2024 11,23 00:40 |
|
2010 08,14 09:00 |
|
【日本株週間展望】真夏に弱気の虫騒ぐ、円高恐れ輸出中心に下値探る 8月3週(16-20日)の日本株相場は、市場参加者の心理が弱気に傾いており、下値模索の展開が続きそう。米国の景気不安、低金利の持続観測から15年ぶりの円高・ドル安となった為替相場が大きく反転するきっかけを見出しづらく、輸出関連株を中心に収益の先行きを警戒した売りに押される。 東海東京証券エクイティ部の倉持宏朗部長は、「為替の不透明感からリスクマネーが逃避し、米景気の不透明さが低金利政策の長期化につながると見ている投資家は多い。為替など外部要因に振らされ、上値の重い状況が続こう」との予想だ。 株式投資家の悲観度を示すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数(VIX)は11日、前日比14%高の25.39と、1カ月半ぶりの上昇率を記録した。米連邦準備制度理事会(FRB)が10日開催した連邦公開市場委員会(FOMC)後の声明で、米景気の回復ペースが今後鈍る可能性に言及。以来、ドル安、米国株安への警戒が一気に広がっており、金融市場波乱の兆しをVIXの急騰は物語る。 11日のニューヨーク外国為替市場のドル・円相場は一時1ドル=84円73銭と、円が史上最高値を付けた1995年以来のドル安・円高水準に達した。米ダウ工業株30種平均のチャートには、投資家の短中期売買コストを示す25日移動平均線を下抜け調整ムードが漂い、金融機関の資金需要の強さを映し、ドル建て3カ月物ロンドン銀行間取引金利(LIBOR)の下げ幅は昨年9月以来で最大だった。 「FOMC後の株価下振れは、最も恐れていたシナリオ」と話すのは、ちばぎんアセットマネジメントの桶矢雅嗣運用部長。日経平均のPER(株価収益率)が15.6倍と今年最低水準に落ち込むなど、各種投資指標は割安圏に入ってきたが、投資家の間で「弱気派が増えている。現物株に押し目買いが入っても、同時にヘッジで先物売りが出やすく、相場は反発しにくい」と桶矢氏は言う。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
荒れもようの為替、海外株式・金融市場の影響を受けた8月2週の日本株は、日経平均株価が4%下げ4週ぶりの下落。12日には一時9065円と昨年11月のドバイ・ショック時の安値も抜け、同年7月以来の低水準に沈んだ。FRBは今回のFOMCで、政府支援機関債や住宅ローン担保証券の償還元本を国債に再投資する政策を決定。また、日本の政府と中央銀行も、円高けん制の姿勢をようやく見せ始めたが、こうした当局の相場安定化努力にも、市場参加者は満足していない。 東海東京証の倉持氏は、FRBの決定に「想定内のこと。さらに突っ込んだ政策が期待されていただけに、そもそも雇用統計の低調などで調整の必要があった米国株に不安が出てきた」と指摘。日本の政策当局には、「FRBと比べ日銀の対応が遅くなるとの印象をぬぐえない。本当に日本株は主体性のない状況で、ねじれ国会を乗り切る政府努力も含め、海外へのアピールが必要」と強調する。
ただ、世界的に財政出動効果が薄れ、自国の輸出産業を後押しする意味でも米国、欧州各国にとってドル安、ユーロ安は歓迎材料だ。クレディ・スイス証券の市川眞一チーフ・マーケット・ストラテジストは、米国は景気の下支えを金融政策に頼らざるを得ない状況で、「内心ではドル安を歓迎する可能性が高そう。米国が中間選挙を控えるだけに、日本政府による明確な為替介入は難しい」と見る。 財務省の外国為替平衡操作の実施状況によると、2004年の3月以降、同操作の実績はない。市川氏は、日本株上昇のきっかけは「日銀による次の一手採用」とするが、白川方明日銀総裁は10日の金融政策決定会合後の会見で、米経済や為替の影響に留意しつつも、「今のところ日本経済は展望リポートや先月の中間評価の想定に沿って回復傾向をたどる、と判断している」と発言。市場の期待と日銀との間にはなおギャップがありそうだ。
09年はマイナス3.4%、08年はマイナス2.7%、07年はマイナス8.9%。毎年8月3週の日経平均は、盆休みなど夏季休暇シーズンの盛りで市場参加者も少なく、売買高が低調な中、為替や07年のサブプライム・ローン問題のような海外発の材料で大きく値を崩すケースが目立つ。今夏は円高、米景気不安の払しょくか政策発動を通じたトレンド変化が確認できるまで、日本株の危うさは続く。 8月3週の日本株に影響を与え得る材料は、国内では16日に4-6月(第2四半期)の実質国内総生産(GDP)が発表予定。ブルームバーグがまとめたエコノミストによる成長率予想の平均は前期比年率プラス2.3%と、輸出増加の持続などから5四半期連続のプラス成長となるもよう。しかし、前四半期の同プラス5%からは鈍化しそうで、相場の押し上げ材料としては力不足とみられる。 海外でも重要経済統計の発表が多い。米国で16日に8月のニューヨーク連銀製造業景気指数、17日に7月の住宅着工件数と鉱工業生産、19日に8月のフィラデルフィア連銀指数や7月のコンファレンスボード景気先行指標総合指数など。欧州では17日にドイツのZEW景況感調査などがある。 ゴールドマン・サックス証券では12日、TOPIXの今後12カ月の目標値を従来の1020ポイントから920ポイントに下げた。チーフストラテジストのキャシー・松井氏によると、GDP見通しの引き下げや円高進行の見方から、日本企業の「業績回復が抑制され、会社計画も過度に慎重なものではなくなるのではないか、と考えるようになった」ため。景気敏感セクターの比率を減らし、ディフェンシブ・セクターの比率を高めることを推奨している。
●中央証券・大越秀行株式部長 「為替にらみの相場展開が続き、下振れリスクを食い止められるかが焦点だ。菅直人首相と日銀の白川方明総裁が会談すると言われているが、10日の日銀決定会合後の声明では危機感が感じられなかっただけに、何らかの形でそれを修正できるか。下振れリスクを念頭に置くと、投資対象は下値不安が少ない高利回り株や低PBR銘柄から選別したいところ。日経平均は7月以降、9000円台で何度も反発に転じており、この心理的な水準は相当意識されている」
「為替相場に比例し日経平均も動く。政府・日銀がどれだけ真剣味をもってこの局面を打開できるかにかかっている。単に目先の円高阻止策と捉えるのではなく、是が非でもデフレを脱却すると宣言し、なりふり構わず政策を出していけば、株式市場もプラスに受け止めるのではないか。短期リバウンドを狙って安易に手を出すと大けがをする。NTTドコモ、武田薬品工業、任天堂などのブランド銘柄の配当利回りは3%超。配当利回りに着目して中長期視点で買いを入れたい」
「円高が一服したとはいえ、ポジション調整の範囲を出ておらず、投資家は動けない。米国株は、ナスダック総合株価指数が天井確認の状況になっており、本格的に上昇に転じるのは難しいだろう。日経平均は9000円を割り込むと節目はなく、そのまま下げていく可能性がある。為替介入は金の無駄使いだ。介入して資金量が増えたとしても、海外のヘッジファンドに流れ込み、急落に拍車をかけるだけだ」 記事:東京 院去信太郎 Shintaro Inkyo PR |
|
コメント |
コメント投稿 |
|
trackback |
トラックバックURL |
忍者ブログ [PR] |