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2010 08,07 12:00 |
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東京市場は円高警戒一色、米雇用統計に懸念山積 注目の7月米雇用統計の発表を今夜に控え、東京市場はこう着。株・債券・為替ともに小動きに終始した。市場では米雇用統計が労働市場の悪化を示せば、米金融緩和観測の高まりが株安を引き起こす一方、日米金利差の縮小が大幅なドル安/円高につながりかねないと警戒する声が出ている。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
外為市場では、ドルの上値の重い展開が続いている。前日海外の取引では、予想を上回る米新規失業保険週間申請件数を受けてドル/円が一時85.71円まで下落。4日につけた8カ月ぶり安値にあと40銭まで迫った。トリシェ欧州中央銀行(ECB)総裁が景気に明るい見方を示したことで、ユーロ/ドルも一時1.3236ドルまで上昇。主要通貨に対するドルの値動きを示すドル指数は一時80.529と4日以来の水準へ反落し、大きく割り込めばテクニカル的に強い売りシグナルとなる200日移動平均線上での攻防が続いている。 東京の外為市場関係者は、米雇用統計後の米株価や米金利の反応に関心を寄せている。指標が事前予想を大きく下回って米国株が勢いよく下落する展開となれば、従来からのドル安圧力に加え、株安がリスク回避の円高圧力を強める可能性があるためだ。全般的なドル安圧力に円買い手掛かりが加われば、対ドル以外でも円高が進むこととなり、ドル/円の下げは加速しかねない。 今回の米雇用統計には、政府部門に国勢調査に伴う一時雇用の反動減という特殊要因があるため、市場では民間部門の行方に関心を寄せる声が多い。「民間部門が予想外の減少にでもなれば米株が大きく下落しかねず、そうなれば円は全面高となる可能性もある」(都銀)という。ロイターが集計した民間部門予想の中央値は9万人の増加で、予想レンジは1万人増―15万人増。失業率の中央値は9.6%でレンジは9.2―9.7%だった。非農業部門雇用者数全体の事前予想は、予想中央値で6万5000人の減少。予想レンジは16万人の減少から1万人の増加。
株式市場では日経平均が小反落となっている。1ドル85円台の円高基調を嫌気して輸出株を中心に売り先行、下げ幅は一時100円を超えたが、売り一巡後は下げ渋る展開となった。「今晩の7月米雇用統計発表を控えて実需勢の商いが細る中、欧州系証券による先物大口売買に振り回されている。国内の政策期待が乏しく、新規の買い手掛かりは見当たらない」(準大手証券エクイティ部)との声が出ている。 米国で5日発表された新規失業保険申請件数が予想外に増加したことを受け、今後も米経済の低成長が続くとの懸念が強くなっている。米債券市場は追加緩和も織り込みつつある状況で、円高進行への警戒感がぬぐえない。三菱UFJモルガン・スタンレー証券投資ストラテジストの山岸永幸氏は「現在の為替水準であれば日経平均は8000円台まで下がってもおかしくないが、4─6月期の企業の好決算に下支えされて9500円台を維持している。ただ、下期以降の円高を企業はまだ織り込んでいないため、下期の業績は厳しくなる可能性がある」という。山岸氏は「米国は中間選挙を控えて、オバマ大統領は景気押し上げでアピールする必要があるが、景気対策などの財政出動は実効性が難しい。結果として輸出倍増計画/ドル安誘導スタンスしか選択肢がない。当面は円高圧力が続くだろう」との見方を示している。 焦点となっている今晩発表の7月米雇用統計については「4日発表の7月のADP全米雇用報告は市場予想を上回っており、雇用統計もそれほど悪くならないとみている。ただ10日の米連邦公開市場委員会(FOMC)までは様子見気分が続きそうだ」(マネックス証券チーフ・エコノミストの村上尚己氏)との指摘が出ている。
円債市場では、国債先物が続落した。現物国債利回りは長期・超長期ゾーンが上昇し、イールドカーブはスティープニングする形状となった。米雇用統計を控えたポジション調整の動きが主因とみられる。 外資系金融機関の運用担当者は「イベント前に10年ゾーンで利益を確定する邦銀勢のオペレーションが影響したのではないか」と話した。邦銀の関係者は「長期ゾーンから中期ゾーンに持ち替えている動きもあった」と話した。 4日の東京債券市場で指標銘柄である10年国債利回りが一時、前日より0.040%低い0.995%となり、2003年8月以来7年ぶりの低水準を付けて以降、高値警戒感がくすぶっている。外国為替市場で一時、昨年11月のドバイ・ショック以来の円高水準となり、「日銀の追加金融緩和が現実味を帯びてきた」(大手銀行の幹部)との声がある一方、「日銀が切るカードは少ないのでは」(前出の邦銀)との指摘もある。 米連邦準備理事会(FRB)が、来週10日に開催する連邦公開市場委員会(FOMC)で金融緩和に踏み切れば、日米の金利差縮小によりドル安/円高がさらに進行しかねないが、債券買いで反応できるかどうかは微妙な情勢、との声もあった。 (ロイター 基太村真司記者:編集 石田仁志) PR |
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