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2010 08,22 17:00 |
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<特集>次世代携帯電話規格「LTE」始動迫る (1)=データ通信料増大で必要性高まる LTE(Long Term Evolution)サービスの開始が迫っている。これは次世代携帯電話の通信規格のこと。現在、国内で主流となっている第3世代(3G)携帯電話を発展させた、3.9世代に当たる。強みは「高速」「大容量」「低遅延」。携帯電話でのデータ通信利用の比重が高まっているだけに、ユーザーの関心は高い。そこで本特集では、LTEの概要から、先陣を切ってサービスをスタートさせるNTTドコモ <9437> の動き、そして基地局設置による恩恵が見込まれる基地局ベンダーの動向を探った。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
最近の携帯電話は、各キャリアが割安プランを導入したことなどの影響で、音声通話が減少傾向にある。その半面、ソフトバンク <9984> 傘下のソフトバンクモバイルのiPhoneなど、スマートフォン(多機能携帯電話)が普及していることで、データ通信の利用が増加している。NTTドコモの山田隆持社長は7月の決算説明会で、「当面、データ通信量は毎年、倍々で増えていく」との見通しを語った。現行の3Gではいずれ対応しきれなくなる可能性が高く、「高速」「大容量」「低遅延」のLTEの必要性が高まっている。 なお、LTEは3Gを発展させた技術であり、将来的にサービス開始が予定される第4世代(4G)携帯電話とは異なる。4GはIMT-Advancedと呼ばれ、3Gが普及し始めた06年ごろから研究が進められている。LTEは3Gから4Gへの橋渡しになる役割もあるとの考えから、効率よく4Gに移行することを想定して開発されたが、通信速度が飛躍的に向上することなどで連続性が少ないことから、海外ではLTEを4Gと呼ぶケースもあるようだ。 NTTドコモは業界に先駆け、今年12月に商用化サービスをスタートする予定。さらに、ソフトバンクモバイル、イー・アクセス <9427> 傘下のイー・モバイルは11年、KDDI <9433> は12年にLTEサービスを開始すると表明している。2Gから3Gへの移行に数年かかったように、今後、長期的にLTEへの移行が市場のテーマになりそうだ。 NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、イー・モバイルが総務省に提出した14年までの設備投資計画によると、LTE関連の投資総額は1兆1297億円に及ぶ。これは初期投資の額であり、実際にはさらに膨らむ可能性が高い。そこで、携帯電話キャリアだけでなく、NEC <6701> 、富士通 <6702> などの基地局ベンダー、アンリツ <6754> 、アルチザネットワークス <6778> 、ネットワンシステムズ <7518> など携帯電話の基地局に関連機器を納入する銘柄にも注目したい。
NTTドコモ <9437> は今年12月に、日本で初めてLTEサービスを開始する。ソフトバンク <9984> 傘下のソフトバンクモバイル、イー・アクセス <9427> 傘下のイー・モバイルは11年、KDDI <9433> は12年のサービス開始予定を表明しており、競合他社より数年早い。業界のリード役として他社に先行し、顧客の囲い込みを図る構えだ。 NTTドコモのLTEサービスのブランド名は「Xi(クロッシィ)」。「X」は「人、物、情報のつながり」や「無限の可能性」を、「i」は「イノベーション」や「私」を意味しており、さまざまな人、物、情報が有機的につながり、新たなイノベーションを引き起こしていくことを表現しているという。さらに、「X」と「i」の文字を複合的にデザイン化し、そのつながりを直感的に感じさせるとともに、そこから生まれる無限の可能性も表している。 「Xi」の強みはLTEならではの「高速」「大容量」「低遅延」だ。従来のFOMA(HSPA)と比べて、速さでは約10倍、容量の大きさでは約3倍、低遅延性では約4分の1を実現する。これにより、大容量動画などリッチコンテンツの配信に適しており、従来より高度なサービス展開が可能になる。例えば、現在はスマートフォンなどで実現しているテレビ電話がストレスなく利用できるほか、AR(拡張現実)が普及するきっかけになる可能性もある。まずはパソコンなどに接続して使用するデータ通信専用機種を発売し、11年3月期の冬春モデルでLTE対応の携帯電話を発売する予定だ。 問題は同サービスをカバーする地域。これまで、携帯電話の新サービスは開始当初、カバーエリアの少なさから実用に向かないとして敬遠される傾向があった。「Xi」の場合は東京、名古屋、大阪の東名阪地域から開始し、12年3月期には県庁所在地、政令指定都市、13年3月期には全国主要都市にエリアを拡大する計画。LTEの本格的な普及は12年以降ということになりそうだ。 一方、ソフトバンクモバイル、イー・モバイル、KDDIも順次LTEを導入していく予定で、現在は各種の実験を行っている段階。中でも、KDDIは第3世代において他社と周波数の異なる規格を採用していたが、第3.9世代では他社と同じLTEを採用した。各社のLTEサービスが出そろえば、改めて競争が激化することが予想される。
LTE関連の投資、なかでも基地局関連の投資は中・長期的に、それも年々拡大していくと予想される。先陣を切るNTTドコモ <9437> は今年12月に東京、名古屋、大阪の東名阪地域からサービスをスタートしたあと、12年3月期には県庁所在地、政令指定都市、13年3月期には全国主要都市にエリアを拡大する計画。エリアの拡大に伴って、基地局関連の投資が増えることはまず間違いがない。さらに、ソフトバンク <9984> 傘下のソフトバンクモバイル、イー・アクセス <9427> 傘下のイー・モバイルが11年に、KDDI <9433> は12年にサービスを開始する。NTTドコモのサービス開始から数年間にわたって、基地局関連投資が続く公算は大きい。 基地局関連企業の動向を見てみよう。サービス開始が迫るNTTドコモは、基地局ベンダーとしてNEC <6701> 、富士通 <6702> などを選定。NECは今年3月に屋外向けの商用無線基地局装置の出荷を開始。6月には屋内無線装置を出荷した。前者は通常の装置、後者は主に低出力無線装置であり、屋外用基地局だけではカバーできない地下やビルなどに設置される。また、山間部などでも設置が容易になるという。富士通も今年3月に商用無線基地局の出荷を開始した。来年以降の見通しについて、NECでは、「当然装置の出荷が増えるとみている」と期待を寄せている。 KDDIはコアネットワーク機器ベンダーに日立製作所 <6501> を、無線基地局ベンダーには、NECとモトローラを選定している。NECによると、現在は、試験を行っている段階だ。 総務省の資料によると、各キャリアの基地局申請計画数は2014年度末までに6万5449局。ただ、サービスエリアの拡大や競合他社との対抗による必要性から基地局数が膨らむとの見方もあり、11万局になるとの予想もある。 携帯電話の2Gから3Gへの移行の場合と同様、LTEへの移行にも数年程度の時間がかかると予想される。また、サービス開始後に想定以上にLTEが盛り上がる可能性もある。LTEは、今後数年にわたって通信分野の大きなトピックとなることが見込まれるだけに、携帯電話キャリアはもちろん、基地局、機器関連、付随するコンテンツ関連など、周辺企業へのマークは欠かせないだろう。 PR |
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