の米国株急反発を好感
午前の株式市場では、ハイテク株が買い優勢で始まった。ソニー<6758>株、キヤノン<7751>株、アドバンテスト<6857>株などがしっかり。前週末の米国株式市場が急反発したことが好感されている。８日の米国株式市場は、米債利回りが低下し原油も下落したことで、金利上昇とインフレ懸念が後退し、反発。ダウ工業株３０種は１５７．６６ドル（１．１９％）高の１万３４２４．３９ドル。ナスダック総合指数は３２．１６ポイント（１．２７％）高の２５７３．５４となった。

△加ト吉<2873>が堅調、ＪＴ<2914>と冷凍食品の共同開発報道を注目
加ト吉が堅調に推移している。ＪＴと共同開発した冷凍食品を販売するとの報道が注目された。９日付の日本経済新聞は、加ト吉がＪＴと共同開発した家庭用冷凍食品の第１弾を６月中にも発売すると報じた。加ト吉は、会計問題が発覚した後、ＪＴ出身の金森哲治社長が副社長から昇格していた。

△ホソカワミクロン<6277>が堅調、年初来高値1089円を更新
ホソカワミクロンが堅調に推移し、６日に付けた年初来高値１０８９円を更新した。とりわけ目新しい材料はないものの、２００８年３月期の予想ＥＰＳは６７円３０銭で、時価のＰＥＲは１６倍台と割安感があることが手掛かりにされている。

■不動産株がさえない、1─3月期ＧＤＰ2次速報で住宅が下方修正
三菱地所<8802>など不動産株がさえない。１─３月期実質国内総生産（ＧＤＰ）の２次速報で、民間住宅が前期比マイナス０．３％から同マイナス０．５％に下方修正されたことが圧迫しているという。また、このところの長期金利が上昇基調にあることも買いを入れにくくしているという。

△ワタミ<7522>株が大幅高、コムスンの老人ホーム事業の受け皿検討
午前の株式市場では、ワタミ株が大幅高。同社が１１日、グッドウィル・グループ<4723>の子会社コムスン（東京都港区）の事業のうち老人ホーム事業について、受け入れる用意があることを明らかにしたことが手掛かり。ワタミの中川直洋社長室長はロイターの取材に対し「コムスンの老人ホーム事業に関し、受け入れる用意があると金融機関に伝えた」と述べた。ワタミは現在２５棟の老人ホームを運営している。

△みずほＦＧ<8411>株がしっかり、東証1部で売買代金第1位
午前の株式市場では、みずほフィナンシャルグループ株がしっかり。９時２０分現在、同社株は東証１部で売買代金第１位となっている。長期金利の上昇から先行きの利上げ機運が台頭、金利先高感が出る場面では、大手銀行株は利ざや改善期待を手掛かりに買われやすくなるとの指摘が出ていた。三菱ＵＦＪフィナンシャル・グループ<8306>株、三井住友フィナンシャルグループ<8316>株も小高い。

△セントケアＨＤ<2374>株が買い気配、北海道の介護会社を子会社化
午前の株式市場では、セントケア・ホールディング株が買い気配。同社は８日、北海道介護サービス（札幌市）の発行済み株式のうち８７％を取得し子会社化すると発表した。北海道には初進出となる。取得金額は３１３２万円。北海道介護サービスは札幌市を中心に訪問介護や居宅介護支援などを行い、資本金１０００万円で従業員数は８１人（正社員１９人、契約社員６２人）。グッドウィル・グループ<4723>は子会社コムスン（東京都港区）の事業譲渡先を模索しているが、市場では「一連の問題を嫌気した顧客流出は避けられないだろう。同業他社に収益拡大のチャンスといえる」（国内証券情報担当者）との見方が出ている。

△デンソー<6902>株堅調、ディーゼル車環境対応装置を中国生産との報道
午前の株式市場では、デンソー株が堅調。米国株高が輸出関連株全般への支援材料になっているほか、１０日付日経新聞朝刊が同社について、ディーゼル車の環境対応装置を中国で生産すると伝えたことが手掛かりになっているという。報道によると、生産するのはエンジン部品で、排ガス中の有害物質を減らせる燃料噴射装置。世界的に環境規制が強まるなかで、中国でも環境対応型の自動車の需要が高まると期待されているという。
（ロイター）

