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2010 07,31 09:00 |
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【日本株週間展望】飛躍の前の一屈、経済指標にらみ好業績銘柄を吟味 8月第1週(2-6日)の日本株相場は7月末の水準でこう着する見通し。世界的な危機感共有から金融機関に対する当局の監督姿勢が昨年末より和らいでいる。金融株の見直し買いをきっかけに投資家のリスクテーク力が回復、8月半ばにかけては日本株も欧州や米国に追随する形で騰勢を強めそう。 ニッセイアセットマネジメントの久保功株式ストラテジストは、世界の株式相場は「底固めの時期」と表現する。米国経済指標の発表が相次ぐ第1週は売買が手控えられると読むが、「8月半ば以降は、景況感改善を先取りしながら世界の株価が再び上向くとみられ、日本株も戻るだろう」とした。 7月第4週の日経平均株価終値は、前週末比1.1%高の9537円30銭。23日の欧州ストレステスト(健全性審査)結果公表を受け、過度の不安が後退したところに、バーゼル銀行監督委員会が26日に公表した新しい規制の枠組み案で、繰延税金資産や他の金融機関への出資をコアTier-1に参入可能としたため、ヘッジファンドなどとみられる資金が銀行株に流入、相場の地合いが大きく改善した。 TOPIX構成銘柄のうち、3月決算企業で29日までに4-6月(第1四半期)決算を開示したのは290銘柄。うち2011年3月通期EPS(1株当たり純利益)予想を変更したのは43銘柄で、上方修正が39、下方修正が4。三菱UFJモルガン・スタンレー証券によると、28日までに開示した企業124社(金融を除く)の経常利益合計額は前年同期の4.6倍に拡大、通期EPS予想の修正率はプラス3.1%だという。 RBCインベストメントの武田洋二ファンドマネジャーは「日本企業の決算は非常に良いので、ドル・円相場がある程度安定すれば日本株もまた上に向かうだろう」と述べている。 8月第1週は計459銘柄が業績内容を開示する予定。帝人、住生活グループ、HOYA、三井物産、トヨタ自動車、東レ、ロームなど時価総額の大きい企業群の株価変動に注目が集まりそう。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
日経平均チャートでは上昇の兆し 三菱U証の宮田直彦チーフ・テクニカルアナリストは、チャートの波形・比率・時間などから先行きを予測する「エリオット波動理論」から、日経平均が7月28日に9760円を付け、4月と6月の高値を通る抵抗線(9640円)を上抜いたことに注目、「7月8日に底入れしたとの見方は一段と強化された。目先の強気トリガーポイント(一段高のきっかけとなる株価水準)は7月14日高値の9807円」と語る。 同氏は、現行のサイクルは強気型ととらえることができ、10年末から11年春にかけて4月高値(1万1408円)を更新するチャンスもあると読む。 クレディ・スイスグループでは10年末の主要株価指数のターゲットを米S&P500種指数が1220(現状比11%高)、ストックス・ヨーロッパ600指数を295(同15%高)、日経平均を1万500円(同10%高)と想定、顧客に対する推奨ポートフォリオを、株式65%、政府債24%、社債3%、現金8%と設定している。
8月第1週は、2日に米供給管理協会(ISM)が7月の製造業景況指数を発表するなど、米国の景気実態を測る指標が多く公表される。3日には6月の個人消費支出と中古住宅販売成約指数、5日にオートマティック・データ・プロセッシング(ADP)エンプロイヤー・サービシズによる同月の米民間部門の雇用統計、新規失業保険申請件数、6日に7月の雇用統計を控える。 日本の輸出動向をみるうえで重要視される米ISM製造業景況指数は、エコノミスト23人による予測中央値が54.5で、6月の56.2から悪化する見込み。レイモンド・ジェームズ&アソシエーツのスコット・ブラウン・チーフエコノミストは「成長はなお前向きと思われるが、かなり精彩を欠いている」と分析、回復ペースの鈍化を想定している。 一方、ドイツをはじめユーロ圏の景気見通しは明るくなっている。欧州連合(EU)の欧州委員会が29日発表した7月のユーロ圏景況感指数(速報値)は101.3と、08年3月以来の高水準となった。ブラウン・ブラザーズ・ハリマンのシニア為替ストラテジスト、ウィン・シン氏は「ドルには弱気、ユーロには強気といった姿勢だ」と指摘、多くの投資家が押し目でユーロを買っているという。 三井住友銀行の宇野大介チーフストラテジストはユーロ・ドル相場について、「節目が集まる1ユーロ=1.31ドル台を明確に上抜ければ中長期の買いサインが点灯し、ユーロはV字型の上昇軌道に乗る」と予想、9月に1.40ドル台に乗せ、年初来高値1.46ドルを目指すと読む。東京時間30日午後4時半現在は1.3062ドル。 ユーロ・ドル相場の動きに連れてドル・円やユーロ・円相場が振れる可能性もあるが、「老舗為替CTA(商品投資顧問)を中心に過去1カ月間でかなり円ロングポジション(買い持ち)が積み上がっており、ドルに対して円を買い上がる余力は乏しい」とパルナッソス・インベストメント・ストラテジーズの宮島秀直チーフストラテジストは述べ、極端な円高で日本株が売られるリスクは低いとみている。
●みずほ証券の瀬川剛エクイティストラテジスト 「日経平均は9500円を挟み上下300円の価格帯でこう着すると予想する。29日公表の財務省対外対内証券売買契約では、海外投資家の売買代金が今年最低レベルまで落ちた。8月15日を中心にヘッジファンドの解約予約期限を迎えるが、ドイツの空売り規制などサプライズのあった5月と比べると、アンワインド(反対売買)が厳しくなることはないだろう。米国議会も夏休みのため新たなサプライズは想定しにくい」
「米経済指標と為替相場をにらみながらの状況に変わりない。国内の主力企業の決算発表が一巡し、手掛かり材料難になるだろう。4-6月決算は足元の業績が順調であることを示したが、先行きを見たいということから、相場反転のきっかけになるのは難しかった。国内政局が不透明である上、為替が円高水準にあることから、相場のけん引役の外国人投資家の買いは期待できそうにない」
「ISM製造業景況指数など米経済指標は期待できないが、これまで鈍化傾向は先んじて織り込んできた。景況感が一段と悪化しそうだと受け取られない限り、相場は底堅い。予想を上回る企業業績を支えとする相場は続き、日経平均は7月高値の9800円を目指す動きとなりそう」
「マーケットは陽だまりのなかで上昇を続けている。銀行業界の強力なロビー活動が実り、18年までバーゼル3の導入時期を先送りしたことが今回の上げのカタリスト。米S&P500種指数がトレーディングレンジ上限の1150ポイントまで上昇するとの従来の投資戦略を継続」 記事:東京 鷺池秀樹 Hideki Sagiike PR |
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