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2010 09,04 17:00 |
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時代はソーシャルゲーム (1)=SNSの新たな商機 ディー・エヌ・エー(DeNA) <2432> の「モバゲータウン(モバゲー)」やグリー <3632> の「GREE」など、携帯電話のSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)サイトで、携帯電話を利用したソーシャルゲームの人気が高まっている。 従来の携帯型ゲーム機のように個別の機器やソフトを購入しなくても手軽に楽しめることや、ゲームを通じて人とのコミュニケーション(ソーシャル)を楽しめるといった点が評価され、ユーザー数は急速に増加。10年6月末の会員数は、DeNAによるとモバゲータウンが1993万人、GREEが2059万人まで拡大している。 【ケータイゲーム】しろつく 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
当初は両社とも自社の内製ゲームのみでサービスを展開していたが、モバゲーが今年1月から、GREEが今年6月から、それぞれプラットフォームをオープン化。他社のソフトも合わせて提供されることになり、ゲームのラインアップが充実してきた。このことも人気が高まっている要因といえよう。 ソーシャルゲームの多くは無料で提供されるが、ゲームを有利に進行させるアイテムなどを提供しており、その課金収入がゲーム提供会社の収益となる。モバゲーやGREEにゲームを提供する開発会社は、こうした収益を一定の割合で両社と分配することになる。 このため、DeNAやグリーの場合、プラットフォームをオープン化したことで、自社のゲームからだけでなく、他社のゲームからの収益も期待される状況となっている。ポジション的には、家庭用ゲーム機における任天堂 <7974> のようなイメージだ。 この結果、DeNAの場合、11年3月期第1四半期(4-6月)の売上高は242億円(前年同期の2.8倍)、営業利益は120億円(同3.8倍)となった。この売上高のうち、ゲーム関連(アイテム課金だけでなく、広告などの収益も含まれる)は159億円(全体の77%)を占めるまでに成長。ソーシャルゲームの人気を背景に、10年3月期の第3四半期(10-12月)以降の業績は急拡大している。なお、グリーについてはオープン化したのが6月であり、その寄与度については今後の業績に注目したい。
プラットフォームのオープン化により、ソーシャルゲームを手掛ける企業は増加傾向にある。従来の家庭用ゲーム機向けのソフトに比べると開発コストの負担は小さいと思われ、未上場企業など比較的規模の小さい企業の参入も増えている。ただ、モバゲーの場合、すでに400本以上のタイトルが提供されており、そのなかで上位の人気を確保するのは容易ではない。 ちなみに、モバゲーやGREEのサイト上では、利用者数やページビューなど複数の評価項目で判断した人気ランキングを上位20タイトルずつ表示。上位のタイトルを提供している企業は、ゲーム開発会社として有望で収益的にも期待できる。 9月1日現在でモバゲーとGREEの上位タイトル(男女それぞれ20本ずつ)のうち、上場企業、およびその関連会社が提供しているタイトルをピックアップすると 具体的には、モバゲーにおけるベクター <2656> やGREEにおけるボルテージ <3639> などは複数のタイトルを上位にランキングさせており、注目される。また、サイバーエージェント <4751> はグループ会社のなかで有力な企業が複数出てきており、今後の成長が期待される。ケイブ <3760> についても同一タイトルでモバゲーとGREEの両方でランキング入りしており、評価したい。 これらの企業以外に、カプコン <9697> やスクウェア・エニックス・ホールディングス <9684> 、コーエーテクモホールディングス <3635> など、既存の家庭用ゲームソフトの開発で実績のある企業の参入も増えてきている。これらの企業は知名度が高く、これまでの開発実績(タイトル)を生かした展開を進めることで、ユーザーを獲得しやすそうだ。 ただ、こうした家庭用ゲームソフトの有力メーカーが参入してきたということは、モバゲーやGREEがゲームのプラットフォームとして無視できない存在になってきたとも考えられる。DeNAとグリー <3632> は今後も最注目だろう。
ソーシャルゲームは、市場の急速な拡大とともに競争も激化。トレンドの移り変わりも早まっている。今後は流れに沿わない作品、企業の淘汰(とうた)が進むだろう。ソーシャルゲームを手掛けると発表するだけで株価が急騰する、といった話題先行の動きはまだ多いが、銘柄を選別する必要が高まっていきそうだ。 日本で普及が始まった当初は本家である米国の状況にならい、トランプゲームなど単純な内容のゲームが多かった。ただ、作品が多数集まるなかで人気の差も目立ち「出せば売れる」というブームの初期段階は過ぎた。ユーザーの目も肥え、ゲーム性の高さも求められている。様子をうかがっていた家庭用ゲームメーカーも、各社が機を得たとばかりに参入してきた。 カプコン <9697> は8月上旬にディー・エヌ・エー(DeNA) <2432> が運営するプラットホーム「モバゲータウン」向けに「モンハン日記モバイルアイルー村」の配信を始め、17日で50万会員を集める異例のヒットとなった。家庭用の大ヒット作品「モンスターハンター」から派生したことも人気の背景で、強力なブランドを持つ家庭用ゲームメーカーならではの強みもある。 その点ではバンダイナムコホールディングス <7832> も見逃せない。DeNAと共同で企画開発した「ガンダムロワイヤル」を今秋に配信予定。人気ブランド「機動戦士ガンダム」を採用し、ヒットが見込めそうだ。このほか、タイトルを厳選する傾向があるグリー <3632> の「GREE」向けで2作品の実績があるハドソン <4822> 、開発力に定評のあるロケットカンパニー(非上場)を子会社に抱え、参入を予定するイマジニア <4644> も台風の目になる可能性がある。