▼ラクーン<3031> 大幅安。
今期見通しがネガティブに捉えられているようだ。07年4月期の決算を発表しており、08年4月期は売上高が前期比64.9％増の55億円となる見通し。一方、各利益については赤字が継続、最終赤字で1.82億と四季報予想の1.7億円に比べて赤字幅が拡大する見通し。

△ソネットＭ３<2413>---大幅反発、ＵＢＳが投資判断格上げ
大幅反発。ＵＢＳでは投資判断を「ＮＥＵＴＲＡＬ」から「ＢＵＹ」に格上げ、目標株価は41万5000円としている。「マーケティングプラットホーム」としての地位は磐石なものとなりつつあり、構築したビジネスモデルは海外でも広く通用する可能性が高いと指摘。

△---ＣＳでは「OUTPERFORM」に引き上げ
反発。クレディ・スイスでは、電力・ガスの業績予想を見直し、東京ガスと大阪ガスを「NEUTRAL」から「OUTPERFORM」に引き上げたようだ。電力株は北陸電の「OUTPERFORM」、他の電力の「NEUTRAL」は継続している。

□関電化<4047>---マド埋めレベルで膠着
膠着。5/18安値を底にリバウンド基調にあるが、5月半ばに空けたマド埋めレベルで膠着が続いている。なお、三菱ＵＦＪ証券ではレーティング「1」を継続。先行投資負担が予想以上だが、足元の株価は割安と判断。

▼日ビクター<6792>---売買再開後は売り先行、先行き不透明感で
売買再開後は売り先行。松下電産とＴＰＧの株売却交渉が決裂、松下電産ではケンウッドと再交渉へと報じられ、一時取引停止となっていた。先行き不透明感の強まり、また、ケンウッドを引受先とした第3者割当増資を実施などと伝わっていることから、既存株主にとっての希薄化なども警戒される状況か。

△三住海上<8752>---1989年の最高値1720円（修正前）を突破
大幅上昇で1989年11月30日の最高値1720円（修正前）を突破してきている。長期金利の上昇基調、ＧＤＰが予想を上回ったこともあり、セクターの注目度が高まっている。信用倍率は0.42倍と需給妙味も大きい。

■大平金<5541> さえない。
商品市況の下落を映して非鉄関連株が総じてさえないが、とりわけ、同社や冶金工、日金工などのニッケル関連の下げがきつい。直近安値を割り込んだニッケル市況は先週末も続落の展開、一部報道などでは、ステンレスにおけるニッケルからクロム系へのシフトが進んだ影響などとも観測されている。

▼ファーマＦ<2929> 売り気配から。
一転しての赤字転落が嫌気されているようだ。8日に07年4月期の業績予想を下方修正しており、経常損益で従来の1.93億円の増益予想に対して1.6億円の赤字となる見通し。先週は米ＦＤＡの認可取得で人気化したこともあり、失望感が強まっているもよう。

△ワタミ<7522>---大幅高、介護事業の拡大期待など思惑視で
大幅高。コムスンの介護事業買い手候補として浮上、今後の同事業の規模拡大が期待される状況となっているもよう。ニチイ学館など他の銘柄と比べると、ここまで再編期待はそれほど高まっていなかっただけに、出遅れ感も手伝う状況へ。

△ホソミクロン<6277>---続伸で6/6以来の年初来高値を更新
続伸で6/6以来の年初来高値を更新。先週の上昇で週足ベースの均衡表の雲上限を突破してきており、中長期的にも上昇基調が強まる可能性。粉体装置を中心に業績拡大期待も。

△ケンウッド<6765>---賑わう、ビクター<6792>買収で再交渉へ
賑わう。松下電産<6752>が保有する日本ビクター株の売却先として、同社と再交渉へと報じられている。前回はビクター経営陣の反対によって、同社への売却は見送られた経緯があった。資金負担などへの懸念も残るが、前回との比較では交渉における優位性も高まると見られ、本日は事業規模の拡大を評価していく動きが先行の格好。

