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2010 08,07 09:00 |
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【日本株週間展望】過度な悲観の反動で上昇、米日金融政策と為替注視 8月第2週(9-13日)の日本株相場は上昇が予想される。米連邦公開市場委員会(FOMC)などの重要イベントを通過するに連れて、米国景気の悪化は懸念ほどではないとの見方が広がり、好調な企業業績を背景とした株価の見直し買いが入りそう。米日の金融政策と為替の動向が注視される。 三菱UFJ投信の関口研二戦略運用部長は「現在の相場は景気に対する過度な悲観からの修正局面にある」としたうえで、米国景気の関数となっている為替についても、「二番底懸念が薄れるとともに、今後2-3カ月かけてドル安・円高が修正されていくだろう」と予想する。 第1週の日経平均株価はその前の週に比べ、1.1%(104円)高の9642円で取引を終了した。東京都心の7月末のオフィス平均空室率低下による業績改善期待から不動産株が買われたほか、米景気の減速懸念の和らぎから商社株、業績好調が評価された自動車株が上げた。 6月に軒並み悪化傾向を示していた米国の経済統計は、最新の7月統計では一転して底堅さを示している。米供給管理協会(ISM)が発表した7月の製造業景況指数は55.5と、前月からは低下したが、ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想中央値54.5ほど悪化しなかった。またISM非製造業総合景況指数は54.3と、前月の53.8から上昇し、エコノミスト予想の中央値53も上回った。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
米経済の悪化ペースは加速せず 「米国経済は減速気味で基調こそ強くないものの、7月は6月に比べて悪化が加速している感じは出ていない」と、ニッセイアセットマネジメントの久保功株式ストラテジスト。10日に予定されているFOMCについて、久保氏は「景気判断を変更しても、7割程度の確率で緩和策については具体的な行動を起こさないだろう」と予想する。 金融市場では今回のFOMCで、銀行の余剰準備に支払う金利の引き下げのほか、米国債や住宅ローン担保証券(MBS)の追加購入といった追加緩和措置に対する観測が出ている。しかし、バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は2日、景気が「緩慢に」拡大するなかで、個人消費は「上向く公算が大きい」と発言している。 金融緩和に踏み込まなければ、景気の回復基調は崩れていないとの見方が広がりそう。4-6月国内総生産(GDP)、雇用統計、FOMCと目先の重要イベントを通過することで、行き過ぎた悲観論や米金融緩和期待を背景とする為替のドル安・円高の流れが一時的に反転する可能性がある。
一方、足元の企業業績は好調だ。みずほ証券リサーチ&コンサルティングによると、5日までに決算発表を終えた東証1部の4-6月決算企業792社(社数ベースで全体の67%、時価総額ベースでは同90%)の経常利益は前年同期比3.7倍で、全体の75%が増益を確保した。 三菱UFJモルガン・スタンレー証券の鮎貝正弘シニア投資ストラテジストは「為替の想定レートを円高方向に修正しても、売上高が伸びていることで2011年3月期の通期利益は据え置きか増額修正する企業が多くなっている」と指摘。このため多少の円高でも業績下方修正リスクは逆に低減しているとし、「現在より下値を売り込むのは難しくなっている」とみる。 もっとも、日経平均で9800円からの上値は重そうだ。米国の景気は予想ほどの悪化ペースではなくても、傾向は減速気味。一時的にドル安・円高の反動局面が訪れても、景気減速懸念・デフレ期待を完全に払しょくするほどではなく、「基本的にドル安の流れは続きやすく、1ドル=80円を視野に入れた円高リスクは根強い」と、ユナイテッド投信投資顧問の井上淳最高投資責任者(CIO)は強調する。
第2週は、日本でも9、10日に日本銀行の金融政策決定会合が開かれる。井上氏は「為替市場は日銀から政策対応を引き出すための催促相場になる可能性があり、株式市場も下値リスクを考えておく必要がある」という。内外景気の先行き不透明感、日米の超低金利長期化観測、円高傾向から、日本の長期金利は4日、7年ぶりに1%を下回った。 金融政策決定会合では、7月中旬の前回会合から円高が進んでいるだけに、日銀が固定金利オペの増額など追加緩和措置を打ちだすか注視されている。シティグループ証券の村嶋帰一チーフエコノミストは「今回の円高・ドル安の主因は、米国景気の再減速を示す経済指標の増加や追加金融緩和観測の高まりであり、日銀の限界的な追加緩和が明確かつ持続的な影響を円ドル相場に与える可能性は低い」とし、今回は日銀が動かないだろうと予測している。 このほか、米国で11日に6月貿易収支、13日に7月の小売売上高や消費者物価指数、8月のミシガン大学消費者信頼感指数などが発表される。国内では9日に7月景気ウオッチャー調査、11日に6月機械受注が発表予定で、13日は日経225オプション8月限の特別清算値(SQ)算出がある。
●コスモ証券投資情報部の清水三津雄副部長 「米国の景気回復は鈍化しており、FOMCで金融緩和に踏み切る可能性がある。ただ、足元の円高で緩和を織り込んでいるため、緩和決定となれば出尽くしから円安になるだろう。為替の先行き不透明感が後退し、相場は反転に向かうとみており、日経平均の予想レンジは9400-9800円」
「FOMCで追加金融緩和があったとしても、金融市場ではかなり織り込んでおり、為替動向などで波乱はないだろう。日経平均の1株利益は5日時点で596円と今年のピークを付けた。1株利益がさらに切り上がるのはほぼ確実で、これに着目した投資家が買いに動き始める時期が近づいている。日経平均は7月14日の直近高値9807円を上抜けば、ショートカバー(売り方の買い戻し)も巻き込み、1万円台回復を期待できる」 記事:東京 長谷川敏郎 Toshiro Hasegawa PR |
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