ソーシャルゲームにゲーム性の高さが求められる流れのなか、「位置ゲー」と呼ばれるジャンルが人気となってきた。携帯電話の位置情報認識機能を取り入れたゲームで、代表格はコロプラ(非上場)の「コロニーな生活」シリーズ。地下鉄の東京メトロ(非上場)と協業で、地下鉄各駅で位置情報を登録すると場所と連動したアイテムが得られるキャンペーンを行い、認知度が高まっている。 「位置ゲー」の要素を取り入れると開発コストが跳ね上がることもあり、上場企業ではケイブ <3760> が城下町作成ゲーム「しろつく」をヒットさせているのが目立つ程度。他では、ngi group <2497> の「みんなの昆虫コレクション」などがある。ただ業界では、「リアルとの連動」が今後の重要なテーマ。イベントなど実社会と連動させた仕掛けを盛り込めるかが勝負という声が多い。その意味でも「位置ゲー」要素を取り入れる動きが活発化してくるだろう。 一方、ソフトバンク <9984> は7月、世界最大のソーシャルゲーム企業、米ジンガとの合弁会社ジンガジャパンの設立を発表。モバイル中心という日本独特の市場に乗り込んできた。ジンガは「マフィアウォーズ」など日本のソーシャルゲームにも多大な影響を与えた作品を多く手掛ける。 ジンガは米国において、「グリーンジャイアント」ブランドで知られる米加工食品大手ゼネラル・ミルズと協業し、「グリーンジャイアント」のパック野菜などを買うとジンガの農業ゲーム「ファームビル」内通貨が得られる「リアルとの連動」でも一歩先を行く。ジンガは8月に人気の「位置ゲー」「まちつく!」などを手掛けるウノウ(非上場)を買収。今後、日本の有力企業を次々と傘下に収めようとする可能性もあり、折に触れ再編思惑も浮上しそうだ。 9月16日(一般公開18日)から東京ビッグサイトで世界的見本市「東京ゲームショウ2010」が開催される。家庭用ゲームが出展の主体だが、近年はモバイルゲームの出展も増加。そうしたなか、17日にミクシィ <2121> 、グリー <3632> の開発責任者を招いてソーシャルゲームの講演が行われる。ソーシャルゲームも併せて出展するメーカーも増えるとみられ、カプコン <9697> 、バンダイナムコホールディングス <7832> など各参加社の動向も合わせて確認しておきたい。
昨年後半からソーシャルゲームの人気が爆発し、今年に入ってからソーシャルゲーム(ソーシャルアプリ)の開発プロジェクトが相次いで開催されている。 レンタルサーバーなど中小企業向けネットサービスを展開するGMOインターネット <9449> は今年2月、「アプリやろうぜ!」プロジェクトをスタート。同プロジェクトのカンファレンスには定員をはるかに超える1000名以上の参加申し込みがあり、550以上の個人、法人がエントリー、27チームが審査を通過して同社から総額3億円のゲーム開発の支援を受けることとなった。この27チームのうち、8月末までに21チームがソーシャルゲームをリリースしている。 また、同社は同プロジェクトを進めるとともに、そのノウハウを生かして、8月にソーシャルアプリに最適化したサーバー「GMOアプリクラウド」サービスを開始。「ソーシャルゲームがヒットするためにはサーバーの効率的な運用、トラフィックの分析が重要。当社にはいずれもノウハウの蓄積がある」(GMO)という。仮に、「アプリやろうぜ!」プロジェクトが失敗したとしても、同プロジェクトが「GMOアプリクラウド」サービスの広告・宣伝として大きな役割を果たすことになりそうだ。 一方、ネット広告を手掛けるオプト <2389> も「ソーシャルアプリコンテスト」を開催。グリー <3632> 、ディー・エヌ・エー(DeNA) <2432> がプラットフォーマー特別協賛、ニフティ <3828> がクラウド協賛で、ソネットエンタテインメント <3789> 、インタースペース <2122> 、ビットアイル <3811> がゴールドスポンサー、アイティメディア <2148> がメディアスポンサー、ITホールディングス <3626> 傘下のTISが公式コミュニティーエンジン提供、ドリコム <3793> が審査員協力など、数多くの上場企業が関わっている。 なかでも、ニフティはゲーム開発用に「ニフティクラウド」を無償提供。同社のクラウドサービスは開発からサービス開始までの期間短縮、コスト削減に有効で、以前からソーシャルゲーム関連の利用が増えていたという。 また、データセンター運営のビットアイルは8月、グリーと提携しグリー向けソーシャルアプリ開発パートナーを対象としたインフラ支援サービスをスタート。さらに、ソーシャルアプリケーションプロバイダー(SAP)向けに特化したインフラサービス「エントリーパッケージfor Social」の提供も開始した。これは、新規にソーシャルアプリ開発に参入するSAPに対し、インフラとして必要な機器、ネットワーク、運用サービスなどをパッケージ化して提供するサービスだ。 このように、ソーシャルゲームのヒットが新市場の構築につながり、関連する多くの銘柄にビジネスチャンスが訪れている。今後、SNS関連銘柄の業績、株価にはより目を向けていきたい。 PR |
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