□ソフトバンク<9984>---雲上限で膠着
雲上限で膠着。前日比変わらずレベルでの膠着が続いている。一目均衡表の先行スパン（雲）上限レベルであり、強弱感が対立している。また、先週利食いに押されていた海運株が軒並みリバウンドをみせており、短期資金がシフトしているようだ。

△ケーズＨＤ<8282>---買い優勢、日興シティは4250円目標に上げ
買い優勢。日興シティでは投資評価を「２Ｈ」から「１Ｈ」に格上げ、目標株価も3000円から4250円にまで引き上げている。ローコストで運営できる大型店の継続出店による拡大戦略を評価としている。グループ再編効果による粗利益率の改善も期待できると。

▼東日ＣＬＧ<8291> 急反落。
06.3期の決算を再訂正、修正幅の大きさを要因にして、東証から監理ポストに割り当てられたことが嫌気されている。最終損益は8.3億円の黒字から0.7億円の赤字としている。先週末は決算発表後のあく抜け感を期待して急伸していただけに、その反動も大きくなっている。

▼クリムゾン<2776> 売り気配。
赤字継続並びに無配転落が嫌気されているようだ。第1四半期決算を発表、併せて中間期並びに通期の業績予想を下方修正している。08年1月期については、最終損益で従来の0.97億円の黒字化予想から4.27億円の赤字に減額された。また、予定していた2000円の期末配当を見送るとしている。

△東京ガス<9531>---しっかり、ＣＳでは「アウトＰ」に格上げ
しっかり。ＣＳでは投資判断を「ニュートラル」から「アウトパフォーム」に格上げしている。目標株価も630円から680円に引き上げ、買い材料につながっている模様だ。ＬＮＧ価格上昇からの悪影響は意外に早く回復できる可能性があること、今後、株式市場から自社株買いのペース加速が要求される可能性があることなどを指摘。

△ソニー<6758>---マッコーリでは9000円に引き上げ
小反発。なお、マッコーリでは目標株価を8100円から9000円に引き上げたようだ。投資判断は「アウトパフォーム」を継続。また、6/21の年次総会と7/11のＥ３コンファレンスが株価上昇をけん引すると予想。

△損保ジャパン<8755>---買い気配、野村では投資判断を格上げ
買い気配。金利上昇メリットをはやして、先週後半から保険セクターの上昇が目立ってきている。本日は野村が同社の投資判断を「３」から「２」へ格上げしているもようであり、追加の支援材料につながる。地域金融機関との提携先が多いため窓販解禁後の保険販売にて優位性が見込めるほか、保険料増収に伴い株価水準のディスカウント訂正も想定されるとしている。

△サイバー<4751> 買い気配から。
ＵＢＳでは投資判断を新規に「Buy2」、目標株価を11万円としており、買い材料視されているようだ。既存事業のテコ入れが成功すれば、現在の評価が一変する可能性があると。時間をかけて「Ameba」のメディア価値を醸成しようとする現在の姿勢をポジティブに評価すべきとしている。

△みずほ<8411>---じわり年初来高値に接近
じわり年初来高値に接近。1－3月ＧＤＰは年率3.3％増と市場コンセンサスの3.1％を上回った。年初来高値917000円が意識されているが、目先的には週足ベースの一目均衡表の先行スパン（雲）上限が位置する910500円突破が注目される。
（フィスコ）

△カナモト<9678>は業績増額を引き金に割安株買い続き反発
カナモトは、１５円高の１２６８円と反発し６月７日につけた昨年来高値１２７７円に肉薄している。５月２８日に発表した今１０月期業績の上方修正を材料に割安株買いが続いており、来年に洞爺湖で主要国首脳会議（サミット）が開催されることも手伝い北海道関連株の見直しに弾みをつけている。同社の今期業績は、売り上げが期初予想を１億３０００万円、経常利益が６億８０００万円、純利益が４０００万円それぞれ上回り、純利益は２４億円（前期比３７％増）と前期の過去最高を大幅に更新する。北海道・東北地域での民需掘り起こし、関東地域の積極営業展開などで暖冬による季節商品の需要減をカバーし、レンタル用資産の運用効率向上や減価償却負担減の施策効果などが上方修正要因になった。一方、北海道関連人気は、サミット開催のほか、北海道企業のＭ＆Ａが大幅に増加し、同社もテーオー小笠原（９８１２・ＪＱ）の建機レンタル子会社などを買収するグループ拡大策を続けており思惑材料視されている。株価は、昨年９月の公募増資・株式売り出しを嫌った急落安値から７割高と戻しているが、ＰＥＲは１７倍台となお割安である。高値抜けから上値追いに拍車をかけよう。

