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2010 07,17 10:00 |
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【日本株週間展望】軟調、米景気と円高警戒-ストレステストも待つ 7月第3週(20-23日)の日本株相場は軟調な展開となりそうだ。米国のマクロ景気の先行き不安、為替相場の円の先高観が重しとなり、投資家は積極的に上値を追えない。週末に欧州金融機関のストレステスト(健全性審査)の結果発表も控え、様子見姿勢が強まる可能性が高い。 ビスタマックス・ファンド・アドバイザーズの藤原正邦最高経営責任者(CEO)は、「海外次第の展開が続く。米国の経済統計で景気減速が示される一方、米企業業績に対する期待感はあり、その綱引き状態だ」と指摘。しかし、世界的に財政削減の方向にあり、「企業業績も次第に悪くなってくるだろう」と話している。 第2週の日経平均株価は、前の週末比1.9%安の9408円36銭で終えた。週末の参院選で連立与党が大敗、週初は買い手控えムードが広がった。米半導体最大手、インテルの好決算を受けて米企業業績期待から週半ばに大幅反発したものの、後半は消費など米マクロ景気の警戒感が再燃、為替相場でドル安・円高が進むと売りが優勢となった。 日経平均は、14日に14営業日ぶりに上回った25日移動平均線を週末に再び下回り、同移動平均線に跳ね返された格好となった。立花証券の平野憲一執行役員は、「強弱材料が混じり合う相場では株価水準が売買の材料になる。25日線を下回る水準では環境は厳しい」と見る。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
モメンタム鈍化、1ドル=87円割れ ここにきて投資家が警戒感を強めているのが、米景気と円高だ。14日に発表された6月の米小売売上高は前月比0.5%減と2カ月連続で減少。15日発表の7月のニューヨーク連銀製造業景況指数は5.1と、ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値18を大きく下回った。フィラデルフィア連銀製造業景況指数も5.1と、予想の10より悪かった。拡大と縮小の境目を示すゼロを上回り、拡大基調は示されているものの、期待値より低く、回復モメンタム(勢い)の鈍化が鮮明になっている。 米景気の回復鈍化懸念などから、米10年債利回りは15日の取引で6日ぶりに3%割れとなった。為替相場ではドルが軟調な動きとなり、ドル・円相場は東京時間16日の取引で一時1ドル=86円98銭と、1日に付けたことしの円最高値である86円97銭まであと1銭に迫った。同水準を下抜けると、09年12月以来の円高水準となる。 日本銀行が1日に発表した企業短期経済観測調査(日銀短観、6月調査)によると、2010年度の想定為替レートは1ドル=90円18銭。上期は90円20銭、下期90円16銭。足元のドル・円相場は想定より2円以上円高の水準にあり、業績の下振れ懸念が出ている。東洋証券情報部の大塚竜太部長は、「為替動向が一番の懸念材料だ。米国の経済指標の発表を受けた動きを注視しなくてはいけない」と警戒する。 第3週の米国では、住宅に関する統計の発表が相次ぐ。19日には7月の全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数、20日は6月の住宅着工件数、22日は6月の中古住宅販売件数など。またゴールドマン・サックス・グループ、バンク・オブ・ニューヨーク(BNY)メロン、モルガン・スタンレーといった金融機関の決算発表も本格化する。経済指標や米企業決算を受けたドルの動きが注目される。
第3週は、投資家の様子見姿勢が強まる可能性が高い。欧州銀行監督委員会が23日、欧州の金融機関91社を対象に実施したストレステストの結果を公表するためだ。ストレステストは保有する資産の内容を点検し、ソブリンリスク(政府債務の信認危機)など信用リスクが発生した場合に被る潜在的な損失を計測するもの。ギリシャなど国債を保有する金融機関への不安が高まっていることが背景にある。 ストレステストの結果、十分な自己資本を保有していないとなれば資本増強が求められるとみられる。EUの欧州委員会のレーン委員(経済・通貨担当)は、資本不足の場合、政府の支援を求める前に自力での資金調達を模索しなければならないとの考えを示している。 岩井証券イワイリサーチセンター長の有沢正一氏は、「ストレステストの結果をマーケットはどう受け止めるのか、ユーロはどう動くのかを見極めるまで、投資家は動きづらいだろう」と指摘。週後半の日本株相場は方向感の乏しい展開になる、と予想している。 このほか、第3週に注目される材料は、米国で20日にアップル、ヤフー、22日にキャタピラー、アメリカン・エキスプレスが決算発表を予定。国内では23日に日本電産、KDDIの決算があり、日本も本格的に企業業績へ目が向く時期に入っていく。週初19日は海の日の休日で東京株式市場は休場。
●日産センチュリー証券ディーリング部の菊池由文部長 「日経平均で9000-9800円のボックス相場が続くとみるが、目先はレンジの下限を試す展開が予想される。米景気の先行き不安を織り込み切れておらず、ドル安・円高が一段と進む余地は小さくない。短期的に(リーマン・ショック後の円高値である)1ドル=84円台まで円高が進むとみており、輸出企業の第2四半期以降の業績悪化への警戒感が高まる。為替と日経平均先物のアービトラージ取引を手掛けるヘッジファンドのCTA(商品投資顧問会社)による売買の影響を強く受けており、ドル売りと日本株売りの同時進行が起きやすい点も見逃せない」
「米ダウは25日線を上回ったものの、200日線で跳ね返された格好。景気に対する信頼感が足りないだけに、まだ長期線を越えて上値を追うのは早いといえる。当面は何らかの景気対策を見極めることになろう。円高や景気に対する不安が高まるなか、日本も日銀が量的緩和に動くのか、菅政権が財政規律より景気を重視するのかを催促する相場となっている。第3週は日経平均9300円台のチャート上の窓(空白)を埋める動きとなりそうだ。ただ金利差や経済状況から判断して円高がさらに進むとは予想しづらいうえ、日銀が動く可能性も高いとみており、下値の堅さを確認した後は1万円まで反発する余地も残されている」 記事:東京 常冨浩太郎 Kotaro Tsunetomi PR |
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