『土用餅（どようもち）』と『鰻（うなぎ）』（京都の休日１４７）

　今年の「土用の丑の日」は７月26日（月曜日）です。

　「土用」とは、中国の五行説から来た言葉です。
古代中国では、世界は木火土金水の五要素で成り立っていると考えられており、
この五行ですべての有為転変を説明しようとしました。
しかし、四季と合わせようとすると、数が合いません。

木ー春
火ー夏
金ー秋
水ー冬

こうして、土が余ってしまいます。
そこで、土はすべての季節の最後に割り振り、
四季それぞれの終わりの、立春、立夏、立秋、立冬の前の18日間を
「土用」としました。季節の区切り近くになると、
土の気が強まって季節の変化がもたらされる、と考えたのです。

したがって、四季それぞれに土用はあるのですが、
夏の土用だけがクローズアップされています。
これは、夏の土用の頃は暑さがきびしくて身体にこたえ、
天候が作物の生育に影響する時期でもあるため、
強く意識されたせいかもしれません。

そして、「丑の日」の「丑」は、
十二支（子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥）の丑です。

昔の人は、日にも時刻にも十二支をあてはめて暮らしていました。
土用の中でも丑にあたる日が「土用の丑の日」です。
土用は18日間ですから、年によっては丑の日が２回あります。
今年は１回で、「土用の丑の日」は７月26日（月曜日）です。
今年の土用入は７月20日で、土用明が８月６日です。

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[3回]

　土用の丑の日はうなぎを食べる！
夏バテ防止、スタミナ増強にはうなぎ！なぁ～んて言われているおかげで、
この時期うなぎの人気はうなぎのぼり。
ついでに相場もうなぎのぼり♪･･･だったらいいなぁ～･････

　もともとこの時期には精力をつけるために土用蜆（どようしじみ）、
土用卵と、精が付く食べ物を食べる習慣があったり、
「丑の日には「う」の付く食べ物（うどん、瓜、梅干など）を食べると体によい」
という言い伝えなどがありました。

うなぎは奈良時代から食べていたと知られているけれど
（先史時代からとの説もあり）この頃は、料理というより滋養食品として
食されていたようです。

土用の丑の日に食べるようになったのは、江戸時代からと言われています。

これには諸説あるらしいのですが、１番よくある話は、
江戸時代の学者、平賀源内が近所のうなぎ屋から、
夏はうなぎが売れないからどうしたらいいと相談され、
「本日は土用の丑の日」と看板を書いて宣伝したところ大繁盛し、
そのCM効果が今も続いてるというわけ･････
源内先生は今で言う名コピーライターって処ですかねぇ～･････

うなぎは豊富な脂肪分、良質なたんぱく質を含むので、
体力をつけるためには欠かせないお魚がうなぎ。
夏バテによって不足した栄養をうなぎから摂取するというのは
既に奈良時代から知られていたんですよねぇ～･･･って凄い！

特にビタミンAやEが非常に高いことで知られていて、
ビタミンAは、あの健康志向を代表するイワシの百倍！
神経や筋肉の働きを助け、疲労防止してくれるビタミンB1もいっぱいだから、
やっぱり夏バテ防止には欠かせないのですよねぇ～･･･♪

ちなみに、ビタミンAが不足すると･････
視力障害（夜盲症）になったり、皮膚や粘膜の抵抗力が落ち、
皮膚障害をおこしてしまう。
女性ならば、美しい素肌が台無しになる･･･そりゃぁ～勿体無い｡｡｡
ただし、ビタミンAは水に溶けない脂溶性ビタミンなので、
摂りすぎると体内に蓄積され、下痢、頭痛、肝臓障害をおこすこともあるので
注意して下さいね。

ちなみに、ビタミンAが多く、脂肪を多く含んでいるので
カロリーが高いと思われているけれども･････

・うな丼　　… 640Kcal
・天丼　　　… 745Kcal
・カツ丼　　… 893Kcal

･･･ってことで、丼ものの中では意外とカロリーが低めかもぉ～･････
カロリーを気にされる方は、ご安心を！

そうそう！好き嫌いがあるかと思うんだけれども、
山椒の香りがうなぎと良く合い、味を引き立たせてくれるということの他に、
山椒は脂肪の酸化を抑制し、さらに胃の消化を助けてくれる役目も
持っているんんですよねぇ～･････

そして、関東・関西の食べ方の違いがよく言われますけれども、
それは皆さん、お好み次第で食すのが一番です♪

ちなみに京都では、錦糸卵を上に乗せて戴きます。

そして、京都ではもう一つ、『土用餅（どようもち）』という
「餡衣餅（あんころもち）」を食べる風習があります。
これは京都では馴染みの風習です。
勿論この風習は、うなぎよりも古くからある風習で･････

　昔、宮中では、土用入りの日にカガ芋の葉の煮だし汁で餅米の粉を練り、
丸くまるめて味噌汁に入れ食べると暑気あたりをしない･･･
･･･と言う風習があったとか。
江戸時代中期には、餅を栄養のある小豆餡で包んで食べると、
夏季の悪病災難から逃れるというふうに変わりました。
以来、土用の入りの日にはあんころ餅を食べ、
その餅を土用餅と呼ぶようになったそうです。

小豆も砂糖も昔は貴重品でしたし、赤色も魔除けの効果が有ると
信じられていましたから･････

ちなみに「餡衣餅（あんころもち）」は
お彼岸に戴く「おはぎ」とは違って、
中身が完全なお餅だと言うことで区別しています。

京都では『棚から牡丹餅』の『牡丹餅（ぼたもち）』って言うのですが、
この『牡丹餅（ぼたもち）』、実は縁起が良いんですよねぇ～･･･！

「たなぼた」で有名な『棚から牡丹餅』を始めとして、
「たなぼた」と同じ意味の「開いた口に牡丹餅」
「牡丹餅で腰打つ」･･･は、幸運が向こうから舞い込んでくることをいいます。
「夢に牡丹餅（ゆめにぼたもち）」は、
都合が良いことばかり続き、夢ではないかと思うくらい幸運であるという意味！

･･･って事で、当家では毎年『土用の丑』の日には
『牡丹餅（ぼたもち）』を作ってご近所さんへお配りします。

お餅は暑さ乗り切る「力」のみなもと、赤い小豆は厄除けの効果。

お昼下がりはグリーン･ティと『土用餅』。夕食には「うなぎ」ですね。
 
今年も健やかに夏をお過ごしいただけますよう、
心より祈念いたします。

by CyberBizKiz,

Ｐ.Ｓ,　京都には「うなぎ神社」と言われる
京都市東山区にある『三嶋神社（みしまじんじゃ）』があります。
うなぎを祭っている神社で、毎年5月と10月に大放生祭を開き、
うなぎの供養が行われています。安産、子授け、夫婦和合のご利益あり。

「和合」･･･って合体のことだよねぇ～･････
「和合」かぁ～･･･良い響きだなぁ～･････
「ご利益」かぁ～･･･早速行って参ります。　ご利益！ご利益！

『三嶋神社（みしまじんじゃ）』
http://www.kaiun-goriyaku.com/26j-055.htm