△フォスタ電<6794>は２期ぶり最高純益を買い直し反発
フォスター電機は、３７円高の１５９０円と反発し昨年来安値水準の１３００円出没場面からの出直りに弾みをつけている。直接の反発材料は、今３月期業績が、前期の小幅減益から増益転換し、純利益が２期ぶりに過去最高を更新することだが、米国アップル社が、新型携帯電話「ｉーｐｈｏｎ」を発売することも関連思惑を誘っている。同社の今期業績は、売り上げ８５０億円（前期比１２％増）、経常利益５２億円（同１１％増）、純利益３０億円（同６％増）と予想されている。前期は、携帯オーディオ用ヘッドホンや携帯電話用ヘッドセットが伸びて２ケタ増収となったものの、販売価格の低下、原材料価格の高騰、海外生産拠点の人件費高騰などが響き減益を余儀なくされた。今期は、主力製品の続伸や効率経営の推進で前期の業績押し下げ要因をカバーし増益路線に復帰する。株価は、業績伸び悩みが響き昨年４月の上場来高値２４２５円から値幅で半値、日柄で１年の調整を経ての大出直りである。ＰＥＲは１２倍台と下げ過ぎ示唆となっており、リバウンド幅拡大が見込まれる。

△ローツェ<6323>は連続２ケタ増益の割安株買いが入り反発
ローツェは、２５円高の８７９円と３営業日ぶりに反発６月６日につけた株式分割権利落ち後高値９２８円を意識する動きを強めている。前期業績の２回も期中に上方修正された大幅増益着地に続き、今期も２ケタ純益増益を予想、落ち後安値ではすかさず割安株買いが入ってくる。同社の今２月期業績は、売り上げ１５１億３００万円（前期比１２％増）、経常利益２２億１６００万円（同３１％増）、純利益１３億８３００万円（同２８％増）が予想されている。前期に韓国でガラス基板搬送機の第７世代用装置を納入する一方、第８世代用の大型基板装置を一括受注するなど液晶テレビ向けが好調に推移しているほか、欧州、米国でもウエハ搬送装置を積極拡販、業績を押し上げる。株価は、今年２月２８日割り当てで１対２の株式分割を実施、この落ち妥当値を固める動きを続けてきた。４月の好決算発表とともに再発進をしているが、ＰＥＲは分割負担をハネ返しなお１１倍台と割安である。再度の４ケタ乗せが第１目標として浮上する。

△ＴＤＣ<4687>は好配当利回りを手掛かりに昨年来安値水準から反発
ティーディーシーソフトウェアエンジニアリングは、１２円高の８３０円と４営業日ぶりに反発し、５月１８日につけた昨年来安値８０５円水準で下値抵抗力を発揮している。同社の前３月期業績は、中間期、通期予想とも下方修正が続き、実績も純利益が前々期比５０％減益と大きく落ち込んだ。金融システムや社会システムの情報システム開発やシステム製品の販売は増加したものの、新規分野での戦略的受注や一部案件での開発コスト上昇が業績の足を引っ張った。このため株価は、今年２月の戻り高値９５２円から再び下値を確認し１５０円安と急落した。ただ同社は、業績悪化でも年間２５円配当を安定継続しており、さすがに配当利回り３％水準では採算重視の下値買いを刺激する。今期純利益は３億円（前期比５６％増）と低水準ながら急回復を予想、自己株式取得を実施したことなども支援材料になっている。昨年１２月にインフォメーション・ディベロップメント（４７０９・ＪＱ）と資本・業務提携した時は同じ８００円台央から１００円高しており、下値妙味を拡大する。

△山武<6845>は連続最高純益再評価に信用好需給が呼応し急反発
山武は、８０円高の３２５０円と５営業日ぶりに急反発している。今期純利益が連続して過去最高を更新することや国内証券が投資判断・目標株価を引き上げたことを手掛かりに３０００円台出没場面から上放れており、信用取組が株不足で逆日歩がつく好需給もこの動きを増幅している。同社の今期業績は、売り上げ２４４０億円（前期比４％増）、経常利益１９８億円（同９％増）、純利益１２０億円（同１２％増）と予想されている。前期業績が期中の上方修正値を上ぶれて着地した余勢を駆って、ビルオートメーション事業が６％増収、１８％営業増益、アドバンスオートメ－ション事業が同じく６％増、１０％増と続伸するほか、グループ化した金門製作所も上乗せとなり連続の過去最高純益となる。株価は、決算発表とともにマドをあけて急伸しており、高値場面では信用売りが積み上がった。ＰＥＲは、１９倍台と市場平均並みだが、売り方の動向次第では一段の上値追いも期待される。

△日金工<5479>は１５期ぶり過去最高純益を見直し反発
日本金属工業は一時、１９円高の６９６円と反発し６月７日につけた昨年来高値７００円に肉薄している。５月１５日に３月期決算を発表、前期は期中の上方修正値を上ぶれて大幅増益で着地したものの、今期は経常利益の２ケタ減益を予想したことから上値の伸びを欠いていが、６月５日開催の決算説明会以来、今期純利益が１５期ぶりの過去最高を更新することを見直し素材関連の割安株買いが続いている。同社の今３月期業績は、売り上げ２１６０億円（前期比２７％増）、経常利益１３２億円（同１３％減）、純利益１４０億円（同６７％増）と予想された。売り上げは、ニッケル価格の上昇を受け同社独自の省ニッケル鋼・Ｄシリーズの需要が引き続き拡大して２ケタ増収となるが、経常利益は前期評価益となった在庫評価が評価減と変わり、減価償却制度変更に伴う償却増も加わり２ケタ減益となる。ただ、純利益は、下期に固定資産売却益１３８億円を予定しており、前期はこれに関連して旧相模原事業所の現状回復工事費用約３３億円を特別損失処理していたことが一巡してプラスに働き大幅増益となる。株価は、信用買い残が積み上がったこともあり、やや上値が重い展開を続けていたが、ＰＥＲはわずか８倍台と超割安である。値ごろ妙味も加わり先行の人気ステンレス関連株への追撃態勢を強めよう。

△カネ美食<2669>は５日ぶり小反発、第一パンから正式に事業譲受
カネ美食品は、１０円高の３１９０円と５営業日ぶりに小反発し５月２１日につけた昨年来安値３０７０円水準で再動意含みとなっている。前週末８日に正式に発表した第一屋製パン（２２１５）からの２工場の譲り受け、業績上ぶれが底値での割安株買いを誘っている。譲り受けた２工場は、第一パンの松戸工場（千葉県松戸市）と同社子会社フレッシュハウスの三田工場（兵庫県三田市）で、７億６９００万円で６月２５日に取得する。同社は、スーパー向け惣菜販売とコンビニ向けのおにぎり、弁当を経営の２本柱としており、米飯の売り上げが伸び悩むなか関東、関西に新拠点を拡大し販路拡大を図る。この今３月期業績への寄与は、サークルＫサンクスの加盟店向けに弁当、おにぎりを製造、納品することから売り上げで５９億６１００万円の上ぶれとなる。ただ利益は、付随して発生する消耗品費増が３億円あり期初予想と横ばいとなり、純利益は１４億９２００万円（前期比２１％減）を据え置いた。株価は、前期・今期業績の連続減益から今年３月以来、５００円幅の調整となった。この半値戻しをクリアしているが、なお戻りを探る展開を続けよう。

△石井表記<6336>は１Ｑ５４％増益と新工場建設が相乗し急反発
石井表記は、寄り付きの買い気配から１２５円高の２３１５円まで買い進まれ変わらずを挟み５営業日ぶりに急反発している。前週末８日に大幅増益となる今１月期第１四半期（１Ｑ）決算と新工場の建設を発表、高評価する割安株買いが再燃している。同社の１Ｑ業績は、前年同期比２１％増収、４９％経常増益、５４％純益増益と大きく伸びた。液晶テレビ、パソノン、携帯電話で一部メーカーに在庫調整の影響で設備投資を延期する動きもみられたが、顧客のコスト削減要求や生産効率改善に対応しつつ拡販を進め大幅増益着地とった。期初の中間期予想業績に対して、利益は５５％の進捗と順調に推移している。新工場は、液晶配向膜塗布装置と太陽電池ウェーハの生産能力増強のため、福山市神辺町にそれぞれ５億４０００万円、８億円を投資し６月１１日、７月１日に着工、今年１０月末に竣工する。生産能力は塗布装置が年間１２台、ウェーハが同１５００万枚を予定している。株価は、前期業績の再三の上方修正や増配に反応して今年１月に２７５０円高値まで買い進まれたあと２０５０円まで調整、この３分の１戻し水準にある。ＰＥＲは１３倍台と割安であり、リバウンド幅拡大が有力となる。

△日テレホン<9425>は７５％高の急続伸、今度は業績を上方修正
日本テレホンは、４万２０００円高の９万８３００万円と急続伸し６月７日につけた上場来安値５万５７００円から大きく底離れ、値上がり率は７５％とジャスダック市場のトップに躍り出ている。同社は昨年１２月に２００７年４月期業績を下方修正し、株価は公開価格１１万円を下抜いて急落した。前週末８日にその４月期業績を今度は上方修正、マーケットメーク（ＭＭ）銘柄人気を刺激し底値買いにつながっている。同社の４月期業績は、売り上げが１２月の修正値を２億８４００万円、経常利益が８０００万円、純利益が４０００万円それぞれ上回り、純利益は４６００万円（前々期は１億６２００万円の赤字）と黒字転換幅を若干ながら拡大する。同社は、携帯電話や固定電話の加入権の販売を手掛け、昨年１０月の携帯電話ポータビリティ（番号移動）制度開始で高機能端末の買い替え需要が順調に伸び売り上げを押し上げた。経常利益は、店舗のリニューアルなど直営店網を拡充、効率的な人員配置、運営コスト低減などにが重なり上ぶれた。純利益は、店舗固定資産の減損処理１６６３万円、在庫替評価損１３９１万円を計上し、繰延税金資産の取り崩しが発生したが吸収して黒字幅拡大となった。株価は、公開価格の半値水準まで急落しただけに底入れからＭＭ銘柄特有の急伸習性を発揮している。

△ビクター<6792>が売買停止、第３者割当増資報道の真偽確認
日本ビクターは、８時２０分から売買が一時停止された。６月９日以降、新聞各紙、テレビで同社の親会社の松下電器産業<6752>が、保有株の売却先としてケンウッド<6765>と再交渉、第３者割当増資を実施すると報道、この情報の確認のため東証がとった措置で、情報に関する発表が行われたと確認されてから３０分後まで継続される。同社は、今年３月１６日にも寄り付き前から売買が停止されている。親会社保有株の売却先として米投資ファンドのＴＰＧ（旧テキサス・パシフィック・グループ）に優先権を与える方向で最終検討に入ったと伝えられたためで、今回はこのＴＰＧと松下電産の間で売却条件が折り合わず不調となったことから、ケンウッドとの再交渉に入るとされた。ビクターが、ケンウッドに２００億円規模の第３者割当増資を実施し、最終的に持ち株会社を設立し、ケンウッドとビクターを傘下企業にする案を検討すると観測された。ビクター株式の売却は、昨年１２月以来表面化し、松下電産の実施した入札には米系ファンド２社が参加、ケンウッドも当初は参加したものの、当時のビクター側経営陣の反発で売却先候補から外されていた。なお、ケンウッドの寄り付きの株価は、３３１万株の買い物を集め５円高の２０７円買い気配と反発して始まっている。
（東洋経済新報社）